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離婚の切り出し方の例文|離婚したいと手紙やラインで伝える場合の文例は?

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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当サイトでは、離婚に関する法的な知識を分かりやすくお届けしております。皆様のお悩みの解消に少しでもお役立ちできましたら幸甚です。

離婚の話の切り出し方については、どのように切り出すべきかお悩みの方も少なくないかと思います。
また、近年はLINEなどのメッセージアプリも普及していることによって、切り出し方の手段も多種多様になってきました。
ですが、どの手段を利用する場合でも、共通して気を付けなければならない話の切り出し方のポイントがあります。

この記事では、効果的な離婚の話の切り出し方と、その際に役立つ具体的な例文をご紹介します。夫から切り出す場合と、妻から切り出す場合のコツや、手紙・メール・LINEといった手段による表現方法の例文、性格の不一致や「好きな人ができた」などの離婚の理由別の切り出し方など、具体的なケースを例に解説していきたいと思います。
離婚を切り出す方法として、具体的な例文を通じて、離婚の話の切り出し方のポイントや注意点などを見ていきましょう。
本記事の例文が、ご参考になりましたら幸いです。

目次

離婚の切り出し方の例文

離婚の話の切り出し方としては、直接対面して口頭で切り出す方法の他に、電話、手紙、メール、LINE(ライン)などのメッセージアプリを使う方法も考えられます。
これらの5つの切り出し方について、その特徴やメリットを簡単にご説明いたします。また、それぞれのケースの例文も掲載しておりますので、ご参考までにご一読ください。

1.口頭

口頭での切り出し方は、お互いの気持ちを直接伝えるのに適しています。面と向かって話すことで、言葉のニュアンスや声の調子、表情やリアクションを通じて、感情をより深く伝えることも、理解することもできます。
口頭で離婚を切り出すと、文章だけでは伝わりにくいニュアンスなどを伝えることができるメリットがあります。

例文①
ずっと考えてきたんだけど、お互いのためにも、離婚した方がいいと思っています。

例文②
私たちの将来について真剣に考えた結果、離婚するのがいいと思ったのだけど、あなたはどう思う?

例文③
長い間考えてきたけど、お互いの幸せのためには、離婚して別々の道を歩むことが良いのかもしれないと思っています。

2.電話

電話による離婚の切り出しは、夫や妻と対面せずに、相手の反応を確認できることがメリットです。
特に、夫や妻に直接会うのが難しかったり、対面で話すと緊張して、結論をしっかりいうことができない場合に適しています。
声のトーンや反応の速さで、相手の感情を読み取ることが可能ですが、一方で、視覚的な手がかりは得られません。

切り出し方は、対面の場合と同様です。ポイントは離婚したいという結論を明示することです。また、相手の意思を尊重しているという姿勢を見せることや、離婚を考える原因が相手のせいだと言って非難しないことにも注意しましょう。

例文①
話があるの。離婚したいと思っているのだけど、あなたはどう思う?

例文②
私たちの将来について話し合いたいんだ。離婚という選択を考えてみてはどうかなと思っている。

例文③
離婚した方がお互いのためだと思うのだけど、君の意見が聞きたい。

3.手紙

手紙を使う離婚の切り出しだと、自分の気持ちや考えを時間をかけて整理して伝えることができます。感情を手紙にする過程で、自分の考えがまとまることもありますし、手紙を受け取った側も、離婚について時間をかけて考えることもできます。

他方で、手紙の文章だけでは感情がうまく伝わらなかったりして誤解して伝わることがある可能性もあります。
また、通常の郵便で郵送すると、手紙を受け取っていることがわからないこともあります。

例文①
長い間考えてきたけど、私たちの関係を見直す時が来たと思います。お互いの幸せを考えると、離婚したいと思っています。

例文②
私たちのことをじっくり考えた結果、離婚がお互いにとって最善の選択だと思います。この決断について、あなたの意見を聞かせてほしいです。

例文③
心苦しいけれど、お互いの将来を考えると、離婚を提案することにしました。この決断に至った理由を手紙に綴ります。

4.LINE(ライン)

LINE(ライン)などのメッセージングアプリを使用する離婚の切り出し方は、手軽さと既読確認の機能が特徴です。気軽にメッセージを送れ、相手がメッセージを読んだかどうかが分かります。
しかしこの切り出し方は、重要な話題を伝えるには、その手軽さがかえって、「本気じゃなさそうだ。」と思われてしまうこともあります。
感情のニュアンスが伝わりにくい点も、考慮する必要があるでしょう。

例文①
真面目な話があるんだけど、離婚について話し合う時間を作れないかな?

