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離婚届のもらい方|どこでもらうの?市役所?休日や時間外は?【徹底解説】

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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当サイトでは、離婚に関する法的な知識を分かりやすくお届けしております。皆様のお悩みの解消に少しでもお役立ちできましたら幸甚です。

夫婦での離婚の話し合いが終わったら、離婚届を役所に提出することで離婚が成立します。

しかし、離婚届のもらい方がよくわからないという方も多くおられます。

たとえば、用紙はどこでもらうのでしょうか。平日に役所に行くのは難しい場合、休日や夜間にもらうことは可能なのでしょうか。

離婚協議が終わったらスムーズに離婚の手続きができるように、離婚届のもらい方を把握しておきましょう。

本記事では、主に以下の点についてご説明いたします。

  1. 離婚届はどこでもらうのか
  2. 休日や時間外でのもらい方
  3. 窓口でもらいにくい場合のもらい方

この記事をご覧いただいた皆様にとって、少しでもご参考になれば幸いです。

目次

離婚届はどこでもらう?

離婚するには離婚届を提出しなければなりませんが、そもそも離婚届の用紙はどこでもらうものなのでしょうか。

離婚届はどこでもらうのか解説する図

この記事では、離婚届をもらえる場所と、もらい方について解説させていただきます。

離婚届はどこでもらえる?市役所?

離婚届の用紙は、市役所や区役所など、市区町村役場で直接もらうことが一般的です。

離婚届は提出先の市区町村でもらったものを必ず使わなければならない、といった決まりはありませんので、自宅の近くや会社帰りに寄ることのできる役所など、どこでもらっても構いません。

ただし、役所によっては、離婚届の宛先欄に、その市区町村名があらかじめ記入されている場合があります。そのときは、宛先欄が空欄な離婚届を入手するか、提出先の市区町村名に訂正するようにしてください。

何課にある?

戸籍住民課や市民課など、その市区町村の住民の戸籍を取り扱う課に置いてあることが一般的です。

市区町村のホームページで離婚の手続きについてのページを見ていただくと、「離婚届の用紙は、市民課の窓口または各支所でお渡しします。」などと記載されていることが多いです。

もしくは、電話などで市区町村にお問い合わせいただければ、間違いがないでしょう。

役所以外でももらえる?

市役所や区役所の本庁・出張所などでなくても、日常的に利用する駅や大型商業施設の中で、離婚届の用紙をもらうことができる場合もあります。

市区町村によって名称は異なりますが、一般的に「行政サービスコーナー」と呼ばれている施設でも、離婚届の用紙をもらえる場合があります。行政サービスコーナーでは、証明書などの交付や届出業務を行っています。利用時間の幅が広いため、利用者が同じ時間帯に集中することが少なくなり、市区町村役場と比べて混雑しにくいというのもポイントです。

具体例①

例えば神奈川県横浜市では、市役所とは別に、駅直結のビル内で、住民票の写し等を受け取ることのできる「行政サービスコーナー」という窓口が運営されています。この行政サービスコーナーで、離婚届の用紙と説明書をもらうことができます。

<参考:横浜市 行政サービスコーナー

具体例②

他にも、愛知県岡崎市の場合ですと、ショッピングモールの一画に「市民サービスコーナー」があります。ショッピングモールでの買い物ついでに気軽に立ち寄って、離婚届の用紙をもらうことができるのです。

<参考:イオンモール岡崎 市民サービスコーナー

これら横浜市や岡崎市の例のように、市区町村によっては、役所とは別に離婚届をもらえる場所が運営されている場合があります。
あらかじめ、どこでもらうことができるのか確認しておきましょう。

弁護士にご確認を!

既に離婚について弁護士に依頼されている方や、これから弁護士に離婚問題について相談されることを考えている場合は、離婚届についても弁護士に確認しましょう。
弁護士に離婚の協議を依頼されている場合は、離婚の合意が成立すると、離婚協議書の作成などと並行して、離婚届を準備してもらえることが多いです。これでしたら、離婚届を用意する手間も省けますし、書類に不備があって役所に出向かなくてはならなくなった、など二度手間にならないよう、離婚届の提出まで弁護士にサポートしてもらえるでしょう。

離婚届のもらい方

市役所などでの離婚届のもらい方

市区町村役場の戸籍住民課や市民課の窓口に向かいましょう。場所が分からなければ、案内板で確認するか、受付で場所を尋ねてみてください。

とはいえ、「離婚届をもらいたいのですが」と聞くのは抵抗があるという方が少なくないでしょう。そういった場合は、「戸籍関係の窓口はどこですか」と聞いてみてください。離婚は戸籍に関係する手続きですので、戸籍を取り扱う窓口で、離婚届に関する業務も行われていることが一般的です。

