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離婚調停中の不利な発言・離婚の話し合いで不利になる言葉とは?

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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離婚調停は裁判所で行われる話し合いです。この調停手続きで使用する言葉は、非常に重要になってきます。

しかし、感情が高ぶる中では不用意な言葉を発してしまいやすく、不利な発言をしてしまうと、自分にとって不利な結果を招くことになる可能性があります。

そこでこの記事では、離婚調停中の話し合いを有利に進めるためにも、気を付けたい不利な発言や言葉・言動について、弁護士が詳しく解説させていただきます。

離婚調停における不利な発言には、主にどういったものがあるのか、具体的な発言や言葉をご紹介いたします。また、不利な発言以外にも、調停手続きを進めている期間中にやってはいけないこと、不利になる言動についても、簡単にご説明いたします。

離婚調停を円滑に進め、公正な結果を得るためには、冷静で慎重な発言が求められます。この記事を通じて、離婚調停の際に不利な発言をすると、どういった影響があるのかを理解しておきましょう。

目次

離婚調停中は絶対NG!不利な発言や言葉とは?弁護士が解説

 

離婚調停中は絶対NG!不利な発言や言葉とは?弁護士が解説

 

それではさっそく、離婚調停中に避けるべき不利な発言について、具体的な内容を見ていきたいと思います。

不利な発言①相手方を非難する言葉・悪口

離婚調停中において、相手方を非難する言葉や悪口を発することは、非常に不利な発言となり得ます。

離婚調停は、冷静で公平な話し合いの場です。感情的な言葉や発言は、離婚調停の円滑な進行を妨げることになってしまい、調停委員や裁判官からの自身の信頼性を損なうリスクがあります。

例えば、「夫はいつもだらしなくて、家の中が汚くても気にしない。そんな態度が許せません。」といった批判や、「妻はお金の管理が全くできなくて、無駄遣いばかり。もう我慢できません!」といった相手を非難する言葉や悪口は、相手方の感情を刺激し、建設的な話し合いを困難にしてします。

さらに、相手を一方的に悪者にするような発言は、自身の主張の信憑性をも損ねます。相手方を非難する言葉や悪口は、不利な発言となってしまい、結果的に離婚調停における自分の立場を弱めてしまうのです。

また、悪口などの不利な発言によって相手方を攻撃することで、相手も防御的・攻撃的な態度を取ることになるため、離婚調停が余計に紛糾してしまうこともあります。

離婚調停での話し合いを有利に進めるためには、相手方を非難したり悪口を言ったりするのではなく、事実に基づいた冷静な言葉で、自分の主張を伝えることが大切です。

例えば、「夫が仕事で忙しいため家事の負担が大きい」「妻が仕事で遅くなるため子供の世話が私の負担になっている」といった、感情を排除した具体的な状況説明が求められます。このようにすることで、調停委員や裁判官に対してより客観的で公平な印象を与え、自身の主張を効果的に伝えることができます。

不利な発言②自身の他の発言と矛盾する言葉

離婚調停において、自身の他の発言と矛盾する言葉は、不利な発言の一つとして非常に注意が必要です。離婚調停では、調停委員や裁判官が公正かつ客観的な視点で双方の意見を聞き、最適な解決策を導き出そうとします。そのため、一貫性のない発言は信頼性を損ない、自分にとって不利な状況を招く可能性が高まります。

例えば、初めに「夫は家事を全く手伝わない」と主張しておきながら、後の発言で「夫が手伝ってくれる家事は助かっている」と述べると、その矛盾が際立ちます。このような不一致は調停委員や裁判官に対して、自分の発言が信頼できないとみなされる原因となります。

また、「妻は子供の教育に関心がない」と言いつつ、「妻が毎日子供の宿題を見てくれている」と述べると、その矛盾が浮き彫りになります。これもまた、自身の主張が不利に働く要因となります。

