熟年離婚の末路は?熟年離婚した女性は後悔した?その後を徹底解説!
近年、熟年離婚が増加したと言われています。
夫の定年退職を機に離婚を切り出す妻と、突然離婚を切り出される夫、という図が一般的な熟年離婚のイメージではないでしょうか。
突然離婚を切り出された夫側は、原因に思い当たらず困惑し、離婚後に「あの時こうしておけば良かった」などと後悔することも少なくないようです。
本記事では、熟年離婚した夫婦のその後の生活を中心に、後悔したことや良かったことなどをご紹介いたします。
熟年離婚は人生における大きな決断となります。熟年離婚で後悔することのないように、本記事で離婚後の生活をイメージしていただければと思います。
目次
熟年離婚の末路
熟年離婚とは
熟年離婚と後悔についてお話しする前に、まずは簡単に熟年離婚についてご説明しましょう。
「熟年離婚」の明確な定義はありませんが、一般的には、結婚して20年以上連れ添った夫婦が離婚することを、熟年離婚といいます。よく50代、60代の夫婦が離婚することと思われがちですが、年齢ではなく、婚姻期間の長い夫婦が離婚することです。
2005年に放送されたドラマの影響で熟年離婚の認知度が上がったことや、女性の社会進出によって働く女性が増えたこと、2007年(平成19年)の年金制度の改正の影響から、熟年離婚の件数は増加傾向にある、と言われています。
熟年離婚のきっかけとして多いものが、「夫の定年退職」です。60代の夫の定年退職を機に、夫婦が常に家で顔を合わせる状態になり、夫が家にいることがストレスになった妻が、夫に熟年離婚を申し入れることが多いようです。
それでは、熟年離婚した夫婦はその後、どういった生活を送っているのでしょうか。
熟年離婚後の生活は?
熟年離婚によってストレスから解放され、順調に第二の人生をスタートさせる方がいる一方、以下の理由から熟年離婚したことを後悔している方もいます。
熟年離婚に対する後悔についてお聞きすると、男性も女性も主に①孤独感、②経済的負担が後悔の理由となっているようです。
後悔の理由①孤独感
長年に渡って連れ添った相手がいなくなれば、誰しも孤独感に襲われます。たとえ、日常生活自体はどうにかなっても、精神面で不安定になり、結果として自宅に引きこもりがちになってしまうことがあります。
また、寂しさから元配偶者に連絡を取ってしまったりするケースもあるようです。
なお、強い孤独感を覚えるのは、熟年離婚後しばらく経ってから、ということもお聞きします。
離婚の手続きを進めている間は、やることに追われ、忙しさから孤独感を覚える暇もなかったのですが、離婚が成立して新生活が落ち着いた頃に、寂しい、孤独である、と感じるようになったとのことです。
この孤独感を、家族や友人・知人との交流や、趣味・習い事などによって紛らわせることができれば良いのですが、熟年離婚の場合、若い人の離婚後に比べ、なかなかうまくは行かないようです。
もともと、熟年離婚する夫婦は20年近く連れ添っています。婚姻中は夫婦共通の友人や、配偶者を介した交友関係が多かったことでしょう。
そうすると、熟年離婚後は、そういった友人・知人とは疎遠になってしまうケースが少なくありません。
熟年離婚に伴い引っ越すことになると、それまでの近隣との付き合いもなくなってしまいます。
引っ越し先で新しいご近所付き合いをしていかなければなりませんが、人付き合いが苦手な人や、高齢になって新しく友人関係を築くことが億劫だと感じる人にとっては、この点がストレスとなってしまいます。
趣味や習い事を新しく始めるバイタリティも、若い頃ほどのものではなく、どうしても内に引きこもってしまいがちです。
結果として、孤独感が長期に渡って継続することで、孤独感によるストレスが、心身に悪影響を及ぼしてしまう恐れまであるのです。
昨今の研究によって、孤独感が病気を引き起こすことが分かっています。
孤独感によるストレスから、免疫力が下がり、肺炎などの呼吸器系疾患や感染症にかかりやすくなったり、糖尿病やがん、認知症のリスクが高くなったりするという研究結果が出ているのです。
熟年離婚による孤独が心身に与えるストレスは大きく、様々な健康障害を引き起こし、最悪の場合は生死にかかわる影響を及ぼすため、孤独感を軽視することはできません。
