浮気調査【完全版】夫の浮気を調査する方法は?探偵に頼む?自分でできる?

最近、夫のスマートフォンを肌身離さず持ち歩くようになった。帰宅時間が遅くなり、理由を聞いても曖昧な返事しか返ってこない。休日も家族よりスマホ画面を見つめる時間が増え、どこか上の空。
これは浮気をしているかもしれない、という不安を抱えながら、確証を持てずに過ごしてはいないでしょうか。
とはいえ、浮気を疑ったときに何から手をつければいいのか、夫にバレないように証拠を掴めるのか、悩んでしまってなかなか行動に移すことができない人も少なくないかと思います。
そこでこの記事では、夫の浮気調査をするにあたってどのような方法があるのか、弁護士が解説させていただきます。探偵や興信所といった専門家に頼んだ場合の浮気調査のやり方や、自分で浮気調査する場合の方法と注意点について、わかりやすくご説明いたします。
浮気調査をご検討している方に、本記事が少しでもご参考となりましたら幸いです。
目次
浮気調査
夫の浮気調査の方法
夫の浮気を疑ったら、本当に浮気をしているのかをまず確認しなければ落ち着きませんよね。そして、浮気していることが確認できたなら、慰謝料請求や離婚の話し合いに備えて証拠を揃えておきたいところです。
さて、実際に夫の浮気調査をするには、主にどのような方法があるのでしょうか。
①探偵・興信所に頼む
探偵や興信所は、浮気調査の方法として真っ先に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
調査対象者である夫の行動を記録し、尾行や張り込みをして写真や動画を撮影し、調査報告書を作成する、というのが一般的な内容です。
自身で調査することが難しい場合や、客観性の高い証拠が求められる状況においては、有力な選択肢と言えるでしょう。調査内容によっては費用が高額になることもあるため、依頼する探偵事務所や興信所については事前にしっかりと吟味し、契約内容や料金体系をきちんと確認しておくことが重要です。
②自分で調査する
夫の行動に不審な点があると感じたとき、自分で浮気の有無を確認しようと考える人もいます。スマートフォンの通話履歴やメッセージを確認したり、クレジットカードの利用明細などをチェックしたりするのが一般的です。探偵などの専門家に依頼しないため、それほど費用をかけずに動けるという利点がある一方、調査の方法によっては法的にグレーな場合やアウトな場合もあるため、慎重に浮気調査を進める必要があります。
③弁護士に依頼する
浮気調査をするだけでなく、その後の慰謝料請求や離婚の話し合いなども視野に入れている場合は、弁護士に相談するのも有効です。調査方法が法的に問題ないかを事前に確認できるため、リスクを抑えた対応が可能になります。また、調査で得た情報をどのように証拠として扱うか、今後の交渉をどう進めていくかなどについても、具体的なアドバイスを受けることができます。
探偵や興信所の利用を検討している場合でも、信頼できる業者を紹介してもらえることがあり、調査から解決までを一貫してサポートしてもらえる点も大きなメリットです。
探偵による浮気調査のやり方
それでは、探偵による浮気調査の具体的なやり方について見ていきましょう。
探偵とは、依頼者からの依頼に基づき、特定の人物の所在や行動、交友関係などに関する情報を収集・調査する事業を営む者のことを指します。業務の内容は幅広く、個人の私生活に関わるものから、企業に関連する調査まで多岐にわたります。もちろん、こうした業務は他人のプライバシーに深く関与するものですから、探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)によってきちんとルールが整備されています。
探偵業法は、調査を受注する業者が違法な手段を用いて個人の権利や利益を侵害することを防止する目的で制定された法律です。
探偵業を営むには、公安委員会への届出が必要とされており(探偵業法第4条1項)、これに違反した場合は6ヶ月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金という罰則が定められています(同第18条1号)。
また、依頼者と契約を結ぶ際には、調査の目的・方法・料金などを記載した契約書を作成し、説明責任を果たさなければならないとされています(同第8条)。
テレビドラマなどの影響で、「探偵=怪しい」といった印象を持つ人もいるのですが、このように法令遵守が徹底されています。
探偵による浮気調査の内容
探偵による浮気調査と聞くと、「不倫している人を尾行し、不倫相手の自宅やホテルへ出入りする写真を撮影する」といったイメージが一般的ではないでしょうか。
