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長期間浮気の本気度|浮気の平均期間は?同じ相手と続いている長期間の浮気の結末は?

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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一度や二度の浮気であれば、「魔が差した」「一時的な気の迷い」と言えるかもしれません。ですが、同じ浮気相手と何ヶ月、あるいは何年も関係が続いているとなれば話は別です。「もしかして本気なのでは?」「いずれ離婚して浮気相手と再婚するつもりでいるのでは?」と疑いたくなるのも無理はないでしょう。

実際、浮気が長期間に及ぶ場合、それは単なる遊びではなく、「本気」であることが少なくありません。

では、長く続いている浮気は、どこまでが「本気」と判断できるのでしょうか。浮気相手と継続的に連絡を取り合い、日常的に会い、誕生日や記念日を祝うような関係にまで発展している場合、その関係性はもはや単なる火遊びとは言えません。浮気相手との間に強い情が生まれ、すでに配偶者よりも浮気相手を優先している可能性があります。

浮気期間が長期にわたれば、それだけ離婚・再婚のリスクのある「本気度」が高い可能性が考えられるのです。

さて、この記事では、長期間にわたって浮気をする心理的要因や、浮気の平均期間について解説し、本気度が高いケースに見られる共通点、そして実際にどのような結末を迎えることが多いのかについても探っていきたいと思います。

「これは一時的な浮気なのか、それとも夫婦としてやり直せないほど本気なのか」と不安を抱えている方にとって、冷静に状況を見つめ直すための判断材料となりましたら幸いです。

長期間浮気する人の本気度は?

それでは、同じ浮気相手と長期間にわたって不貞関係を続ける配偶者は、一体どういった心理状態なのか、代表的なものを確認しておきましょう。

長期間浮気を続ける心理とは

浮気とひとことで言っても、その背景にある心理はさまざまです。特に、同じ相手と長期間にわたり不貞関係を続ける場合、一時的な気の迷いや軽率な出来心ではなく、より大きな感情が要因となっていることが少なくありません。それがいわゆる、「本気の浮気」などと言われる状態です。

ですが、配偶者との離婚・浮気相手との再婚を考えるほど本気ではないが、長期間にわたって浮気を続けている、というケースもあります。

 

以下では、長期間浮気する人の本気度に関して、どういった心理状態で浮気を継続するのか、あるいは浮気を長期間継続していても、本気ではないケースはどういった心理状態なのかを見ていきたいと思います。

 

長期間浮気する人の本気度は?

 

① 配偶者への愛情や信頼が薄れ、心が浮気相手に向いている

長期間にわたって浮気を続ける人の多くは、すでに配偶者への愛情や信頼が揺らいでいます。日々の生活の中で「わかってもらえない」「大切にされていない」と感じることが積み重なると、次第に心の拠り所を家庭の外に求めるようになります。

そうして、気持ちの拠り所を浮気相手に見出すことで、次第に興味・関心がそちらへと傾き、家庭よりも浮気相手との関係に重きを置くようになってしまうのです。

② 浮気相手に依存している

特定の浮気相手との不貞関係が長く続くのは、単なる欲望や刺激のためではなく、強い情や愛着が生まれているからです。浮気相手と過ごす時間が増えるにつれて「一緒にいたい」「大切にしたい」という気持ちが強まり、生活の一部として欠かせない存在になっていきます。

さらに、夫婦の間では解消されない不満を受け止めてもらえることで、「この人だけは自分を理解してくれる」と思い込むようになります。浮気相手が心の支えとなり、依存的な関係へと深まっていくと、別れた方がよいと頭では理解していても、情や依存心がそれを許さず、関係を断ち切ることが難しくなるのです。

③家族ではなく浮気相手との関係に安らぎや満足を見出している

夫婦関係の中で安心感や満足感を得られなくなると、人はその不足を外の関係で補おうとします。特に、浮気相手が優しく接してくれたり、自分を理解しようとする姿勢を見せてくれたりすると、その存在は心の拠り所になりやすくなるでしょう。

家庭では疲れがたまり、会話も少なく、感謝やねぎらいの言葉もない。そんな日々の中で、浮気相手が親身にねぎらってくれたり、共感してくれたりすると、「この人と一緒にいる方が落ち着く」「家庭に帰るよりも気持ちが楽になる」と感じるようになっていきます。

浮気相手との関係で安らぎや満足感を得られることで、浮気が長期間にわたって継続されることになってしまうのです。

④ 配偶者との関係・将来に希望を持てない

長期間にわたって浮気関係が続く背景には、そもそも配偶者との関係に希望が持てなくなっているという心理もあります。

何度話し合いを重ねても夫婦関係が改善される兆しが見えず、「どうせ何を言っても変わらない」「もうやり直す気力もない」と感じるようになると、次第に心は外に向いていきます。

特に、家庭内での会話が表面的なやり取りにとどまり、配偶者との間で信頼関係を築くことができない状態が続くと、「このまま一緒にいても幸せにはなれない」という思いが強まっていきます。