後悔の理由②経済的負担
特に、専業主婦であった人など、女性に多い後悔が経済的な負担の増大によるものです。
熟年離婚後の生活費用など、お金の面で多大な苦労があるようで、「こんなに生活が苦しくなるとは思わなかった。」「離婚したときに財産分与はあったが、現在ほぼ無収入なので生活費でお金を使い切ってしまった。」などと、お金のお悩みを聞きます。
結婚前に働いていた方でも、妊娠や出産を機に退職していれば相当のブランクがあります。会社によってはキャリア形成を目的とした年齢制限を掲げている場合もあるため、男女関係なく、50代・60代になってからの再就職や転職は、現実的にはかなり厳しいのです。
仕事を始めたくても、年齢や未経験を理由に不採用となることが多く、職を得たとしても、非正規雇用であったり低収入であったりと、熟年離婚前と同程度の生活レベルを維持できない可能性は高いです。
また、子どもが自立している場合は仕送りを受けることもできますが、やはり親としてはお金の面で子に迷惑をかけているようで心苦しく、なかなか窮状を言い出せない、という方もいらっしゃいます。
こうした理由から、熟年離婚したことを後悔するケースがあるのです。
熟年離婚のその後(女性)
さて、熟年離婚を切り出すのは、女性からが多いと言われます。
それでは、実際に熟年離婚をした女性は、その後の生活に後悔することがあるのでしょうか。
まずは女性の肯定的な意見から見てみましょう。
熟年離婚後の生活に後悔しておらず満足している女性からは、「婚姻中に感じていたストレスから解放された。」という声が多く上がっています。
- 夫の女性関係やDV、浪費といった悩みから解放された。
- 夫の親の介護を長年していたので、離婚して介護疲れから解放された。
- 夫の世話に使っていた時間を、熟年離婚後は自分の趣味や習い事に使っている。自由な時間が増えたことが、離婚して一番嬉しいと感じたこと。
- 今までは夫に遠慮して、同窓会や友達との泊まりの旅行に行かなかったけれど、今は気兼ねする人もいないので、友人との交流に時間を割くことができている。
熟年離婚のその後(夫)
さて、夫の場合はどうでしょうか。
実は、熟年離婚したその後の生活に、夫と妻とで大きな違いがあることが指摘されています。
2017年に開催された日本人口学会第69回大会の中で、拓殖大学政経学部の佐藤一磨准教授が、「誰が熟年離婚するのか、また、熟年離婚はメンタルヘルスを悪化させるのか」という主題で、興味深い報告をされました。
①熟年離婚の現状、②特に誰が熟年離婚しやすいのか、③熟年離婚がメンタルヘルスや主観的健康にどのような影響を及ぼすか、について検証・分析したところ、夫と妻のその後の生活で次のような違いがあることが明らかになりました。
①メンタルヘルスへの影響
女性の場合、熟年離婚を経験した年にはメンタルヘルスが悪化するものの、熟年離婚1年後から急速に改善し、結婚継続者よりもメンタルヘルスが向上する傾向が見られたそうです。
一方で、男性のメンタルヘルスは、熟年離婚から3年目までは悪化する傾向があったとのことです。
②趣味・教養活動などへの参加に及ぼす影響
熟年離婚が趣味・教養活動や、スポーツ・健康活動、地域行事への参加に及ぼす影響について、女性の場合は熟年離婚後でも様々な活動量が増加している一方、男性の場合、熟年離婚を堺に様々な活動量が低下する傾向にあったそうです。
男性の場合、数十年近く連れ添った妻から離婚を切り出されること自体が「寝耳に水」という人が多いためか、熟年離婚後の生活でも、受けたダメージを女性よりも長く引きずりやすいようです。
<参考:日本人口学会第69回大会 報告要旨「誰が熟年離婚するのか、また、熟年離婚はメンタルヘルスを悪化させるのか」>
熟年離婚で女性が後悔しないために
ところで、皆さんは「2000万円問題」について覚えていらっしゃるでしょうか。今から5年前の2019年、金融庁の金融審議会による市場ワーキング・グループが「高齢社会における資産形成・管理」という報告書を公表しました。その際に、ニュースなどで「老後資金として2000万円が必要になる」というフレーズが飛び交い、世間に広まりました。
