離婚の切り出し方【完全版】妻からは?夫からは?性格の不一致ではどう切り出す?
離婚についての話し合いは、多くの夫婦にとって、大なり小なりのストレスを感じるものになります。
特に、離婚の話の切り出し方に関しては、その後の離婚に関する話し合いにも影響するため、非常に慎重になる方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、離婚の話の切り出し方について、弁護士が解説させていただきます。
離婚の話し合いを切り出すにあたって、重要なのは、話を切り出し方とタイミング、そして適切な話し合い方ができるか、という点になります。
離婚の話を切り出す際は、相手に敬意を払いつつ、自分の意図を直接的かつ明確に伝えることが重要です。あいまいな表現は避け、相手の精神的状態や状況を考慮し、互いに余裕のある時を選ぶべきです。
また、切り出すタイミングは、双方が平穏な時を選び、大きな変化の時期は避けることが望ましいです。
本記事が、離婚の切り出し方についてのお悩みを解決する一助となりましたら幸いです。
目次
離婚の切り出し方
離婚協議のご相談の中で、離婚の話の上手な切り出し方が分からない、切り出し方を間違えて離婚協議が進まなくなったら不安です、というお悩みをお聞きします。
離婚の話の切り出し方は、夫婦の個々の状況によって、適切な切り出し方が異なりますし、一度相手に離婚の意思を伝えてしまうと、撤回は難しいのが通常です。
そのため、上手く自分の主張を伝えられるか、離婚の話の上手な切り出し方は、たいへん重要なのです。
本記事では、離婚の話の上手な切り出し方についてご説明させていただきます。
突然、夫や妻から離婚の話を切り出される側としては、「なぜ。」という感情が押し寄せてくることが予想されます。
そのため、たとえば配偶者のモラハラやDVで話合い自体が難しいような特別な場合を除いて、離婚を切り出す際には、お相手に最大限納得してもらえるように、離婚の理由を明確に伝えることが必要です。
また、どのような離婚理由によって離婚の話を切り出す場合でも、一方的に相手を責めることのないように注意しましょう。
それでは、一般的な離婚理由ごとに、離婚の話の切り出し方のポイントをご紹介いたします。
1.性格の不一致による離婚の切り出し方
性格の不一致といっても、人によって様々です。たとえば、価値観の違いや趣味や嗜好が合わないというのも性格の不一致ですし、お子様の教育方針や、生活習慣が合わないことも、性格の不一致といって良いでしょう。
離婚の理由を明確に伝えるという意味では、例えば「生活リズムについて、考え方が合わないので、離婚を考えている。」と離婚理由を具体的にして伝えましょう。
生活リズムだけでは、どういうことを言いたいのかわからないので、この点も具体化する必要があるでしょう。例えば、「単身赴任が多すぎて、家庭内で会う時間が全くなく、夫婦でいる意味を感じなくなった。」であるとか、「出勤と帰宅時間が全く合わないから、家庭内で同じ時間を過ごすこともできないし、夫婦でいる意味を感じなくなった。」などと補足すると良いでしょう。
金銭感覚の違いから離婚したい場合には、例えば、「話し合いなしに、高額な物を買いすぎてて、将来のことが不安になってしまったから離婚したい。」と具体化すると良いでしょう。
他にも、清潔感の違いなども性格の不一致に挙げられるでしょう。例えば、過度の潔癖症にとって、ガサツな性格な人と共同生活をすることのストレスは大きいでしょうから、「掃除をしないで平気ではいれないから、ストレスが溜まって落ち着いて生活ができないから離婚したい。」などと伝えることが考えられます。
性格の不一致のみが原因で離婚する場合には、相手に不法行為などの落ち度ががない分、離婚理由が不明確になりがちです。
上手な切り出し方は、子供や趣味、生活習慣等についてどういった問題があって、それが理由で今後婚姻関係を続けていくことが難しいと思ったのかを具体的に伝える方法です。
2.セックスレスによる離婚の切り出し方
セックスレス(性的不調和)が離婚の理由である場合、切り出す際に明確に伝えるのは抵抗がある人も少なくないでしょう。ですが、理由を隠して誤魔化そうとすると、相手に疑念を持たれ、何か別の理由があるのではないかと疑われてしまいかねません。
