離婚問題の弁護士費用はいくら?相場や内訳、払えない場合の対応など
離婚問題について弁護士に相談・依頼して離婚交渉や手続きを進める場合、弁護士費用がいくらかかるのか、金額について不安を抱える人は少なくないでしょう。
この記事では、離婚における弁護士費用について詳しくご説明させていただきます。
弁護士費用の相場や平均的な金額、弁護士費用の種類や内訳といった、基本的な情報についてご紹介いたします。そして、弁護士費用は誰が払うのか、相手に請求できるのか、といった点についてもご説明いたします。
さらに、弁護士費用を払えない時の対処法についても解説いたします。
経済的な理由から弁護士への相談を躊躇されている方にとって、本記事の解説が少しでも手助けとなりましたら幸いです。
目次
離婚問題の相談や手続きにかかる弁護士費用とは
弁護士に離婚手続きについて依頼した場合にかかる弁護士費用が分からず心配だという方おいらっしゃると思います。
実際に、「弁護士費用がいくらかかるのか、具体的な金額が依頼前に想像しにくい」「金額が高いイメージがある」という声を耳にすることが少なくありません。こうした弁護士費用に関するイメージも、弁護士に離婚手続きを相談するのは敷居が高い・・・と感じる大きな要因のひとつなのでしょう。
離婚問題を弁護士に依頼する際にかかる弁護士費用についてですが、内訳としては主に次の4つに大別されます。
- 相談料(法律相談料)
- 着手金
- 報酬金(成功報酬金)
- 離婚手続きの実費・日当
それでは、それぞれの費用について、具体的にどういった内容の費用なのか、見ていきましょう。
相談料(法律相談料)
相談料は、相談者が離婚に関する具体的な相談を弁護士に行う際に必要となる弁護士費用です。
料金は弁護士や法律事務所によって異なりますが、一般的には30分から1時間の相談で、5000円から1万円程度が相場の金額とされています。
相談料は法律相談にかかる費用なので、弁護士と委任契約を締結しない場合でも支払うことになります。
また、相談料を有料としている場合でも、実際に委任契約を締結することになった時には、支払った相談料の金額が着手金から差し引かれる(実質的に法律相談料が無料になる)場合もあります。
なお、当法律事務所をはじめ、初回の法律相談を無料で行う法律事務所も存在します。
このように、法律相談料については法律事務所ごとに異なるため、事前にホームページなどで法律相談料について確認し、疑問や不安があれば電話などで直接問い合わせておくと良いでしょう。
着手金
「着手金」とは、弁護士が依頼を受けて具体的な業務に着手する際に支払うことになる弁護士費用です。この費用は、弁護士が依頼された案件に対して実際に取り組むための初期費用として位置づけられています。
着手金の金額も法律事務所によって異なり、難易度や争点の多寡、弁護士の経験や専門性、地域などによって大きく変わってきます。
協議離婚(話し合いによる離婚)においては、着手金の相場の金額は20万円から30万円程度が一般的であるとされています。
注意したい事としては、着手金はあくまでも初期費用であり、実費や成功報酬は別途発生するため、事前に最終的にかかるおおよその弁護士費用を見積もっておくと良いでしょう。
なお、着手金は依頼に着手したことに対して発生する手付金ですので、依頼した内容がどのように終結したのか、依頼者の要望通りの結末になったのか、といったことに関係なく、原則として返金はされません。途中で依頼をやめて委任契約を解除した場合も、基本的には着手金は返金されません。
ただし、例外的に、弁護士との委任契約を締結してから間もない段階で、ほぼ着手していないようなタイミングでの契約解除では、着手金の一部が返金される可能性があります。また、分割払いで支払うという契約内容になっていた場合も、残りの分については支払いが免除される可能性もあります。
このように、着手金が返金されることがあるのかは、弁護士や契約内容、委任契約をやめるタイミング次第ですので、弁護士に依頼する際に着手金が返金される可能性はあるのか、確認しておくと良いでしょう。