窓口へ向かうと、近くに戸籍関係の届出の用紙が備え付けられているかと思います。もし備え付けられていなければ、窓口で直接離婚届の用紙を受け取りましょう。

離婚届は無料!何枚でももらえる

基本的に、離婚届は無料でもらうことができます。離婚届の用紙の交付に料金はかかりません。もらうことのできる枚数にも決まりはありません。書式も有効期限はありませんので、離婚届の用紙をもらえるタイミングが来たら、書き損じや紛失に備えて2、3枚離婚届をもらっておくことをおすすめいたします。

郵送でもらうこともできる

離婚届の提出でしたら郵送でもできますが、離婚届を郵送でもらうことはできるのでしょうか。

結論から申しますと、市区町村役場によります。

自治体のホームページを確認すると、ほとんどの場合、離婚届は郵送で提出できることには触れていますが、郵送で取り寄せられるかについては触れていません。

前述した通り、離婚届の用紙は休日や夜間でも市役所などで入手できます。また後述の通り、昨今では自治体のホームページから離婚届の用紙をダウンロードすることが可能なので、市役所としても、郵送による取り寄せのニーズを想定していないのでしょう。

また、仮に郵送で取り寄せが可能だった場合でも、返信用封筒や切手を準備する費用と手間がかかりますし、申請から入手までに数日から1週間程度の日数がかかることが想定されます。

なお、最近では、離婚届を取り寄せて自宅へ郵送してくれるサービスを提供している業者もあります。誰にも会わずに手元に届けてくれ、離婚届の記入例などを同封してもらえるようです。

ただし、サービスの利用料がかかってしまうのと、相手方配偶者と同居している場合に、郵便物を勝手に開封されてしまうリスクがありますので、郵送での入手は十分に検討した方が良いでしょう。

離婚届をもらいにくい場合

市役所に行って窓口で離婚届をもらうのは、一目があるのでどうしてももらいにくい・・・と抵抗のある方も少なくはないかと思います。市役所以外でも離婚届をもらうことのできる場所をご紹介しましたが、離婚届をもらうために人の目がある場所へ出向くことに抵抗感を覚えるという声も耳にします。

特に市区町村役場や行政サービスコーナーというのは、生活エリアが同じ住民が集まる場ですから、偶然知り合いに会ったり、役所に知人が勤めていたりすることがあります。離婚するんだな、と知られてしまうのが嫌、と感じる方もいらっしゃることでしょう。

離婚届を市役所ではもらいにくいという場合でも、人目を気にせず簡単に離婚届の用紙を入手できる方法がありますので、ご安心ください。

離婚届はダウンロードして入手できる

おすすめしたい入手方法は、離婚届の用紙をダウンロードし自分で印刷する方法です。市区町村のホームページから、24時間、自分が入手したい時に手軽に手に入れることができます。

また、市役所などで離婚届をもらって書き損じてしまい、もう一度役所にもらいに行かなければならなくなった、というような手間もかかりません。
離婚届のダウンロードに関しての詳細は、こちらの関連記事をご覧ください。

離婚届は休日ももらえる!

市区町村役場で離婚届をもらいたいと思っていても、日中は会社に勤めていたりと、なかなか役所の開庁時間に窓口へ行くのは難しいという人は多いかと思います。
実は、市役所などでも祝休日や平日の夜間に、離婚届をもらうことはできるのです。

土日は離婚届をどこでもらうの?

市役所などが閉庁している土日や祝休日であっても、離婚届をもらうことは可能です。

市役所など市区町村の役場には、宿直室(宿直コーナー)が設けられています。一般的に、役所の窓口が閉まっている時間帯でも、この宿直室では戸籍に関する届出書をもらうことができます。
ただし、戸籍に関する届出書を渡したり預かったりするだけで、その届出書の記載に不備があるかどうかの確認や、記入の仕方の相談には応じていません。

役所は自宅と近いけど、日中に行く時間がない・・・という方は、ご自身の最寄りの市町村役場に宿直室や類似の時間外対応窓口があるか、調べてみると良いでしょう。

なお、役所によって、名称や業務時間・内容は異なりますので、土曜日や休日に直接役所で離婚届をもらいたい場合は、事前に市区町村のホームページなどでご確認ください。

時間外の離婚届のもらい方

市役所や区役所の本庁・出張所が利用できない場合でも、本記事でご紹介した「行政サービスコーナー」でしたら、市役所の開庁時間外に離婚届をもらうことができます。

行政サービスコーナーは一般的に平日午後19時頃まで開所しているので、仕事が終わってから立ち寄ることが可能です。そして、土曜日や祝休日も開所しており、閉所日も年末年始の1週間程度と、利用者自身の都合に合わせて利用しやすくなっています。