セックスレスは、夫婦間のコミュニケーション不足の一種です。セックスレスの状態が、夫婦の婚姻関係を破綻させる原因だということを、冷静に切り出すことが大切です。
たとえば、「最近、夫婦としての結びつきが弱まっていると感じている。」、「最近、性的な欲求不満や不安が生じてしまった。」、「他の人との関係を求める気持ちが出てきてしまった。」と話を切り出すようにしましょう。
また、切り出し方の注意点として、原因を相手だけに押し付けないことも重要です。
セックスレスにより離婚を切り出すと、お相手は自身の魅力等を否定されたと感じます。お相手を一方的に非難すると、相手の自尊心を傷つけてしまい、結果として離婚の話合いができなくなる可能性があります。
決してお相手を責めないように、落ち着いて切り出すのが、上手な切り出し方です。
3.好きな人ができた場合の離婚の切り出し方
離婚理由は正直に話すべきとお伝えしましたが、「好きな人ができた」という理由で離婚を切り出すのは、非常に慎重な対応が必要です。
「好きな人ができた」と言われる側の感情や自尊心を考慮すると、「好きな人ができた」と伝えることは、好ましい切り出し方ではありません。
また、離婚の話し合いが揉めて裁判にまで発展した場合に、「好きな人ができた」という離婚理由は、法定離婚事由にはならないため、これだけでは裁判での離婚が認められない可能性が高いです。
さらに、身勝手な理由であると思われ、かえって離婚を切り出した側に非があるような印象を相手に与えてしまいます。
夫婦関係の修復の可能性も損なうことになりかねません。
「好きな人ができた」という理由で離婚を切り出したいときは、相手との関係、お互いの感情などを考慮して、切り出し方を十分に検討すべきです。
4.モラハラによる離婚の切り出し方
夫や妻のモラハラを理由に離婚する場合、離婚の話の切り出し方には特に注意が必要です。
離婚は非常にプライベートな話ですが、二人きりの室内などで話し合うのは危険です。第三者の目がある環境で、落ち着いて話を切り出すようにしましょう。
直接の対面が難しいときは、電話やメール、手紙などの切り出し方を検討しましょう。この際も、「モラハラが原因で離婚したい。」と伝えると反感を買ったり、再被害に遭う可能性あるので、慎重に対応する必要があります。
ハラスメントが理由で離婚をしたい場合には、ご自身だけで対応しようとすると危険な場合が少なくないので、弁護士に任せることを強くお勧めします。
病院の診断書やカウンセリング等の受診・相談履歴、暴言の録音データなど、モラハラ行為等の証拠となる資料を準備しておくと良いでしょう。
5.別居中の離婚の切り出し方
夫や妻の不法行為を理由に、先に別居をしているケースもあるでしょう。
既に別居している場合は、直接の話合いが難しいことが少なくないため、離婚話の切り出し方に悩んでしまうかもしれません。
しかし、その一方で、既に別居をしている場合は、お互いに離婚について、おおよそ予想がついていることが少なくありません。
相手が離婚の話を切り出されることを察している場合には、離婚を切り出されたとしても、離婚自体は受け入れることができるので、比較的容易に条件面の話合いができることが多いでしょう。
このように、突然、離婚の話を切り出すよりも、別居が先行していることによって、切り出し方のハードルが下がっていることがあるのです。
別居中は直接会って話す機会が限られていることが多いため、電話や、メール、LINEといったメッセージアプリを利用して離婚話をすることもあるでしょう。
また、できるだけ対面に近い環境で話し合いたい場合は、ビデオ通話などのデジタルコミュニケーションツールを利用することも考えられます。
離婚の条件の整理にあたっては、法的な知識が必要ですし将来のことを決めることになりますから、当事者間の話し合いだけで決めると後悔することもあります。将来の生活が弁護士にお問合せいただくと、そのお手伝いができます。
切り出し方の例文はこちらの関連記事をご覧ください
離婚の切り出し方はLINEでもOK?
