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離婚前の別居で住民票を移すメリットやデメリット、変更手続きを解説

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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夫婦が別居をする場合、住民票を移すべきなのかお悩みになる方は少なくないかと思います。

本来、住所変更をしたら住民票も移動させなければなりません。住民票は公的な書類としての役割が大きく、住所変更があった場合には、速やかに届出を行うことが法律で定められています。

ですが、夫婦の別居といっても、その理由や原因はさまざまです。離婚を前提として別居を始める場合のほかにも、夫婦喧嘩から感情的な対立が生じて、お互い冷静になるまで一時的に夫婦の一方が居所を移すような場合もあります。

そこでこの記事では、夫婦の別居時の住民票の扱い方に注目し、住民票を移す手続きの方法や、住民票を移動させるメリットとデメリットなどについて、弁護士が詳しく解説させていただきます。

別居を検討している方や、別居を始めたが住民票を移すか迷っているという方にとって、この記事が少しでもご参考になりましたら幸いです。

目次

夫婦が別居する時に住民票はどうするべき?

夫婦が別居すると言っても、その理由や目的は夫婦によってさまざまです。そのため、住民票を移す必要がある場合と、そのまま住民票を移動させる必要のない場合があります。

日本では原則として、住民基本台帳法により、居住地を変更した場合、14日以内に新しい住所地の市区町村役場に住民票の移動の届出をすることが義務付けられています。

(転入届)
住民基本台帳法第22条1項
転入をした者は、転入をした日から14日以内に、次に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
一 氏名
二 住所
三 転入をした年月日
四 従前の住所
五 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄
六 転入前の住民票コード(転入をした者につき直近に住民票の記載をした市町村長が、当該住民票に直近に記載した住民票コードをいう。)
七 国外から転入をした者その他政令で定める者については、前各号に掲げる事項のほか政令で定める事項

(転居届)
住民基本台帳法第23条
転居(一の市町村の区域内において住所を変更することをいう。以下この条において同じ。)をした者は、転居をした日から十四日以内に、次に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
一 氏名
二 住所
三 転居をした年月日
四 従前の住所
五 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄

この住民票に関する法律の趣旨は、住民の居住地を正確に把握し、行政サービスを適切に提供することにあります。そのため、別居先で長期間生活してその地域の行政サービスを受け、新たな生活の拠点とする場合には、居住地の変更とみなされ、住民票の移動が必要となります。

別居に際して住民票を移動する必要があるかどうかは、離婚することが前提か、という点から判断すると良いでしょう。

離婚前提の別居なら住民票は移すべき

具体的には、別居が離婚を前提とする別居であれば、住民票を移すべきです。

別居に際して住民票を移動させることで、自分宛の郵便物などを配偶者に知られることなく、別居先の住所で受け取れるようになります。住民票を移動していないと、身分証明書やクレジットカードといった重要な郵便物は、住民票上の住所に基づいた夫婦が同居していた居所に郵送されてしまいます。

また、国民健康保険の加入や、児童手当といった各種補助金の申請など、別居先の住所地で行政サービスを受けることができるようになります。離婚後は名義変更や転職、子どもの転校・転園などにかかる手続きが数多くあるので、離婚を前提として復縁の可能性が無い場合は、離婚後の生活をスムーズに始めるためにも、住民票を別居の時に移すべきでしょう。

単身赴任や一時的な別居で離婚しない場合、移す必要はありません

一時的な別居、たとえば単身赴任や出産のための里帰り、または離婚を考えていない短期間の別居の場合には、住民票を移す必要はありません。

一時的な別居の場合、居住地の変更が短期間で、元の居住地へ戻ることが前提の別居とみなされるため、住民票の移動は必要ないと考えられています。

たとえば、夫婦喧嘩の冷却期間として別居を始めた場合には、離婚ではなく、夫婦関係の修復を意図しているため、元の居住地に戻ることが前提の別居となっています。こうした場合にも、別居を開始した際に住民票を移動し、また夫婦で同居生活を始める際に再び住民票を移すのは、手続きの煩雑さが増し、非常に手間がかかってしまいます。そのため、夫婦関係の修復を目的とした一時的な別居という場合には、住民票の移動をしない場合もあるのです。

