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離婚調停に弁護士は必要?代理人の役割や相談するメリットを解説

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

弁護士法人あおい事務所の離婚専門サイトをご覧いただき、ありがとうございます。
当サイトでは、離婚に関する法的な知識を分かりやすくお届けしております。皆様のお悩みの解消に少しでもお役立ちできましたら幸甚です。

夫婦の話し合いで離婚ができない場合に、離婚調停で離婚できる場合があります。

離婚調停は裁判所で行われます。裁判所の手続であるためハードルが高いと感じる人や、準備や手続きが大変なため、離婚調停の手続きを進めていくことに不安を感じる人は少なくありません。
そのような不安を解消するために、弁護士に相談することも一つです。

本記事では、離婚調停において弁護士の代理人としての役割について紹介します。そして、次に弁護士に相談・依頼することのメリットなどについて、具体的にご説明します。
弁護士へ依頼するためには、その必要性や注意点について理解しておくことが重要です。
本記事が、弁護士への依頼を検討する際のご参考になりましたら幸いです。

目次

離婚調停の手続きにおける代理人・弁護士の役割とは

 

離婚調停の手続きにおける代理人・弁護士の役割とは

 

最初に、離婚調停の手続きの中で、依頼者の代理人である弁護士の役割について、紹介したいと思います。
離婚調停手続きでは、弁護士は依頼者の代理人として、主に次の6つを視野に入れながら代理業務を行います。

  1. 依頼者の要望を把握し整理する
  2. 適切な離婚条件を提案する
  3. 証拠の収集
  4. 離婚調停の申立の準備を行う
  5. 離婚調停の手続きを代理する
  6. 離婚調停不成立後の先を見据えた対応

それでは、以上の6つの点を具体的に見ていきましょう。

1.依頼者の要望を把握し整理する

離婚調停手続きを受任した弁護士がまず行うことは、依頼者の要望を把握し、状況を整理することです。弁護士は依頼者のご不安やお悩みを親身になって聞き、ご要望を法的に整理して、依頼者の事情を踏まえた解決策を提案します。

弁護士は、依頼者のご要望を明確にするために詳細なヒアリングを行います。たとえば、依頼者が離婚時に子どもの親権を確保したい場合、相手に養育費を請求したいか、面会交流の条件はどのように考えているか、離婚後の生活基盤は整っているかなど、具体的な要望や事情を伺います。弁護士は、依頼者の事情を考慮した上で、離婚調停における交渉戦略を立てることになります。

また、依頼者に、離婚調停の流れなどの法的な事柄について、分かりやすく説明します。離婚調停がどのような手順を踏んで進行するのか、どのような書類が必要なのか、また、調停における法的な権利や義務について詳しく解説します。特に、離婚調停が単なる話し合いとは異なり、特定の法的手続きに基づいて進むこと、調停委員会がどのような役割を果たすのかなど、調停の基本的な枠組みについて依頼者が正しく理解できるように努めます。

2.適切な離婚条件を提案する

離婚調停では、様々な法的問題について争われることになります。特に、財産分与、慰謝料、年金分割や婚姻費用といったお金の問題や、子どもの親権・養育費などの問題についてが争点となります。
弁護士は、最新の議論や裁判例などを駆使するなどして、依頼者に最善な離婚条件を検討し、提案します。

弁護士による離婚条件の提案は、単に法的な知識を杓子定規に当てはめるのではなく、依頼者の離婚後の生活をも見据えた柔軟なものであることが多いでしょう。

3.証拠の収集

離婚調停における弁護士の重要な役割の一つは、証拠を集めることです。

例えば、不貞行為の証拠としては、相手が不倫関係にあったことを示すホテルのレシート、ホテルから不貞相手と配偶者が出てきた写真、共通の知人や目撃者からの証言、不倫相手とのメールやメッセージの交換記録、場合によっては写真やビデオなどが考えられます。これらの証拠は、相手方の不貞行為を具体的に示すものとして非常に重要です。

他にも財産分与の対象となる財産資料の収集です。婚姻期間前の財産は、財産分与の対象とならないことから、現在ある財産のうち、婚姻前の財産だと立証することは重要です。

弁護士は収集した証拠の重要性を吟味して、調停や裁判において依頼者の利益にかなうように手続きを進めます。依頼者が公正な扱いを受け、適切な解決が図られるよう、これらの証拠を効果的に活用することも、弁護士が離婚調停で果たす重要な役割のひとつなのです。