その結果、浮気相手との関係が逃げ場となってしまい、家庭よりも浮気相手を優先するようになり、「本気」になってしまうのです。

⑤ 浮気相手との再婚を本気で考えている

浮気関係が長く続いている場合、その関係が単なる一時的なものではなく、本気で浮気相手との人生を考えている可能性があります。

はじめは遊びのつもりだったとしても、浮気相手と過ごす時間が長くなるにつれて、「この人となら新しい人生をやり直せるかもしれない」「いずれは一緒に暮らしたい」といった気持ちが芽生えてくるのです。

特に、配偶者との関係がすでに破綻しているような場合には、浮気相手との再婚を真剣に考えるようになるのも珍しくはありません。

浮気相手との再婚を真剣に考えるようになると、その気持ちや覚悟が、より浮気相手との関係を継続させる心理的な原動力となるのです。

⑥ 関係を終えた後の孤独感や喪失感を恐れている

浮気相手との関係が長く続く理由のひとつに、「この関係が終わったら、自分はどうなってしまうのか」という強い不安があります。

浮気相手との関係が日常生活の一部になっている場合、それを手放すことは、心の支えを失うことと同じ意味を持つことになるのです。

特に、夫婦関係が冷え切っていたり、家庭内で孤独を感じていたりする人にとっては、浮気相手が唯一のつながりだと感じることも少なくありません。「別れた方がいいのかもしれない」と頭では分かっていても、実際に関係を終わらせることを想像すると、強い孤独感や喪失感に襲われてしまい、浮気相手との関係を続けてしまうのです。

⑦ 自分の行動を「本気の恋愛だから仕方ない」と正当化している

浮気が長期間にわたって続いている場合、自分の行動に対して罪悪感を持たないよう、無意識のうちに理由をつけて納得しようとする心理が働いていることもあります。

その中でもよく見られるのが、「これは本気の恋愛だから仕方がない」「本当に愛している人と一緒にいるだけだ」という正当化です。

このような思考が強まっていくと、たとえ配偶者や周囲に対して後ろめたさを感じていたとしても、「自分は悪くない」「愛に正直なだけだ」と考えるようになり、浮気をやめる必要性を感じなくなっていくのです。

そして、客観的な判断力を失い、自分の行動そのものに疑問を持たなくなってしまうこともあります。

浮気相手との関係を長く続けている人の中には、このようにして、自分の中の価値観や倫理観そのものを書き換えてしまっているケースもあるのです。

⑧ 浮気相手との身体的な相性がよく、惰性的に続いている

浮気が長期間にわたって継続していても、そこに明確な恋愛感情や将来への展望があるとは限りません。

中には、浮気相手との身体的な相性がよく、情が伴わないまま関係だけが惰性で続いているケースも存在します。

最初は一時的な関係のつもりでも、身体の関係が繰り返されることで、特に深く考えることもなく、気づけば関係が数ヶ月、あるいは数年続いてしまっていることがあります。浮気相手と特別な未来を描いているわけではなく、感情面でも依存していない。けれども、関係を終わらせる明確な理由もなく、そのまま関係が続いてしまうのです。

このような場合、浮気相手に対する「本気度」は必ずしも高いとは言えず、関係そのものが惰性や習慣のように続いているにすぎない可能性があります。

⑨ 新たに別の相手を探すことに心理的・物理的な負担を感じている

浮気相手に対して強い愛情を抱いているわけではないものの、新たに浮気相手を探すことに負担を感じる場合、今の関係を続けてしまう、というケースもあるようです。

浮気相手との関係に大きな不満があるわけではないが、積極的に続けたいという気持ちもない。かといって、配偶者以外の異性と男女関係にありたいので、不貞をやめる気持ちもない。

そうした「現状維持」の心理が働き、浮気相手に対して本気ではなくとも、関係が長期化することがあるのです。

⑩ 浮気相手に対して強い感情はないが、相手が離れることを拒んでいる

浮気相手に対して、自分自身は強い感情を持っていないものの、相手の方が関係を終わらせることを強く拒んでおり、関係を断ち切れずにいるというケースもあります。

「一方的に別れを告げれば相手を深く傷つけてしまうのではないか」「強く拒絶すれば、トラブルになるかもしれない」といった不安から、関係を終わらせる決断ができず、曖昧なまま関係を続けてしまうのです。相手の気持ちに配慮するあまり、自分の本心とは裏腹に関係を維持してしまっている状態とも言えます。

このようなケースでは、浮気相手に対して本気になっているわけではなく、むしろ「どうしたら関係を穏便に終わらせられるか」と思っている人もいるようです。

浮気の平均期間は?