実際にそのイメージの通り、探偵による浮気調査の内容は「聞き込み・尾行・張り込み」が主な手段です。
聞き込みでは、調査対象についての有力な情報を得るために、調査対象が普段よく行く場所の関係者からさりげなく話を聞きます。たとえば、夫の行きつけの飲食店やカフェ、近所のコンビニ、職場近くの店などで聞き込みを行います。
聞き込みで探る情報としては、「最近特定の女性と一緒にいるところを見かけたか」「普段どの時間帯に来ていて、誰と会っている様子があるか」「曜日によって行動パターンが決まっているか」といった内容が挙げられます。こうした情報は、その後の尾行や張り込みの方針を決定する上で、重要な手がかりになるのです。
なお、聞き込みはあくまで対象者に気づかれないよう、日常の延長線上にある会話として自然に行われます。探偵が身分を明かしたり、調査の目的を伝えたりすることはなく、会話の内容も一般的な範囲にとどめ、不必要な詮索や違法行為につながらないよう厳重に配慮され行われます。
ですので、浮気調査であることを明言して聞き込みを行うわけではありませんが、聞き込みをした相手が夫に「昨日知らない人から君のことを聞かれたよ」などと知らせてしまうこともあるため、必ず全ての浮気調査で聞き込みが行われるわけではないようです。
尾行では、調査対象の行動を把握するために、探偵が対象者である夫の移動を追跡します。
職場からの帰宅途中、休日の外出、退勤後の寄り道など、夫がどこに行き、誰と会っているのかを確認するために、時には車両や公共交通機関も使い分けて尾行します。尾行は、対象者に気づかれずに行う必要があるため、複数の探偵で適切な距離を取りつつ尾行することが一般的です。
夫が浮気相手と合流する瞬間や、ホテル・飲食店・住宅などに入る様子を確認できれば、写真や動画などにおさめて浮気の証拠とします。
交通手段や周囲の環境に応じて柔軟に対応する技術が求められますし、夫の警戒心が強い場合には、調査が中断・延期されることもあるようです。
張り込みでは、夫が特定の場所に出入りする様子を確認するため、探偵がその場に待機して観察・記録を行います。
たとえば、浮気相手の自宅近くやラブホテル、夫がよく利用する飲食店や職場の駐車場など、浮気相手と接触する可能性のある場所で張り込みが行われます。出入りのタイミングや一緒にいた時間などを確認し、必要に応じて写真や動画で記録を残します。
以上のような調査を行って資料を集めたら、調査報告書が作成されます。
調査報告書には、夫の行動が記録された日付・時刻・場所・行動内容が時系列に整理されて記載され、あわせて撮影された写真や動画などの証拠資料が添付されます。
調査報告書の目的は、単に「浮気していたらしい」という印象ではなく、「夫が誰と、いつ、どこで、どのように行動したか」を客観的な形で証明することにあります。証拠としての信頼性が高ければ、慰謝料請求や離婚手続きの際にも有利に働く可能性があります。
調査報告書は単なる記録ではなく、今後の判断や対応のための重要な資料となるのです。
探偵はどこまでついてくる?
探偵による浮気調査では、夫の行動を尾行し、誰と、どこで、どのように過ごしているかを確認しますが、探偵はどこまでついてくるのか、「まさか家の中まで入ってくることがあるのでは?」と不安に思う人もいるかもしれません。
結論から言うと、探偵が夫の自宅や浮気相手の家、ホテルの部屋などに侵入することは、法律で禁じられていますので、建物の内部に立ち入るような浮気調査は行われません。
探偵業法だけでなく、刑法においても住居侵入は犯罪とされており、正当な理由なく他人の住居や建物に立ち入ることはできません。探偵が調査できるのは、あくまで公道や公共の場所、店舗の出入り口など、第三者が立ち入ることのできる範囲に限られます。
つまり、探偵は尾行や張り込みを通じて夫の浮気の状況を把握しますが、その調査範囲はあくまで法律の許す範囲内に限定されているのです。
浮気調査を自分でやる方法
次に、浮気調査を第三者に頼まず、自分でやる場合のやり方について確認しておきましょう。
①カメラや監視アプリを利用する
浮気調査を自分で行う場合、まず考えられるのが、カメラや監視アプリの利用です。たとえば、自宅の玄関や車庫、リビングなどに小型カメラを設置し、夫が誰かを連れ込んでいないかを確認するという方法があります。また、スマートフォンに監視アプリを入れることで、通話履歴や写真データ、アプリの使用状況などを把握できるケースもあります。
ただし、これらの方法は設置場所や手段によってはプライバシーの侵害にあたる可能性があるため、非常に慎重な判断が求められます。