4.離婚調停の申立ての準備を行う

弁護士は、依頼者の主張や証拠を整理して、離婚調停の申立ての準備も行います。
離婚調停を申し立てるためには、裁判所が定めた書式を利用し、申立書や添付書類を準備する必要があります。

たとえば離婚調停の申立書には、離婚調停申立ての理由や申立人の情報、子どもの親権、財産分与や慰謝料の請求内容などを説得的に記載します。
それらにあわせて提出する事情説明書には、夫婦双方の収入や財産、負債、生活の状況、子どもに関することなどについて記載します。

裁判所に提出する書類は、裁判官も当然読むことから、離婚調停の期日前に説得的に書類を作成し、事情をよく理解してもらうことが大切です。弁護士であれば、裁判官の求める事柄を把握していることから、依頼者のご要望やご事情を説得的に記載することができます。

例えば、婚姻費用の分担額が必要である根拠を調停期日前に準備し、あらかじめ証拠を提出することで、裁判官に妥当な婚姻費用分担額を具体的に把握してもらい、初期の段階ら適切な婚姻費用額についての心証を形成してもらうようサポートすることができます。

このようにすることで、婚姻費用がもらえていない場合には、弁護士は、初期の段階から、婚姻費用分担額に関する裁判所の判断が下されるようにサポートし、別居期間中の生活費に困ることがなくなるようにすることができうるのです。

5.離婚調停の手続きを代理する

離婚調停では、弁護士は、依頼者の代理人として離婚調停の期日に同席して、調停委員に対して、説得的な主張や反論などを行います。
弁護士は、依頼者の利益を最優先に考えて、子どもの親権や養育費、財産分与、慰謝料などについての交渉を進めていきます。弁護士は、調停委員に対して、依頼者の立場と主張を明確に伝え、必要に応じて追加で必要書類を用意し提出します。

依頼者自身が離婚調停に参加する場合でも、離婚調停期日に同席する弁護士は、依頼者に対して、適切なアドバイスを行ってフォローします。

6.離婚調停不成立後の先を見据えた対応

離婚調停が不成立となったけれども、離婚の意向があれば、最終的には離婚裁判になる場合もあります。弁護士は、離婚調停の段階で、離婚裁判になる可能性を見据えた対応を採ることもあります。

例えば、弁護士は、裁判での主張や証拠として利用できるように、離婚調停中に収集した証拠や交渉の内容、調停委員とのやり取りなどを記録化するなどします。

他にも、裁判で離婚することができる事案であると弁護士が判断した場合には、相手方が離婚をしないと主張を変えない場合には、早期の段階で調停を不成立にし、離婚訴訟を提起します。離婚訴訟では、離婚事由がある場合には、相手方が離婚を拒んだとしても、裁判所が離婚の結論を出すことができます。

そのため、離婚訴訟を提起した方が、結果として、早期に離婚をすることができることがあるのです。

このように、弁護士であれば、離婚訴訟に移行するタイミングを適切に判断することができるのです。

他にも、弁護士は、離婚調停中であっても、離婚裁判を見据えて、離婚調停中の依頼者の主張や反論が裁判でも通用し、かつ依頼者に有利になるようにします。離婚調停中に相手方から不当な要求をされたり、依頼者に不利な主張がされた場合の反論の準備等も行います。また、離婚調停での話し合いの内容が離婚裁判における証拠となり得るため、弁護士は、依頼者のご主張が矛盾したりするなどして説得的でないという評価を受けないようにサポートします。

このように、弁護士は離婚調停が離婚裁判に移行する可能性を見据えた対応をすることができます。

さて、離婚調停における弁護士の主な役割について、詳しくご説明させていただきました。それでは、このような弁護士の役割が、具体的に依頼者にとってどのようなメリットになるのでしょうか。

離婚調停を有利に進めるために弁護士は必要?依頼するメリット

離婚調停には、弁護士は必要なのでしょうか。弁護士に離婚調停を依頼すると有利に進むなどと耳にする方もいるのではないでしょうか。なぜ弁護士に代理してもらうと有利に進むのでしょう。
離婚調停の手続きを弁護士に委任すると、一般的に次のようなメリットがあります。