以上の通り、離婚することを前提とした別居か、離婚しない短期間の別居であるか、といった点で、住民票を移すべきかを判断することになります。

住民票を移動するメリットとデメリット

 

住民票を移動するメリットとデメリット

 

離婚することが前提になっている場合は別居で住民票を移すべきで、離婚しない場合はすぐに住民票を移す必要はないと考えられています。合わせて、別居時に住民票を移動するメリットとデメリットについても知っておき、この点も踏まえて別居の際には住民票を移すかを検討するようにしましょう。

メリットやデメリットについては、子どもに関することも多いため、未成年の子どもを連れて別居を検討している方には、特に知っておいていただきたい内容です。

メリット(児童手当、子どもの学校・保育園の手続き、保育料減額など)

メリット1.夫婦が別居状態であることの証明になる

離婚する・離婚しないで揉めた場合、時には離婚協議や調停では決着がつかず、離婚裁判にまで発展することがあります。そうした時に、夫婦関係が破綻していることの判断材料として、別居状態が長く続いているか、が重要なポイントになります。

夫婦が別居を開始した時期の証拠として、住民票を証拠として提出する場合があります。

住民票は、住民基本台帳法に基づき、住民の住所を記録する公的な書類です。そのため、住民票を移すことによって、夫婦が別居しているという事実を客観的に証明することができるようになるのです。

また、住民票は偽造が難しく、公的な機関によって発行されるものなので、証拠としての信頼性が高いです。

離婚を前提として別居をする場合は、すぐに住民票も移すことで客観的に別居状態を証明できることになりますし、別居状態が長ければ長いほど、夫婦関係が破綻していると認められやすくなり、離婚裁判などにおいても離婚の請求が認められやすくなるでしょう。

メリット2.児童手当を受け取れる

児童手当とは、中学生以下の子どもがいる場合、前年の所得に応じて一定額の給付金を受け取ることができる公的制度です。

児童手当の受給者は、子どもを養育する父母のうち、生計を維持する程度の高い人なので、夫婦では父親が児童手当の受給者であることが一般的です。

そのため、夫婦が別居し、妻が子どもと一緒に家を出る場合は、住民票を移すことで、妻が児童手当の受給者となって、別居先の市区町村で児童手当を受け取ることが可能になります。

なお、児童手当の具体的な条件については、市区町村の役場に確認されることをおすすめします。

メリット3.子どもが学校や保育園へ転入・編入しやすい

別居時に住民票を移動することのメリットの一つとして、子どもが学校や保育園へ転入・編入しやすくなる点が挙げられます。住民票は、子どもの学校や保育園の転入・編入手続きにおいて、居住地を証明する重要な書類として使用されます。

別居によって新たな居住地に移る場合、住民票を移動することで、その地域の教育機関へ子どもが転入・編入するための手続きがスムーズに行えるようになります。これにより、子どもの教育環境の変更が迅速かつ円滑に進むため、子どもの生活への影響を最小限に抑えることができます。

また、地域によっては、教育機関の入学・編入条件が住民登録を要求する場合があるため、住民票の移動は子どもの教育機会を確保するためにも重要となります。

そのため、別居によって新たな住所地に移る場合には、その地域の教育機関について事前に調べておくことをおすすめします。

メリット4.保育料が減額される

別居時に住民票を移動することで、子どもの保育園等の保育料が減額される可能性があります。

保育料は、通常、世帯収入や世帯構成に基づいて算出されます。夫婦として同居している場合は、夫と妻の双方の収入の合計額が保育料の算定基準となりますが、別居して妻と子どもが同居している場合は、保育料の算定は妻の収入に基づくことになります。

この場合に住民票を移動させていないと、同居していない夫の収入も世帯収入に含まれたまま保育料が算定されてしまうのです。
別居時に住民票を移動することで、転入先の自治体に現在の世帯状況を正確に反映させることができ、それに伴い保育料が減額される場合があります。

