養子縁組をしたら相続人になれる?!節税対策の効果やメリット・デメリットも

養子縁組を行うと、養子は養親の子となるため、養親が亡くなった際には、実子と同様に、相続人として財産を相続する権利を有します。しかし、養親に実子がいる場合、相続関係がより複雑になり、法定相続人としての位置づけや相続分に細心の注意が必要です。
この記事では、養子縁組が相続に及ぼす影響と、節税対策として検討する場合のメリット・デメリットを解説します。養子縁組や相続税対策を検討している方は、制度の概要と注意点を確認する際の参考にしてください。
目次
養子縁組をすれば実子と同じく相続権をもつ!
養子縁組が成立すると、養子は養親との間で法律上の親子関係を有し、相続では実子と同様に扱われます。具体的には、養子は法定相続人としての地位を確立し、実子と同様に財産相続の権利を有することになります。これは、養子が血縁関係にはないものの、法的には完全な親子関係が認められているためです。
養子は相続順位第一位の法定相続人である
養子は、被相続人の子として第一順位の法定相続人になります。実子と養子の法定相続分に差はありません。相続の際には、配偶者も必ず法定相続人となるため、配偶者と子どもたちが主な相続人となります。
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第一順位 |
被相続人の子(実子・養子)。なお子が相続開始以前に死亡している場合などには、その子が代襲相続人となります。 |
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第二順位 |
被相続人の直系尊属(両親や祖父母) |
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第三順位 |
被相続人の兄弟姉妹 |
法定相続分(相続割合)も実子と同じ
養子縁組を行った家庭では、養子も実子も区別なく財産を相続する権利を有します。具体的には、配偶者と子どもが相続人である場合、配偶者は遺産の2分の1を相続し、残りの2分の1はすべての子どもが等しい割合で相続します。
たとえば、遺産が総額3,000万円の場合、配偶者には1,500万円が、子どもたちには残りの1,500万円が分配されます。子どもが実子2人と養子1人の3人いる場合、それぞれの子どもには500万円ずつが平等に分けられることになります。
実親の相続人にもなれるのは普通養子縁組のみ
養子縁組には2種類ある
養子縁組には、異なる法的特性を持つ「普通養子縁組」と「特別養子縁組」という2種類が存在します。これらの違いは、実親との法的関係や相続の権利に大きく関連しています。
まず、「普通養子縁組」は、養子となっても実の父母との関係が維持されるため、養子は実父母と養父母の両方から相続権を持つことができます。これにより、普通養子は実親の財産も養親の財産も相続する可能性があります。普通養子縁組は、原則として市区町村に届出をすることで成立します。ただし、未成年者を養子にする場合などには、家庭裁判所の許可が必要となることがあります。
特別養子縁組した養子は実親の相続人になれない
一方で、「特別養子縁組」は、主に子どもの福祉を最優先とするケースで適用されます。特別養子縁組が成立すると、養子と実父母との親族関係は終了するため、養子は実父母の相続人にはなりません。一方、養親との関係では実子と同様に扱われ、養親が亡くなった場合には法定相続人となります。特別養子縁組は、原則として実父母の同意を得た上で、家庭裁判所の審判により成立します。養親・養子の年齢要件や、原則6か月以上の監護期間なども必要となります。
このように、普通養子縁組と特別養子縁組は、その目的や手続きの違いだけでなく、相続における権利にも大きな違いがあります。普通養子縁組では、養子は実父母・養父母の双方の相続人となり得ます。制度の違いを理解した上で、家族関係や将来の相続への影響を踏まえて検討することが重要です。
以下の表に普通養子縁組と特別養子縁組の特徴をまとめました。
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普通養子縁組 |
特別養子縁組 |
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成立条件 |
養親となる者と養子となる者の意思に基づく届出。(未成年者を養子にする場合は、原則として家庭裁判所の許可が必要。ただし、自己または配偶者の直系卑属を養子にする場合などには例外がある。15歳以上は自己の意思で養子縁組可能。) |