実際のところ、本当に2000万円必要なのか、という点に関しては賛否ありますが、この報告書によれば、高齢夫婦の無職世帯では、収入が年金給付になることで減少するため、毎月5万円の赤字となる、と言われています。
<参考:「高齢社会における資産形成・管理」>
熟年離婚の場合も、この問題とは決して無縁ではいられません。
夫婦で協力して負担していた支出も、熟年離婚後は夫と妻それぞれが自分の分を全て自分で負担することになります。そして、年々長寿化している近年では、労働による収入を得られなくなってから生きていく年数も長くなる傾向にあります。
健康的に生活できる間は良いですが、体を痛めたり、高齢化から介護が必要になったりすると、収入が預貯金と年金に限られる一方で、支出する費目は増えていきます。
また、総務省の「家計調査報告書」によれば、単身世帯(平均年齢58.3歳)の消費支出は、1世帯当たり1ヶ月平均16万1753円と増加しており、今後も物価高などの影響次第では、さらに消費支出が増加する見込みです。
一方、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の実収入は13万4915円で、可処分所得は12万2559円となったため、所得と消費支出を単純に差し引けば、やはり毎月5万円近い赤字となるのです。
<参考:家計調査報告書 2022年>
離婚時に財産分与や年金分割ができるから、と言っても、財産分与できる共有財産がそれなりにあることが前提です。年金分割も、夫が厚生年金に加入していなかった場合は、そもそも年金分割を請求することができません。財産分与や年金分割をあてにして熟年離婚したけれど、思っていた以上に生活が厳しい、と後悔する女性もおられるのです。
熟年離婚後の生活で、専業主婦をはじめとした収入に不安のある女性が後悔しないためには、熟年離婚の大きなデメリットでもある「孤独感」と「お金の問題」に対し、備えておくことが重要です。
(1)生活費
①仕事を見つける
現在働いている人は、離婚後も仕事を続けられるのか、転職しなければならないか検討しましょう。専業主婦であるなら、就職活動は最優先事項です。就労できるうちに働いて、少しでも老後のために備えましょう。
熟年離婚後の当面の生活費用として、財産分与や慰謝料や年金でお金を貰えるから、と思うかもしれませんが気を付けてください。
これらは、全てお金で給付してもらえるわけではありませんし、必ずお金を支払ってもらえるとも限らないからです。
婚姻中に安定した勤め先を見つけるか、就職・転職のための資格を取得してみるのも良いでしょう。
②収入と支出
熟年離婚後の生活を具体的にイメージし、生活費がいくら必要かなど、生活設計をしておきましょう。
余裕があれば、収支の予測を立てて、ざっくりとした家計表・家計簿を作成してみてください。頭の中で考えるよりも、紙に書き出した方が整理できますし、「そういえばあの費用を含めるのを忘れていた!」と後から慌てずに済みます。
収入と支出について、大体の目安が分かるよう、こちらの家計表をご利用ください。月の収入や税金などの公的支出、生活費用などをご記入いただければ、具体的なイメージを掴みやすいかと思います。
<画像:家計表>
なお、収支予測のポイントは、収入を少なく、支出を多めに見積もることです。
支出が多いようでしたら、削れる部分を削ってください。働けなくなった場合や、収入が減ったときのことを考え、毎月少しずつでも貯蓄に回せる余裕があるのが望ましいです。
③住環境
生活の基盤となる住居についても忘れてはいけません。
熟年離婚後も現在の居所で暮らしていけるのか、あるいは頼れる実家があるのか、引っ越しが必要か検討しましょう。
引っ越す場合は年齢のことも考え、①病院に通院しやすい場所か、②自動車以外の交通手段はあるのか、駅やバス停は近いか、③行政のサポートを受けやすいか、④怪我や病気になった時に暮らしやすいバリアフリー環境か、といった面からも検討してみる必要があるでしょう。
独立済みの子どもや親族といった身内を頼れるようであれば、その近くに居所を構えるのも一つの手段です。
もし、新しく部屋を借りるとなれば、物件探しから契約締結まで、余裕をもって進めていきたいところです。