なお、具体的な算定基準などについては、居住地の市区町村役場に直接問い合わせて確認してください。

メリット5.公営住宅の申し込みができる

別居時に住民票を移動することで、公営住宅の申し込みが可能となるメリットがあります。

公営住宅は、低所得者や高齢者など、住宅に困難を抱える方々を対象とした住宅です。多くの場合、申し込みには転入先の自治体に住民登録していることが条件となります。そのため、住民票を移動することで、この条件を満たし、公営住宅への申し込み資格を得ることができます。

これにより、別居に伴う住宅や家賃の問題を解決するための選択肢が広がります。

メリット6.公的給付金を受け取れる

前述した児童手当の他にも、生活保護、住宅手当といった公的給付金を受け取れることや、医療費助成制度などを利用できることもメリットのひとつです。
こうした公的給付金の受給資格は、居住地や世帯収入に基づいて決定されるため、住民票を移動することで、転入先の自治体で給付金の申請が可能となります。

デメリット(国民健康保険料、住宅ローン、転校の必要性など)

以上の通り、別居の時に住民票を移すことで得られるメリットは多数あります。その一方で、別居時に住民票を移すと、以下のようなデメリットもあります。

デメリット1.国民健康保険料を自己負担する必要がある

別居時に住民票を移す場合は、健康保険料に関しても注意が必要です。

一般的に、妻の健康保険料に関しては、①夫の勤務先の社会保険に扶養として入っている場合、②自分の勤務先の社会保険に加入している場合、③夫とともに国民健康保険に加入している場合、の3つのケースが考えられます。

専業主婦やパート主婦は、夫の勤務先の社会保険に扶養として入っていることが一般的です。夫の勤務先の社会保険に妻が扶養として入っている場合は、別居をしても妻は夫の扶養のままなので、保険料も引き続き夫が負担することになります。

自分の勤務先の社会保険に加入している場合も、別居によって住民票を移しても住所が変わるだけなので、これまで通り自分で健康保険料を納めることに変わりはありません。

一方で、たとえば夫が自営業のため、夫婦で国民健康保険に加入しているような場合は、同居中は世帯単位で国民健康保険に加入し、世帯の収入に応じた保険料を納付しています。

このように、夫婦が国民健康保険に加入していた場合、別居後は夫と妻とで別の世帯となるため、妻は自分の分の国民健康保険料を自分で支払わなければならなくなります。

なお、前年より所得が大幅に減少した場合や、病気などで生活が苦しくなった場合などには、国民健康保険料が軽減されることがあるので、別居先の市区町村役場で事前に確認することをおすすめいたします。

デメリット2.住宅ローンの契約違反になる可能性がある

別居時に住民票を移動することのデメリットとして、住宅ローンの契約違反になる可能性があります。

住宅ローンを組む際には、借り入れた名義人が住宅ローンの対象物件に居住することが契約条件となっている場合が多いです。別居によって住民票を移動すると、この居住条件を満たさなくなるため、住宅ローン契約の違反とみなされる可能性があります。そのため、住宅ローンを契約している間は、基本的に住宅ローンの名義人は住民票を移すことは認められません。

仮に、住宅ローンの契約名義人が別居して住民票を移し、契約違反とみなされた場合、他の金融機関から新たにローンを組んで、現在のローンを返済する「借り換え」や、ローン残高の一括返済を求められる可能性があります。

また、別居後は住宅ローンの控除を受けられなくなる可能性もあります。
このため、別居して家を出ていくことになる方が住宅ローンの契約名義人である場合には、別居に伴う住民票の移動を慎重に検討する必要があります。

デメリット3.DV夫やモラハラ妻に別居先がバレてしまう恐れがある

特段の揉め事もなく、円満な離婚に向けて冷静に離婚協議が進行しているような場合には、相手に別居先を知られても問題ないかもしれません。ですが、夫のDVや妻のモラハラを理由に別居する場合、住民票の移動には慎重な判断が必要です。

別居といえど、正式に離婚届を提出して離婚が成立するまでは、戸籍上は夫婦のままの状態です。そのため、別居に際して住民票を移動してしまうと、戸籍から別居先の住所がDV夫やモラハラ妻にバレてしまう恐れがあるのです。

どうして別居先の住所がバレてしまうのかというと、「戸籍の附票」や「住民票の除票」があるためです。
戸籍の附票とは、戸籍に入籍してから現在に至るまで、その戸籍に属する人についての住所が記録されている証明書です。

