離婚裁判の期間は平均2年以内?長期化するケースも?弁護士が解説
離婚裁判に関する期間について悩む方は少なくありません。
離婚すること自体が精神的にも経済的にも少なくない負担を伴う一方で、離婚裁判の手続きに要する期間が長期間に渡ると、さらにストレスが増すこともあります。
さて、離婚裁判にかかる期間は長いと言われることが一般的ですが、具体的に何年かかるかご存知でしょうか。
この記事では、離婚裁判にかかる期間について、平均何年かかるか、最短や最長ではどれくらい要する場合があるのかを、裁判所のデータを参考に弁護士が解説させていただきます。
さらに、期間が長期化する離婚裁判のケースはどういった場合があるのか、いくつかのケースについて具体的に解説いたします。
また、相手方が離婚裁判を長引かせるような言動を取る場合に、どのように対応すれば短期間で解決できるのか、といった対処方法などについても、弁護士が解説いたします。
この記事が、少しでもご参考となりましたら幸いです。
目次
離婚裁判にかかる期間は長いの?統計から解説
それでは、離婚裁判に要する期間について、裁判所が公開しているデータを参考に見ていきましょう。本記事でご紹介する統計データを参照していただくと、離婚裁判の平均期間や、最短・最長でどれくらいか、といった離婚裁判の期間の目安が分かります。
離婚裁判にかかる期間は平均2年以内
裁判所がホームページ上で公表している情報の中に、「人事訴訟事件の概況」という統計データがあります。
次の表は、令和5年1月から12月までの人事訴訟事件の概況をもとに作成した、離婚裁判の平均審理期間になります。
年 |
平均審理期間(月) |
2014年 |
12.0 |
2015年 |
12.3 |
2016年 |
12.7 |
2017年 |
12.9 |
2018年 |
13.2 |
2019年 |
13.4 |
2020年 |
14.2 |
2021年 |
14.1 |
2022年 |
14.7 |
2023年 |
15.3 |
上記表を見ると、2014年の離婚裁判の平均審理期間は12ヶ月で、少しずつ平均審理期間の月数が増加し、2023年(令和5年)には15.3ヶ月かかっていることが分かります。
この統計から、離婚裁判に要する平均審理期間は、12~15ヶ月なので、おおむね1年から2年以内に離婚裁判が終結している、といえるでしょう。
最短・最長はどれくらい?
さて、離婚裁判の審理にかかる平均的な期間は2年以内が一般的と分かりましたが、最短あるいは最長になると、どれくらいの期間がかかるのでしょうか。
離婚裁判の期間の最短期間と最長期間については、裁判所が毎年公開している「司法統計」のデータが参考になります。
令和4年の司法統計の「第16表 婚姻関係事件数(終局区分別審理期間及び実施期日回数別)」によりますと、婚姻関係事件(離婚裁判)の認容判決で終結した事件について、審理期間ごとの具体的な事件数は次の表の通りとなっております。
審理期間 |
認容(件数) |
割合(%) |
1月以内 |
10 |
0.3 |
3月以内 |
119 |
4.1 |
6月以内 |
417 |
14.4 |
1年以内 |
1,360 |
46.9 |
2年以内 |
862 |
29.7 |
2年を超える |
134 |
4.6 |
総数 |
2,902 |
100 |
上記の表によると、離婚裁判の審理期間としては、半年~1年以内が約47%と最も多く、続いて1年~2年以内が約30%であることが分かります。
一方で、離婚裁判の審理期間が半年を要さない場合もあり、最短で1ヶ月以内に認容判決で終結したものが10件あるようです。
また、1ヶ月以内に終結した離婚裁判がある一方で、審理期間が長期に渡るものですと、2年を超える離婚裁判が134件あります。
2年を超えて何年の期間を要したか、までは不明ですが、離婚裁判のケースで最長といえるものは、少なくとも2年を超えていることが分かります。
期日の回数は10回以内が多い
また、同じく令和4年の司法統計の「第16表 婚姻関係事件数(終局区分別審理期間及び実施期日回数別)」では、離婚裁判において実施された裁判期日の回数のデータも参考になります。