以上のように、離婚の切り出し方には、口頭から手紙、メールなど、様々な手段が考えられます。
それぞれにメリットやデメリットがありますので、自分に合っているのはどんな切り出し方なのか、事前に本記事に目を通しておくことをおすすめいたします。
①口頭
離婚の切り出し方として、口頭で行う最大のメリットは、直接対面して感情やニュアンスをリアルタイムで伝えることができる点です。
口頭で話すことで、うまく文章で伝えることができない微妙な事柄についても誤解なく伝えられますし、お互いの感情を直接確認しながら話を進めることができます。
一方で、口頭で話すことのデメリットは、お互いに感情的になってしまいかねないことです。また、伝える必要のないことや角の立った表現をしてしまって、反感を買う可能性もあります。真意に反した伝わり方をしてしまって、相手の反感を買ってしまうと、冷静な話し合いが難しくなってしまいかねません。
②手紙
手紙で離婚の話を切り出す場合のメリットは、冷静に感情を込めたメッセージを伝えることができる点です。
手紙は時間をかけることができますし、書き直しをすることができるので、必要な情報を余すことなく記載でき、読み返すなどして改めてご自身のお考えを整理することもできます。また、丁寧な文字で手書きをした場合には、文字からも真摯さを伝えることができます。
例えば、離婚したいと思っている場合には、どうしても、自分の気持ちを前面に出したくなって、「私は、あなたの生活音やあなたの存在自体が嫌だからもう一緒にいたくない。」などと面と向かって言ってしまいそうになるでしょう。しかし、手紙で離婚意思を伝えようとする場合、受け手の目線に立って、見直しをすることができます。もし、「存在自体が嫌い。」などと言われた挙句、離婚したいと言われたらどう思うのだろうと一度立ち止まって考えることができます。
しかし、手紙のデメリットは、意思疎通のタイムラグが大きく、手紙を送った後に途中で気が変わってしまっても送ってしまった手紙を取り消すことは難しい点です。また、普通郵便等で送った場合には、お相手が手紙を受け取ったかどうかの確認が難しいです。
③メール
メールで離婚の話を切り出すことのメリットは、基本的には手紙と同様です。
メールは時間や場所を選ばずに送信できるため、双方が忙しい場合にも便利です。また、やり取りを証拠として残しやすいので、「言った。言わない。」という点でトラブルにならないこともメリットになります。
ただし、デメリットとしては、受信トレイに埋もれてしまい、お相手に気付いてもらえない可能性があることです。また。、お相手がメールを見たかどうかの確認が難しいという点も問題となり得ます。
④LINEなど
ここ数年、SNSの普及とともに、LINEなどのメッセージアプリを使って離婚を切り出す人が増えてきました。
切り出し方にLINEなどのメッセージアプリを使う場合のメリットは、手軽なコミュニケーションが可能なことです。日常的なやり取りの延長で話を切り出せるため、口頭や書面に比べて敷居が低く、気軽に始めやすいというメリットが考えられます。また、やり取りをスクリーンショットをして証拠として残すことができます。
また、メールや手紙は相手が読んだかどうか、リアクションが返ってくるまでは分からないままですが、LINEの場合はメッセージを閲覧すると既読と表示されるため、相手にメッセージを読んでもらえたことが分かります。もっともアプリによっては、既読になったかどうかわからないものもあるので注意が必要です。
しかし、LINEなどを使うデメリットとしては、手軽という印象が強いためか、離婚などの重大な話題をするのは不適切と捉えられ、お相手によっては反感を買うことが考えられます。
また、テキストベースのコミュニケーションになるため、手紙やメールの場合と同じように、感情や意図が十分に伝わらない場合があり、誤解を生じやすいです。
以上が、一般的な離婚の切り出し方に用いられる手段となります。
これらの手段を選択する際には、その切り出し方のメリットとデメリットを総合的に考慮し、相手の性格や関係性の深さ、現在の状況に応じて、最も適切な方法を選ぶことが重要です。
また、いずれの切り出し方を選んだとしても、伝える内容の明確さと、相手の感情への配慮は常に重視するように心がけてください。さらに、離婚するしないについての話は直接話し合うけれども、条件についての話し合いは、メールやラインで行うなど話し合うテーマによってツールを変えるという方法も考えられます。
離婚の切り出し方(妻から)
妻が離婚を切り出す際には、特に経済的な側面を重視する必要があります。
統計上、女性は男性に比べて収入が少ないことが多いため、離婚によって経済的な自立が必要になる場合があります。このため、離婚の話を切り出す際には、財産分与や慰謝料、必要であれば養育費の確保についても具体的に話し合う必要があります。
これらの離婚条件について、事前にしっかりと整理し、紙にまとめておきましょう。
また、話の切り出し方としては、感情的にならずに冷静に、淡々と事実や考えていることを伝えるようにして、離婚の話を進めることが重要です。
感情的になってしまうと、真意が全く伝わらなかったり、例えば過去にあった不満点について蒸し返してしまうなど話し合いが全くまとまらない可能性があります。
特に、男性側に不貞行為やDVなどがある場合は、こちらの意思を的確に伝えることが難しく、DVを誘発しかねませんから、離婚の話を切り出す前に不貞やDVの証拠を集めて弁護士を介して話し合うことが良いでしょう。
離婚の切り出し方(夫から)