結婚によって夫婦が同一の戸籍になるため、離婚成立前に別居して住民票を移すと、同じ戸籍に属している相手方も、戸籍の附票から別居先の住所を確認することができてしまうのです。

また、転出や死亡などにより消除された住民票である「住民票の除票」にも、別居先の住所が記載されるため、住民票の除票からも別居先の住所が確認できてしまいます。

このデメリットに対処するために、「住民票の閲覧制限」という措置をとることが推奨されます。住民票の閲覧制限については、本記事で後述いたしますので、ご一読ください。

デメリット4.子どもが転校・転園する必要がある

子どもが私立の学校や保育園などに通学・通園している場合は問題ありませんが、そうでなければ転校・転園しなければならないため、住民票の移動には注意が必要です。

基本的に、どこの学校に通うかは、学区(校区)によって決められています。特別な事情があると認められる場合以外は、学区に基づき指定された学校へ通うのが原則です。

住民票上の住所が、別居前と同じ市町村である場合には学区が変わらず、転校せずに済むかもしれませんが、引越しで学区が変わる場合には転校することになる可能性があります。

このように、別居に際して住民票を移す場合は、子どもが学校を転校したり、保育園や幼稚園を転園したりする必要があるため、その点も考慮して別居の手続きを進めましょう。

離婚前に別居する時の住所変更の手続き(転居届・転出届・転入届)

それでは、別居にともない住民票を移動するための具体的な手続きについて、簡単にご説明させていただきます。
住民票の移動の手続きは、同一市区町村内で移動する場合と、別の市区町村へ移動する場合とで異なります。

同一市区町村内で移動する場合

住民基本台帳法第23条の規定により、住民登録をしている住所と同じ市区町村内で引っ越しをした場合は、引越した日から14日以内に、住民票の異動を届け出る必要があります。

この届出を、転居届といいます。

転居届の提出時には、市区町村役場の窓口やホームページから入手できる「住民異動届」と本人確認書類が必要です。

なお、転居届を引越し前にあらかじめ届け出ることはできません。別居開始後、なるべく早めに転居届の提出を済ませるようにしてください。

別の市区町村へ移動する場合

現在住んでいる市区町村とは別の市区町村へ引越しする場合、現在の市区町村から「転出」し、別居先の市区町村へと「転入」することになるため、別居前の市区町村と別居先の市区町村でそれぞれ届出が必要です。

具体的には、現在の市区町村に転出届を提出し、別居先の市区町村に転入届を提出します。

転出届の届出期限については、引越しをする14日前から受け付けが可能とされていますが、引越し後の届出になっても構いません。ただし、引越し先の市区町村に対し、引越しの日から14日以内に転入届を提出しなければならないため、転入届の提出に支障がないよう、転出届を早めに提出しておきましょう。

転出届の提出時には、住民異動届と本人確認書類が必要です。

転入届の提出には、転出届を提出した際に交付される「転出証明書」が必要です。引越しの際に転出証明書を紛失することのないように、注意してください。

DV夫や妻に引越し先を知られたくない!住民票をそのままにしておける?

DVやモラハラをする相手に、別居先を知られたくない場合に、主に次の2つの対処法が考えられます。

1.住民票を移さない

別居先の住所を知られたくない場合、別居しても住民票を移さずにいることで、相手に別居先の住所が知られないよう対策できます。

戸籍上夫婦である以上、別居後も簡単に互いの戸籍や住民票を取得できてしまいますが、住民票を移動させずに元の住所を保持しておくことで、相手が住民票の写しを取得しても、別居先の住所が表示されることはありません。

これにより、DVやモラハラをする有責配偶者に別居先の住所を知られるリスクを回避することができます。

ただし、この方法を選択する場合は、別居先での公的サービスの利用や公的支援制度の申請手続きが制限される可能性があるため、慎重に判断する必要があります。

2.住民票に閲覧制限をかける

DV被害者であり、DVによって生命や身体に危害を受けるおそれがある場合は、住民票や戸籍の附票のある市区町村等にDV等支援措置を申し出て、住民票の写しなどの交付を制限することができます。

DV等支援措置の申出は、住民票や戸籍の附票のある市区町村に「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を提出することによって行います。