実施期日回数 |
認容(件数) |
割合(%) |
0回 |
22 |
0.8 |
1回 |
77 |
2.7 |
2回 |
207 |
7.1 |
3回 |
404 |
13.9 |
4回 |
513 |
17.7 |
5回 |
458 |
15.8 |
6~10回 |
1,062 |
36.6 |
11~15回 |
140 |
4.8 |
16~20回 |
18 |
0.6 |
21回以上 |
1 |
0.03 |
総数 |
2,902 |
100 |
離婚裁判の裁判期日が実施された回数は、6~10回が約37%と最も多く、おおむね10回以内の裁判期日で終結していることが分かります。
一方で、裁判期日が21回以上実施された離婚裁判もあるようです。
離婚裁判の期日は、最初に訴状を提出してから1ヶ月~1ヶ月半後に第1回目の期日が行われ、その後は月1回のペースで離婚裁判の期日が開かれることが一般的です。
こうしたことから考えると、裁判期日が多く開かれるほど、裁判期間も比例して長くなることが分かります。
離婚調停不成立から裁判までの流れで見ると・・・
ところで、「離婚したい」と思っても、いきなり離婚裁判を起こすことはできません。
日本では、離婚のような、本来は夫婦が話し合って合意して解決すべき紛争については、なるべく裁判所の強権力的な介入をおさえるべく、「調停前置主義」の原則を取っております(家事事件手続法257条1項)。
家事事件手続法257条1項
第244条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。
そのため、離婚裁判を起こす前に、離婚調停を申し立てている必要があります。そうなると、離婚裁判の平均的な期間が2年以内といっても、この期間に加え、離婚調停の期間もかかることになります。
それでは、離婚調停と合わせると、離婚調停~離婚裁判の全体の流れで、どれくらいの期間を要するのでしょうか。
離婚調停の平均期間は「半年~1年以内」
離婚裁判の期間でも参考した、令和4年の司法統計の「第16表 婚姻関係事件数(終局区分別審理期間及び実施期日回数別)」を見てみましょう。
下の表は、司法統計のデータを参考に、調停成立となった離婚調停の件数につき、審理期間ごとに割合を出したものになります。
審理期間 |
離婚調停成立 |
割合(%) |
1月以内 |
537 |
2.0 |
3月以内 |
5,947 |
21.9 |
6月以内 |
9,130 |
33.7 |
1年以内 |
8,187 |
30.2 |
2年以内 |
3,016 |
11.1 |
2年を超える |
307 |
1.1 |
総数 |
27,124 |
100 |
上記表を見ると、6ヶ月以内に離婚調停が成立している事件が約34%となっており、次いで「1年以内」が30%であることが分かります。
したがって、離婚調停の平均期間は半年~1年以内といえるでしょう。
離婚調停~離婚裁判の流れと期間
離婚調停の申立てをすると、調停期日通知書が送付されます。指定された調停期日に当事者が出席して、必要に応じて複数回期日が開かれ、話し合いが行われます。
合意が形成できれば調停成立となりますが、調停不成立となった場合は、離婚裁判を起こすことになります。
なお、離婚調停が不成立となってから離婚裁判を起こすまでに、法律上期限の定めはありませんが、「調停不成立等の通知を受けた日から2週間以内に訴訟提起した場合は、調停申立の際に納めた手数料に相当する額を控除することができる」とされているため、離婚裁判の費用を節約するためには、調停不成立から2週間以内がおすすめのタイミングです。
一方で、離婚調停の際に主張を裏付ける証拠が不十分だった場合などには、再度証拠収集をして準備を整えてから、離婚裁判を起こすこともあるでしょう。
したがって、離婚調停不成立から離婚裁判を起こすまでの期間はケースバイケースですが、離婚調停の申立てから離婚裁判の終結まで、3年程度は要すると見込んでおきましょう。
離婚裁判が長期間になるケースとはどういう場合?