家庭裁判所の審判により成立。原則として実父母の同意が必要。 |
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実親との関係 |
実親との親族関係が存続。 |
実親との親族関係が消滅。 |
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相続権 |
実親と養親双方に対して法定相続人になれる。 |
養親に対してのみ法定相続人になれる。 |
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要件 |
・養親:20歳に達していること。 |
・養親:養親のいずれかが25歳以上で配偶者は20歳以上の夫婦。 |
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戸籍の表記 |
戸籍の父母欄に実父母、養父母欄に養父母が記載され、続柄は「養子」「養女」と記載される。 |
養親の戸籍では父母欄に養父母が記載され、続柄は実子と同様に「長男」「長女」などと記載される。実父母の氏名は父母欄に記載されない。 |
法定相続人となれる養子の人数に制限はない
日本の民法では、養子縁組をする際にその数に制限は設けられていません。そのため、有効に養子縁組をした養子は、人数にかかわらず法定相続人となります。もっとも、相続税の計算では、法定相続人の数に算入できる養子の数に制限があります。
相続税の基礎控除額を計算する際は養子の人数に制限がある
相続税の基礎控除額は、課税価格の合計額から控除して課税遺産総額を計算するためのものです。基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。ここでの法定相続人の数には以下のような制限が設けられています。
- 被相続人に実子がいる場合:相続税の計算上、法定相続人の数に含められる養子は1人まで。
- 被相続人に実子がいない場合:相続税の計算上、法定相続人の数に含められる養子は2人まで。
この制限は、相続税の基礎控除額を不当に増やすことを防ぐための措置です。相続税法は、実子に対しては人数制限を設けていませんが、養子に関しては上記の制限を適用し、相続税の公平性を保っています。
生命保険金や死亡退職金の非課税限度額を計算する際にも、相続税の計算上の法定相続人の数を用います。そのため、養子が複数いても、法定相続人の数に算入できる養子の範囲には同じ制限が適用されます。
特別養子縁組による養子、被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子となった者などは、相続税の計算上、実子として扱われます。そのため、これらの者は、養子の人数制限にかかわらず法定相続人の数に含められます。
養子縁組は節税対策に有効?!相続におけるメリット
養子縁組の相続におけるメリットは主に以下の5つです。
①再婚相手の連れ子も実子と同等に財産を相続できる
養子縁組が成立すると、養子は実子と同じ法定相続分を有します。これにより、再婚家庭における連れ子など、法律上は直接の血縁関係がない子どもたちも、養子縁組を行うことで実子と同様の相続権を得ることができるのです。再婚した配偶者の子供がいる場合、彼らが法的に親子関係を持たない限り、自動的に相続権は発生しません。
ただし、養子縁組をすれば、連れ子は養親の法定相続人となり、養親の実子と同じ法定相続分を有します。
②法定相続人ではない人へ相続できる
たとえば、被相続人の孫が非常に身近に感じられる存在でありながらも、法定相続人ではない場合、通常は直接的な相続権はありません。しかし、養子縁組により、孫や子の配偶者などを養子とすれば、その者は養親の法定相続人となります。ただし、孫を養子にする場合には、相続税額の2割加算が適用されることがあるため、税務上の影響も確認が必要です。
③相続税の基礎控除額が増えるため節税になる
養子縁組が相続税の節税対策として有効と言われるのは、基礎控除額の増加による税負担を軽減できるからです。基礎控除とは、相続税の課税遺産総額を計算する際に課税価格の合計額から差し引く控除です。基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。養子縁組を行うことにより法定相続人の数が増えるため、結果的により大きな基礎控除額が適用され、課税対象となる遺産の金額が減少します。
