妻源病の妻の特徴とは?妻が原因の体調不良で離婚できる?
近年、夫が妻との関係によって心身に不調を感じる「妻源病」という言葉が注目を集めています。
この妻源病を引き起こす妻の特徴とは何でしょうか?
この記事では、妻源病を引き起こす妻の特徴に加え、原因や症状、予防するために取り得る対処方法などについて弁護士が解説いたします。また、妻の言動が原因で体調不良になったことを理由に妻と離婚できるのか、といった点についてもご説明させていただきます。
目次
【解説】妻源病とは?夫の病気を引き起こす妻の特徴
妻源病とは
妻源病(さいげんびょう)とは、妻の存在がストレスとなり、夫の心身にさまざまな不調を引き起こす状態をいいます。文字通り、妻が原因で起こる病気なので「妻源病」です。
妻源病は正式な医学的な病名ではありませんが、夫の存在がストレスとなって妻の心身に不調を引き起こす「夫源病」とあわせて呼称されるようになりました。
妻の存在がストレスになっているような夫婦関係は、夫にとっても妻にとっても良いものではありません。この記事で妻源病の妻の特徴を把握し、妻源病の症状が深刻化する前に対応できるよう、治療方法や対処方法について見ていきましょう。
原因は「夫に対する妻の暴言やモラハラ的態度によるストレス」
妻源病の原因となるのは、夫が妻から受けるストレスです。
具体的には、妻から夫に対する暴言や、モラハラのような態度によって、夫が日常的にストレスを受け続けることで、精神的に病んだり体調不良になったりします。
具体的には、夫に対する妻の次のようなモラハラ的な言動や暴言が、妻源病を発症させるようなストレスを与えることがあります。
否定的な発言をする・不満をぶつける
妻が常に夫の意見や行動を否定し、批判したり、些細な事でも夫に対して不満をぶつけたりすることは、夫の自信を奪い、自尊心を低下させます。夫は自己肯定感を失い、妻への不満や反発心を抱え込んだままストレスをためこんでしまい、精神的な不調を引き起こし、妻源病へとつながる可能性があります。
夫に対し妻が過度に要求する
妻が夫に対して無理な要求を押し付けたり、夫の能力を超えた期待を持ったりすると、夫は常にプレッシャーを感じ、精神的な負担が増えます。このような状況で夫が不安やストレスを感じ続けると、そのストレスがやがて心身の不調につながり、妻源病を引き起こすことがあります。
妻から無視される
妻が日常的に理由もなく夫の存在を無視するような態度をとると、夫は孤立感を覚え、見捨てられたと感じます。こうした、夫婦として良好ではない妻の態度は、夫の心に深い傷を残すことになります。
夫がコミュニケーションを取ろうと働きかけてもなお、妻がこれに応じようとしない場合、さらにストレスがたまり、妻源病の発症に至る可能性があります。
過剰に行動を管理・支配される
妻が夫の行動を過剰に管理し、支配的な態度をとることは、夫の自由を奪い、ストレスを増加させます。夫は自己決定権が侵害されることにより、抑圧感や疎外感を感じるようになります。このような環境は、夫が自分の意見を尊重されていないと感じ、精神的な不調に陥り、妻源病を発症するリスクが高まります。
暴言を吐く・暴力を示唆する
妻が夫に対して「おまえは役立たずだな」と言ったり「文句を言うと殴るぞ」などと暴力を示唆するような発言をすることは、夫に深刻なストレスと恐怖感を与えます。
このような言動は、夫を精神的に追い詰め、自尊心を著しく損なうことになります。また、妻が「何もできないくせに」と夫の能力を否定することや、「家を出て行け」と脅迫することも、夫の不安と孤立感を増大させます。夫はこれらの言葉によって自己価値を疑い、絶えず恐怖心を抱えることになります。その結果、精神的な不調を引き起こし、妻源病へと繋がる可能性があります。
妻源病は、以上のような妻のモラハラ的な行動や態度、発言によって引き起こされます。妻の日頃の言動がモラハラに似ていると感じた時には、その言動によってストレスを抱えていないか、妻源病を発症する可能性はないか、あらためて客観視してみると良いでしょう。
妻の特徴を確認しましょう
自分の妻には妻源病を引き起こす可能性はあるのか、気になった夫もいるかと思います。妻源病を引き起こす妻の特徴としては、次のような特徴が見られることが一般的です。妻源病になる前に対策を取れるよう、妻源病の妻の特徴を確認しておきましょう。
妻源病の妻の特徴
- 自分の収入の有無にかかわらず、夫の収入や仕事、役職に不満を持っている。
