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離婚のタイミング|親の離婚が子供のストレスに・・・子連れにも最適な離婚時期は?

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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離婚をすると、それまでの生活が一変します。引っ越したり、転職や就職をしたり。家族の構成も変わるため、それまで家庭内で分担していた細々した家事・育児なども、自分ひとりで行っていく必要があります。

子連れの場合は、タイミングによっては進級・進学と重なったり、中途半端な時期に転園・転校せざるをえなかったりします。

苗字が変わったことをクラスメイトから聞かれたりと、子供の交友関係についても気を揉むことも多いでしょう。

なるべく早く、落ち着いて新生活をスタートさせられるように、最適なタイミングで離婚したいところです。

本記事では、離婚に適したタイミングについて、まずは7つの状況を想定してご説明いたします。

また、子供に与える影響やストレスについての話も交えながら、子連れの場合のベストな離婚のタイミング、何月がおすすめなのかなど、ご説明します。

目次

離婚のタイミング

離婚を決断しても、離婚後の生活や子供のこと、財産分与や慰謝料について考えると、離婚を切り出すタイミングに迷ってしまいますよね。

離婚を切り出すタイミングについて考えるとき、大きく関係してくるのは離婚原因です。

例えば、性格の不一致を理由にした離婚でしたら、夫婦で話し合い離婚に同意できたときに離婚すれば良いため、離婚を切り出すタイミングに悩む必要はありません。

しかし、配偶者が不倫をしているような場合や、離婚すると無収入になってしまう場合などは、離婚後の生活も考えて、適切なタイミングで離婚を切り出す必要がありますし、離婚を切り出す際の話し方や伝える内容等についても、慎重にならなければなりません。

それでは、離婚を切り出す7つのタイミングについて、簡単に解説していきましょう。

離婚を切り出すタイミング

離婚について切り出すタイミングは、一般的に次の7つのケースがあります。

  1. 配偶者の不貞行為
  2. 悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死が3年以上不明なとき
  4. 配偶者が回復の見込みのない強度な精神病のとき
  5. 婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
  6. 定年退職
  7. 離婚後の生活の目途が立ったとき

 

(1)配偶者の不貞行為

「不貞」とは、夫婦や婚約・内縁関係にある男女のどちらか一方が、他方以外の異性と自由意志で肉体関係を持つこと(貞操義務違反)で、一般的には「不倫」と言われます。裁判離婚の場合の、離婚が認められる理由である「法定離婚事由」の一つです(民法第770条1項1号)。

不貞行為は、民法第709条に規定される「不法行為」に当たるので、不貞をした配偶者や不貞の相手に対し、他方配偶者は不法行為に基づく損害賠償請求として慰謝料を請求することが考えられます。

不貞による慰謝料請求の方法は、主に

①内容証明郵便を送って慰謝料を請求することを伝える

②相手方と直接交渉する

③裁判所に申し立てる

の3つに大別されます。

いずれの方法によっても、ほとんどの場合、相手方は不貞行為はなかったと反論してくることが想定されます。ですので、離婚の際に不貞慰謝料の請求をするのであれば、以下に挙げたような、不貞行為があったことを第三者に対し証明できるような証拠を揃えなければなりません。

 

  • ホテルや互いの自宅に出入りする写真、性行為直前や行為中の写真等
  • 車内での性行為や会話等を記録した映像等
  • ホテルに宿泊した領収書や、クレジットカードの利用明細書等
  • 探偵事務所や興信所の調査報告書

 

さて、上記のような不貞行為を証明できる証拠を揃えたら、離婚を切り出すタイミングです。

相手が不貞の事実を否定しても、客観的に明らかな証拠があれば、有利に離婚の交渉を進めていけるでしょう。

(2)悪意で遺棄されたとき

「悪意で遺棄された」という言葉は、なかなか耳慣れないものかもしれません。

民法第752条には、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」とあります。この義務を怠るような行為が、悪意の遺棄に当たるとされています。こちらも不貞と同様、裁判離婚においての法定離婚事由です(民法第770条1項2号)。

「悪意」とは、夫婦関係が破綻することを分かっている、意図していることで、「遺棄」とは正当な理由なく民法第752条の同居義務(一緒に住む)・協力義務(協力し合う)・扶助義務(助け合う)を怠ることです。

具体的には、次のような配偶者の行為が悪意の遺棄に該当します。

 