離婚調停を成功させるためには、最初から最後まで一貫した態度と発言を保つことが重要です。自分の主張や要求が変わる場合には、その理由を明確に説明し、合理的かつ具体的な根拠を示すことが求められます。矛盾する発言を避けるためには、事前に自分の主張や状況を整理し、調停の場でどのような発言をするかをしっかりと準備しておくことが有効です。

離婚調停の過程で冷静かつ論理的に自分の立場を主張することが、不利な発言を避け、調停を有利に進めるための鍵となります。

不利な発言③具体性のない主張

離婚調停においては、具体性を欠く発言も不利な発言のひとつとなります。

離婚調停では、調停委員や裁判官が公平かつ客観的に夫婦の意見を評価し、最善の解決策を見つけるために、具体的かつ詳細な情報が求められます。具体性のない主張は、主張の信憑性を疑わせるだけでなく、自分の立場を弱めてしまう不利な発言です。

例えば、「妻が家庭を顧みない」とだけ主張しても、それが具体的にどのような行動や状況を指しているのかが明確でなければ、調停委員はその主張を信用しにくくなります。

調停委員は具体的な事実を求めるため、「具体的にどういったことが家庭を顧みないと感じさせているのか?」と質問してきます。このときに、「いつも友達と出かけてばかりで、家庭のことを全く考えない」といった曖昧な説明しかできないと、調停委員にとってその主張は信憑性が低くなります。

具体的な事実がないと、調停委員は相手方の言い分を優先せざるを得ません。例えば、「妻が友達と出かけるのは週末の一度だけで、それ以外は子供と過ごしている」と相手方が具体的に説明すると、その言葉の方が信頼されやすくなります。このように、具体性のない主張は、相手方の具体的な説明に対抗できない不利な発言となってしまうのです。

あるいは、「夫が家庭内で暴言を吐く」と主張する場合でも、「夫が具体的にどのような暴言を吐いたのか、どのような状況であったのか」を説明することが重要です。「夫は毎晩帰宅すると、ストレスからか子供の前で、お前たちがいるから俺の人生は台無しだ!と怒鳴り散らし、私に対しても、役立たずの妻なんて必要ない、と侮辱的な言葉を投げつけます。」というように、具体的な内容を示すことで、調停委員はその主張を理解しやすくなります。

具体性のない「夫が暴言を吐く」というだけの主張は、不利な発言となってしまい、離婚調停を進めるにあたって不利になるため、事実に基づいた具体的な主張をしなければなりません。

不利な発言④希望条件に固執する言葉

離婚調停において、希望条件に固執する言葉は非常に不利な発言です。離婚調停は双方が歩み寄り、合意を形成するための場です。そのため、一方的に自分の希望条件だけを押し通そうとすると、調停委員や相手方に対して融通の利かない印象を与え、自分の立場を弱めてしまう不利な発言となります。

例えば、「子供の養育費は絶対に月額〇〇万円でないと受け入れられない」と固執する場合、調停委員はその頑固な態度を問題視します。相手方が「現在の収入ではその額は支払えない」と具体的な理由を説明したとしても、希望条件に固執する発言を続けると、調停は進展しません。調停委員や相手方に対して協力的な姿勢を示さなければ、最終的な合意に達することが難しくなり、自分の立場を弱めてしまいます。

また、「財産分与は私が全てをもらうべきだ」と主張する場合も同様です。具体的な理由や根拠を示さずにこのような希望条件に固執する発言は、不利な発言となります。調停委員は公正な解決を目指しているため、一方的な要求は受け入れられにくく、かえって相手方の主張が優先される可能性が高まります。

希望条件に固執する言葉を避けるためには、現実的で柔軟な姿勢を持つことが重要です。相手方の立場や状況を理解し、共に解決策を模索する姿勢を示すことで、調停委員にも協力的な印象を与え、自分の主張が受け入れられやすくなります。