さて、離婚裁判の期間が数ヶ月で終わる場合もあれば、期間が2年を超えるような場合もあることが分かりました。
そこで、離婚裁判の期間が長期に及ぶケースについて、どういった場合に離婚裁判が長期間になるのか、具体的なケースを見ていきたいと思います。
1.子どもの親権で夫婦が争うケース
離婚をする・しない、という一点についてのみ争う場合は、そこまで離婚裁判の期間は長期化しません。離婚する・しないに加え、離婚条件についての対立が激しい場合に、離婚裁判の期間が長くかかることが多いです。
そして、離婚裁判が長期化する主な原因の一つに、子どもの親権を巡る争いがあります。親権は子どもの将来に重大な影響を与えるため、夫婦間で強い対立が生じやすいです。
離婚裁判の中で、どちらがより子どもの親権者としてふさわしいか、といった主張を双方が展開するため、当事者が白熱して感情的になりやすく、裁判所としても子どもの最善の利益を考慮するため、判断には慎重になります。
そのため、離婚裁判の中で子どもの親権について判断するために、家庭裁判所調査官による調査が行われることもあります。
家庭裁判所調査官は、子どもの生活環境や親との関係性などについて調査し、夫婦のどちらが親権者として子どもの福祉に資するかを調べます。この家庭裁判所調査官による調査報告は、裁判官が子どもの親権者についての判断を下す上で重要な判断材料になります。
この調査においては、子ども自身から意見を聞き取ったり、第三者や医療機関・保育施設といった組織からも聞き取りを行ったりするため、数ヶ月を要することもあります。
したがって、子どもの親権について争いがあるケースでは、離婚裁判の期間は長期化しやすく、結果的に費用もかさんでしまいます。親権争いが激化すると、裁判の進行が遅れ、解決までの期間が延びることが避けられないのです。
2.財産分与や慰謝料など争点が多いケース
離婚裁判が長期間になるケースとして、財産分与や慰謝料など、離婚裁判の争点が多い場合があります。
財産分与とは、夫婦が共同で築いた財産を離婚時に公平に分けることを指します。財産分与の対象財産には、不動産、預貯金、動産、株式など多岐にわたる財産が含まれます。
慰謝料とは、不倫やDVなど、離婚原因が夫婦の一方にある場合に生じる、精神的苦痛の損害賠償金です。
財産分与や慰謝料が争点になる場合、夫婦間での財産分与や慰謝料についての合意が難しくなることが多く、離婚裁判の期間も長期化しがちです。
例えば、夫が財産分与の対象不動産の価値を高く評価し、妻がその評価を低く見積もる場合、それぞれの主張を証明するために、多くの時間と費用がかかります。また、夫が事業を経営している場合、その事業の価値をどのように評価するかも、財産分与においては大きな争点となります。
これらの財産の評価に関する争いは、専門的な知識や鑑定士の意見を必要とするため、財産分与で揉めると、離婚裁判の期間が長引く要因となります。
また、慰謝料に関しても、離婚裁判の期間の長期化の一因となります。
まず、不倫やDVといった、慰謝料の請求原因の有無についての争いがあります。離婚裁判で不倫やDVを証明するための証拠が不十分である場合、この点が大きな争点となり、離婚裁判の期間が長期化します。
さらに、メールやメッセージのやり取り、写真、目撃証言などが証拠として提出されることがありますが、これらの証拠の信憑性や法的有効性について意見が分かれることがあります。離婚裁判の相手方が証拠の真実性を否定したり、証拠が違法に取得されたものであると主張したりする場合、離婚裁判が難航し、期間が長くなる原因となります。
さらに、慰謝料の金額の妥当性についての争いも、離婚裁判の期間が長くなる要因です。
このように、離婚裁判で財産分与や慰謝料といった離婚条件が争点となると、離婚裁判の期間が長期に渡る傾向にあります。
3.証拠が少ないケース
離婚裁判の期間が長くなるケースとして、証拠が少ない場合があります。
証拠が少ない場合、夫婦間での主張が対立し、裁判所が判断を下すのが難しくなります。