- 何かがあると全て夫に責任転嫁する。
- 今の夫婦の状況や生活に不満がある。
- 問題解決しようと話しかけても、明確な答えや具体的な案は返ってこない。
- 家庭内での自分の役割や貢献を過大評価し、夫の努力や成果に関心を持たない。
- 夫の意見や感情を軽視し、自分の考えを優先する。
- 夫の趣味や交友関係に過度に干渉し、制限を加える。
- 夫が自分の期待に応えられないと、激しい怒りを見せる。
- 夫の成功や成果を自分の手柄として主張し、夫の貢献を無視する。
- 社交的な場で夫を小馬鹿にするような言動をとり、夫のプライドを傷つける。
- 夫に対する感謝の気持ちを表現せず、常に不満を口にする。
- 夫の意見や提案を一方的に却下し、自分の意見を押し通す。
- 夫の外見や身なりに対して厳しく批判し、夫を不安にさせる。
- 子どもに夫の悪口や夫に対する不平・不満をぶつけている。
- 家事や育児について常に完璧を求めている。
- 夫の過去の失敗やミスを何度も蒸し返し、責め立てる。
- 「パパにもっと頑張れって言って」など、子どもを使って夫を支配しようとする。
- 子どもの心に夫への悪い印象を植え付ける。
- 子どもに夫を非難させようとする。
- 自分の夫と友人・知人の夫を比較し、自分の夫を蔑む。
妻源病を引き起こす妻の特徴としては、上記の20個の妻の特徴が考えられますが、当てはまる妻の特徴はありましたでしょうか。
これらの妻の特徴に当てはまる場合、必ず夫が妻源病になるわけではありませんが、当てはまる妻の特徴が多ければ多いほど、妻源病を発症するリスクがあると考えられます。
妻の特徴について把握したところで、続いて妻源病の症状をチェックしていきましょう。もし現在、体調不良や心身の不調を自覚している場合は、妻源病の症状と自分の症状をチェックし、妻源病の可能性はあるのか、判断材料の一つにしてみてください。
妻源病の症状
妻源病を発症した夫に生じる症状については、下記のような症状が挙げられますので、ご参考までにチェックいただければと思います。妻源病の症状は、動悸や頭痛といった体調不良の他にも、精神的な不調も含みます。
なお、下記の症状以外にも妻源病の症状は考えられますし、下記のいずれかに当てはまる症状があった場合も、必ずしも妻源病が理由であるとは断定できません。
チェックして下記の症状に当てはまる場合でも、妻源病ではなく他の病気の可能性もありますので、体調不良や心身の不調を自覚した時には、適切な医療機関で診断を受けることをおすすめいたします。
妻源病の症状
- めまいが起こる。
- 動悸を感じる。
- 心拍数の増加や不整脈。
- 頻繁に息切れする。
- 頭痛が発生する。
- 不眠に悩まされる。
- 手のひらや足の裏に汗をかきやすい。
- 妻が不在時に落ち着いている血圧が、妻がいる時に数値が変動する。
- 体温調節が難しく、寒気や発熱感がある。
- 性欲が減退する。
- 胃痛が生じる。
- 便秘や下痢が起こる。
- 胃もたれがする。
- 腹痛が頻発する。
- 疲労感が続く。
- 筋肉痛や関節痛がある。
- うつ状態になる。
- 不安感が増す。
- 些細なことにイライラしやすくなる。
- 怒りを抑えることが難しくなる。
- 自己否定感が強まる。
- 集中力が低下する。
- 無気力を感じる。
- 社交性が低下する。
- 自尊心が低下する。
- 対人関係が悪化する。
- 妻がいる時や妻とのやり取りがある時に症状が顕著になる。
- 日中よりも、夜間や休日の方が体調が安定していることが多い。
- 妻との関係が悪化すると、症状が悪化する傾向がある。
- 家庭外の環境では症状が軽減することがある。
妻の特徴をチェックして当てはまった場合
さて、妻源病の妻の特徴をチェックしたり、妻源病の症状をチェックして当てはまるものがあった場合、治療はできるのでしょうか。また、現在はまだチェックして当てはまる妻源病の症状がなかった場合でも、妻源病の予防のためにできる対策はないのでしょうか。
以下に、妻源病の治療方法やあらかじめできる対策方法についてご紹介いたします。
診断・治療方法
それではまず、妻源病の診断と治療方法についてご説明いたします。
妻源病の診断
妻源病の症状は多岐に渡るため、たとえば頭痛やめまい、といった具体的な症状をみた時に、突発性頭痛やメニエール病など、妻源病以外の病気だと診断されるケースもあります。原因不明の突発性頭痛と診断されて薬を処方されて完結してしまうと、これでは妻源病だった場合に根本的な解決ができません。