男性が離婚の話を切り出す際は、まず妻の感情と立場を深く理解し、特に妻が専業主婦である場合には、経済的な不安を解消することが重要です。
特に婚姻期間中、統計上も女性の方が男性よりも収入が低いことからも分かるように、離婚が妻の生活に大きな影響を与えることになりえます。離婚後の生活で、経済的な面で不安を覚える女性は少なくありません。
離婚意思を伝えるとともに、離婚後の経済的自立をサポートすることを提案したり、財産分与や子供の養育費といった金銭的支援を約束したりすることで、妻の収入面での不安を軽減する切り出し方をおすすめいたします。
突然離婚の話を切り出されることになる妻としても、離婚後の生活に対する不安を軽減できれば、離婚の話し合いに前向きに応じることが期待できるでしょう。
また、話し合いの際には、静かでプライベートな環境を選び、冷静かつ理解ある態度を保つことが大切です。
感情的にならないようにして、妻の意見や主張を尊重することで、建設的な解決策を模索することができるでしょう。
離婚を切り出すタイミング
さて、離婚の切り出し方と同じように、いつ切り出すかという点も重要です。
離婚の話を切り出すタイミングとして一般的なのは、次の7つのタイミングになります。
- 配偶者の不貞行為の証拠が揃ったとき
- 悪意で遺棄されたとき
- 婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
- 配偶者や自分が定年退職するとき
- 離婚後の生活の目途が立ったとき
- 子供の受験など重要なイベントがないとき
- 自分や配偶者が仕事や家庭で大きな問題に直面していないとき
①配偶者の不貞行為の証拠が揃ったとき
配偶者の不貞行為が離婚の主たる理由である場合、その行為の証拠が揃った時が離婚の話を切り出す適切なタイミングです。不貞行為の確固たる証拠があると、相手は観念して離婚を拒否できないと考える可能性があり、話し合いや法的な手続きをスムーズに進めることが期待できます。
②悪意で遺棄されたとき
「悪意の遺棄」は、法律上も離婚原因とされており、夫婦の義務である同居義務、協力義務、扶助義務に違反する行為のことをいいます。例えば、正当な理由がないにもかかわらず、婚姻費用を支払わない場合や、正当な理由もなく、子供を放置して別居してしまうことを「悪意の遺棄」と言います。このような場合には、婚姻関係の修復が困難であることが多いため、離婚の話を切り出すタイミングとして妥当です。
③婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
「婚姻を継続し難い重大な事由」も法律上の離婚理由となります。婚姻を継続し難い重大な事由がある場合には、婚姻関係が破綻していると評価することができます。長期間の別居やハラスメント、暴力などがあり、婚姻関係が客観的に破綻状態になっている場合には「婚姻を継続し難い重大な事由」があると言えます。特に、暴力やハラスメントの被害に遭っている場合には、弁護士に相談した上で離婚を切り出すことを強くおすすめします。
④配偶者や自分が定年退職するとき
定年退職は人生の大きな転換期であり、生活スタイルが大きく変わります。この時期に離婚の話を切り出すことで、それぞれが新たな生活を計画しやすくなり、経済的な自立も含めて今後の方向性を明確にできます。
⑤離婚後の生活の目途が立ったとき
離婚後の生活の計画が具体的に立った時は、離婚の話を切り出すのに適切なタイミングです。経済的な自立の計画や住居の確保など、自分の将来が一定程度安定していることが、離婚による不確実性を減らすのに役立ちます。
⑥子供の受験など重要なイベントがないとき
子供の受験や他の重要なイベントがない時期は、離婚の話を切り出すのに適切です。子供たちに与える影響を最小限に抑えて、彼らが大切な人生の節目に集中できるようにするためです。
⑦自分や配偶者が仕事や家庭で大きな問題に直面していないとき
大きな仕事上の問題や家庭内の他の問題がない時期は、離婚の話を切り出すのに適しています。これにより、離婚に関する話し合いや手続きが、他のストレスや問題に影響されずに進められます。
離婚後の生活を考えて
離婚の切り出し方と同時に、離婚を切り出した後の生活のことも、事前によく検討しておきましょう。
特に、経済的な自立は、離婚後の生活において最も重要な要素の一つです。離婚を切り出す前に、自身の収入源や生活費、住居の確保など、生活を維持するための具体的な計画を立てることが大切です。
現在の収入や貯蓄の確認、必要に応じて新たな仕事を探すことや実家を頼ったり、必要経費の見直しをするなどして、事前準備を行いましょう。
どうしても離婚したい場合には、別居をすべきケースが多く、実家にしばらくの間住むことができるかや、賃貸の初期費用が準備できるかについては確認しておくと良いです。なお、別居を決意している場合には、財産資料などのコピーを控えたうえで別居すべきです。
さらに、離婚をスムーズかつ適切に進めるためには、関連する証拠や文書を集めておくことも重要です。銀行口座の記録、不動産やその他の財産に関する文書、必要であればモラハラや不貞行為の証拠などが含まれます。
こういった情報は、財産分与や慰謝料の交渉、子供の親権問題など、離婚に伴うさまざまな手続において、重要な役割を果たすことがあります。
離婚を切り出す前に、これらの準備をしておくことで、より安定した新たな生活をスタートさせることができます。
離婚の話を切り出すための準備を整えて、切り出せる段階になったときに、適切な切り出し方で離婚について話を切り出すようにしましょう。
離婚の切り出し方に関するQ&A
Q1.離婚の切り出し方におけるポイントは?
