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面会交流調停|調停の流れ・申立方法や裁判所で聞かれることとは?

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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面会交流に関する合意が難航した場合、面会交流調停が重要な役割を果たします。

面会交流調停は、子供と非監護親が面会交流をすることの可否や、面会交流時のルールなどについて、調停委員を交えて父母が話し合う手続きです。

この記事では、面会交流調停の流れや申立方法、そして面会交流調停で実際に聞かれることなどについて、弁護士が詳しく解説させていただきます。また、面会交流調停の手続きを有利に進めていくためのポイントや、注意点についてもご説明いたします。

子供の福祉に資する面会交流を行うためには、監護親も非監護親も、面会交流について正しい知識を得ることがとても重要です。

この記事が、充実した面会交流の実施のために、少しでもご参考となりましたら幸いです。

目次

面会交流調停とは?

面会交流調停とは、離婚後に子どもを監護していない親が子どもと定期的に面会できるようにするための調停手続きです。

この面会交流調停は、家庭裁判所が関与し、第三者である調停委員が親同士の意見を調整しながら、子どもの福祉を最優先に考えた合意を目指します。面会交流調停は、面会の頻度や時間、場所など具体的な取り決めを行う場です。

離婚調停との違い

一方、離婚調停の中で面会交流について話し合うこともあります。ですが、この場合は離婚する・しないといったことや、子供の親権・財産分与・養育費・慰謝料といった離婚条件などとあわせて、面会交流についても議論されることが一般的です。

また、離婚調停の手続きは、離婚協議などの夫婦の話し合いによって離婚することに合意が成立しない場合に取られる裁判所での手続きです。

そのため、面会交流調停と離婚調停では、面会交流についての話し合いが行われるタイミングが異なります。

面会交流調停は、離婚前に申し立てることも可能ですし、離婚成立後に申し立てることも可能です。多くの場合は離婚調停の中で面会交流についても話し合うため、実際は離婚後に面会交流調停が行われることが多いです。

その一方で、離婚調停は離婚するかしないか、という点を主に争う調停手続きです。そのため、離婚成立後に離婚調停が行われることはありません。なお、正式には離婚調停のことを「夫婦関係調整調停」といいます。

離婚調停の詳細については、こちらの関連コラムをぜひご一読ください。

[離婚調停とは?申し立て手続きのやり方や流れ、注意点を弁護士が解説]
[離婚調停に弁護士は必要?代理人の役割や相談するメリットを解説]

面会交流調停の申立て方法・手順

それでは、面会交流調停の申立て方法や、手順について詳しく見ていきたいと思います。

手順1.管轄の裁判所を調べる

まず、面会交流調停を申し立てる「管轄(かんかつ)」の裁判所を調べましょう。

管轄とは、その裁判手続きを行う裁判所のことです。面会交流調停の管轄は、相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所とされています。

家庭裁判所の管轄は地域ごとに異なりますので、住居地の管轄裁判所を正確に確認することが必要です。

具体的な管轄区域については、各家庭裁判所の担当窓口に電話で直接問い合わせることで確認できます。

また、裁判所のホームページからも、裁判所の管轄区域を調べることが可能ですので、面会交流調停の申立てを検討している場合は、一度こちらのWebページをご確認してください。

参考:裁判所の管轄区域(裁判所)

管轄の裁判所は、適切な申立て先に面会交流調停を申し立てる、という意味でも重要ですが、裁判所によって面会交流調停の手続きにかかる費用なども変わってくるため、そういった面でも重要です。

手順2.申立書や必要書類を準備する

申立先の家庭裁判所を調べたら、申立てに必要な書類を準備しましょう。

一般的に、面会交流調停の申立てに必要とされる書類は次の通りです。

  • 面会交流調停の申立書
  • 子供の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 事情説明書
  • 連絡先等の届出書
  • 進行に関する照会回答書

面会交流調停の申立書の書式は、家庭裁判所のホームページ等からダウンロードして入手することが可能です。面会交流調停の申立書の記載例もありますので、参考にしながら記入しましょう。

参考:面会交流調停の申立書(家庭裁判所)

子供の戸籍謄本は、市区町村役場で交付申請を行います。なお、面会交流調停を弁護士に依頼している場合には、戸籍謄本の取り寄せや申立書の準備などを弁護士に一任できることもあるため、準備の手間が省けます。