  1. 離婚に関連する複雑な法的問題に対処してもらえる。
  2. 依頼者の時間と労力を節約できる。
  3. 相手方との感情的な衝突が回避できる。
  4. 書類作成や主張の一貫性と正確性を確保できる。
  5. 調停委員に過不足なく要望や事実を主張できる。
  6. 離婚調停に同席し、その場でフォローしてもらえる。
  7. 交渉を有利に進めることができる。
  8. 調停調書の内容の正確性や適切性を確保できる。
  9. 調停の進行状況に応じて、取り下げなどの判断をしてくれる。
  10. 離婚調停で生じる精神的ストレスを軽減できる。

どのメリットも依頼者にとっては非常に大きいので、離婚調停を考えている場合には、弁護士にご相談いただくことをおすすめしております。
それでは、以上の10個のメリットについて、より詳しく見ていきましょう。

メリット1.離婚に関連する複雑な法的問題に対処してもらえる。

離婚手続きでは、親権や養育費、財産分与、慰謝料といったことが問題となりえます。

弁護士は、相手方に対する請求する場面や、お相手からの反論に対する再反論をする場面など、様々な場面ごとに応じて適切に対応することができます。

たとえば、お相手から高額な養育費を請求されたケースを挙げると、この場合、弁護士であれば、依頼者の経済的事情や子どもの人数等を考慮し、適正な金額となるように主張することができます。また、相手方がそれでも拒む場合には、審判手続に移行し、裁判所に判断してもらうようにすることもできます。

弁護士は、依頼者の収入や生活状況、子どもの年齢や教育費などの詳細な情報を踏まえて、妥当な金額を算出することができます。また、弁護士は、裁判所の手続き上においても、調停員や裁判官に対して、必要に応じて養育費を算定するにあたって用いた根拠を示しながら説得することができます。

メリット2.依頼者の時間と労力を節約できる。

離婚調停を進行させるにあたり、書類の準備や証拠収集、交渉準備等に相応の時間と労力を割くことになります。離婚調停を弁護士に任せることで、手間をかけることなく、説得的な文書が完成します。

弁護士は、必要な書類の準備、法律や規則に従って書面の起案を行います。証拠の収集や整理も弁護士に任せることができるので、依頼者のご負担も必要最小限度にとどまります。

加えて、離婚調停の期日におけるお相手や調停委員との交渉も、弁護士に任せることができます。

このように、離婚調停の手続きに要する時間と労力を節約できることも、離婚調停を弁護士に依頼することの大きなメリットのひとつです。

メリット3.相手方との感情的な衝突が回避できる。

当事者だけで離婚調停を行おうとすると、感情的になってしまい、思うように話し合いが進まないことも多いです。ところが、弁護士に任せてしまえば、依頼者と相手方とが直接、対立しないですみます。このように弁護士であれば、冷静で建設的な話し合いを進めることができます。

特に、子どもの親権や養育費、財産分与について話し合う場面では、特に感情的になりやすいでしょう。このような場面では、特に弁護士にお任せすべき場面といえるでしょう。

依頼者が離婚調停に出席を希望している場合でも、弁護士に依頼していれば、調停員等から想定される質問等を教示してもらうことができ、調停の事前準備をすることができます。事前に離婚調停の雰囲気を掴み、シミュレーションしておくことで、安心して期日当日を迎えることができるでしょう。

メリット4.書類作成や主張の一貫性と正確性を確保できる。

離婚調停においては、書面を作成する場合は、書面が正確かつ一貫していることが非常に重要です。弁護士が作成した書面は、法的に見ても正確ですし、依頼者のご意向を適切に反映させたものになっています。

また、離婚調停においては、一貫性のある主張が重要です。弁護士は、依頼者の立場や意図を理解して、それに尊重して一貫した主張をします。弁護士は、たとえば、養育費や財産分与に関する交渉において、依頼者の経済的状況を踏まえて、子どもの状況をも考慮した上で、調停手続きに関与しますが、その過程で、調停委員等に対する従前の主張と法的に見て不合理に矛盾した主張をすることはないといっていいでしょう。