もちろん、実際に体調不良があるのですから、病院の総合的な診療窓口ともいえる内科や、消化器内科・循環器内科などのより専門的な医療科で診断を受け、薬物療法などの適切な対症療法を行うことも重要です。
こうした治療に加えて、原因が妻からのストレスなのか、妻源病の可能性があるかを相談するためには、精神科や心療内科で診断を受けることをおすすめいたします。
ところで、精神科と心療内科はしばしば同じだと思われていますが、実は専門分野や対象となる症状が異なります。
精神科では主に、うつ病や不安障害といった、精神に症状が現れている病気を診ます。身体的な症状がないか比較的軽減で、精神的な症状が重い場合は、精神科を受診すべきと考えられます。
一方、心療内科は、頭痛や自律神経失調症といった、ストレスによって身体的症状を発症した場合に受診すべき医療科となります。
そのため、自分の症状に合わせて、精神科か心療内科か、より適切な方を選ぶことをおすすめいたします。
治療方法
うつ症状には抗うつ薬を処方したり、頭痛や胃腸の不調などにもそれぞれ適した薬を処方したりと、妻源病の症状に対しては薬物療法も行われます。これと同時に、カウンセリングなどの心理療法も行われます。
ですが、妻源病の原因は、モラハラ的言動をする妻との生活にあるので、夫婦関係を改善させない限りは、根本的な解決にはなっていません。
妻源病の治療について、まず重要なのは、この症状が夫と妻の関係性に起因していることを認識することです。そのため、夫婦間でのコミュニケーションの改善が治療の第一歩となります。妻源病の症状や、妻源病を引き起こしやすい妻の特徴について話し合い、夫婦関係を改善させたいという意思を伝え理解を求めましょう。
夫は自分が感じている不安やストレス、具体的な症状を妻に伝えることが大切です。これにより、妻も夫の心身の状態を理解し、自身の言動が夫にどのような影響を与えているかを認識することができます。
この時に、落ち着いて話し合いができるように、妻を責める口調や内容にならないよう気を付けましょう。
そして、妻源病の治療の一環として、夫だけでなく、夫婦でカウンセリングを受けることも有効です。専門のカウンセラーや臨床心理士が、夫婦のコミュニケーションの在り方や問題解決の方法をサポートします。
夫婦間で禁句やルールを確認しておく
妻源病になってから治療を受けるだけではなく、妻源病にならないために対策を取っておくことも必要です。
夫婦間での健全な関係を築くためには、お互いに対する敬意と配慮が不可欠です。生活を共にする中で、無意識のうちに相手を傷つける言葉が出てしまうことがあります。そうした状況を避けるためにも、夫婦で話し合って禁句やルールを設定することが効果的です。
たとえば、次のような発言をお互いに禁句としてみてはいかがでしょうか。
- 「いつもそうだよね」と過去の問題を蒸し返す言葉
- 「他の人はもっとできているのに」と比較する言葉
- 「あなたのせいでこんなことになった」と一方的に責任を押し付ける言葉
- 「どうせあなたは変わらない」と相手の変化を否定する言葉
- 「いつも自分のことばかり」と自己中心的な行動を責める言葉
- 「もう話すのも嫌になった」とコミュニケーションを放棄する言葉
- 「あなたの家族はいつもこう」と相手の家族を非難する言葉
- 「何でこんな簡単なこともできないの?」と相手の能力を疑う言葉
- 「いつも気が利かないよね」と相手の配慮を否定する言葉
- 「またあなたのせいで失敗した」と失敗を相手に責任転嫁する言葉
これらの禁句を避けることで、夫婦間のコミュニケーションがより建設的になり、お互いの理解と尊重が深まるでしょう。
また、夫婦間のルールとしては、たとえば次のようなルールが考えられます。
- 感情が高ぶった時は一旦休憩を取り、冷静になってから話し合う。
- 相手の話を遮らず、最後まで聞き終わる。
- お互いの努力を認め合い、感謝の言葉を伝える。
- 問題が発生した時は、非難するのではなく解決策を一緒に考える。
- お互いのプライバシーを尊重し、勝手に物を触らない。
- 定期的に夫婦でのコミュニケーションの時間を設ける。
- 互いの趣味や友人関係を尊重し、自由な時間を持つことを認め合う。
このように、夫婦間であらかじめ禁句やルールを設定しておくことで、相手にストレスを与える発言や行動を回避することが期待できます。
妻からのストレスによる体調不良を理由に離婚できる?