事情説明書、連絡先等の届出書、進行に関する照会回答書は、面会交流調停の手続きを進めていく上で参考にされます。

事情説明書には、「面会交流調停の申立てをした動機やきっかけ」、「面会交流の実施状況」、「面会交流の実情と今後の希望」などについて記入します。「協議離婚時に面会交流を実施することで合意したが、一度も実施されていない。」など、事実を分かりやすく記入するようにしましょう。

手順3.申し立て費用(収入印紙・郵便切手)を準備する

面会交流調停の申し立てにかかる費用として、収入印紙と郵便切手を準備します。

収入印紙と郵便切手の金額および組合せについては、管轄の家庭裁判所によって異なる場合があるため、事前にホームページや家庭裁判所の窓口で確認しましょう。

一般的には、次の申し立て費用が必要です。

  • 対象となる子(未成年者)1人につき1200円分の収入印紙
  • 郵便切手(数千円分)

手順4.管轄の裁判所に申立書一式を提出する

申立書や必要書類が準備できたら、管轄の家庭裁判所に申立書類一式を提出します。

申立ては、家庭裁判所の窓口に持参するのが原則ですが、郵送で提出することも可能ですので、あらかじめ管轄の家庭裁判所のホームページなどで確認しておきましょう。

また、家庭裁判所では、家庭裁判所の手続きの利用について相談できる「家事手続案内」が設けられています。家事手続案内では、家事事件の手続について説明・案内してもらえますので、面会交流調停の申立てについて不明なことがあれば、家事手続案内を利用してみることをおすすめいたします。

家事手続案内は、1回約20分以内が相談時間の目安です。

なお、家事手続案内では、手続きについての説明や案内を受けることはできますが、「面会交流調停を実施してもらえないので慰謝料請求をしたいが、いくら慰謝料をもらえるのか。」といった、法律相談をすることはできませんので、注意してください。

面会交流調停の流れ

 

面会交流調停の流れ

 

続いて、面会交流調停の手続きの流れについて、詳しく解説させていただきたいと思います。

面会交流調停の流れ

まず、面会交流調停の流れは、以下の通りです。面会交流調停は、申立人が家庭裁判所に面会交流調停の申立てを行うところから始まります。

申立書が受理されると、家庭裁判所は調停期日を設定し、申立人と相手方に通知します。初回の調停期日は、通常、申立てから1〜2ヶ月後に設定されます。

面会交流調停では、調停委員が申立人と相手方の意見を聞き、双方の意見を調整しながら、面会交流の具体的な条件について合意を目指します。

面会交流調停の流れとしては、まず最初に、調停委員が双方からの意見を聞き、問題点を整理します。その後、面会交流の具体的な条件について話し合いが進められ、子供の福祉を最優先に考えた合意を目指します。調停委員は中立の立場から助言や提案を行い、双方が納得できる解決策を見つけるために調整を行います。

面会交流調停の期日が開かれる中で、家庭裁判所の調査官による調査が行われることもあります。

例えば、調停委員による聞き取りなどでは、子供の生活の実情や子供の意思を正確に把握することができない場合や、子供の監護状況が懸念される場合などに、調査官による調査が行われます。調査官が実際に子供と接したり、親子が接している状況を観察したり、医療機関や児童福祉施設といった第三者からの情報を得ることで、面会交流調停のために必要な調査を行います。

こうしてさまざまな調査や期日における話し合いが重ねられ、面会交流調停が終結します。

面会交流調停が成立すると、調停調書が作成されます。

調停調書には、法的拘束力があるため、面会交流についての調停調書が作成された場合、相手方が取り決めを破るようなことがあれば、履行勧告や間接強制といった法的手続きを取ることが可能となります。

申し立てから調停成立までの回数と期間・期日の頻度は?

面会交流調停は、一般的に1〜2ヶ月に1回の頻度で行われ、合意に至るまで数回にわたって調停が続けられます。調停回数はケースバイケースで異なりますが、多くの場合、2〜4回の調停期日が開かれます。

そのため、一般的には半年程度で面会交流調停は終結します。

ですが、親同士での対立が激しかったり、家庭裁判所の調査官による調査が必要だったりする場合には、より多くの期日が開かれたり、期間を要することになったりするので、1年以上かかることもあります。

調停で聞かれること

面会交流調停では、調停委員が双方の意見を聞き、子供の福祉を最優先に考えた合意を目指します。

面会交流調停で聞かれることとしては、夫婦の離婚の経緯や子供の監護状況、これまでの面会交流の実施や経緯、希望する面会交流の条件などがあります。

  • 夫婦の離婚の経緯
  • 子供の監護状況
  • これまでの面会交流の実情
  • 子供と会う回数
  • 子供と会う時間
  • 子供の受け渡し方法
  • 面会交流を拒否できる場合の取り決め
  • 面会交流の費用負担
  • 相手方との連絡方法
  • その他の希望する条件など