  • 仕事や家事に影響を与えてしまうほど頻繁に家出をし、明確な理由もなく同居を拒否する。
  • 不倫相手の家に住んでいる。
  • 労働能力があるにもかかわらず、理由も無く働かない。
  • 病気の配偶者の看病や、育児を放棄する。
  • 無収入の配偶者に生活費を渡さず、生活費を自分の趣味や賭博に使ってしまう。
  • 単身赴任中や別居中、生活費を入れてくれない。

 

このような行為は夫婦関係を破綻させるものですので、離婚原因となりますし、慰謝料の請求をすることも可能です。

離婚を切り出すにせよ、慰謝料を請求するにせよ、第三者に対し悪意の遺棄があったことを示せる証拠が必要です。

したがって、悪意の遺棄を理由に離婚を切り出すタイミングは、悪意の遺棄を立証する証拠を確保した後になります。

(3)配偶者の生死が3年以上不明なとき

配偶者が突然失踪し、3年以上その生死が不明である場合は、もはや夫婦としての実体が失われているので、婚姻関係を存続させておく意義はありません。そのため、3年以上の生死不明が確認されると、裁判で離婚が認められることになります(民法第770条1項3号)。

なお、住所は分からないが生きていることは確認している、友人が姿を見たと言っているような場合は、生死不明ではなく行方不明の扱いになります。

「3年以上生死が不明」と言うためには、最後に連絡がついてから、連続して3年以上連絡がないことを証明しなければなりません。

配偶者の生死不明のケースでは、夫婦で離婚交渉は当然できませんので、「離婚を切り出す」というよりは、「家庭裁判所に対して離婚を請求」することになります。

そのため、離婚を請求するタイミングとしては、配偶者が3年以上生死不明であることを客観的に証明できるもの(行方不明者届の受理証明書、事故や災害の証明書、生死不明についての友人や知人の陳述書等)を揃えたとき、となります。

(4)配偶者が回復の見込みのない強度な精神病のとき

うつ病の夫や妻と離婚したいが、病気のパートナーを見捨てるようで離婚に踏み切れない、と考える方もいらっしゃるでしょう。

民法第770条1項4号は、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」は離婚の訴えを提起することができる、と定めています。

精神病と言っても、100人に1人弱かかる、精神病の中でも比較的一般的な統合失調症や、気分障害と言われるうつ病・躁うつ病、アルツハイマー、交通事故などで脳にダメージを受けることで生じる高次脳機能障害、アルコール中毒など、その内容は様々です。

これらの精神病の内、特に統合失調症や躁うつ病、偏執病などは、離婚原因となる精神病として認められる可能性があるとされています。

実際に離婚が認められるかは、精神病の種類や内容、症状の軽重に加え、医師の「適切に通院治療を行ったが、回復困難である」といった診断や、その精神病がいつから継続しているのかなど、様々な事情を総合的に考慮して判断されることになります。

また、重度の精神病の配偶者が、離婚後も適切なケアを受けられるか、生活基盤が整えられているかという点も判断材料の一つになります。

したがって、配偶者の精神病を理由とした離婚のタイミングは、

①配偶者に長期に渡って適切な治療方法を試み、看護に尽力してきたことが客観的な証拠から証明でき、

②離婚後に精神病の配偶者が適切なケアを受けられる環境を整えたとき

ということになるでしょう。

こういったケースで離婚が認められるかは、非常に難しい判断が求められますので、一度弁護士にご相談ください。なお、この4号については、削除することが法制審議会でも検討されており、今後の動向には注視が必要といえます。

(5)婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

「婚姻を継続し難い重大な事由(民法第770条1項5号)」と聞くと、少々イメージしづらいのではないでしょうか。

それでは一つ、婚姻を継続し難い重大な事由による離婚の裁判例を見てみましょう。

家事や育児を分担せず、共感を示さない夫に失望を深めた妻が、子供を連れて別居し、離婚を請求したケースです。

裁判所は、夫婦の役割等に関して見解の相違がある夫婦が、別居後も、復縁に向けての具体的な動きが見られなかった事情等から、婚姻関係が既に修復不能なまでに破綻しているものといわざるを得ないものと判断し、「婚姻を継続し難い重大な事由」による離婚を認めました(東京高等裁判所平成29年6月28日判決)。

このような夫婦の見解や価値観の相違の他にも、次のような場合が「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。

 

  • 肉体的・経済的DVやモラハラ
  • 長期間の別居生活
  • 親族との不和
  • 浪費(借金、ギャンブル)
  • セックスレス
  • 配偶者の犯罪行為

 