例えば、慰謝料を請求する際に不倫やDV(家庭内暴力)の事実を証明するための証拠が不足している場合、その事実認定が困難になります。夫が不倫を否定し、妻が不倫の証拠を十分に提出できない場合、裁判所は慰謝料や離婚について慎重に判断を行わなければならず、これにより離婚裁判の期間が長期化します。
また、DVの事実を主張する場合も同様です。DVの証拠としては、診断書、警察への通報履歴、証言などが必要ですが、これらの証拠が揃わない場合、夫がDVの事実を否定し、妻がその事実を証明するのが困難になります。結果として、裁判所が十分な証拠を求めるために追加の証人尋問や調査が必要となり、離婚裁判の期間が長くなります。
さらに、財産分与に関しても同様の問題が生じます。夫が資産を隠していると主張し、妻がその証拠を提出できない場合、夫の主張を裏付けるためにさらに多くの証拠収集が必要となります。
例えば、銀行口座の明細や不動産の所有証明など、詳細な資産状況を明らかにするための証拠が求められます。これにより、裁判所が判断を下すまでに多くの時間がかかり、離婚裁判の期間が長期化してしまいます。
4.和解協議が決裂したケース
離婚裁判の期間が長くなるケースとして、和解協議が決裂した場合があります。
離婚裁判の手続きを進める中で、裁判所から和解を勧められることがあります。この和解案に応じれば、和解成立となり、比較的短い期間で離婚裁判が終わります。
ですが、和解協議が決裂してしまうと、再度通常の離婚裁判の手続きに戻って、期日をやり直すこととなるため、結果として離婚裁判の期間が長引いてしまうのです。
5.控訴・上告するケース
離婚裁判が終了し、判決が言い渡された場合でも、その判決内容に不服がある場合、不服を申し立てることができます。この手続きを、「控訴」といいます。
通常、判決正本の送達から2週間以内に控訴しない場合は、判決が確定しますが、2週間の間に、判決を言い渡した家庭裁判所に対して控訴状を提出すると、高等裁判所で再審理が行われることとなります(民事訴訟法第285条)。
(控訴期間)
民事訴訟法第285条
控訴は、判決書又は第254条第2項の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければならない。ただし、その期間前に提起した控訴の効力を妨げない。
控訴しかてからの再審理は、1回で終わることもあるため、控訴審の期間は第一審の期間に比べて短いことも少なくありません。
また、控訴が棄却された場合には、上告が行われることがあります。上告審は最高裁判所で行われ、法的な問題点が中心に審理されます。上告審では、法律の解釈や適用に関する争点が検討されるため、審理がより複雑で専門的になります。
したがって、離婚裁判の判決に不服があり、控訴や上告にまでもつれ込むことになる場合は、最終的に判決が確定するまでに長い期間がかかることになるのです。
相手が離婚裁判の期間を長引かせる場合の対処方法
さて、離婚裁判には手間も費用も時間もかかりますから、なるべく短期間でスムーズに終わる方が良いと、ほとんどの人が考えるかと思います。
ですが、中には「どうしても離婚したくない。」「相手の主張を認めたくない。」といった感情から、あえて離婚裁判の期間を長引かせるような言動を取るような人もいます。
離婚裁判の判決が下されてしまえば、離婚せざるをえないため、離婚裁判を長引かせることで離婚成立を先延ばしにしようとする人もいれば、離婚自体に反対していないものの、ただ相手が気に入らない、といった感情的な理由から、離婚裁判を長引かせるような人もいます。
一度は合意したはずの意見を覆したり、のらりくらりとした態度を取ったりして、離婚裁判を長引かせる人に対しては、どのような方法で対処すべきなのでしょうか。
離婚裁判を長引かせることで離婚成立を先延ばしにしようとする人や、感情的な理由から離婚裁判を長引かせる人に対しては、以下のような方法で対処することが効果的です。