あらかじめ、最寄りの行政サービスコーナーの場所を確認しておくのがおすすめです。

【参考】時間外の離婚届の入手について

参考までに、時間外の離婚届の用紙の入手方法について、東大阪市のホームページには、次のように掲載されています。

婚姻届・離婚届の用紙は、本庁市民課及び東大阪市内にある7か所の行政サービスセンターでお渡ししております。
業務時間外・休日の場合は本庁1階東側の宿直室(夜間受付を入っていただいたところにあります。)でお渡ししております。
なお、届書の用紙と併せて記載例をお渡ししておりますが、宿直室には戸籍担当の職員がいないため、内容についての質問などは平日の業務時間内にお電話にてお問い合わせいただきますようお願いいたします。
業務時間は平日の午前9時から午後5時30分です。

<引用元:東大阪市 よくある質問

【比較表】どこでもらうべきか

さて、ここまでご説明した、離婚届をもらえる場所について、それぞれの特徴をまとめますと以下の通りになります。

離婚届をもらう場所

市区町村役場

市区町村役場の宿直室

行政サービスコーナー

ホームページからダウンロード

もらえる時間帯

役所の開庁時間

平日夜間・土日祝日

平日・土日祝日

24時間いつでも

おすすめポイント

無料でもらえる。

その場で記入し提出できる。

無料でもらえる。

役所が時間外でももらうことができる。

無料でもらえる。

駅やショッピングモールなどにありアクセスしやすい。

役所に行く手間がいらない。

人目を気にすることなく、自宅で自分の都合の良い時に入手できる。

離婚届をもらう場所の立ち寄りやすさ、もらい方に応じた手間や費用など、ご自身にとって最適な方法で、離婚届を入手しましょう。

【Q&A】離婚届はどこでもらう?

Q1.離婚届はどこでもらうの?

最寄りの市区町村役場の戸籍住民課・市民課の窓口でもらうことが一般的です。

書式は全国共通ですので、提出先の市区町村以外の役所で離婚届の用紙をもらっても問題ありません。

Q2.市役所に行かずに離婚届をもらえますか?

市役所に行かなくても離婚届をもらうことはできます。自治体によっては、駅や大型商業施設の中で行政サービスを提供していることがあるので、そういった行政サービスコーナーで離婚届をもらうことが可能です。

また、市区町村のホームページからダウンロードして入手することもできます。

離婚届をどこでもらえるのか、もらい方の詳細などは、本記事でご説明しておりますので、ぜひご覧ください。

Q3.平日の夜や土日は離婚届をどこでもらえるの?

平日の夜や土日・祝日でも、以下の場所で離婚届をもらうことは可能です。

市区町村役場の宿直室や、夜間対応窓口などで、離婚届の用紙を受け取ることができます。

他にも、行政サービスコーナーなどで、平日の早朝から夜、土曜日や祝休日に離婚届の用紙をもらうことができます。

まとめ

離婚届は市区町村役場でもらうものだと、漠然と思っていた方も多いかと思います。

ですが、離婚届をどこでもらえるのか・どこでもらうべきか、という選択肢は、平日の日中に役所でもらう、という入手方法に限りません。

平日の役所の開庁時間に窓口へ行くのが難しくても、休日や夜間に役所の宿直室で離婚届をもらうことができます。

市区町村によっては、役所以外にも公的サービスを提供する場所があるので、仕事終わりに気軽に立ち寄って離婚届をもらうこともできます。

また、インターネットとプリンターを使える環境にあるのでしたら、自宅にいながら離婚届をダウンロードすることで入手できます。

市役所や行政サービスコーナーまで出向かなくていいので、離婚届のもらい方の中では最も手軽な入手方法ではないでしょうか。

特に昨今は、コンビニエンスストアで気軽にネットプリントもできるので、自宅にプリンターがなくても、ダウンロードした離婚届を手軽に印刷できるので、たいへん便利です。

このように、離婚届をどこでもらえるのか、という疑問に対する回答としては、市役所や区役所に限らず、意外にも多くあったことが分かっていただけたことと思います。

離婚届をどこでもらえるのか知らなかった方、離婚届をどこでもらうのが一番良いか分からなかった方にとって、本記事が少しでも参考になりましたら幸いです。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

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