例文②
最近、私たちの関係について考えていて、離婚という選択を考えるべきかもしれないと思ってる。感じ方を聞かせてほしい。

例文③
話があるんだ。離婚について考えてみた方がいいかもしれないと思っているんだけど、いつ話せる?

5.メール

メールを用いる切り出しだと、文章の推敲が手軽にできるという利点があります。
メールで送る場合には、書き直すことが簡単なので、メールを打っている間にも思考を整理することができますから、改めて思ったことを挿入したりすることが非常に簡単です。

一方で、こちらの切り出し方も、相手にメールが届いたのか、いつメールを閲覧したのか、といったことが分かりません。自分自身の筆跡もないため、感情や考えが伝わりづらいというデメリットもあります。

例文①
私たちの関係について長く考えてきたんだけど、離婚を提案したいと思っています。このことについて、あなたの考えを教えてくれませんか?

例文②
お互いのことを思うと、離婚という選択も視野に入れるべきかもしれないと感じています。あなたの意見を聞きたいです。

例文③
私たちの未来について、離婚を考慮することを提案します。じっくりと考えた上で、あなたの意見を聞かせてください。

離婚を切り出す方法

離婚の切り出し方の例文(理由別)

さて、離婚の理由は夫婦によってさまざまなものがあります。ここでは、代表的な離婚の理由や夫婦の状況に応じて、次の通り、離婚の話し合いの切り出し方のポイントと例文をご紹介いたします。

  • 離婚理由「性格の不一致」による離婚の切り出し方の例文
  • 離婚理由「夫や妻のモラハラ」による離婚の切り出し方の例文
  • 子供がいる場合の離婚の切り出し方の例文

離婚理由によっては、慎重な伝え方が求められますので、こちらの例文がご参考になれば幸いです。

1.性格の不一致の場合の例文

性格の不一致を理由にする離婚は、相手に具体的な非がないため、理由が不明瞭になりがちです。
そのため、離婚の切り出し方としては、どのような問題点があって婚姻関係を続けることが困難だと感じたかを具体的に伝えることが効果的です。

例文①
最近、私たちの関係を考えていたんだけど、特に子供の教育方針に関して意見が合わないことが多くて、これから一緒に夫婦として協力していけるか不安です。率直にいうと、離婚することも考えています。私の言いたいことをメモにまとめたので、読んでみてください。

例文②
結婚してからの生活で、私たちの価値観が違うことがあって、たびたび衝突しているように思います。たとえば、お金の使い方や将来の計画について、価値観が一致しないことが多いと感じています。これからお互いの価値観が合わないまま生活を続けることは難しいと思っていて、離婚することも選択肢に入れて話し合いをしたいです。

例文③
私たちの趣味や興味があまりに合わないことがお互いの気持ちのすれ違いにつながっていると感じています。共通の話題も少なく、一緒に楽しむ時間も減ってきていると思います。このままでは離婚についても考えないといけないと思っていて、今後の関係にとって重要な問題だと思うから、よく話し合いをしたいです。あなたの考えを、手紙やメールでもいいので教えてください。

例文④
お互いの生活習慣の違いが、毎日のストレスの原因になっていると感じています。たとえば、朝早く起きることや食事の習慣など、基本的な生活習慣が合いません。最近、口論になることが多くなったと思うけれど、生活習慣の違いが私たちの関係を難しくしていると感じています。お互いのためにも、離婚を考えてみてはどうでしょうか。

2.モラハラの場合の例文

モラハラを理由に離婚を切り出す際は、特に注意が必要です。基本的には、ご自身だけで離婚話をしないことをおすすめします。

二人きりでの話し合いは避け、第三者がいる環境で、または電話、メール、手紙を用いて、落ち着いて離婚の話を切り出すことが重要です。必要であれば、弁護士を代理人として用いることも考慮しましょう。

モラハラの具体的な行為とその影響を冷静に説明し、加害行為を否定されることに備えて、病院の診断書、カウンセリングの受診履歴、暴言の録音などの証拠を準備しておくことが望ましいです。ただ、証拠を準備したとしても、ご自身だけで、相手に対して証拠をつきつけることとは控えるべきです。さらなる加害が起きうるからです。モラハラをする相手に対しては、基本的には弁護士を介して離婚協議をすることをおすすめします。