面会交流調停で調停委員がまず聞くのは、面会交流の現状とその問題点です。非監護親が子供とどのような頻度で会っているか、面会交流に関する具体的な問題点(たとえば、面会の頻度や場所、時間など)を詳しく確認します。これにより、調停委員は現在の面会交流の状況を把握し、問題解決のための基本的な情報を得ます。

そして、面会交流に関する具体的な希望や要望についても、詳しく聞かれることになります。非監護親がどのような頻度で子供と会いたいと考えているのか、面会の場所や時間についての希望は何か、また、監護親がこれに対してどのように感じているのか、具体的な意見交換が行われます。

加えて、具体的な面会交流の条件についても詳しく聞かれます。たとえば、面会交流の頻度はどれくらいが適切か、面会の場所はどこが望ましいか、面会の時間帯や期間はどのように設定するのが良いかなど、具体的な条件を詳細に詰めていきます。これにより、双方が納得できる具体的な合意が形成されやすくなります。

以上が、主な面会交流調停で聞かれることになります。

面会交流調停が不成立の場合は審判手続きに移行します

面会交流調停が不成立の場合、調停は自動的に審判手続きに移行します。審判手続きは、家庭裁判所が面会交流に関する決定を下すための手続きです。

面会交流調停が不成立となるのは、調停委員が双方の意見を調整しても合意に至らない場合です。調停委員は中立の立場から面会交流調停を進めますが、非監護親と監護親の間で意見の対立が解消されないこともあります。こうした場合には、面会交流調停は不成立となります。

審判手続きでは、裁判官が調停記録や提出された証拠を基に判断を行います。裁判官は、面会交流が子供の福祉にどのように影響するかを最優先に考慮し、具体的な面会交流の条件を決定します。審判手続きでは、以下の点が特に重視されます。

まず、面会交流の頻度や時間、場所についての詳細な取り決めが行われます。裁判官は子供の年齢や生活状況、非監護親と監護親の関係性などを総合的に考慮し、子供にとって最も適切な面会交流の形を決定します。

次に、子供の意見や希望も重要な要素となります。裁判官は、子供がどのように感じているか、面会交流に対してどのような希望や不安があるかを確認します。子供の意見は直接聞かれることもありますし、専門家による意見書が参考にされることもあります。

また、面会交流が子供の心理的・情緒的な発展に与える影響についても考慮されます。裁判官は、面会交流が子供の健全な発育に寄与するか、逆にストレスや不安を引き起こす可能性があるかを判断し、最善の決定を下します。

審判手続きの結果、裁判所が決定した面会交流の条件は法的拘束力を持ちます。双方はこの決定に従う義務があり、違反した場合には法的な制裁を受ける可能性があります。

審判手続きは、面会交流調停で解決できなかった問題を裁判所が最終的に解決するための重要な手続きです。子供の福祉を最優先に考え、裁判官の決定に基づいた適切な面会交流の実施が求められます。

面会交流調停を有利に進めるポイント・注意点

面会交流調停を有利に進めるためには、注意点をしっかりと把握し、実践することが重要です。以下に、面会交流調停において注意すべきポイントや、面会交流調停を有利に進めるためのポイントについて、詳しくご説明させていただきます。

感情的にならず冷静に話し合いをする

面会交流調停では、感情的にならず冷静に話し合うことが重要です。

面会交流調停は、子供の福祉を最優先に考えた解決を目指す場です。面会交流調停で感情的になると、冷静な判断が難しくなり、相手方や調停委員の心証も悪くなってしまい、面会交流調停調停が難航する原因となります。

例えば、相手方を非難するような発言は避けましょう。「あなたはいつも面会の約束を守らない!」といった感情的な言い方ではなく、「面会交流の約束が守られなかった場合、子供が悲しむので、確実に実施できる方法を話し合いたいです」と冷静に伝えることが、面会交流調停においては大切です。

冷静かつ理性的な態度を保つことで、調停委員や相手方の信頼を得やすくなり、面会交流調停をスムーズに進めていくことが期待できます。

面会交流に障害がないことを説得的に伝える

面会交流の実施に障害がないことを具体的に説明するためには、面会交流調停において、証拠や事実を基に話すことが重要です。

例えば、「私は問題なく面会できます」という漠然とした言い方ではなく、「過去の面会交流は全てスムーズに行われ、子供も楽しんでいました。具体的には、毎回楽しく遊んでいる写真やビデオがあります」と証拠を添えて説明することが、面会交流調停では効果的です。