DV等支援措置の内容としては、次の公的書類について、相手方から閲覧や交付の申請があった場合に、不当な目的によるもの・相当と認められないものとして、閲覧・交付が制限されることになります。

  • 支援措置対象者に係る住民基本台帳の一部の写し
  • 住民票の写しや住民票の除票
  • 戸籍の附票や戸籍の除票の写し

また、相手方が直接交付申請をしていない場合でも、相手方が第三者になりすまして交付・閲覧申請しようとすることを防ぐため、写真が貼付された身分証明書の提示を求めるなど、本人確認がより厳格になります。

なお、DV等支援措置には1年という期間があるため、別居後1年経過しても相手に住所を知られたくない場合は、期間終了の1ヶ月前から受け付けされる延長の申出を行う必要があります。

申出書の書式や手続きの詳細については、市区町村役場に問い合わせて確認するようにしてください。

これらの対処法とあわせて、別居先の選定にも入念な準備と検討が重要です。

たとえば、実家に身を寄せたいと思っても、相手方が実家の住所を知っている場合、実家に押しかけてきてしまう可能性があります。相手方のDVやモラハラが原因で別居すること、相手方には別居先の住所を絶対に教えたくないことを家族や親族、友人に共有しておき、相手方に知られている場所以外に引越しを検討しましょう。

また、配偶者からDVを受けた被害者が、緊急一時的に避難できる保護施設(シェルター)もあります。被害者の安全確保のため、保護施設は所在地が非公開になっています。
保護施設では、一時保護だけでなく、相談や自立へ向けたサポートなども受けることができます。

保護施設の利用や、別居時の住民票の取り扱い、閲覧制限の申出などについてのお悩みは、弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。

別居と住民票に関するQ&A

Q1.別居時に住民票を移すことのメリットは何がありますか?

別居時に住民票を移すことによって、次のようなメリットがあります。

  • 夫婦が別居状態であることの証明になる
  • 児童手当を受け取れる
  • 子どもが学校や保育園へ転入・編入しやすい
  • 保育料が減額される
  • 公営住宅の申し込みができる
  • 公的給付金を受け取れる

Q2.別居時に住民票を移すことによって何かデメリットはありますか?

別居時に住民票を移すことによって、次のようなデメリットがあります。

  • 国民健康保険料を自己負担する必要がある
  • 住宅ローンの契約違反になる可能性がある
  • DVやモラハラをする夫や妻に別居先がバレてしまう恐れがある
  • 子どもが転校・転園する必要がある

Q3.DVやモラハラをする配偶者に別居後の住所を知られたくありません。どうすれば良いですか?

別居時に住民票を移動すると、戸籍上は夫婦であるため、戸籍の附票や住民票の除票によって別居先の住所が相手方にも知られてしまいます。
DVやモラハラをする有責配偶者に別居先の住所を知られたくない場合は、そもそも住民票を移さないか、住民票の閲覧制限をかけるようにしましょう。

お悩みやご相談は弁護士にご相談ください

この記事では、離婚を前提とした別居の際に住民票を移すメリットとデメリットを中心に、別居と住民票について弁護士が解説させていただきました。

離婚を前提に別居するにあたっては、引越し先の選定や、住民票の移動をどうするか、別居先の住所を相手に知られないようにするための対処法はどうしたら良いのかなど、さまざまな問題に直面することになるかと思います。

未成年の子どもがいる場合は、今通っている学校や保育園・幼稚園に通い続けることができるのか、転校・転園しなければならないか、といった点についても検討する必要があります。

離婚に向けての準備を進める中で、こうした別居と住民票に関する煩雑な問題や手続きにひとりで対応するのは、時間や手間もかかり、精神的にも多大なストレスとなるでしょう。

そこで、離婚前の別居や住民票については、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。離婚条件や離婚の手続きなどもサポートしながら、別居と住民票に関する問題についても、弁護士が手厚くフォローさせていただきます。

当法律事務所では、法律相談を初回無料としております。別居を検討している方、別居を始めたが住民票を移すべきか迷われている方がいらっしゃいましたら、お電話や問い合わせフォームから、お気軽に法律相談をご予約ください。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。

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