賃貸物件は、借りたいと言えば借りられるわけではなく、入居審査に通らなければなりません。
入居審査の際にチェックされる主なポイントは、①家賃の支払い能力、②保証人・保証機関の有無、③入居者の性格や属性、の3つです。
ポイント③に関しては、内見の申し込み時からの不動産会社とのやり取りを通して、不動産会社が「常識的な人であるかどうか」を判断します。通常人と接する上での常識的な言動を取っていれば、特に問題はありません。
②に関しても、自分の両親など、信頼できる人に連帯保証人となってもらえれば大丈夫でしょう。保証人が高齢で保証能力がない場合は審査に通りにくくなりますが、そういったケースでも、貸主が保証機関の保証も認めているのであれば、保証機関の審査に通れば問題ありません。
熟年離婚のタイミングと状況によっては、①家賃の支払い能力についての審査が最大の懸念事項となるでしょう。
支払い能力の審査基準は、年収、勤務先、勤続年数、家族構成、年齢等を考慮して判断されます。
熟年離婚の準備中ですと、まだ仕事に就いていない段階で物件を探そうとしても、希望の物件に対し支払い能力が無いと判断されてしまう可能性があります。
熟年離婚後の住居は早めに確保した方が安心ですが、入居審査でつまずいてしまう恐れもあるので、まずは安定した仕事を得ることが大切です。
(2)家族や友人・知人との交流
熟年離婚後、孤独感や閉塞的な生活から、体調を崩しやすくなり、孤独死のリスクが高くなる恐れがあります。
孤独死まではいかなくとも、熟年離婚後に人との交流がなければ、体調を崩したときに頼れる相手がおらず、体調を悪化させやすくなるでしょう。
また、人との交流がないために、認知機能が低下し、認知症のリスクが高くなる恐れまであるのです。
こうした心身の不調の原因が全て熟年離婚というわけではありませんが、こういったリスクを軽減するためにも、熟年離婚前から友人や知人との交流を深めておき、熟年離婚後に頼れる相手がいるよう、周囲と繋がりを持っておきましょう。
高齢になってから交友関係を新たに築くのは苦手、きっかけが無い、という方は、地域の会合や行事などに、積極的に参加してみてはいかがでしょうか。
例えば、市区町村の役所のホームページを見てみると、イベントカレンダーが掲載されています。講演会や各種講座、展示会や体験レッスンなど、地域住民が参加可能なイベントが載っています。
こういった自治体主催のイベントに参加すると、共通の趣味や興味を持つ人と交流でき、熟年離婚後に新たな友人関係を築くことができるかもしれません。
(3)本当に熟年離婚すべき?考え直してみる
最後に、パートナーへの愛情が残っていないのか、もう一度考えてみましょう。
今の状況が嫌で熟年離婚したいのか、もっと自分のために時間を割いて自由に生活したいのか。熟年離婚の目的が何か、熟年離婚によって何を実現させたいのか次第では、熟年離婚後に「思っていたのと違った。」と後悔することになりかねません。
何か、熟年離婚を決意した原因があるならば、パートナーに意識・行動を変えてもらうことで、その原因を取り除けるかもしれません。そうなると、「熟年離婚せず、パートナーと話し合って今の生活を一緒に変えていく」という考え方が生まれます。
話し合いの中で、お互いの不満に対する改善策が見つかり、円満な夫婦生活を取り戻せるかもしれません。
熟年離婚して良かった?
熟年離婚のその後の生活について、後悔している妻や夫について前述しましたが、もちろん失敗例ばかりではありません。
熟年離婚をした夫婦の中には、離婚後のメリットがデメリットを上回り、熟年離婚して良かったと思い、後悔していない男女も少なくないのです。
- 不倫をしている夫から慰謝料を貰って別れることができた。
- 子どもも自立して親としての役目も終わった。自分も収入があるので、夫と別れて趣味を楽しめる。
- 夫の親の介護から解放された。
- 夫に収入があったので、離婚時の財産分与で多めの金額の預貯金を受け取って熟年離婚することができた。
こういった方々のように、後悔のない熟年離婚をするためのポイントは、やはり「経済的な余裕」の有無と、「精神的な余裕」の有無でしょう。
(1)しっかりとした生活設計を!