「婚姻を継続し難い重大な事由」の場合も、適切なタイミングで離婚を切り出すためには、個々のケースに応じた証拠の収集が必要です。

しかし、DVを受けている場合は、証拠収集よりも身の安全を確保することを優先する必要があり、証拠収集ができたときが離婚を切り出すタイミングであるとは、一概には言い切れません。

自身の状況に適切なタイミングで離婚を切り出すためにも、弁護士や相談機関にご相談いただければと思います。

(6)定年退職

6つ目の離婚を切り出すタイミングは、配偶者が定年退職したときです。

一般的に「熟年離婚」などと言われますが、結婚して20年以上の長い期間連れ添った夫婦の妻が、夫の定年退職を機に離婚を切り出す、といったケースが少なくありません。

妻としては、定年退職を機に夫が常に自宅にいるようになったことで、夫の言動の些細な部分が大きく目につくようになったので、そのストレスから解放されたかった、という理由をよく耳にします。

また、そんな妻の「夫をないがしろにする態度、夫に対し不満を抱えている様子」に疲弊した夫から、熟年離婚を切り出すケースも、ここ最近では見られるようになってきました。

定年退職のタイミングで離婚する場合、長年夫婦で協力して形成してきた財産や、配偶者の退職金など、ある程度の金額を財産分与で得られる見込みが高いことも、熟年離婚の要因の一つです。

定年退職を機に離婚を切り出すのであれば、離婚時の財産分与の準備をしておき、離婚後の生活基盤を確保できた後、離婚を切り出すことになるでしょう。

(7)離婚後の生活の目途が立ったとき

さて、特に配偶者に非がなくても、性格の不一致や価値観の違いから、離婚を考えることはありますよね。

このような場合、相手の不法行為などの証拠を確保する必要もありませんから、離婚のタイミングは「離婚後の生活の目途が立ったとき」になります。

そして、裁判所の「司法統計」などを見ると、日本では男女ともに、最も多い離婚理由は「性格の不一致」という調査結果が出ています。

ですので、一般的な離婚のタイミングとしては、離婚後の生活基盤を整えることができたとき、と言えるでしょう。

別居離婚のタイミング

一般的な、離婚を前提とした別居のタイミングは、別居後の安定した生活環境を確保できたときです。

具体的な状況ごとに例を挙げますと、それぞれのケースでは次のようなタイミングで別居するのが最適と言えるでしょう。

 

  1. 性格の不一致を理由とした離婚で、離婚後は実家を頼ることができる場合、配偶者のDVや不貞の証拠収集の必要もなければ、急いで住居・仕事を探す必要もないため、別居を決意したタイミングでスムーズに別居できます。
  2. 離婚後は転職・就職して自立する場合でしたら、仕事や住居を見つけ、経済的に自立する目途が立ったときが別居のタイミングとなるでしょう。
  3. 配偶者の不貞や経済的DVなどを理由に離婚したい場合、不貞行為や経済的DVのあったことを客観的に示せる証拠等を、できる限り収集してからの別居が望ましいです。
  4. DVやモラハラの被害を受けている場合は、上記のケースに比べ別居の必要性・緊急性が高いため、なるべく早く別居をするべきです。モラハラ配偶者の言動を録画・録音するなど、証拠を収集するには同居していた方が良いのですが、それ以上に自身の身の安全や、子供の安全を優先しましょう。

 

もし離婚前に別居することに悩んでいるのでしたら、下記の別居のメリットとデメリットを比較してみてください。ご自身の状況を踏まえ、別居するメリットがデメリットを上回るのであれば、別居の準備を進めていきましょう。

離婚前に別居することのメリット

  1. 相手に離婚の意思が固いことを示せるため、なかなか話し合いの席についてくれない配偶者に「本気である」とプレッシャーを与えることができる。
  2. 離婚や離婚条件について、それぞれが冷静に熟考できる。
  3. 揉めている配偶者と距離を置くことで、精神的ストレスから解放される。
  4. 協議や調停が長引いた場合でも、別居期間が長期に渡れば、婚姻関係が破綻しているとして、裁判で離婚が認められる可能性がある。
  5. 子連れの場合、別居することで、子供が両親の対立に直面することがなくなり、子供のストレスを軽減できる。

 

離婚前に別居することのデメリット

  1. 財産分与の資料の確保や、不貞の証拠収集が難しくなる。
  2. 相手が生活費を支払ってくれなくなる恐れがあり、経済的な負担が増えることがある。
  3. 子連れの場合、両親の別居が子供にストレスを与える可能性がある。
  4. 別居による孤独感や孤立感から、自身がストレスを感じる恐れがある。
  5. 夫婦の一方が離婚に反対で夫婦関係の修復を望んでいても、別居により困難になり、離婚せざるをえなくなる可能性がある。

 

子供と離婚のタイミング

親の離婚は子供のストレスになる?