例えば、法定相続人が1人の場合、基礎控除額は「3000万円+600万円×1人=3600万円」となります。しかし、養子を迎えることで法定相続人が増加すると、この控除額も大きくなります。例えば、被相続人に実子がいない場合は、相続税の計算上、養子2人までを法定相続人の数に含められます。法定相続人が1人から2人に増えれば基礎控除額は4,200万円となり、3人に増えれば4,800万円となります。
ただし、相続税法では養子の数に制限が設けられています。亡くなった人に実子がいる場合、法定相続人として数えられる養子は最大1人まで、実子がいない場合は最大2人までと定められています。この制限は、養子縁組を通じた過度な節税を防ぐために設けられており、基礎控除額の適用においてはこれを考慮する必要があります。
④生命保険金の非課税限度額を増やせるため節税になる
養子縁組が相続税の節税対策として有効と言われるのは、生命保険金の非課税控除額を増やすことができるからです。被相続人が保険料を負担していた死亡保険金等を相続人が受け取る場合には、「500万円×法定相続人の数」を限度として相続税の非課税措置が適用されます。この非課税控除額は、「500万円 × 法定相続人の数」で計算されるため、法定相続人の数が増えるほど控除額も大きくなります。
ただし、養子縁組を行う際は、節税対策のみならず他の法的な影響や道義的な責任が生じることも考慮する必要があります。養子縁組は身分関係や相続関係に継続的な影響を及ぼします。節税効果だけで判断せず、家族関係や将来の遺産分割への影響も踏まえて検討することが重要です。
⑤死亡退職金の非課税限度額を増やせるため節税になる
被相続人の死亡により支給される退職手当金等で、死亡後3年以内に支給額が確定したものは、相続税の課税対象となります。相続人が受け取る場合には、一定の非課税限度額が設けられています。
死亡退職金に適用される非課税限度額は、「500万円 × 法定相続人の数」と定められています。つまり、法定相続人の数が多いほど、退職金に対する非課税枠が広がることになります。この非課税枠の拡大により、相続税の課税対象となる死亡退職金の金額が減少し、結果として相続税の総額も低減されます。
しかし、養子縁組による法定相続人数の増加は、相続手続き全体に影響を与えるため、節税目的で養子縁組をする場合は慎重に検討するようにしましょう。
養子縁組の相続におけるデメリットと注意点
養子縁組の相続におけるデメリットと注意点は主に以下の6つです。
①遺産分割協議でトラブルになる可能性がある
実子が養子縁組の事実を知らなかった場合、本来予想していた相続分が減少することから、相続人間での意見の対立が生じやすくなります。このような状況は、相続手続きの長期化を招き、場合によっては遺産分割が合意に至らず手続きが完了できなくなる可能性があります。
トラブルを防ぐためには、養子縁組を行う前に、その意図や理由を実子を含む家族に説明し、理解を得られるよう努めることが重要です。さらに、遺言を通じて財産の分割方法を明確に示すことも有効です。これによって、相続時の不測のトラブルを避け、家族関係をより良好に保つことができます。
②孫を養子にした場合は相続税が2割加算される
養子縁組を通じて孫を養子とする場合、税法上のデメリットが存在します。一般的に、相続は親から子、そして子から孫へという順序で行われますが、被相続人の孫を養子にした場合、原則として、その孫養子の税額控除前の相続税額に20%が加算されます。ただし、その孫が代襲相続人となっている場合などには、2割加算の対象外となります。
これは、世代を飛ばして財産を移転することで相続税の課税を1回免れていることになるため、税負担の公平性を保つためです。したがって、孫を養子にする際には、この追加税金が発生することを予め理解し、相続計画において十分に考慮する必要があります。
③相続税が増えるケースもある
養子縁組が行われる際、意図せず相続税が増加する可能性がある点には注意が必要です。この現象は法定相続人の数が意外な形で減少するケースで発生します。例えば、被相続人に子や直系尊属がなく、兄弟姉妹も相続開始以前に死亡しているため甥姪が代襲相続人となる場合を考えます。このとき、甥姪の一人を養子にすると、その者が第一順位の法定相続人となり、相続人の構成が変わることがあります。この結果、法定相続人の総数が減少し、それに伴って相続税の基礎控除額も減少します。結果的に残された遺産に対する相続税の負担が増えることになるのです。
このように、養子縁組を行うことで相続人構成が変わり、税負担が増加するケースも存在します。相続計画を立てる際には、養子縁組の影響を全面的に検討し、予期せぬ課税が生じないように備えることが重要です。