浮気がどのくらいの期間続くのかはケースによって異なりますが、一般的には半年から1年程度がひとつの目安とされています。

ただし、これは短期間で終わる浮気と、長期間にわたって続く浮気の両方を含めたうえでの平均であり、あくまでも傾向にすぎません。

たとえば、軽い気持ちで始まった浮気であれば、数ヶ月ほどで自然に終わることもあります。

一方で、浮気相手との再婚を考えるほど本気になっている場合や、配偶者との関係が深刻に悪化しているような場合は、2年、3年、あるいはそれ以上の長い期間にわたって関係が続いている例もあります。

ただし、浮気の期間が長いからといって、必ずしも本気とは限りません。前述した通り、関係が長期化していても、惰性で続いているケースや、終わらせるタイミングを失ってしまっているだけのケースもあるからです。

浮気の本気度を見極めるには、単に期間の長さだけで判断するのではなく、関係の深まり方や行動の変化なども含めて、冷静に判断することが重要です。

長期間浮気の結末

さて、長期間にわたって浮気をした場合、どういった結末が考えられるでしょうか。

配偶者とすでに関係が破綻しており、離婚・浮気相手との再婚がスムーズに成立する場合もあれば、配偶者から慰謝料を請求される場合もあります。また、浮気相手と再婚しても、夫婦としてうまく関係を維持していけるとは限りません。

 

中でも、法律上避けて通れないのが、慰謝料の請求です。浮気が民法上の「不貞行為」に該当すると判断された場合、不貞行為は不法行為に該当するため、配偶者には精神的損害に対する賠償を請求する権利が生じます(民法第709条)。

(不法行為による損害賠償)
民法第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

また、浮気相手についても、既婚者であることを知りながら不貞関係を継続していた場合には、共同不法行為として損害賠償責任が問われることになります(民法第719条)。つまり、浮気された配偶者は、浮気した配偶者だけでなく浮気相手に対しても慰謝料を請求できるのです。

(共同不法行為者の責任)
民法第719条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。

特に、浮気の期間が長期間にわたっている場合には、配偶者が受けた精神的苦痛も深いものと評価されやすく、慰謝料の金額が高額になる傾向があります。

また、浮気が離婚の原因となった場合には、慰謝料請求に加えて、財産分与(民法第768条)、年金分割、親権、養育費、面会交流など、さまざまな法的手続きが発生します。

こうした手続きは、浮気をした側にとっては大きな法的・経済的負担となるでしょう。

 

さらに、仮に浮気相手と再婚できたとしても、関係が長続きするとは限りません。浮気という経緯を経て始まった関係には、不信感や倫理的な葛藤が残ることもあり、価値観のズレや生活リズムの違いが表面化し、短期間で破綻するケースも少なくないのです。

 

長期間浮気の結末

 

このように、浮気を長期間続けると、法的トラブルを生じさせるだけでなく、配偶者・家族・周囲との人間関係や、その後の生活にも大きな影響を及ぼすことになります。

安易な選択の積み重ねが、取り返しのつかない結末となりかねないのです。

長期間浮気の本気度に関するQ&A

Q1.浮気の期間が長ければ、必ず本気と判断できますか?

A:必ずしもそうとは限りません。関係が長く続いていても、惰性や依存、関係を断ち切れない事情などが背景にある場合もあります。期間の長さだけで本気と断定することは避け、関係の深さや行動の変化も含めて総合的に判断する必要があります。

Q2.長期間にわたって同じ相手と浮気をしている場合、本気の可能性は高いですか?

A:はい、同じ浮気相手と関係が長く続いている場合は、本気である可能性が高いと言えます。

特に、日常的に連絡を取り合っていたり、会う頻度が高かったり、配偶者よりも浮気相手との時間を優先するようになっている場合は、気持ちがすでに浮気相手の方に傾いている可能性もあります。

ただし、単に関係が長期化しているというだけでは断定できません。惰性や依存、その他さまざまな事情から、本気ではないのに続いているという可能性もあるからです。

Q3.浮気相手と将来について話していたら、それは本気と言えますか?

A:浮気相手と将来の話をしている場合、本気である可能性は十分に考えられます。ただし、将来についての話をしていたとしても、それが口だけで、行動が伴っていないケースもあります。たとえば、離婚の話が何年も進んでいない、具体的な準備をしていないといった場合には、本気とは言い切れません。

まとめ

本記事では、長期間にわたって浮気をする人の本気度について、弁護士が解説させていただきました。

浮気の関係が長期化している場合、それが単なる気の迷いではなく、本気である可能性が高いケースもあれば、依存や惰性、打算的な心理によって続いているにすぎないケースもあります。

期間の長短だけで本気度を判断するのは早計です。浮気相手との関わり方や、配偶者への態度、言動の変化など、さまざまな要素を丁寧に見極める必要があります。

また、浮気が長期間にわたっていた場合、離婚や慰謝料請求といった法的な問題に発展する可能性も高くなります。とくに、精神的苦痛の大きさや悪質性が問われるケースでは、賠償金額が高額になることもあるため、冷静な対応と早めの相談が重要です。

浮気が続いている状況に不安を感じている方、配偶者の本気度を見極めたいと考えている方は、感情的にならず、まずは事実を整理することから始めてみてください。そして、必要に応じて、法律の専門化に相談していただくことをおすすめいたします。

弁護士法人あおい法律事務所では、浮気や不貞慰謝料に関するご相談をお受けしております。弁護士による法律相談は、初回無料で行っておりますので、ぜひお気軽にご利用いただければと思います。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

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