また、当初は離婚協議を依頼して着手金を支払ったものの、離婚協議では離婚成立せず、離婚調停をすることになった、というケースもあるでしょう。こうした場合には、離婚調停を依頼することについても着手金が発生しますが、当事務所のように、離婚協議を依頼した際に支払った着手金の金額を差し引いて、差額分のみを離婚調停の着手金として請求することもあります。
たとえば、離婚協議を依頼した時に着手金30万円を支払ったとしましょう。離婚調停の着手金が40万円であるとしたら、30万円から30万円を差し引いた10万円を離婚調停の着手金として支払うということになり、調停移行時に別途40万円を支払う必要はないことになります。
もっとも、裁判離婚を行う場合には、着手金や報酬金も上がる可能性があります。
こうした支払い方も、弁護士・法律事務所によって異なるため、依頼前には弁護士と契約内容を踏まえ弁護士費用についてしっかりと話し合い、着手金についてしっかり理解しておくことが望ましいです。
報酬金(成功報酬金)
弁護士に依頼した離婚問題が解決した時に支払う弁護士費用を、報酬金(成功報酬金)といいます。
なにをもって「成功」と定義するのかは、依頼する法的問題の内容や弁護士・法律事務所によって異なります。そのため、離婚問題が終結してから、「依頼者にとっては成功ではないのに、成功報酬金を請求された」といった、弁護士費用に関しての認識のすれ違いが発生しやすい部分です。
一般的には、「成功」とは、依頼者の利益となる結果を得たことを意味します。離婚問題における「成功」ですと、たとえば次のような結果が挙げられます。
離婚財産分与における「成功」
たとえば離婚財産分与の問題においては、依頼者が婚姻期間中に築いた共有財産のうち依頼人が得ることのできた分を「成功」といいます。夫婦共有の不動産や貯金、退職金などの夫婦の財産から、依頼者個人のものにどれだけすることができたかという視点で成功か否かを判断することが通常です。また、成功報酬金は、分与される財産の価値に基づいて計算されることが一般的です。
例えば、夫婦の共有財産が200万円あり、財産分与の結果、100万円を取得した場合には、100万円分の成功があったとして、これをもとに成功報酬を計算することになります。
他にも、不動産の価値について争いが生じた場合には、最終的に判断の基礎となった評価を基に成功報酬を計算することになります。
子どもの親権・養育費の問題に関する「成功」
離婚時の子どもの親権や養育費の取り決めは重要な問題です。依頼者が子どもの親権者として指定されるた場合または適切な養育費の支払いを確保することが「成功」となります。子どもの最善の利益を考慮した合理的かつ公平な養育費の設定が成功報酬の対象となることがあります。
他にも、面会交流についても、その内容などに応じた成功報酬があります。
離婚理由が配偶者の不倫で、慰謝料を請求した場合の「成功」
離婚の理由が配偶者の不倫である場合、配偶者や不倫相手に慰謝料を請求することが一般的です。この時に、配偶者または不倫相手から慰謝料を獲得することも「成功」です。この場合も、成功報酬金は獲得した慰謝料の金額に基づいて計算されることが一般的です。
なお、「希望通りに財産分与を受けることができた」、「不倫慰謝料を支払ってもらえた」といったケース以外にも、「請求された養育費の金額を減額することができた」、「離婚を求められて反対していたが、無事に婚姻関係を継続することになった」といった場合にも、「成功」になります。財産分与や慰謝料等の減額に成功した時には、獲得した金額ではなく「減額した金額」に基づいて成功報酬金が算定されることが一般的です。そして、こうした成功報酬金の計算方法も、弁護士・法律事務所によって異なりますので、事前にしっかりと確認しておくことをおすすめいたします。
成功報酬金は依頼者が事前に予測しにくい側面があります。そのため、全体の弁護士費用を十分に理解し、予算計画を立てる際には慎重に考慮することが重要です。不安があれば、離婚問題の委任契約を結ぶ前に弁護士に直接確認しておきましょう。
例えば報酬の上限金を設定したり、分割の交渉、着手金の後払いに応じてもらえる可能性もあります。
成功報酬金に関する詳細な取り決めを事前に行うことで、依頼者は将来の金銭的な不確実性を減らし、安心して離婚問題を弁護士に委任することができるでしょう。