万が一、離婚をご自身で切り出したいとお考えの場合には、メールやライン、手紙などで離婚意思を伝えるようにして、直接での話合いは避けた方がよいです。

例文①
最近、あなたと離婚することを真剣に考えています。あなたの言動がモラハラにあたると感じており、これが私の体調不良の原因になっています。私の考えや率直な気持ちをメールで送るので、目を通して考えてみてください。

例文②
これからの私たちの関係について話したいことがあります。あなたの言動の一部がモラハラと感じられて、それが私にとって非常に辛いです。子供たちにも良くない影響を与えていると思います。この状況を改善するためにも、離婚を提案したいと思っています。

例文③
あなたの言葉や態度が、私にとって精神的な負担になっています。無視するとか、怒鳴るなどの行動はモラハラに当たると聞きました。このままの夫婦関係を続けることは難しいです。なので、離婚について話し合いをしたいと思っています。

例文④
あなたの行動や言葉が、私からすると、深刻なモラハラであると感じています。この診断書にある通り、実際に精神的にも身体的にも、影響が出ています。これ以上、婚姻関係を続けることは難しく、離婚を検討しています。

3.子供がいる場合の例文

子供がいる場合の離婚の切り出し方では、子供の利益を最優先に考えることが重要です。離婚は、大人だけでなく子供にも影響を及ぼすため、子供の感情や将来に配慮して話し合いを進めていかなければなりません。
また、話し合いを切り出す際は、子供のいる場を避けるようにしましょう。

例文①
これまで私たちの関係について真剣に考えてきましたが、離婚が最善かもしれないと思っています。子供たちにとっても良い環境を考えると、この決断に至りました。子供たちの親権なども話し合わないとならないので、週末に話し合いませんか。

例文②
最近、私たちの関係と子供たちの将来について考えていて、お互い別々の道を選ぶべきかもしれないと感じています。子供たちのためにも、どうすることが最良かを考えたいです。

例文③
私たちの関係が子供たちに及ぼす影響を考えると、離婚するのが良いと思います。子供たちの養育や、離婚後の生活について話し合いましょう。私からの要望は、この手紙に書いてあるので、まずは読んでください。

例文④
離婚について話がしたいです。子供の前で夫婦喧嘩が多く、このままの関係が続けば、子供にとって悪い影響しかないと思っています。離婚の話し合いをしながら、養育費や親権についても決めたいので、時間を作ってほしいです。

ポイントは「冷静に切り出す」こと

夫から妻へ離婚の話し合いを切り出す場合も、妻から夫へ離婚の話し合いを切り出す場合でも、重要なのは「冷静」でいることです。
特に、突然夫や妻から離婚したいと切り出された側としては、寝耳に水のことに驚いてしまい、すぐには離婚条件について話し合いを進めていくことはできません。離婚を切り出された側が感情的に反発することも想定されます。

そうした時に、離婚の話し合いを切り出した側も感情的になってしまうと、離婚の話し合いは進んでいきません。
常に冷静であることを心がけ、使う言葉はその場の勢いではなく、慎重に考えて選びましょう。
また、夫から妻へ離婚を切り出す場合と、妻から夫に対し離婚を切り出す場合とで、次の通り、意識していただきたいポイントがあります。

夫から妻へ切り出す時のポイント

夫と比較して妻の収入に差があるようなケースを念頭に解説します。この場合、妻の感情と経済的立場を深く理解し、特に専業主婦やパート労働をしていた妻について、離婚後の生活への影響を考慮することが重要です。
離婚の話し合いを切り出す際にも、夫から妻へ「離婚後の経済的自立のサポートを約束すること」などして少しでも経済的な負担を軽減させることなど提案をすることで、離婚の話し合いについても前向きになってもらえるかもしれません。

妻から夫へ切り出す時のポイント

妻が離婚を切り出す際には、経済的な自立の準備が必要となることが多いです。そのため、離婚時の財産分与、離婚慰謝料、子供の養育費などの確保が重要です。
事前にこれらの条件を整理し、離婚を切り出す時に慌てずに済むよう、しっかり準備しておきましょう。
感情的にならずに、冷静に離婚意思を伝えることが必要です。夫に不法行為がある場合は、証拠を収集し、裁判に持ち込む可能性も伝えつつ、話し合いを進めることが効果的です。

夫や妻に不倫やモラハラといった不法行為がある場合、つい冷静さを失って、相手を責めてしまいがちですが、落ち着いて、冷静に話し合いを進めるように注意しましょう。相手の行為を非難すると、それに反抗して態度が硬化してしまうことが多く、離婚協議の場に悪影響を及ぼします。責め立てず、冷静に離婚の話を切り出すようにしてください。