弁護士であれば正確かつ一貫した書類作成や主張をすることができるので、離婚調停をより確実に進めることができます。

メリット5.調停委員に過不足なく要望や事実を主張できる。

離婚調停においては、調停委員とのコミュニケーションが非常に重要です。弁護士は、調停委員に対して、依頼者のご意向に沿ったに主張を過不足なく伝えることができます。調停委員としても、依頼者の立場や状況を正確に理解することができるので、適切な判断をしやすくなるでしょう。

弁護士は、依頼者の立場を代理して、親権、養育費、財産分与、慰謝料などについて主張を行うことができます。また、離婚調停の過程で新たな事実や情報が明らかになった場合も、柔軟に対応することができます。

依頼者の代わりに弁護士が交渉することで、調停委員に対して、伝えたいことを過不足なく適切に伝えることができることは、依頼者にとって大きなメリットになるでしょう。

メリット6.離婚調停に同席し、その場でフォローしてもらえる。

弁護士が離婚調停に同席することで、安心する依頼者も多いです。意見の対立が激しいケースや法的な色彩が強い場面であればなおさら弁護士が力になれる場面と言ってよいでしょう。

弁護士に依頼すると、依頼者のご要望等を法的に整理した上で、適切に対応することができます。

ご本人だけで離婚調停に対応しようとすると、感情をうまく抑えることができず、適切な判断がどうしても難しくなることがあります。弁護士であれば、調停委員に対して、依頼者の感情を適切な形で伝えることができます。

離婚調停では、場合によって調停中に新たな情報が舞い込んだり、相手方から予期せぬ提案がされることがあります。弁護士であれば、動揺することなく、その場面に応じた対応が可能ですし、依頼者に調停委員の発言のメリット・デメリット等を説明することができます。
弁護士が離婚調停に同席することで、依頼者は離婚調停に落ち着いて臨むことができます。

メリット7.交渉を有利に進めることができる。

離婚調停において弁護士が関わる最大のメリットの一つは、交渉を依頼者に有利に進めることができることです。
離婚調停の場面では、ご夫婦の離婚や離婚後の生活に関する合意を図ることが中心的に行われます。離婚調停を適切に進めるためには、ご夫婦それぞれのご要望を明確にした上で、双方が納得できる合意をする必要があります。

弁護士は、依頼者の要望を法的に整理した上で、相手方と交渉することができます。また、調停委員にも受け入れやすい主張を行うことで、交渉することができます。

たとえば、子どもの親権の争いにおいて、弁護士は、子の年齢や親子関係の状況などを考慮して、依頼者が親権を持つべき理由を説得的に述べることができます。養育費や財産分与などの金銭面の交渉においても同様です。

また、弁護士は、交渉中に生じる法的な問題や複雑な状況に対処するための専門知識があります。ですから、依頼者が法的に不利な状況になることはないといってよいです。より良い条件の合意を目指すことが可能です。

このように、弁護士による交渉のサポートは、離婚調停をより有利に進めるための鍵となります。弁護士のサポートがあれば、離婚調停において望ましい結果を得られる可能性が高まります。

メリット8.調停調書の内容の正確性や適切性を確保できる。

離婚調停において作成される調停調書は、離婚に関する合意内容を正式に記録するものであって、法的にも重要な文書です。弁護士に離婚調停を依頼することで、調停事項案を提案することができ、弁護士が作成した調停事項案が採用されれば、結果として、調停事項が記載された調停調書の内容が正確で適切であることを確保できます。

また、弁護士は、調停調書で合意したとおりの約束が守られるように、調停が確定した後の対応をすることもできます。一例を挙げると、婚姻費用に関する条項が調停調書に記載されている場合に、調停調書に記載された金額の支払が受けられるように事後的な対応もすることができます。

このように、弁護士によるサポートを受けることで、離婚調停の結果が記載された条項の正確性を担保することができます。

メリット9.調停の進行状況に応じて、取り下げなどの判断をしてくれる。

離婚調停においては、その進行状況に応じて重要な決断が求められる場面があります。
弁護士は、離婚調停の適宜の場面で、調停を継続・取下げ、それとも離婚裁判へ移行するかなどを検討した上で、その状況で最も適切な手続きを選択することができます。

たとえば、離婚調停が停滞している場合や、依頼者のご希望に沿わない見込みが高い場合には、弁護士は、離婚調停の取下げや離婚訴訟への移行を検討する場合があります。裁判手続きの選択の場面でも、弁護士は、依頼者の権利や利益を考慮しているのです。