離婚手続きの実費・日当
弁護士費用としては、実費と日当も発生します。以下に、簡単にご説明いたします。
実費
実費とは、弁護士が依頼された業務を遂行する過程で直接的にかかる費用を指します。たとえば、書類の作成や郵送に関わる印紙代、郵送料、複写代などの事務経費が含まれます。
また、訴訟を行う場合には、裁判所への提出書類に必要な収入印紙代や訴訟費用も実費として計上されることが一般的です。証拠収集や調査に必要な交通費、宿泊費、専門家への相談料(たとえば、鑑定士や心理カウンセラーへの報酬)も実費として計上されることがあります。
実費は、依頼内容や案件の進行状況に応じて変動しますが、数万円の高額な実費がかかる場合などには、弁護士が「こういった手続きのために、〇万円の費用が実費として必要です。」とその都度事前に説明してくれる場合もあります。
たいていの離婚問題のケースでは、実費はそこまで高額にはなりません。ケースによっては、数千円で済む場合もあります。ですが、想定外に高額の実費を請求されないか不安がある、という場合には、弁護士に確認しておきましょう。
日当
日当は、弁護士が裁判所や他の場所での業務(たとえば、証人尋問、交渉会議、現地調査など)に出向く際に発生する費用です。これは、弁護士が依頼者のために特定の日に特定の業務を行うための報酬として設定され、日給ベースで計算されます。
日当の金額は業務の内容や所要時間、弁護士の経験や専門性、地域などによって異なりますが、一般的には一日あたり2万円から5万円程度です。
なお、遠方へ出向く場合の交通費や宿泊費用については、日当とは別に実費に計上されます。
以上の4つの費用が、離婚問題を依頼する際に生じる弁護士費用の内容になります。なお、依頼する弁護士や法律事務所によっては、上記の基本的な弁護士費用の他に、離婚協議書や離婚公正証書の作成費用としてオプション的な弁護士費用がかかることもあります。
いくらかかる?離婚問題の弁護士費用の相場・平均金額はどのくらい?
さて、離婚問題で発生する弁護士費用の内訳については前述の通りとなります。
それでは、離婚問題を依頼した場合に、具体的には弁護士費用はいくらかかるのでしょうか。離婚案件における弁護士費用の相場の金額がどのくらいなのかについて、簡単にご説明いたします。
なお、あくまでも相場・平均的な金額ですので、目安としてお考えいただき、ご自身のケースでいくらかかるかについては、相談先の弁護士・法律事務所にご確認いただければと思います。
法律相談料の相場:税込5500円/30分(以降30分を超えるごとに税込5500円ずつ加算)
なお、初回相談については法律相談料無料としている法律事務所も多いです。
着手金の相場:税込20万円~50万円程度
弁護士に依頼する際に、要する費用です。難易度や手続の種類によって着手金が前後することが通常です。
離婚の場合には、協議離婚の着手金が20万円から30万円であることが通常です。
調停離婚から依頼する場合には、40万円ほど費用がかかることがあります。
途中で弁護士への依頼をやめた場合にも、原則として着手金は返金されません。
報酬金の相場:基本料金+経済的利益の約10%~20%程度
経済的利益とは、簡単に言うと、弁護士に離婚問題の解決を依頼したことで依頼者が得られた利益です。
たとえば、妻から500万円の離婚慰謝料を請求された夫が弁護士に離婚慰謝料の減額交渉を依頼し、最終的に200万円の離婚慰謝料の支払いで合意できた場合、依頼者である夫は500万円ー200万円の300万円を減額できた、ということになります。この300万円が、経済的利益となります。
報酬金のうち基本料金は、経済的利益の金額によらず、固定報酬として発生することが一般的です。たとえば、離婚請求を弁護士に依頼した場合に、離婚成立した時の報酬金20万円、などと法律事務所ごとに決められています。
次の表は、弁護士に離婚問題を依頼した際の基本料金の一例です。
基本的な報酬金 | 報酬金 |
協議離婚で離婚成立 | 税込33万円 |
調停離婚で離婚成立 | 税込44万円 |
裁判離婚で離婚成立 | 税込55万円 |