離婚協議や離婚調停の合意内容を整理しておく
離婚裁判の前に行った離婚協議や離婚調停において、合意した内容があれば、離婚協議書(合意書)に記録して整理しておくようにしましょう。相手が離婚裁判で主張をころころと変えるような場合にも、離婚協議書や合意書を証拠として活用することができます。
弁護士を活用する
法律の専門家である弁護士に相談することが重要です。弁護士は法律の専門知識を持っていますので、離婚裁判の進行をスムーズにするための戦略を提供します。また、弁護士に離婚裁判の手続きを依頼することで、当事者同士の感情的な対立を回避し、冷静かつ効果的な主張立証を行って、離婚裁判の手続きを進めることができます。
効果的な証拠収集をする
証拠が不足していると裁判が長期化しやすくなります。したがって、早期に十分な証拠を収集し、裁判所に提出することが重要です。あらかじめきちんと準備を整えておくことで、離婚裁判の手続きをスムーズに進めることが期待でき、離婚裁判の期間が長引くことをおさえられるでしょう。
裁判所を活用する
裁判所に対して、相手方の遅延行為を指摘し、迅速な進行を求めることもできます。例えば、相手が一度合意した意見を覆す場合や、のらりくらりとした態度を取る場合には、裁判所にその事実を報告し、離婚裁判の進行を管理してもらうようにします。裁判所は適切な指導を行い、無駄な遅延を防ぐための措置を講じることができます。
裁判の期間を短くして時間や費用をおさえるには
離婚裁判の期間が長くなるケースについて解説させていただきましたが、たとえ長くなるようなケースであっても、離婚裁判の期間を短くし、離婚裁判にかかる時間や費用をおさえることは可能です。
1.和解を目指す
離婚裁判の期間を短くする方法としては、和解を目指すことが考えられます。
離婚裁判と聞くと、最後に裁判所から判決が下されて終わる、というイメージが一般的ですが、離婚裁判の手続きの途中で和解に至ることは珍しくありません。
例えば、以下の表は、裁判所が公表している「人事訴訟事件の概況」における、離婚裁判の終局区分ごとの割合になります。
年 |
判決(%) |
和解(%) |
取下げ(%) |
その他(%) |
2014年 |
43.2 |
45.0 |
9.3 |
2.5 |
2015年 |
40.6 |
47.6 |
9.4 |
2.4 |
2016年 |
37.6 |
49.4 |
10.3 |
2.7 |
2017年 |
39.1 |
47.9 |
10.5 |
2.5 |
2018年 |
37.2 |
48.6 |
11.6 |
2.6 |
2019年 |
39.3 |
44.6 |
13.4 |
2.7 |
2020年 |
37.0 |
41.9 |
18.4 |
2.7 |
2021年 |
37.4 |
39.0 |
20.6 |
3.0 |
2022年 |
37.3 |
37.4 |
22.2 |
3.0 |
2023年 |
37.6 |
36.3 |
23.5 |
2.7 |
この表を見ると、離婚裁判は必ずしも判決を下されて終わるわけではなく、和解による終結も多いことが分かります。
2014年から2023年にかけての年次推移を見ますと、割合こそ45%から36.3%に減少していますが、判決と和解とではほぼ等しい割合であることが分かります。
和解と聞くと、ある程度妥協が必要となり、自分の主張が全て認められないのは嫌だ、と感じるかもしれません。
ですが、離婚裁判の期間が長期化しそうな場合や、自分に不利な判決が予想される場合、和解に応じる方が得策となるケースもあるのです。
離婚裁判の中で和解を行うには、裁判所に対し和解したい旨を申し入れるか、あるいは裁判所からの和解の提案を検討します。離婚裁判で和解案を提示する際には、相手方が受け入れやすい条件を提案することが重要です。
また、離婚裁判を和解で終結させることには、離婚後の義務が果たされやすい、というメリットもあります。裁判所から一方的に命じられるよりも、自ら納得して合意する方が、義務の履行が期待できるのです。