④相続税対策のための養子縁組は否認される可能性がある
被養子を法定相続人の数に含めることにより相続税負担が不当に減少すると認められる場合には、その養子を相続税の計算上の法定相続人の数に含められないことがあります。節税効果のみを目的として養子縁組をする場合には、このようなリスクがあります。
養子を法定相続人の数に含められない場合には、相続税の基礎控除額や非課税限度額などの計算を見直す必要が生じます。申告内容によっては、修正申告、更正、加算税等の問題が生じる可能性があります。また、法的な手続きにおいて信頼性が損なわれることもあり、家族間のトラブルに発展する可能性も否定できません。
養子縁組による節税を考える際には、これらのリスクを十分に理解した上で、専門家にアドバイスを受けることが推奨されます。
⑤養子縁組を解消するのは難しい
養子縁組をした後に、被相続人と養子の間で関係が悪化し、最終的に遺産を譲渡したくないというケースもあります。このような状況に直面した場合、養子縁組の解消を検討されるかもしれませんが、これは決して簡単な手続きではありません。
養子縁組は、養親と養子が合意して離縁の届出をすることで解消できます。一方、合意が得られない場合には、民法で定められた離縁原因があるときに、家庭裁判所の手続を通じて離縁を求めることになります。時間と労力を要し、必ずしも希望通りに解決できるとは限りません。
また、特に注意が必要なのは、親が再婚してその配偶者の子を養子にした場合です。もし親とその再婚相手が離婚しても、養子縁組は自動的には解消されません。このため、再婚が破綻しても養子関係が継続することになり、相続の際には親族トラブルが生じる可能性があります。
⑥養子の子が代襲相続人になれない場合がある
養子縁組後に生まれた養子の子は、養子が被相続人より先に死亡した場合などには、代襲相続人となり得ます。一方、養子縁組前に生まれていた養子の子は、原則として、養子との関係を通じて被相続人の直系卑属とはならないため、代襲相続人にはなりません。これは、養子縁組が行われた時点で既に存在していた子は、被相続人と法的な血縁関係がないとみなされるためです。例えば、養子が縁組前に持っていた子供(孫①)は、その後の被相続人の死亡時には法定相続人とは認められないのに対し、養子縁組後に生まれた子供(孫②)は法定相続人になります。
このような状況を避け、養子の連れ子にも財産を残したい場合は、いくつかの方法が考えられます。例えば、連れ子と養子縁組を行い、法的な親子関係を確立することです。また、遺言書で連れ子に財産を遺贈する旨を定めることです。生前贈与を利用する方法もありますが、贈与税や相続税への影響を確認した上で検討する必要があります。
これらの手段により、養子の連れ子にも適切に財産が行き渡るようにすることが可能となります。
相続税対策のために養子縁組をするには?手続き方法
①相続税専門の税理士に相談する
まず、相続税の専門家である税理士に相談して、養子縁組が自身の状況で節税につながるかどうかを検討しましょう。養子縁組による節税効果は確実ではなく、他の非課税制度を利用した方が有利な場合もあります。また、養子が孫の場合は相続税が2割加算されるため、その点も詳しく試算してもらうことが重要です。
②養子縁組の届出に必要なものを集める
養子縁組の届出では、原則として養子縁組届と本人確認書類が必要です。未成年者を養子にする場合や、後見人が被後見人を養子にする場合などには、家庭裁判所の許可に関する書類が必要となることがあります。必要書類は当事者の状況や届出先により異なるため、事前に市区町村へ確認しましょう。
2024年3月1日以降、戸籍届出の際の戸籍証明書等の添付は原則不要となりました。ただし、必要書類は事案によって異なるため、届出先の市区町村に確認してください。届出自体は当事者が行えますが、要件の確認や相続・税務への影響の検討が必要な場合は、専門家への相談も検討しましょう。
③市区町村の役所に届け出る
最後に、準備した書類を持って、市区町村の役所に届け出ます。届け出は自身で行うことができ、通常は弁護士や他の専門家に依頼する必要はありません。届け出先は、養親または養子の本籍地、または住所地の市区町村役場になります。どの窓口に提出すれば良いかは、届け出先の市区町村によって異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。
養子縁組と相続に関するQ&A
Q1.孫を養子にする場合の相続における注意点は?