離婚請求を阻止できた時 | 税込33万円 |
子どもの親権を獲得 | 税込11万円/子ども一人につき |
相手の親権獲得を阻止できた場合 | 税込11万円/子ども一人につき |
面会交流が成立した時 | 税込22万円/子ども一人につき |
(※基本的な報酬金の金額や、固定報酬か変動報酬か、といった内容は、法律事務所ごとに異なります。)
また、成功報酬金が経済的利益の10%とした場合の料金表の例は、次の通りとなります。
依頼内容 | 依頼の結果 | 成功報酬の金額 |
離婚財産分与 | 請求し獲得できた時 | 獲得した金額の10%(税込11%) |
請求され減額できた時 | 減額した金額の10%(税込11%) | |
離婚慰謝料 | 請求し獲得できた時 | 獲得した金額の10%(税込11%) |
請求され減額できた時 | 減額した金額の10%(税込11%) | |
子どもの養育費 | 請求し獲得できた時 | 獲得した金額の5年分の10%(税込11%) |
請求され減額できた時 | 減額した金額の5年分の10%(税込11%) | |
婚姻費用 | 請求し獲得できた時 | 獲得した金額の2年分の10%(税込11%) |
請求され減額できた時 | 減額した金額の2年分の10%(税込11%) |
さて、仮に、成功報酬金の算定基準が経済的利益の10%である場合に、上記の基本料金と成功報酬金の料金表を参照すると、目安となる具体的な成功報酬の金額は次の通りとなります。
【離婚問題の弁護士費用の報酬金の算定例】
離婚協議により離婚を請求するのと同時に、離婚財産分与と月額3万円の婚姻費用を請求し、無事合意できた場合。
- 協議離婚により離婚成立:税込33万円
- 離婚財産分与として300万円を獲得した:300万円×11%=33万円(税込)
- 月額3万円の婚姻費用を獲得した:3万円×12ヶ月×2年×11%=7万9200円(税込)
以上を合計して、弁護士費用の報酬金は73万9200円となります。
離婚問題で弁護士に依頼する際、弁護士費用の算定の目安としてご参考にしていただければと思います。
お金は誰が払うの?弁護士費用を離婚した相手に請求できる?
さて、以上のような離婚問題の弁護士費用ですが、一体誰が払うべきなのでしょうか。夫婦の問題なのだから折半したいと思う方や、離婚原因は相手の不倫にあるのだから、弁護士費用も相手に請求したいと考えていらっしゃる方もおられるかと思います。
弁護士費用を誰が払うのか、相手に請求できるのかという疑問点について、ご説明させていただきます。
弁護士費用は「依頼者の自己負担」が原則
離婚原因や依頼者・相手方の経済的状況に関係なく、原則として離婚問題の弁護士費用は、弁護士に依頼した依頼者本人が支払わなければなりません。
ただし、例外的に相手に弁護士費用を請求することが認められている場合もあります。
相手への弁護士費用の請求が認められる例外的なケースというのは、離婚原因が相手方にあり、離婚裁判において慰謝料の請求が認められているような場合です。
たとえば、夫の不倫によって夫婦が裁判によって離婚し、離婚裁判の中で不倫慰謝料として200万円の請求が認められたものとします。この時、妻は夫に対して、妥当とされた損害賠償額の10%程度を弁護士費用として請求することが認められることになります。
したがって、妥当とされた損害賠償額「200万円」の10%程度である「20万円」を、妻は弁護士費用として夫に請求することが可能となるのです。
なお、このように相手方の請求に弁護士費用として上乗せできるのは、あくまで「離婚裁判において妥当とされた損害賠償額の10%程度」の金額に限られます。弁護士費用の全額を上乗せ請求することはできません。また、「離婚裁判」で慰謝料請求が認められたケースでなければいけないため、離婚協議で慰謝料請求に合意した場合は、弁護士費用は自己負担となります。
この通り、離婚問題で弁護士費用を相手に請求できるのは限られたケースですが、話し合いや示談などで、相手が弁護士費用を負担することに合意した場合は、上記のような例外的ケースに限らず、弁護士費用を請求することが可能です。
訴訟費用(裁判費用)と弁護士費用は異なるので注意!