例えば、「子供の養育費については、相手方の収入状況を考慮しつつ、現実的な額を話し合いたい」といった柔軟な発言をすることで、調停が円滑に進みやすくなります。

離婚調停での成功には、希望条件に固執する不利な発言を避け、協力的で柔軟な姿勢が求められます。これにより、調停委員や相手方との信頼関係を築き、公正な解決を得るための基盤を整えることができます。

不利な発言⑤安易に譲歩しすぎる言葉

離婚調停において、安易に譲歩しすぎる発言は非常に不利な発言です。離婚調停は双方の意見を調整し、公正な解決策を見つけるための場です。自分の主張を簡単に引っ込めてしまうと、調停委員や相手方に対して弱腰な印象を与え、自分の立場を弱めてしまう不利な発言となります。

例えば、初めに「子供の親権を譲れない」と強く主張していたにもかかわらず、「やっぱり親権を諦めてもいいです」と安易に譲歩してしまうと、調停委員はその一貫性のなさに疑問を抱きます。また、相手方に対しても「本当に親権を求めているのか?」と疑念を持たれ、自分の主張が軽視されてしまう可能性があります。このような発言は、自分の立場を弱める不利な発言です。

さらに、「財産分与は公平に分けてほしい」と主張しつつ、「全部相手に渡しても構いません」といった安易な譲歩も避けるべきです。調停委員や相手方に対して強い意志がないとみなされ、結果として自分の要求が受け入れられにくくなります。具体的な理由や根拠を示さずに安易に譲歩することは、調停の進行を不利に導く要因となります。

離婚調停では、冷静かつ論理的に自分の立場を主張することが重要です。安易に譲歩しすぎる発言を避け、しっかりとした根拠をもとに自分の意見を伝えることが必要です。

例えば、「子供の親権は子供の福祉を最優先に考えて譲れない。相手方の生活状況を考慮しても、私が親権を持つことが最善だ」といった具合に、具体的な理由を挙げて主張することで、調停委員に対して信頼性を示し、自分の立場を強化することができます。

離婚調停における安易な譲歩は不利な発言です。冷静で具体的な根拠をもとに、自分の意見を主張することで、公正な解決を目指しましょう。

不利な発言⑥配偶者以外の男性・女性との不貞行為を示唆する言葉

離婚調停において、不貞行為を示唆する発言は非常に不利な発言です。離婚調停は公正かつ客観的に問題を解決する場であり、倫理的な側面も重要視されます。不貞行為を示唆する発言は、自分の信用を損なうだけでなく、調停委員や裁判官に対して自分が道徳的に問題のある人物であるという印象を与えてしまいます。

例えば、「実は、別の男性(女性)と関係があるんです」といった発言をしてしまうと、調停委員はその不貞行為を問題視します。これは自分自身の信用を大きく損なう不利な発言です。また、「離婚が成立したらすぐに再婚するつもりです」といった発言も、不貞行為を示唆するものとして受け取られ、自分の立場を弱めてしまいます。

不貞行為を示唆する発言は、相手方の主張を強化する材料となり得ます。例えば、相手方が「妻(夫)が不貞行為を行っていた」と主張した場合、自分自身がその行為を示唆する発言をしてしまうと、相手方の主張が裏付けられ、自分にとって非常に不利な状況になります。このような不利な発言は、調停の結果にも大きく影響し、望む結果を得ることが難しくなってしまいます。

こうした不利な発言は、以下のようなリスクを伴います。

まず、離婚原因の疑念です。不貞行為を示唆する発言によって、「夫婦関係が破綻した原因が交際相手の存在なのではないか」と疑われる可能性があります。これにより、調停委員は自分の主張を疑問視し、相手方の主張に信憑性を与えてしまいます。

また、不貞行為を示唆する不利な発言をすることで、相手方から慰謝料を請求されるリスクが高まります。

離婚調停において、不貞行為を示唆する不利な発言は避けるように注意しましょう。

離婚調停の相手方へ直接連絡・要求しようとするのも不利な状況になるので要注意!