また、夫のスマートフォンに監視アプリをインストールしても、夫がスマートフォンに詳しいと監視アプリを入れたことがバレてしまい、その後の浮気調査が難しくなってしまうこともあります。
カメラの設置や監視アプリを導入する前に、どういった場合に違法になるのか、法的なリスクを確認しておくことが重要です。
②自分で尾行
夫の行動に不審な点がある場合、自分で尾行して確認しようとする人もいます。実際に職場の帰りをつけてみたり、休日に外出する様子を車で追いかけてみたりすることで、浮気相手との接触の有無を把握する手段となり得ます。
しかし、素人が行う尾行には大きなリスクがあります。相手に気づかれてしまったり、不審人物として第三者に通報されたりする可能性もあります。また、車での尾行は特に難易度が高く、無理な追跡によって交通違反や事故につながるおそれもあります。自分で尾行を試みる場合は、できる範囲で安全かつ冷静に行動することが何より大切です。
③SNSや通信履歴を調べる
夫のスマートフォンやパソコンをチェックし、SNSの投稿内容や通信履歴を確認するのも、浮気調査の一つの方法です。たとえば、LINEやInstagramなどでのやり取り、誰かに親密なメールを送っている痕跡、深夜に頻繁にメッセージを送り合っている相手の存在などから、浮気の兆候を探ることができます。
ただし、本人の同意なくスマートフォンの中身を勝手に見る行為は、プライバシー侵害や不正アクセスとみなされる可能性があります。たとえ夫婦であっても、スマホやSNSの情報をどう扱うかについては法的な線引きがあるため、無断での操作には十分注意が必要です。
④服や所持品を調べる
夫の衣類やカバン、財布、車内など、日常的に持ち歩いている物の中から、浮気の痕跡が見つかることもあります。たとえば、レシートや領収書、使途不明なホテルのカードキー、香水のにおい、夫・妻のものではない毛髪など、思いがけない形で手がかりが残っていることがあります。
この方法は比較的リスクが低く、自宅内でできる範囲で行えるという点では簡単な方法です。ただし、私物を勝手に調べたことがきっかけで夫との関係が悪化する可能性もあるため、やりすぎない範囲で慎重に行うことが大切です。
⑤スケジュールを把握する
夫の行動パターンを把握することも重要です。浮気の兆候がわかり、後に探偵へ浮気調査を依頼することになった場合にも、「月曜日と水曜日は残業と言って浮気相手と会っているらしい」と調査の必要な曜日についての目途を立てられます。
普段から、夫のスケジュールや行動・予定を自然な形で把握しておくことがポイントです。また、カレンダーアプリや手帳、会話の中で出てくる「来月出張だから」といった何気ない発言を記録しておくことで、後の調査に役立てることができます。もちろん、無理に問い詰めたり、不自然に詮索したりはせず、慎重に情報を集めるようにしましょう。
⑥ボイスレコーダーを設置する
浮気の証拠を得る手段として、夫の会話を録音するという方法があります。車内やカバンの中、自宅の共有スペースなどにボイスレコーダーを設置することで、通話の内容や誰かとやり取りしている音声を記録できる可能性があります。聞き慣れない女性の声や、不自然な会話が残っていれば、浮気の疑いを裏付ける材料になることもあります。
ただし、録音する場所や方法によっては、盗聴と判断されるおそれもあるため注意が必要です。特に、夫のスマートフォンに無断で録音アプリを仕込むような行為は、違法とされる可能性が高く、後々トラブルになるリスクもあります。音声による情報収集は、慎重に行いましょう。
⑦GPSで位置情報を把握する
夫の行動範囲を把握したい場合、GPS機能を活用して位置情報を確認する方法があります。GPSとは「全地球測位システム(Global Positioning System)」の略で、スマートフォンや専用の発信機を使って、人や物の現在地を地図上で把握できる仕組みのことです。
スマートフォンのGPS機能を確認したり、車に小型のGPS発信機を設置したりすることで、夫がどこに行っていたのか、どのくらいの時間その場にいたのかを知ることができます。自宅や職場以外に頻繁に出入りしている場所があれば、そこが浮気相手の家や密会場所である可能性も出てきます。
ただし、これもプライバシーの侵害とみなされる可能性があるため、安易に位置情報を把握しようとせず、法的リスクや必要性を十分に検討することが重要です。
⑧マッチングアプリの利用履歴を調べる
昨今は浮気相手との出会いにマッチングアプリが使われているケースも少なくありません。中には、既婚者専用を謳うマッチングサイトもあるようです。