なお、しばしば「離婚裁判であれば訴訟費用は負けた方が負担するから、弁護士費用も相手に支払ってもらえる」といった誤解の声を見受けることがあります。
たしかに、法律によって、訴訟費用は敗訴者が負担するという原則があります(民事訴訟法第61条)。
(訴訟費用の負担の原則)
民事訴訟法第61条 訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする。
一見すると、離婚裁判で負けた方が弁護士費用も負担することになる、と思ってしまうかもしれませんが、民事訴訟法における「訴訟費用」には、弁護士費用は含まれません。それでは何が訴訟費用なのかといいますと、次のような費用が訴訟費用に当たります。
- 訴訟申立ての手数料
- 訴状や準備書面などの作成費用
- 裁判所からの書類送達費用
- 証人などへ支払う交通費や日当
また、請求が全て認められるわけではなく、実際には請求の一部が認められ、一部については負けてしまう、といった結果に終わることも少なくありません。こうした場合には、裁判所から命じられた割合に応じて双方が負担することとなります。
分割払い、ローン、法テラス・・・弁護士費用を払えない時の対応
決して安いとは言えない弁護士費用ですから、支払いが難しいという人も少なくありません。そして、弁護士費用は一括払いとしている法律事務所が多いため、弁護士費用が高額になればなるほど、支払いが難しくなってしまいます。
弁護士費用の支払いに悩んだ場合は、まずは離婚問題を依頼している弁護士にご相談ください。そして、状況に応じて次のような方法をご検討ください。
1.弁護士費用の総額が安い法律事務所を探す
弁護士検索サービスやポータルサイトなどを利用し、自分の予算に近い法律事務所を見つけましょう。
多くの法律事務所は、自らのWebサイト上で弁護士費用についての料金体系を公開しており、中には「離婚協議書作成プラン」など、目的別に具体的な料金表を掲載している場合もあります。
こうした情報を閲覧することで、離婚問題の弁護士費用の大まかな見積もりを得ることができます。
そうして得た情報を比較・検討し、見積もった弁護士費用が少しでも安い法律事務所に依頼することを考えてみましょう。
また、弁護士費用について知りたい際には、その法律事務所が提供している無料法律相談を利用することで、具体的な料金体系や支払い条件について弁護士に直接尋ねることができます。また、弁護士費用だけでなく、その弁護士の専門性や法律事務所の対応の質などを直接確かめる機会にもなります。
口コミや評判などもインターネット上で探すことができます。既にその法律事務所を利用した人の体験談や評価は、サービスの質や料金の適正さを判断する上で重要な情報源となります。
ただし、弁護士費用が安くても、自分と相性が良くなかったり、離婚問題の解決実績が豊富ではないなど、自身の状況によっては最適ではない弁護士もいます。弁護士の専門性や経験、対応の質など、他の要素も考慮することが重要です。
また、料金体系が明確であることを確認し、追加費用がないかも注意深く確認することが必要です。初期費用が安くても、最終的な総額が高くなる可能性があるため、全体のコストをなるべく具体的に把握し、慎重に比較・検討することが大切です。
2.着手金が無料の法律事務所を探す
法律事務所の中には、着手金を無料としている法律事務所もあります。弁護士費用を少しでもおさえるためには、このような着手金無料の法律事務所に依頼するのも一つの方法です。
着手金が有料か無料かといった情報は、その法律事務所のホームページなどで確認することができます。もしホームページに掲載されていなかったり、よく理解できない場合は、直接電話などで問い合わせて確認してみると良いでしょう。
なお、着手金が無料とはいっても、その分報酬金が高くなってしまうといった可能性もあります。
着手金が無料の法律事務所を見つけた場合も、弁護士費用の料金体系を確認し、トータルで弁護士費用はいくらかかるのかを見積もってみることをおすすめいたします。
3.分割払いが可能か弁護士に確認する
弁護士費用の支払いが難しい場合、分割払いが可能かどうかを弁護士に確認しましょう。
多くの弁護士や法律事務所では、費用の支払いに柔軟に対応しており、依頼者の経済状況に合わせて分割払いを許可していることがあります。
分割払いの確認をする際には、まず現在依頼している弁護士や法律事務所に直接連絡を取り、分割払いの可否について尋ねます。この時、毎月いくらずつの支払いが可能か、利息や追加料金が発生するか、振込手数料の負担はあるのかなど、具体的な条件も詳しく確認することが重要です。
また、もし現在依頼している弁護士が分割払いに応じてくれない場合は、他の法律事務所を検討することも一つの選択肢です。他の法律事務所では、異なる支払い条件を提供している場合があります。
しかし、分割払いを行う場合でも、トータルの弁護士費用が増加する可能性があることを理解しておく必要があります。弁護士費用の分割による追加料金や利息が発生すると、結果的に支払う総額は本来の弁護士費用より高くなってしまいます。全体の支払い額を正確に把握し、自分の財政状況に合った支払い計画を立てることが大切です。