離婚の切り出し方は、相手に対する敬意を払いつつ、自分の意図を明確に伝えることが最も重要です。
誤解や不必要な衝突を避けるためには、相手の感情や心理を考慮して、適切な言葉選びとタイミングが必要です。話す場所と時間も考慮して、双方がリラックスできる静かな環境を選ぶと、建設的な対話がしやすくなります。
Q2.離婚を切り出す適切なタイミングは?
離婚を切り出すタイミングは、両者が精神的に安定している時期が理想的です。
大きなストレスを抱えている時期や、何か重要な出来事に直面している時期に離婚の話を切り出してしまうと、本来進む話もなかなか進みません。
精神的に余裕のあるタイミングで話し合いを切り出すことで、冷静に話し合いを進めていくことが期待できます。
また、適切なタイミングだけでなく、話の切り出し方も、相手に威圧感を与えたり、緊張させたりしないように、落ち着いて切り出すようにしましょう。
Q3.離婚を切り出す際、LINEでも良いですか?
離婚を切り出し方は、ご自身の状況等によって異なります。口頭で行う場合は、感情やニュアンスをより詳細に伝えることができます。
一方で、メールや手紙を使った方法も状況によっては適切です。特に感情的になってしまうことが容易に予想される場合など直接の対話が困難な場合には、間接的なコミュニケーションが有効です。メール等では、言いたいことを落ち着いて整理し、感情をコントロールしながら伝えることができます。
ただし、書面だと意図していない伝わり方をしてしまい、誤解を招くこともあるため、表現には特に注意が必要です。
近年のSNSの発達を踏まえると、LINEなどのメッセージアプリを使う方法も一つの選択肢です。
しかし、LINEを使う場合は、離婚という重要な話をする手段として不相当だとお相手の反感を買うことがあります。また、テキストメッセージでは感情や意図が正確に伝わらないことがあるため、誤解を避けるためにも、言葉選びや文章構成には細心の注意を払う必要があります。
どの方法を選ぶにしても、相手への配慮と、自分の意図を明確に伝えることが最も重要です。
まとめ
本記事では、離婚の話の切り出し方について、その方法や注意点、タイミングなどを解説させていただきました。
重要なのは、離婚の理由を明確にし、感情的にならずに冷静に対話を進めることです。特に、経済的な自立や子供の親権、財産分与など、離婚後の生活に大きな影響を与える要素については、事前に十分に検討し準備をしておくことが肝心です。
また、離婚をスムーズに進めるためには、関連する証拠や文書を集め、適切な法的アドバイスを受けることも重要です。
同時に、離婚の話し合いを切り出すタイミングについても、相手に配慮できると良いでしょう。仕事や家庭において、大きな転機を迎えている時などは避け、時間にも精神的にも双方に余裕のあるときに離婚の話し合いをするべきです。
離婚の切り出し方については、本当に自分のケースで最適な方法なのか、上手く進めていくことができるのか、悩みは尽きないことかと思います。
離婚の話の切り出し方にお悩みの方は、お気軽に当法律事務所にお問合せください。
この記事を書いた人
雫田 雄太
弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。