ですので、もし離婚裁判を弁護士に依頼している場合には、条件次第では和解も可能であることを伝えておき、裁判所から和解を提案された場合には、和解条件案を前向きに検討してみましょう。
2.弁護士に依頼する
離婚裁判の期間を短くする方法として、弁護士に依頼することが考えられます。弁護士は法律の専門知識を持ち、離婚裁判の手続きを熟知しているため、離婚裁判の期間をスムーズに進めるための戦略を立てることができます。弁護士に依頼することで、必要な証拠の収集や書類の作成、離婚裁判所とのやり取りが効率的に行われ、無駄な時間を省くことができます。
さらに、弁護士は夫婦間の交渉を代行することで、感情的な対立を避けることができます。直接の対話を避けることで、冷静かつ建設的な話し合いが可能となり、和解の成立が期待されます。また、弁護士は離婚裁判所での手続きを迅速に進めるための適切な助言を提供し、離婚裁判の進行を遅らせる要因を排除することができます。
特に、証拠が少ない場合や相手方が和解に応じない場合、弁護士の支援は非常に有効です。適切な証拠を早期に収集し、離婚裁判所に提出することで、離婚裁判の期間が円滑になります。
さらに、弁護士に依頼することで、控訴や上告が必要となった場合でも迅速に対応できます。控訴や上告の手続きは複雑で時間がかかるため、専門的な知識を持つ弁護士のサポートが欠かせません。これにより、離婚裁判の期間を最小限に抑えることができます。
弁護士に依頼することは、離婚裁判の期間を短縮するための最も効果的な方法の一つとなるのです。
離婚裁判の期間に関するQ&A
Q1.離婚裁判の期間はどのくらいかかりますか?
離婚裁判の期間はケースバイケースですが、通常は数ヶ月から1年以上かかることがあります。離婚裁判の平均的な審理期間は、裁判所の統計によると「2年以内」とされています。
Q2.離婚裁判の期間が長引くケースとしては何がありますか?
離婚裁判の期間が長くなるケースとしては、子どもの親権で夫婦が争う場合や、財産分与や慰謝料の金額について意見が一致しない場合があります。また、証拠が少ない場合や和解協議が決裂した場合も期間が長くなります。さらに、第一審の判決に不満があり控訴や上告が行われる場合も、離婚裁判の期間が延びる原因となります。
Q3.和解が成立しない場合、離婚裁判の期間はどうなりますか?
和解が成立しない場合、離婚裁判の期間は長期化する傾向があります。裁判所での正式な審理が必要となり、証拠の提示や証人の尋問など、時間のかかる手続きが増えるためです。
当法律事務所の弁護士にご相談ください
離婚裁判の期間は、様々な要因によって大きく左右されます。
子どもの親権を巡る争いや、財産分与や慰謝料の金額に関する対立がある場合、離婚裁判の期間は長くなる傾向があります。
また、証拠が不足している場合や和解協議が決裂した場合も、裁判の進行が遅れます。さらに、第一審の判決に不満があり控訴や上告が行われると、裁判の期間がさらに延びることがあります。
離婚裁判を迅速に進めるためには、専門の弁護士に依頼し、必要な証拠を早期に収集することが重要です。弁護士のサポートを受けることで、裁判の手続きを効率的に進め、精神的および経済的負担を軽減することが期待できます。
離婚裁判を提起したい方、もしくは訴えを起こされた方は、なるべく早めに弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。
離婚裁判の手続きは煩雑で、法的にも複雑です。必要な証拠収集や書面の準備などに時間や手間がかかるため、離婚裁判の手続きは弁護士に依頼することが推奨されます。
弁護士法人あおい法律事務所では、初回無料の法律相談を行っております。離婚裁判にお悩みやご不安がある方は、ぜひWeb予約フォームやお電話よりお問い合わせください。
この記事を書いた人
雫田 雄太
弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。