未成年の子供がいる家庭では、離婚したいと思ってもすぐには離婚せず、子供が成人あるいは自立するまでは離婚しないという人が少なくないようです。その理由としては、「子供を片親にしたくない」、「離婚して一人で子供を育てる経済的な余裕がない」といったものが挙げられます。

その一方で、「実家のサポートを受けられるから」、「子供にも暴力を振るう配偶者だから」といった理由から、子供が幼くても離婚を決断する家庭もあります。

「離婚をすぐにする・成人するまで待つ」のどちらを選択するにしても、ほとんどの場合、生活環境や家族との関係の変化から、子供は精神的にストレスを感じることになります。親の離婚が子供に与えるストレスは、一時的なものもあれば、持続的なもの、将来に影響を及ぼすものなど様々です。

離婚が小学生・中学生などの子供に与える影響

  • 生活環境の変化による精神的な負担、孤立感や孤独感が増加する。
  • 親子・兄弟姉妹の関係が悪化する。
  • 学業成績が低下する。
  • 変化した家庭環境や親の新しいパートナーに対し不適応状態に陥る。
  • 家族への信頼感を喪失する。
  • 物や人への執着が強くなる、あるいは執着や愛情を失う。
  • 自己肯定感を喪失し、自己表現や感情のコントロールがうまくできなくなる。
  • 自身の恋愛観や結婚観が変化する。
  • 精神的に不安定になり、人間関係の形成に影響を及ぼす。

 

過度なストレスは脳にダメージを及ぼす恐れも

こういったストレスを過度に受けることで、脳がダメージを受けてしまう恐れがあります。

人はストレスを受けると、脳からの刺激を受けて、コルチゾールというホルモンの分泌が急増します。このコルチゾールは副腎皮質から分泌され、免疫や代謝のほか中枢神経など様々な機能に影響を及ぼす物質です。

コルチゾールの分泌が増えること自体は、ストレスから身を守るために起きる現象ですので、一時的な分泌過多の場合問題はありません。

しかし、長期的にストレスに晒されることによって、慢性的に分泌過多の状態となり、脳の「前頭前野」の機能を低下させてしまうのです。

前頭前野は、人格の発現や感情のコントロール、適切な社会的行動の調節や、記憶・思考を司る、非常に高次で重要な部位です。

子供がストレスを受けて前頭前野の機能が低下すると、感情を抑制できなくなったり、反対に無気力になったりします。勉強や日常生活で集中力が続かなくなり、判断力も低下してしまいます。

さらには、うつ病や不眠症といった精神疾患や、生活習慣病などのストレス関連病を患うことになる恐れもあるのです。

子供に与える影響を十分に考えた上で、離婚を切り出すタイミングを決断し、相手に伝えるようにしましょう。

離婚時期は子供の年齢に合わせて

(1)幼少期

幼少期の記憶は残りにくいため、子供がまだ幼いうちに離婚した方が良い、とよく言われます。

一方で、幼少期に受けた親からの愛情は、その後の人格形成に大きな影響を与えるとも言われる、子育てにおいて重要な時期でもあります。

元配偶者のDVによる離婚などのケースを除き、別居親とも子供が望んだ時に交流できるような環境を整えて離婚できるのが理想です。

幼い子供を連れて離婚する場合は、離婚後も子供が十分に親からの愛情を受け、また周囲のサポートも受けられるような生活基盤を確保できたタイミングで離婚しましょう。

(2)子供が小学生や中学生の場合

一般的に、8歳頃から18歳頃までの時期を「思春期」と言います。小学生・中学生は、まさにこの思春期の真っ只中です。

それだけに、自我も発達し、精神的な負担も受けやすい年頃になります。

また、両親の離婚という事実もきちんと認識できるようになるため、自分に離婚の原因があるのかもしれないと悩む子供もいれば、反対に、あっさりと両親の離婚を受け入れて動じない性格の子供もいます。

学業の面でも、中学受験や高校受験を控える大事な時期です。子供によっては、自身の進学が経済的な面で家庭に与える負担などを意識し、親の顔色を窺って進路を選択することもあります。

離婚が子供の将来を左右しかねないため、離婚のタイミングは慎重に見計らいましょう。

小学校や中学校の途中で学校が変わるより、進学のタイミングに合わせる方が、子供も学校環境の変化に順応しやすいかと思います。「進学」という節目によって、離婚しなくてもある程度の環境の変化が予想されているからです。

離婚を急ぐような事情がなければ、子供の成人や大学卒業など、子供の自立を待って離婚するのも一つの選択肢です。

おすすめ時期は3月!