こうした重要な判断を委ねられることも、弁護士に離婚調停を委任することのメリットです。

メリット10.離婚調停で生じる精神的ストレスを軽減できる。

離婚調停をご自身で行うことに伴う精神的な負担は相当なものです。ご自身のみで裁判所の手続きを行うことによるものであったり、感情的なもの、不確実な離婚後の生活への不安など、様々な原因がありますが、弁護士に依頼することでそのような負担を減らすことができます。

まず、裁判所の手続きをご自身のみで行うことによるストレスは、弁護士に任せることで相当程度解消されます。

また、弁護士に依頼することで、相手方と直接やり取りをすることがなくなり、相手との感情的な言い争いをすることはなくなります。

弁護士に依頼することで、上記に挙げたストレス原因を払拭することができるのです。

代理人をつけないと長引く?デメリットはあるの?

離婚調停で弁護士をつけるメリットがある一方で、弁護士をつけない場合に、何かデメリットは生じるのでしょうか。
離婚調停では、ご夫婦が離婚自体や離婚後の生活に関する合意をするために、それぞれの要望を明確にした上で、双方が納得できる合意を結ぶ必要があります。

離婚調停で弁護士をつけない場合、ご自身で離婚調停の準備や話し合いを行う必要があります。しかし、法律や実務の知識が不足していると、ご自身の要望を説得的に主張したり、相手方の要望に的確に反論したりすることが難しくなります。弁護士をつけないと、相手方の主張に流されてしまって、ご自身の希望する結果が得られなくなってしまう可能性もあるのです。

離婚調停に弁護士をつけない場合のデメリットを以下で解説します。

デメリット1.十分な主張ができない

離婚調停に弁護士をつけないと、法律や手続きに関する知識が不足しているがゆえに、全く説得的でない主張をしていたり、ご自身がそのような主張をしていることに気付かないことがあります。ほかにも、法的に整理すると結論が決まっており、争う余地のないことについて、争うなどした結果、本来であれば争うべき点についてほとんど争うことなく決まってしまうことすらあります。その結果、弁護士がついていればまず合意しないであろう条件で合意してしまう可能性があります。

デメリット2.不利な状況に置かれる

相手方が弁護士を雇っている場合、法律的な知識と経験で劣るため、いわば丸め込まれる形となり、離婚調停において不利な状況に置かれることがあります。

デメリット3.文書作成でのミスが生じる

法的な主張をご自身で書面にする場合、法律を誤って理解して書面を作成するリスクがあり、そこでミスをすると、後の手続きに悪影響を及ぼすことがあります。

デメリット4.離婚調停の手続きが長引く

法律や手続きを正しく理解しないまま離婚調停を行うと、調停期日において、手続きについて理解することがメインとなってしまったりします。弁護士をつけていれば、そのようなことは起きないため、早期解決が望めます。ほかにも、通常争うことのできない点について争うなどして、生産的な話し合いが行われず、結果的に離婚調停の期間が長引くことがあります。

デメリット5.精神的ストレス

離婚調停の手続きをご自身で行わなければならないため、なにかと精神的な負担が大きいです。

相手方が調停で代理人を立てた・・・こちらは不利になる?

相手方が離婚調停で弁護士を立ててきた時、こちらも弁護士を立てなければ不利になってしまうのではないか、不安になる方もいらっしゃるかと思います。
離婚調停は夫婦双方が合意しなければ成立しないため、たとえ相手方が弁護士を立てたとしても、直ちに自分が不利になるわけではありませんし、自分に不利な合意内容で強引に離婚調停が成立するわけでもありません。

ですが、離婚調停の中で上手に主張を伝えることができなかったりと、思うように調停を進められず、話し合いの中で気付かないうちに不利な立場になってしまう可能性もあります。
相手方の弁護士は、養育費や財産分与の交渉において、相手方に有利な条件を提示する可能性すらあります。