妻源病を理由に離婚を考える際には、まず協議離婚が検討されますが、妻源病が原因である場合、話し合いだけで解決するのは難しいかもしれません。なぜなら、離婚の原因が妻源病であるということを認めてしまうと、妻は自分に非があることを認めることになってしまうと考え、夫が妻源病であることを否定しようとするからです。
ですので、話し合いで離婚ができなければ、家庭裁判所での調停離婚や裁判離婚という選択肢が考えられます。
たとえば、以下のようなデータや記録が、妻源病による婚姻関係の破綻を証明する証拠になります。
- 妻の言動を記録した日記やメモ
- うつ病などの医師による診断書
- カウンセリングの受診記録や相談履歴
- 妻の暴言や行動を録音・録画したデータ
- 妻の言動を目撃した人の証言
- 暴言や罵倒などがあったことを示す妻とのSNSのやり取り
これらの証拠を集めることで、妻源病が離婚の正当な理由として認められる可能性が高まります。
離婚の交渉や手続きは煩雑で、精神的にもストレスが伴うため、特に妻源病が原因の場合は、弁護士などの専門家に相談し、サポートを受けることが推奨されます。専門家の助けを借りることで、適切に手続きを進め、心身の負担を軽減することが期待できます。
妻源病と妻の特徴に関するQ&A
Q1.妻源病とは何ですか?
妻源病とは、夫が妻との関係によって心身に不調を感じる状態を指します。妻からのネガティブな言動や態度が原因で、夫が精神的なストレスを感じ、それが身体的な症状として現れることがあります。
Q2.妻源病の妻の特徴は何ですか?
妻源病の妻の特徴としては、過度な批判や否定、比較、無視、過干渉、自己中心的な振る舞いなどが挙げられます。これらの言動が夫にストレスを与え、夫婦関係の悪化や夫の心身の不調を引き起こすことがあります。
Q3.妻源病の症状は何ですか?
妻源病の症状には、身体的なものから精神的なものまで、さまざまな症状が見られます。以下は、その一例になります。
- うつ状態になる。
- 怒りを抑えることが難しくなる。
- 不眠に悩まされる。
- 頭痛がする。
- 動悸がする。
- 自尊心が低下する。
- 妻との関係が悪化すると、症状が悪化する傾向がある。
- 妻がいる時や妻とのやり取りがある時に症状が顕著になる。
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妻源病は、夫が妻との関係によって心身に不調を感じる状態を指します。
妻のモラハラ的な言葉や行動が、夫にストレスを与えることで、体調不良になったり、うつ状態になったりするのです。
妻源病を予防するためには、夫婦間のコミュニケーションを改善し、互いの理解と尊重を深めることが重要です。夫婦で話し合い、お互いを傷つけないための禁句やルールを設けることが効果的です。
また、夫がストレスによる身体的な症状に苦しんでいる場合は、医師の診察を受けることも重要です。必要に応じて、薬物療法や心理療法などを行っていくことになります。
夫婦関係の修復は容易ではありませんが、お互いに対する配慮と協力があれば、夫婦関係の修復が期待できるでしょう。
ですが、うつ状態になったり、頭痛や動悸が続くなど、心身の不調が続いて悪化する場合は、離婚も検討しておくと良いでしょう。
夫婦間の問題は複雑であり、時には専門家のサポートを求めることが最善の選択となる場合もあります。当法律事務所では、離婚に関するご相談や、夫婦関係の問題に関するご相談をお受けしております。妻源病のお悩みや、夫婦関係のお悩みがある方は、お気軽に弁護士法人あおい法律事務所の法律相談をご利用ください。
この記事を書いた人
雫田 雄太
弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
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