離婚調停において、相手方へ直接連絡・要求しようとする発言は非常に不利な発言です。離婚調停は、第三者である調停委員が公正かつ中立な立場で夫婦の問題を解決する場です。直接のやり取りを避けることが重要です。相手方へ直接連絡や要求をすることで、離婚調停の秩序が乱れ、調停委員に危険人物という印象を与えてしまいかねません。

例えば、「離婚調停を通さずに直接話し合いたい」と発言すると、調停委員はその発言を問題視し、相手方の安全を優先するために、自分の要求が受け入れられにくくなります。これは、自分の立場を弱めてしまう不利な発言です。また、「今すぐ財産分与の件で直接話し合おう」といった発言は、相手方の感情を逆撫でする可能性が高く、冷静な話し合いが困難になります。離婚調停の目的は、双方が納得できる解決策を見つけることにあるため、感情的な対立を避けることが不可欠です。

直接連絡や要求を行うことで、調停委員の信頼を失う危険性もあります。調停委員は、公正な判断を下すために夫婦の双方の意見を聞き、中立的な立場で調整を行います。直接のやり取りを提案することで、調停委員は自分を危険人物とみなし、不利な発言となります。例えば、「直接連絡を取って解決しよう」という発言は、調停委員に対して不安を与え、相手方の身の安全を確保するために自分の要求が軽視される可能性があります。

離婚調停の成功には、調停委員の役割を尊重し、冷静で建設的な話し合いを心掛けることが重要です。相手方へ直接連絡や要求をする発言は避け、調停委員を通じて話し合いを進めることが求められます。例えば、「この件については調停委員を通じて解決策を見つけたい」といった発言をすることで、調停委員に対する信頼を示し、自分の立場を強化することができます。

離婚調停において、不利な発言を避けるためには、直接の連絡や要求を控え、調停委員を通じて話し合いを進める姿勢を示すことが重要なのです。

離婚調停で発言の他に注意すべき言動はある?

離婚調停においては、不利な発言だけではなく、離婚調停の期日外での言動にも注意しなければなりません。

相手方への嫌がらせ・悪口

離婚調停中にやってはいけないことの一つは、相手方への嫌がらせや悪口です。離婚調停は双方が誠実に対応し、公正な解決を目指す場です。相手方に対する嫌がらせ行為は調停委員からの信頼を失う原因となり、離婚調停が不利に進む可能性があります。

例えば、嫌がらせ行為としては、相手の職場や自宅の近くで待ち伏せする、相手がよく利用する場所で偶然を装って接触する行為や、相手の行動を監視するつきまとい行為、無言電話やSNSでの嫌がらせなどが考えられます。また、相手に直接連絡することを拒否されているのに、何度もメールやメッセージを送り続けることも嫌がらせと見なされます。

こうした行為は嫌がらせであることを自覚し、離婚調停中にやってはいけないこととして認識することが適切です。調停委員は双方の意見を公平に聞き、公正な判断を下しますが、一方が嫌がらせを行っていると、その心証が悪くなり、離婚調停が不利に進む可能性があります。

さらに、嫌がらせ行為は法的なリスクも伴います。ストーカー規制法やハラスメント防止法に抵触する可能性があり、相手が警察に通報すると法的措置を取られることがあります。これにより、離婚調停の進行に支障をきたし、刑事責任を問われることになる可能性もあります。

離婚調停では、誠実で適切な言動を心がけましょう。

離婚調停の期日に無断で欠席する

離婚調停中にやってはいけないことの一つは、無断で離婚調停の期日に遅刻・欠席することです。離婚調停は夫婦間の問題を解決するための重要な場であり、期日においては双方が誠実に対応することが求められます。無断で欠席や遅刻をすると、離婚調停の進行に大きな支障をきたし、調停委員の信頼を損なう原因となります。これにより、公正な判断を下すことが難しくなり、離婚調停が不利に進む可能性があります。