離婚の話の切り出し方については、こちらの関連記事もご一読いただけますと、より一層理解が深まることと存じます。

別居の切り出し方の例文

率直に離婚を提案するのではなく、冷却期間を置くためにも、まずは別居をしたい、と切り出したい方もいらっしゃるかと思います。その際に、どういった理由で離婚を考えているのかということ、この別居が離婚を前提したものであるということについて、明確に伝えておくことをおすすめいたします。
別居の切り出し方のポイントと例文は、次の通りです

別居の切り出し方のポイント

  • 離婚を前提とした別居を切り出す際には、冷静で明確なコミュニケーションを心がけ、離婚に向けた別居であることを明確に伝えることが重要です。
  • 具体的な理由を提示し、別居期間中の生活設計を示すことで、相手に対する配慮を示しましょう。
  • 相手の意見や感情を尊重し、離婚や別居についての意見を聞く機会を設けるようにしましょう。
  • 別居中にも相手と連絡を取れる状態にしておきましょう。

例文①
私たちの関係についてじっくり考えた結果、一度距離を置くことが必要だと感じています。離婚を前提とした別居を提案したいと思います。別居をして私も冷静になって、お互いの気持ちや将来について考える機会を持ちたいです。

例文②
最近の私たちの関係を見ると、一時的に別々に暮らすことが、お互いにとって良い選択だと思います。離婚することも視野に入れながら、別居を提案したいです。この期間を使って、私たちの関係と今後について冷静に考えたいです。別居中は、上の子供は学校があるのでこのままあなたと生活して、下の子は私が面倒を見た方が良いと思うけれど、どうでしょうか。考えを聞かせてください。

例文③
私たちの現在の状況を考えると、離婚に向けて別居することが最善だと思います。この別居期間を通じて、私たちの関係や個々の幸せについて深く考える時間を持ちたいと思います。お互いにとって最良の決断を下すためにも、この提案を検討してほしいです。

離婚の切り出し方に関するQ&A

Q1.相手が受け入れやすい離婚の切り出し方の例文を教えてください。

離婚の話の切り出し方を間違えてしまうと、相手の態度が硬化し、話し合いが進まなくなってしまうことが懸念されます。
そこで、離婚の切り出し方において、相手の感情を配慮することが重要です。たとえば、次のような例文が考えられます。
「私たちの関係について冷静に話し合いたいと思っています。最近の状況を見ると、離婚を考えるべきかもしれないと感じています。簡単な話ではないので、あなたの意見も聞きたいです。あなたはどう思いますか?」

Q2.相手方配偶者が離婚に否定的な場合の切り出し方の例文は?

パートナーが離婚に否定的な場合の離婚の切り出し方は、慎重に検討しなければなりません。
この場合、次のような切り出し方の例文が考えられます。
「私たちの将来について、深く考えてみたいと思っています。現在の関係がお互いにとって最善かどうか、真剣に考える必要があると思っています。離婚は考えたくないことかもしれませんが、お互いの幸せのためには、この選択肢も検討する必要があると思います。あなたの考えを聞かせてください。」
この例文では、単に離婚を求めるのではなく、離婚を一つの選択肢として挙げ、夫婦関係を改善する可能性もあることを示したものになっています。

Q3.離婚の話の切り出し方法として、LINEやメールは有効ですか?

直接対面することが難しい状況や、相手に検討する時間を与えたい場合には、LINEやメールなどを使う方法が適しています。
これらの手段を使う利点は、自分の感情や理由を丁寧に伝えることができ、感情的な反応を避けられることです。

しかし、相手の反応を直接見ることができないため、誤解を招きやすいというデメリットもあります。そのため、LINEやメールで離婚を切り出す際は、送信する文章を慎重に考える必要があります。絵文字や顔文字を避け、適切な句読点を用いて読みやすくすること、そして何より相手を尊重する言葉選びが重要です。

まとめ

本記事では、離婚の切り出し方のポイントと例文について、弁護士がご説明させていただきました。
妻から夫へ、夫から妻へ離婚を切り出す際のポイントや、手紙やメールといった方法ごとの離婚の切り出し方の例文、離婚の理由別の切り出し方の例文についても、具体的に解説いたしました。
これから離婚を切り出そうとご検討中の方にとって、本記事の離婚の切り出し方の文例が、ご参考になりましたら幸いです。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。

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