また、子供の健康状態や生活環境についても詳しく説明し、面会交流が子供にとって有益であることを説得的に伝えましょう。

家庭裁判所調査官に必要な調査をしてもらう

家庭裁判所調査官の調査は、面会交流調停において非常に重要な役割を果たします。調査官は、子供の生活環境や面会交流の実施状況を詳しく調査し、調停委員に報告します。

例えば、非監護親が子供の監護状況に不安や懸念を感じている場合などには、家庭裁判所調査官に積極的に調査を求めることも有効です。調査官は客観的な視点から情報を収集し、面会交流が子供にとってどのように行われるべきかを明確にする手助けをします。

家庭裁判所調査官に調査を求める際には、「調査官に調べてもらわないと信用できない。」といった言い方をするのは不適切です。「子供の生活環境や面会交流の状況を客観的に確認していただくために、調査官の調査をお願いしたいです。」と説明しましょう。

調査官に対し誠実に接し、正確な情報を提供する

調査官とのコミュニケーションでは、誠実かつ正確に情報を提供することが重要です。調査官に対して誠実に対応し、必要な情報を提供することで、調査官からの信頼を得ることができます。

例えば、「調査官が何を求めているかわからない。」といった言い方は避け、「調査官に対して、子供の現在の状況や面会交流の詳細について誠実にお答えします。」と前向きな姿勢を示しましょう。調査官との信頼関係が築ければ、調査官の報告書においても好意的な評価を受ける可能性が高まります。

調査官に対してオープンで協力的な態度を保つことが、面会交流調停を有利に進める鍵となります。

調停委員に対しても誠実かつ冷静に接する

調停委員に対しても誠実かつ冷静に接することが大切です。調停委員は中立の立場で面会交流調停の話し合いを進めるため、面会交流調停での感情的な態度や、攻撃的な発言は避けましょう。

例えば、「調停委員は相手の味方だ。」といった疑念を抱くのではなく、「調停委員は子供の最善の利益を考えている。」と理解し、協力的な態度で接することが重要です。また、「調停委員が話を聞いてくれない」と感じた場合でも、面会交流調停では冷静に事実や希望を整理して伝えることが大切です。

誠実で冷静な態度を保つことで、調停委員の信頼を得やすくなり、面会交流調停がスムーズに進みます。

合理的で実現可能な面会方法を提案する

実現可能な面会方法を提案することは、面会交流調停をスムーズに進めるために重要です。非現実的な提案や無理な要求は、面会交流調停の妨げとなります。

例えば、「毎週末必ず面会したい」と一方的に主張するのではなく、「子供の学校行事や習い事を考慮し、月に2回の週末に面会を実施することを提案します」と具体的かつ現実的な提案を行いましょう。

さらに、面会交流の場所や時間についても、双方が納得できるような柔軟な提案をすることが重要です。例えば、「面会交流の場所は子供が安心して過ごせる公園や、家庭のリビングルームを提案します」と具体的な場所を提案することで、面会交流の実現可能性が高まります。

子供の意思や都合を尊重する姿勢を見せる

子供の都合や気持ちを尊重することは、面会交流調停において非常に重要です。

子供が面会交流をどのように感じているのか、子供の意見を尊重するという姿勢を見せることは、調停委員に良い印象を与えます。

「子供の意見は関係ない。」、「普段仕事で忙しいので、自分の都合をなるべく優先して面会交流の条件を決めてもらいたい。」といった言い方は不利になります。「子供が安心して面会交流を楽しめるように、子供の意見や気持ちを尊重したいです」と述べ、子供の立場を考慮している姿勢を示しましょう。

例えば、「子供の学校行事や塾のスケジュールを考慮して、面会の日時を調整したいと思います。具体的には、毎月第4土曜日の午後に面会を行うことを提案します。」や、「子供が不安を感じないように、初めての面会は短時間で行い、徐々に時間を延ばしていく方法が良いと考えています。」などと、具体的な配慮を示すことで、調停委員からの信頼を得やすくなります。

法律の専門家である弁護士に依頼する

面会交流調停は法的な手続きが関わるため、弁護士のサポートを受けることで、より適切な対応が可能となります。弁護士は、法的な観点から助言を行い、面会交流調停の進行をサポートしてくれます。

「自分だけでなんとかする」といった自己判断ではなく、「法律の専門家である弁護士に依頼し、適切な対応をしてもらうことで、面会交流がスムーズに進むようにしたいです」と説明することが重要です。

弁護士のアドバイスを受けることで、法的な手続きを正確に進めることができ、面会交流調停を有利に進めることが期待できます。

相手方が面会交流の調停期日に欠席した場合はどうなるの?