そのため、夫のスマートフォンにマッチングアプリがインストールされていないか、あるいは使用履歴が残されていないかを確認することも有効です。
通知履歴やログイン情報、アプリの使用状況などをチェックすることで、マッチングサイトやアプリを使っている痕跡が見つかることもあります。
とはいえ、スマートフォンを無断で操作したり、アプリの履歴を勝手に確認したりすることは、プライバシーを侵害する行為として問題視される可能性があります。浮気の兆候を探る手段として有効な面もありますが、実行にあたってはリスクを十分に理解した上で慎重に判断する必要があります。
浮気調査を自分でやる時の注意点
浮気調査を自分で行う場合、費用を抑えながら夫の行動を確認できるというメリットがありますが、その一方でいくつかのリスクや注意点も存在します。調査を始める前に、次のような点について理解しておくことが大切です。
こっそり後をつけている最中に目が合ってしまったり、スマートフォンや財布の中身を頻繁に確認していることを気づかれたりすると、夫に強い不信感を与える可能性があります。一度警戒されると、証拠を隠されたり、スマートフォンにロックをかけられてしまったりと、調査が続けられなくなるケースもあります。
また、自分で証拠を集めても、法的に有効な証拠として扱えるかどうかは分かりません。たとえば、LINEのやり取りの画面を撮影したとしても、それだけでは浮気の事実を証明する証拠としては不十分とされることがあります。不貞行為の有無を立証するには、「いつ・どこで・誰と・どのように」過ごしていたかが分かるような、客観的かつ継続的な証拠が必要になります。こうした証拠を、調査に不慣れな個人が正確に記録し収集するのは簡単ではありません。
さらに、調査方法によっては違法行為に該当する可能性があることにも注意が必要です。たとえば、夫のスマートフォンに無断で監視アプリをインストールしたり、車に勝手にGPSを取り付けたりする行為は、不正アクセス禁止法違反やプライバシーの侵害などにあたる可能性があります。たとえ浮気が事実であっても、違法な手段で得た情報は証拠として認められないだけでなく、自分自身が法的責任を問われるリスクを抱えることになってしまいかねないのです。
このように、自分で浮気調査を行うにはさまざまなリスクと限界が伴います。感情のままに行動せず、どこまでが自分でできる範囲なのかを慎重に見極めることが大切です。調査を進める中で迷いや不安がある場合は、早めに弁護士などの専門家に相談することも検討しましょう。
浮気調査に関するQ&A
Q1.自分で浮気調査するのと、探偵に依頼するのはどう違うの?
A:自分で調査すれば費用は抑えられますが、夫に気づかれてしまい証拠を抹消されてしまうリスクがあります。また、知らないうちに違法行為をしてしまう可能性もあるため、慎重に調査しなければなりません。探偵は浮気調査についてノウハウがありますし、浮気調査に慣れているプロが複数人で浮気調査をすることで、法的にも有効な証拠を集め、裁判で使えるように調査報告書を作成してくれます。
Q2.自分で尾行して証拠をつかんだ場合、それは法的に使えますか?
A:自分で撮影した写真や動画も、状況によっては証拠として認められることがあります。ただし、正確な日時や場所が分かる形で記録されている必要がありますし、違法な手段で得た場合は証拠として認められません。
Q3.浮気調査はいつ依頼すればいいですか?
A:浮気調査は、夫の行動に不審な点が出てきたとき、つまり「なんとなくおかしい」と感じた段階で依頼することが可能です。「証拠が出てからでないと依頼できない」と誤解している人もいますが、証拠が何もない状態こそ浮気調査を依頼すべきでしょう。少しでも不安を感じたら、まずは相談してみることをおすすめいたします。
まとめ
この記事では、浮気調査について弁護士が解説させていただきました。
浮気調査を自分で行うか、探偵や弁護士に任せるか。複数の選択肢があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
どのように浮気調査をするか悩んだ時は、ぜひ法律の専門家である弁護士にご相談ください。浮気の事実の確認だけでなく、その後の慰謝料請求や離婚請求といった法的対応も視野に入れた対応をさせていただきます。
弁護士法人あおい法律事務所では、弁護士による法律相談を初回無料で行っておりますので、お気軽にお問合せいただければと思います。
この記事を書いた人

雫田 雄太
弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。