何月に離婚を切り出すべきか。個々の状況によるため、「何月が良い」と断定まではできませんが、子連れ離婚の場合におすすめする離婚時期は「3月」です。

3月は進級や進学といった節目の時期でもありますし、定期試験や受験が終わると春休みに入るため、学業への影響も比較的少なく、時間的な余裕を持つことができるからです。

あるいは、年度末を待たずとも、一年の節目である12月も、年明けから新生活を始めていくのに良いタイミングかもしれません。

必ずしも全てのご家庭に最適とは言えませんが、離婚するタイミングにお悩みの方の参考となれば幸いです。

離婚のタイミングに関するQ&A

Q1.離婚を切り出すタイミングはいつが良いですか?

ご自身の状況や、離婚の原因に合わせて、離婚の話を切り出すようにしましょう。一般的には、次の7つのタイミングとなります。

  1. 配偶者の不貞行為
  2. 悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死が3年以上不明なとき
  4. 配偶者が回復の見込みのない強度な精神病のとき
  5. 婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
  6. 定年退職
  7. 離婚後の生活の目途が立ったとき

Q2.離婚前に別居するならいつがベスト?

通常は、別居後の生活基盤を確保できたときが別居離婚のタイミングとなります。

子供も連れて別居離婚する場合は、子供の進級や進学のタイミングに合わせて別居を始めることも選択肢の一つになるでしょう。

他にも、次のようなケースに応じて、別居に適したタイミングがあります。ご参考にしていただければと思います。

  1. 性格の不一致を理由とした離婚で、離婚後は実家を頼ることができる場合、配偶者のDVや不貞の証拠収集の必要もなければ、急いで住居・仕事を探す必要もないため、別居を決意したタイミングでスムーズに別居できます。
  2. 離婚後は転職・就職して自立する場合でしたら、仕事や住居を見つけ、経済的に自立する目途が立ったときが別居のタイミングとなるでしょう。
  3. 配偶者の不貞や経済的DVなどを理由に離婚したい場合、不貞行為や経済的DVのあったことを客観的に示せる証拠等を、できる限り収集してからの別居が望ましいです。
  4. DVやモラハラの被害を受けている場合は、上記のケースに比べ別居の必要性・緊急性が高いため、なるべく早く別居をするべきです。モラハラ配偶者の言動を録画・録音するなど、証拠を収集するには同居していた方が良いのですが、それ以上に自身の身の安全や、子供の安全を優先しましょう。

Q3.未就学児の子供がいます。夫の記憶が強く残らない内に離婚した方が良いのでしょうか?

子供が幼いうちに離婚した方が良い、という意見もありますし、実際にそのようにされるご家庭も少なくありません。

しかしながら、子供が幼いうちに離婚する方が絶対に正しい、というわけではありません。幼少期は特に、親から受ける愛情が大切な時期です。この時期に受けた養育が、後の人格形成に大きな影響を与えることになります。

ご自身とお子様の状況によって、離婚のメリットとデメリットを比較して離婚を決断されることをおすすめいたします。

離婚するタイミングについて、何月が最適、とまでは決まっていませんが、一般的には年度の切り替わる3月に離婚する人が多いです。

弁護士にご相談ください

離婚を決断したときの、離婚を切り出すタイミングについてご説明させていただきました。

本記事では、あくまで一般的な協議離婚の場合のタイミングについて解説しているため、このケースに当てはまらないご家庭もあるかと思います。

いずれの場合にせよ、離婚を決断したときに重要なのは、冷静かつ慎重に行動することと、一人で抱え込んでしまわないようにすることです。

相手に離婚したい意思を伝える前に、ご自身のケースでは財産分与の資料や、配偶者の不法行為の証拠を収集する必要があるのかなど、離婚準備のために考えるべき事は少なくありません。

離婚をいつ切り出すべきか、伝えるタイミングにお悩みの方は、ぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士にご相談いただければ、適切かつ効果的なタイミングで相手方に離婚について切り出すことが可能です。また、離婚協議の交渉など、実際の話し合いも弁護士がご依頼者様の代理人として相手方と話し合いますので、離婚の交渉のストレスを軽減することが期待できます。

まずはお気軽に、当事務所の無料法律相談をご利用ください。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。

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