また、無断で欠席や遅刻をすると、相手方からの信頼も失い、不満が募り対立が深まります。これにより、離婚調停が円滑に進まず、解決が遠のくことになります。さらに、無断で欠席や遅刻を繰り返すと、離婚調停のスケジュール調整が必要となり、進行が大幅に遅れる原因となります。

法的なリスクも伴い、例えば調停委員が出席を強制するために、裁判所に命令を求めることが考えられます。このような事態になると、強制的な措置が取られ、さらに不利な立場に追い込まれる可能性があります。離婚調停の期日には必ず出席し、冷静に話し合う姿勢を示すことが重要です。

異性と会う・不貞行為をする

離婚調停中にやってはいけないことの一つは、配偶者以外の異性と会う・不貞行為をすることです。

離婚調停の期間中に異性と会う・連絡を取る・同棲する・肉体関係を持つ、といった行為は、相手方や調停委員からの信頼を損なうだけでなく、法的な問題を引き起こす可能性があります。

離婚調停中は、法律上はまだ夫婦であるため、配偶者以外の異性と会うなどの行為は不倫とみなされる可能性が高いです。不倫は、民法第770条第1項第1号の「不貞行為」に該当すると判断された場合、法律上の離婚原因となるだけでなく、不貞行為を理由とした慰謝料を請求されることもあります。

離婚調停中に異性と会う・不貞行為をする、といった行動が発覚すると、有責配偶者となってしまい、自分から離婚請求ができなくなるリスクもあります。さらに、離婚調停の相手方や調停委員の心証を悪化させ、子どもとの関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、婚姻関係が既に破綻していると思える場合でも、不貞行為にならないと自己判断するのは危険です。婚姻関係の破綻はさまざまな事情を考慮して総合的に判断されるため、自分勝手な判断は避けるべきです。離婚調停中は、配偶者以外の異性と会うことを避け、自分が有責配偶者とならないよう注意しましょう。

勝手に子供を連れ去る

離婚調停では、子供の親権について争われることがありますが、監護している親のもとから無断で子供を連れ去る行為は避けるべきです。

まず、子供を連れ去ることは相手方に対する重大な裏切り行為であり、調停委員からの信頼を失う原因となります。例えば、夫が妻に無断で子供を実家に連れて行く、妻が夫に知らせずに子供を別の場所に連れ去るなどの行為は、非協力的な態度とみなされ、離婚調停が不利に進む可能性があります。誠実な対応を心がけ、調停委員からの信頼を得ることが重要です。

また、子供を勝手に連れ去る行為は子供に対する心理的な負担を増大させます。突然の環境変化や片親との別離は、子供に深刻な精神的ストレスを与え、精神的な健康に悪影響を及ぼす可能性があります。子供の福祉を最優先に考えるためにも、離婚調停中には冷静かつ誠実な対応が求められます。

さらに、子供を連れ去る行為は法的なリスクを伴います。例えば、子供の連れ去りは監護権侵害として法的に問題視され、相手方が警察に通報した場合、法的措置を取られる可能性があります。これにより、刑事責任を問われるだけでなく、離婚調停の進行にも悪影響を及ぼし、親権争いにおいて不利な立場に立たされる可能性が高まります。

また、子供を勝手に連れ去る行為は相手方との関係をさらに悪化させる原因となります。相手方が子供を取り戻そうとする過程で対立が深まり、離婚調停が有利に進まなくなることがあります。

離婚調停で不利にならないためにも、監護者から勝手に子供を連れ去ることのないよう、注意してください。

以上のような、不利な発言以外に離婚調停でやってはいけないことについては、こちらの関連記事でさらに詳しく解説しています。ぜひ合わせてご一読いただければと思います。

[離婚調停中にやってはいけないことは?調停を有利に進めるために]