後悔しないために、熟年離婚後の生活設計が重要です。
特に、婚姻期間中に専業主婦をしていた場合は、財産分与や慰謝料請求、熟年離婚後の就業などを慎重に検討し、熟年離婚を切り出す前に、熟年離婚後の生活設計をしておきましょう。
熟年離婚を考え始めたら、就職活動を始めたり、就職に繋がるような資格を取得したりしてみるのも良いでしょう。
また、婚姻期間が長い場合には財産分与の対象となる財産も多くなることが予想されます。
年金分割においても、受け取る金額が高額になることが考えられます。年金分割については耳慣れない方も多く、失念される場合もあるのですが、熟年離婚の際には必ず年金分割についても話し合うようにしてください。
このようにして、熟年離婚後の経済的基盤を確立することで、熟年離婚後に後悔するリスクを軽減することができるでしょう。
(2)ストレス解消できる趣味や目標を持つ
熟年離婚後、突然膨大な時間を手に入れてしまい、かえって何もやる事が思いつかず、その後の人生で無気力になってしまうというケースが少なくありません。
そこで、趣味や目標、退職後でもできる地域ボランティアなど、熟年離婚後の生きがいを見つけておくのも重要です。お金をかけずにできることも沢山あります。
外部との交流があったり、外へ出て体を動かしたりするようなものだと、孤独感に襲われることもなく、熟年離婚のストレスを解消できることでしょう。
(3)離婚前に別居してみる
夫や妻と熟年離婚したいと思っても、勢いで離婚を切り出すのは後悔のもと。まずは夫や妻と別居し、物理的に距離を取ってみてはいかがでしょう。
別居は、夫や妻に対し離婚の意思をはっきりと示せると同時に、夫婦の関係修復のきっかけでもあります。
夫や妻と別居することで、お互いの良い部分が目に付くようになったり、落ち着いて離婚について考えることができるようになることが期待できます。
別居によって、後悔のリスクを減らしましょう。
熟年離婚の末路に関するQ&A
Q1.熟年離婚をして後悔する人は、どういった理由から後悔しているのですか?
A:後悔の理由をまとめると、主に①熟年離婚後の孤独感と、②経済的な負担の2つです。
Q2.夫と熟年離婚を考えている女です。夫に収入があると高額の財産分与と年金分割ができるので、熟年離婚すべきだと聞いたのですが・・・。
A:高額の財産分与や年金分割ができるかは、ケースバイケースです。
夫婦の共有財産、夫に隠し財産がないか等を調べ、夫が厚生年金に加入しているかといったことについて、事前に把握しておかなければなりません。
安易に勢いで夫に熟年離婚を切り出してしまうのは危険です。老後の人生に後悔するようなことがないようにしましょう。
Q3.熟年離婚で後悔しないために、夫婦が婚姻中にやっておくべきことを教えてください。
A:熟年離婚で老後後悔しないために夫婦が婚姻中にやっておくべきことは、離婚後の生活設計です。
特に女性は、熟年離婚後の収入と支出の見込み額を算定し、離婚して老後一人で生活していけるかを考えなければなりません。必要であれば、就職活動や資格取得のための勉強などを始めましょう。
そして、老後に孤独感から心身を病んでしまうことのないよう、趣味や習い事、生き甲斐を見つけておくのも大切です。新しい環境で交友関係を増やし、充実した老後の人生を送れるように備えておきましょう。
まとめ
熟年離婚で老後の生活に後悔している人の声や、後悔の要因についてご紹介させていただきました。
残念ながら、熟年離婚をした全ての夫婦が後悔の無い理想通りの老後の人生を送れているわけではないようです。
離婚後の生活苦から、熟年離婚したことを後悔している専業主婦などの女性は多くいますし、離婚後のストレスから病気になってしまった夫や、新しい生活環境に溶け込めず、後悔したまま孤独死してしまう夫のケースも耳にします。
熟年離婚を考えたとき、その後の生活で後悔することのないよう、特に生活費に関しては離婚前に十分に検討しておいてください。
熟年離婚では、夫婦の婚姻期間が長くなることによって、財産分与が高額になる場合があります。そうすると、夫に熟年離婚を切り出してもなかなか離婚に合意してもらえなかったり、財産分与の金額・内容で揉めたりと、離婚協議が遅々として進まなくなってしまう恐れがあります。
後悔しないために、まずはお気軽に、当事務所の無料法律相談をご利用ください。
この記事を書いた人
雫田 雄太
弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。