面会交流の調停期日ですが、原則として裁判所での調停期日は平日に開かれるため、仕事をしている人はどうしても欠席せざるをえない場合もあります。

特に、初回の面会交流調停の期日に関しては、申立人と被申立人にそれぞれ都合を確認して決める、といったことはされないため、どうしても欠席するしかない、といったこともあります。

初回期日に欠席すると、一方的に申立人の意見が採用されて調停成立になってしまうのではないか、と不安に思われるかもしれませんが、初回期日に欠席したとしても、欠席した人の意見を一度も聞かずに面会交流調停の手続きが終了することはありません。

ですが、2回目、3回目・・・と以降の面会交流調停期日を欠席すると、当事者同士での話し合いができないため、調停不成立で面会交流調停が終わる可能性があります。

面会交流調停が調停不成立となった場合は、本記事でもご説明した通り、審判手続きに自動的に移行することになります。

Q&A

Q1.面会交流調停とはどういった手続きですか?

面会交流調停とは、離婚や別居後に子供を監護していない親が、子供と定期的に面会交流できるようにするための法的手続きです。

家庭裁判所が関与し、調停委員が中立の立場で親同士の意見を調整し、子供の福祉を最優先に考えた合意を目指します。具体的には、面会交流の頻度や時間、場所などを話し合い、詳細な取り決めを行います。面会交流調停は、親同士のコミュニケーションを助け、子供が健全に育つ環境を確保するための重要な手続きです。

Q2.面会交流調停で聞かれることについて教えてください。

面会交流調停で聞かれることは多岐にわたります。

面会交流の現状とその問題点について、詳細に確認されます。非監護親と監護親それぞれの希望や要望、面会交流の頻度、時間、場所について具体的に話し合います。

また、面会交流が子供に与える影響についても重要な話題です。調停委員は、子供の年齢や性格、生活状況などを考慮しながら、面会交流の実施方法について議論します。さらに、子供の意見や気持ちも尊重されるため、子供が面会交流についてどのように感じているかも確認されます。

調停委員は、これらの情報を基に、子供の福祉を最優先に考えた適切な面会交流の条件を導き出します。

Q3.面会交流調停を有利に進めるためのポイントや注意点を教えてください。

面会交流調停を有利に進めるためには、感情的にならず冷静に話し合うことが重要です。過去の面会交流がスムーズに行われ、子供が楽しんでいる証拠を示し、面会交流に障害がないことを説得的に伝えましょう。子供の生活環境や面会交流の状況を客観的に確認してもらうために家庭裁判所調査官へ調査を求め、調査官との信頼関係を築くために誠実に情報を提供します。

さらに、子供の生活リズムや親の勤務状況を考慮した現実的な面会方法を提案し、子供の意見や都合を尊重して面会交流が子供にとって安心できる環境で行われるよう配慮します。

また、法律の専門家である弁護士に依頼し、法的な助言を受けながら適切な対応をすることで、面会交流調停を有利に進めることが可能です。

当法律事務所の弁護士にご相談ください

この記事では、面会交流調停について、面会交流調停の流れや申立て手続きの方法、申立て費用や必要書類の概要などについて、弁護士が解説させていただきました。

また、面会交流調停が不成立となった場合の流れや、相手方が面会交流調停に欠席した場合にどうなるのか、面会交流調停を有利に進めるための注意点についても、分かりやすくご説明いたしました。

面会交流調停は、離婚後や別居後に子供と定期的に面会交流を行うための重要な手続きです。この手続きでは、家庭裁判所の調停委員が中立の立場で親同士の意見を調整し、子供の福祉を最優先に考えた合意を目指します。

面会交流調停を有利に進めるためには、冷静に話し合い、具体的な証拠を基に面会交流に障害がないことを説得的に伝えることが大切です。

面会交流調停では、必要な書類や証拠を揃え、適切に面会交流調停の手続きを進めていくことが求められます。一人では面会交流調停をスムーズに進めていくことが難しい、と感じる場合は、法律の専門家である弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あおい法律事務所では、初回の法律相談の相談料を無料としておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。

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