離婚調停の話し合いを有利に進めるためのポイント

離婚調停で不利にならないために、注意すべき言動や、不利な発言とそのリスクについて、弁護士が解説いたしました。

最後に、離婚調停の話し合いを有利に進めるために気を付けるべきポイントについて、簡単に解説いたします。

ポイント①具体的な事実を必要に応じて冷静に話しましょう

離婚調停において、具体的な事実を必要に応じて冷静に話すことは非常に重要です。離婚調停は夫婦間の問題を解決するための話し合いの場であり、感情的な発言や不利な発言を避けることが求められます。不利な発言は自分の立場を弱めてしまう不利な発言ですので、注意が必要です。

まず、離婚調停中に不利な発言を避けるためには、具体的な事実に基づいた話し合いを心掛けることが重要です。例えば、「夫は全く家事を手伝わない」と漠然とした主張をするのではなく、「夫は週末も含めて一切家事を手伝わず、掃除や料理、洗濯は全て私が行っています」と具体的な事実を冷静に伝えることが必要です。具体的な事実を話すことで、調停委員や裁判官に対して信憑性を示すことができ、自分の主張がより説得力を持ちます。

離婚調停中は、感情的な言葉を避け、具体的な事実に基づいて話すことが求められます。例えば、「妻は浪費をする」という主張ではなく、「妻は毎月〇〇円以上の無駄遣いをし、家計に大きな影響を与えています」と具体的な金額や影響を示すことが効果的です。このように、具体的な事実を冷静に話すことで、調停委員や裁判官に対して信頼性を示し、自分の主張を効果的に伝えることができます。

また、冷静に事実を話すことは、調停委員や裁判官の信頼を得るためにも重要です。感情的な発言や抽象的な主張は、不利な発言となり、自分の立場を弱める結果となります。具体的な事実を冷静に話すことで、公正な判断を受けるための基盤を築くことができます。

離婚調停において、不利な発言を避けるためには、具体的な事実を必要に応じて冷静に話すことが重要です。冷静で誠実な対応を心掛け、話し合いを円滑に進めるように努めましょう。

ポイント②適切な陳述書を提出する

離婚調停において、適切な陳述書を提出することは非常に重要です。陳述書は、自分の主張や状況を整理し、調停委員や裁判官に対して明確に伝えるための書面です。適切な陳述書を提出することで、不利な発言を避け、話し合いを有利に進めることができます。

まず、陳述書とは、自分の意見や主張、事実を記載した書面であり、離婚調停において非常に重要な役割を果たします。離婚調停では、話し合いの場で口頭で説明するだけでなく、適切な陳述書を提出することで、自分の立場を強化することができます。陳述書には、具体的な事実や証拠を明示し、調停委員や裁判官に対して説得力を持たせることが必要です。

適切な陳述書を作成するためには、以下の点に注意しましょう。まず、事実に基づいた内容を記載することが重要です。例えば、「夫は家事を全く手伝わない」と記載するのではなく、「夫は週末も含めて一切家事を手伝わず、掃除や料理、洗濯は全て私が行っています」と具体的に記載します。こうすることで、調停委員や裁判官に対して信憑性を示し、自分の主張を効果的に伝えることができます。

次に、感情的な表現を避け、冷静で客観的な記述を心掛けることが重要です。感情的な表現は、不利な発言となり、自分の立場を弱めてしまう不利な発言です。冷静で客観的な記述により、調停委員や裁判官に対して信頼性を示し、話し合いを円滑に進めることができます。

さらに、陳述書には具体的な証拠を添付することが重要です。例えば、「妻が浪費をする」と主張する場合、具体的な支出の明細や領収書を添付することで、主張の信憑性を高めることができます。証拠を添付することで、調停委員や裁判官に対して具体的な状況を示し、説得力を持たせることができます。

離婚調停において、適切な陳述書を提出することは、自分の立場を強化し、不利な発言を避けるために不可欠です。陳述書を通じて、具体的な事実や証拠を冷静に伝えることで、話し合いを有利に進め、公正な解決を目指すことができます。誠実で冷静な対応を心掛け、陳述書を適切に作成・提出することが重要です。