このような事態を避けるため、離婚調停で相手方が弁護士を立てている場合、自分も弁護士を立てることを検討するのがよいでしょう。

相手方が離婚調停で弁護士を立てた場合には、なるべく早めに弁護士の無料相談などをご利用いただくことをおすすめいたします。

Q&A

Q1.離婚調停において、代理人である弁護士が果たす役割とは、どういったものがあるのでしょうか。

離婚調停において弁護士は、依頼者の代理人として主に次のような役割を果たします。

  1. 依頼者の不安や悩みを親身になって聞いて、ご要望を整理し、状況に応じた解決策を提案する。
  2. 適切な離婚条件(財産分与、慰謝料、子どもの親権や養育費など)を提案する。
  3. 証拠を集める。
  4. 依頼者の主張や証拠を整理し、離婚調停の申立ての準備を行う。
  5. 依頼者の代理人として離婚調停の手続きを行う。
  6. 離婚調停が不成立で離婚裁判になる可能性を見越した対応をする。

Q2.離婚調停について、弁護士に相談・依頼することのメリットは何ですか?

離婚調停について弁護士に相談・依頼することの主なメリットは、次のとおりです。

  • 離婚に関連する法律問題に対処してもらえる。
  • 依頼者の時間の節約・労力の軽減を図ることできる。
  • 相手方との感情的なやりとりをしないですむ。
  • 書類作成や主張の一貫性と正確性が担保されている。
  • 調停委員に過不足なくご要望や事実を主張できる。
  • 離婚調停に同席し、その場でフォローしてもらえる。
  • 交渉を有利に進めることができる。
  • 調停調書の内容の正確性・適切性が担保できる。
  • 調停の進行状況に応じて、取下げなどの判断をしてくれる。
  • 離婚調停で生じる精神的ストレスの軽減を図ることができる。

Q3.離婚調停を弁護士に依頼しないことで、デメリットはありますか?

離婚調停を弁護士に依頼しないことによって、次のようなデメリットが生じる可能性があります。

  1. 離婚調停に弁護士をつけないと、法律や手続きに関する知識が不足しているがゆえに、弁護士がついていればまず合意しないような不当な条件で合意をしてしまうおそれがある。
  2. 相手方が弁護士を雇っている場合、法律的な知識と経験で劣るため、いわば丸め込まれる形となってしまい、離婚調停において不利になってしまうおそれがある。
  3. 法的な文書を自ら作成する場合、法律を誤って理解して書面を作成するリスクがあり、そこでミスをすると、後の手続きに悪影響を及ぼすことがある。
  4. 法律や手続きを正しく理解しないまま離婚調停を行うと、弁護士をつけていれば早期解決が望めた事案であったとしても生産的な話し合いが行われず、結果的に離婚調停の期間が長引くおそれがある。
  5. 離婚調停の手続きをご自身で行わなければならないため、なにかと精神的負荷が大きいこと。

当法律事務所の初回無料相談をご利用ください

この記事では、離婚調停における弁護士の役割とメリットに焦点を当てて、その必要性などを解説しました。
離婚調停は、法律的な知識が求められるだけでなく、精神的にも大きな負担を伴う場合が多いです。
離婚が成立するまでに一定程度の期間を要しますし、離婚調停の期日に出席するために、会社を休む必要があったり、子どもを預けたりする必要があったりと、日常生活にもさまざまな影響を及ぼします。

離婚調停を弁護士に依頼することで、以上で述べたような負担を軽減することができます。
弁護士は、依頼者に助言をして、離婚調停の期日に同席したりするため、依頼者の離婚調停に関わる時間的・精神的負担を大幅に軽減させることが可能です。

また、法的な知識と離婚問題に豊富な経験を持つ弁護士がサポートすることで、不利な条件での離婚合意をすることもなくなり、より公平で納得のいく結果を得ることが期待できるでしょう。

このように、離婚調停について弁護士に依頼することで、離婚調停をより円滑進行させることができ、かつ依頼者の利益を守ることができます。
離婚調停を申し立てようとしている方や、配偶者から離婚調停を申し立てられてお困りの方がいらっしゃいましたら、なるべく早めに弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。

当法律事務所では、そのようなお悩みを弁護士に直接ご相談いただけるよう、初回の法律相談を無料とさせていただいております。
対面でのご相談は難しいという方も、お電話でご自宅にいながら弁護士にご相談いただくことが可能です。また、法律相談のご予約は、お電話だけでなくWEB予約もございます。WEB予約は24時間受け付けておりますので、ぜひお気軽に初回無料相談をご予約ください。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。

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