A1. 孫を養子にすることで、法的に第1順位の相続人となり、遺産の継承がスムーズに行われる可能性があります。しかし、この場合に問題となるのが相続税の2割加算です。一般的に、孫が直接相続人となる場合(代襲相続を除く)、相続税は2割加算されるため、税負担が増大します。遺言による遺贈で孫に財産を渡す場合であっても、2割加算の要件を満たすときは、加算の対象となります。孫に財産を移転する方法としては、暦年課税による贈与を含め複数の選択肢がありますが、贈与税や相続税への影響を比較した上で検討することが重要です。暦年課税では、受贈者が1年間に受けた贈与の合計額が基礎控除額の110万円以下であれば、原則として贈与税はかかりません。ただし、相続又は遺贈により財産を取得する者が被相続人から受けた贈与は、相続開始前の一定期間について相続税の課税価格に加算される場合があります。
贈与の時期や方法を含め、事前に税務上の取扱いを確認しましょう。
Q2.配偶者の連れ子を養子にした場合、その養子の子は代襲相続を行うことができますか?
A2. 配偶者の連れ子を養子にすることにより、その子は法律上あなたの子どもとして相続権を持つことができるようになりますが、代襲相続の資格については特定の制限があります。養子縁組後に生まれた養子の子は、養子が養親より先に死亡した場合などには、代襲相続人となり得ます。一方、養子縁組前に生まれていた養子の子は、原則として、養子との関係を通じて養親の直系卑属とはならないため、代襲相続人にはなりません。
Q3.養子縁組を行った場合、養子の法定相続人の地位はどのように変わりますか?
A3. 普通養子縁組を行うと、養子は法的に養親と実親の両方から相続権を持つことになります。これにより、養親または実親のいずれかが亡くなった場合、養子はそのどちらからも第1順位の法定相続人となります。例えば、養親に実子が1人と養子が1人いる場合、養親の遺産は実子と養子で均等に分けられ、それぞれが1/4ずつを相続します(配偶者が1/2を相続する場合)。
また、養子が亡くなり、配偶者や子がいない場合には、直系尊属が相続人となります。普通養子縁組では養親・実親がこれに含まれますが、特別養子縁組では実親との親族関係が終了しているため、実親は相続人になりません。直系尊属もいない場合には、兄弟姉妹が相続人となります。
このように、特別養子縁組は養親との関係においてのみ相続の権利が認められることになります。
まとめ
養子縁組を行うことは、相続計画において様々なメリットとデメリットをもたらします。法的に養子は実子と同等の法定相続人とみなされるため、養子縁組を通じて法定相続人の数を増やすことで、基礎控除額の増加による節税効果が期待できます。
養子縁組によって相続税計算上の法定相続人の数が増えれば、基礎控除額が増加する場合があります。ただし、算入できる養子の人数には制限があります。養子縁組により相続人の構成や法定相続分が変わるため、既存の相続人との間で遺産分割をめぐる意見の対立が生じる可能性があります。そのため、養子縁組を検討する際には、全ての家族と十分な対話を行い、相続におけるプラス面とマイナス面をしっかりと理解することが不可欠です。
また、相続における養子の扱いについて不明瞭な点や疑問が生じた場合は、専門知識を持つ相続の専門家に相談することをお勧めします。専門家に相談することで、適切な法的アドバイスを受け、トラブルを未然に防ぐ助けになります。
この記事を書いた人
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。