なお、当法律事務所でも、原則として弁護士費用は一括払いとさせていただいておりますが、分割払いのご希望がありましたら、弁護士にご相談いただくようお願いしております。
初回の法律相談の際には、弁護士費用の金額の目安だけではなく、分割払いも可能か、といったことについても確認されることをおすすめいたします。
4.法テラスの民事法律扶助制度を利用する
弁護士費用の支払いが難しい場合、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を利用できないか確認してみましょう。
法テラスは、経済的な困難を抱える人々が法的支援を受けられるようにするための公的機関です。
法テラスが行う民事法律扶助制度とは、経済的に余裕のない相談者が法的トラブルにあったときに、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、必要な場合、弁護士費用等の立替えなどを行う制度です。
この民事法律扶助制度を利用するには、まず自分の収入や資産が法テラスの基準に合致するかを確認することが必要です。
法テラスの民事法律扶助制度の利用申請の承認には時間がかかることがあるので、早めに手続きを始めることが大切です。また、対象となる案件には限りがあるため、自分の案件が制度の対象かどうかを事前に確認する必要があります。さらに、制度の詳細は変更されることがあるので、法テラスのWebサイトで最新の情報を確認することが推奨されます。
このように法テラスの民事法律扶助制度を利用することで、経済的に困難な状況であっても法的サポートを受けることが可能になります。
法テラス(日本司法支援センター)
5.カードローン等を利用する
離婚問題で弁護士費用の支払いが難しい場合、カードローンやその他の借入を利用することも考えられます。
カードローンを利用する際には、いくつかの金融機関の条件を比較検討することが重要です。利息率、返済期間、月々の返済額など、借入条件は金融機関によって異なります。低い利息率を提供する金融機関を選ぶことで、返済総額を抑えることができます。
次に、自分の返済能力を正確に把握することが必要です。返済計画を立てる際には、毎月の収入と支出を慎重に評価し、無理なく返済できる金額を見極めます。返済に関して無理な計画を立てると、将来的に更なる財政的な困難に陥る恐れがあります。
また、カードローンは一時的な資金調達手段であることを理解することも大切です。長期的な視点で借入を検討し、返済計画を立てる際には将来的な財政状況も考慮に入れることが必要です。
借入をする際には、利用する金融機関の信頼性も確認しておくことが重要です。信頼できる金融機関を選ぶことで、不明瞭な手数料や意図しない高額な利息に悩まされるリスクを減らすことができます。
Q&A
Q1.離婚問題を弁護士に依頼する場合の弁護士費用には何がありますか?
離婚問題を弁護士に依頼する場合の弁護士費用は、主に次のようなものがあります。
- 相談料(弁護士との最初の相談にかかる費用。)
- 着手金(弁護士が具体的な業務に着手する際に支払う費用。手付金。)
- 報酬金(案件が終結した際に支払う費用。)
- 実費(書類作成や郵送などの事務経費。)
- 日当(裁判や交渉などでの出張にかかる費用。)
Q2.離婚問題の弁護士費用は相手に請求できますか?
原則として、離婚問題の弁護士費用は依頼者の自己負担となります。ただし、例外的に相手への弁護士費用の請求が認められる場合もあります。
Q3.弁護士費用を払えない時はどうしたら良いでしょうか。
弁護士費用を支払うことが難しい場合には、まずは担当の弁護士にご相談ください。そして、次のような対処方法をご検討ください。
- 弁護士費用の総額が安い法律事務所を探す
- 着手金が無料の法律事務所を探す
- 分割払いが可能か弁護士に確認する
- 法テラスの民事法律扶助制度を利用する
- カードローン等を利用する
弁護士の無料相談をお気軽にご利用ください
離婚は、精神的にも経済的にも大きな負担を伴う手続きですが、適切な弁護士の支援を受けることで、その負担を軽減することができます。
離婚問題に関する弁護士費用は、案件の複雑さや必要な手続きによって異なりますが、初回の無料相談を利用することで、弁護士費用に関する不安を解消し、自分の状況に最適なサポートを見つけることが期待できます。
無料法律相談では、離婚手続きの流れ、予想される弁護士費用、そして弁護士がどのようにお手伝いできるかについて、具体的なアドバイスを得られます。自分のニーズに合った弁護士を選び、離婚手続きを安心して進めることができるようにしましょう。
ぜひ無料相談をご活用いただき、どんな小さな疑問や心配事でも解消してください。
この記事を書いた人
雫田 雄太
弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。