ポイント③調停委員を味方につけましょう

離婚調停を有利に進めるためには、調停委員を味方につけることが重要です。調停委員は夫婦間の問題を公正かつ中立に解決するための存在であり、信頼関係を築くことが、離婚調停を有利に進めるためには大切です。

まず、身だしなみに気を付けましょう。離婚調停は公的な場であり、身だしなみが整っていることは、社会人としての最低条件です。清潔感のある服装を心がけることで、調停委員に対して誠実な印象を与えることができます。

また、言葉遣いに気を付けることも大切です。離婚調停は感情が高ぶる場面が多いですが、冷静で丁寧な言葉遣いを心掛けることが求められます。調停委員に対して礼儀正しく接することで、信頼関係を築くことができ、話し合いが円滑に進む助けとなります。

そして、調停委員の質問に対して誠実かつ詳細に答えることが求められます。曖昧な回答や嘘をつくことは避け、正直に事実を伝えることで調停委員の信頼を得ることができます。

離婚調停を有利に進めるためには、調停委員を味方につけることが不可欠です。身だしなみや言葉遣いに気を付け、裁判所からの指示にも適切に対応することで、調停委員からの信頼を得ることができます。これにより、話し合いを有利に進め、公正な解決を目指すことができます。

離婚調停における言動に関するQ&A

Q1.離婚調停で不利な発言とは何ですか?

離婚調停で不利な発言とは、相手方や調停委員の信頼を損ない、自分の立場を弱める発言です。具体的には、感情的な言葉や根拠のない主張、相手方を非難する発言などが該当します。こうした発言は離婚調停を不利に進めてしまう可能性が高いため、冷静かつ具体的な事実に基づいた発言が重要です。

Q2.離婚調停で相手方を非難する発言は、なぜ不利な発言なのでしょうか?

離婚調停で相手方を非難する発言は、不利な発言となる場合もあります。調停委員は公正な判断を下すために、双方の冷静な意見を求めます。相手方を感情的に非難するのではなく、具体的な事実を冷静に伝えることが重要です。

Q3.離婚調停中に不利な発言を避けるためにはどうすれば良いですか?

離婚調停中に不利な発言を避けるためには、具体的な事実に基づいた冷静な話し合いが必要です。また、適切な陳述書を提出することで、自分の主張を明確に伝えることができます。感情的な発言や根拠のない主張を避け、冷静で客観的な情報を提供することが重要です。

離婚調停のお悩みは当法律事務所の弁護士にご相談ください

離婚調停において、不利な発言は自分の立場を弱め、調停の結果に悪影響を与える可能性があります。まず、感情的な発言や抽象的な主張は避け、具体的な事実に基づいて冷静に話すことが重要です。相手方を非難する言葉や悪口は、調停委員の信頼を損なう不利な発言となり、自分の主張を通しにくくなります。

また、適切な陳述書を提出することも離婚調停を有利に進めるために不可欠です。陳述書には、具体的な事実や証拠を明確に記載し、自分の立場を強化する情報を提供しましょう。身だしなみや言葉遣いにも気を配り、誠実で礼儀正しい態度を保つことで、調停委員の信頼を得ることができます。

不貞行為を示唆する発言や相手方へ直接連絡・要求しようとする発言も、不利な発言として避けるべきです。これらの発言は、法的なリスクや調停の進行を妨げる原因となります。

総じて、離婚調停で不利な発言を避けるためには、冷静で誠実な対応を心掛け、具体的な事実に基づいた情報を提供することが重要です。調停委員との信頼関係を築くことで、離婚調停を有利に進め、公正な解決を得ることができます。

このように、複雑な離婚調停をスムーズかつ有利に進めるためにも、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。当法律事務所では、初回の法律相談を無料とさせていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

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