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モラハラ妻の特徴をチェック【診断リスト付】|治し方や離婚の手順も解説!

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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「モラハラ妻」という言葉を聞いたことはありますか?
モラルハラスメントを行う妻、つまり「モラハラ妻」は、夫に対して精神的な圧力や支配を試みる女性を指します。この問題は決して珍しいものではなく、妻からの暴言や精神的虐待に苦しむ夫は少なくありません。
実際に、妻のモラハラによって離婚調停を申し立てる夫は増加傾向にあります。

モラハラ妻は夫を侮辱したり、コントロールしようとしたり、過度な期待を抱かせることで、夫の自尊心や自立心を損なわせます。このような状況にある夫は、自身の感情や価値を見失いがちであり、時には身体に変調をきたすほど、深刻な精神的ダメージを受けることもあります。

また、モラハラ妻による影響は、夫だけでなく、子どもを含めた家庭全体に及びます。
本記事では、「モラハラ妻」とはどういった特徴があるのか、治し方はあるのか、直らなかったときの対処法などについて、詳しく掘り下げてまいります。

目次

モラハラ妻に見られる特徴と言動例

モラハラ妻とは

モラハラとは、モラルハラスメントの略語で、倫理や道徳に反した嫌がらせや虐待のことを指します。
夫婦間のモラハラが問題視されるようになったのはここ数年のことですので、妻から精神的な虐待を受けていても、モラハラ妻だと認識していない夫は少なくありません。また、モラハラ被害者は洗脳状態にあるため、客観的に自分の状態を見てモラハラ被害者であると判断できない場合が多いです。
それでは、そんなモラハラ妻に見られる特徴や言動の例を見てみましょう。

モラハラ妻によく見られる言動

モラハラ妻とは、夫に対して精神的な虐待やコントロールを行う女性を指します。
モラハラ妻は夫の自尊心を傷つけ、支配しようとします。特に、夫の仕事や収入に対して過度な期待を抱かせ、達成できないと厳しく責め立てることがあります。

また、夫の趣味や特技、親族や友人との交流を軽視し、否定的な態度をとることが一般的です。これにより、夫は孤立し、自己評価が低下します。具体的に見られる言動の例としては、以下のようなものがあります。

  1. 夫の意見や希望を無視し、一方的に決定を下す。
  2. 夫を小馬鹿にするような言動を繰り返す。
  3. 夫の成功や努力を認めず、軽視する。
  4. 夫に対して過度な期待を抱かせ、達成できないと責める。
  5. 夫の親族との交流を妨げ、家族行事への参加を制限する。
  6. 夫の友人を貶め、交友関係を遮断しようとする。
  7. 夫が熱中している趣味を馬鹿にし、時間の無駄だと非難する。
  8. 夫の特技や才能を認めず、他人と比較して落ち込ませる。

モラハラ妻は、夫のプライバシーを侵害し、携帯電話のチェックや無断での連絡先の管理を行うことがあります。これは、夫に対するコントロールを強化し、自分の意のままに操ろうとする行為です。加えて、夫が家族や友人と楽しい時間を過ごすことに嫉妬し、文句を言うこともあります。

このような言動は夫に対して大きなストレスとなり、心のバランスを崩す要因となることがあります。そのため、モラハラ妻との関係は夫の健康や幸福にとって最良とは言えず、注意が必要です。夫自身が自分の状況を理解し、必要に応じて専門家の助けを求めることが重要です。

モラハラをする妻の特徴

さて、上記のような言動を取るモラハラ妻ですが、その特徴について詳しく見ていきましょう。もちろん、個人によって若干の相違点はあるものの、一般的には次の15個の特徴が、モラハラ妻には見られます。

特徴1.暴言を吐く

モラハラ妻は頻繁に暴言を吐き、夫を精神的に追い込みます。彼女は自分の感情をコントロールできず、怒りや不満が爆発すると、夫に対して罵詈雑言を浴びせます。これにより夫は自己評価を低くし、自信を失ってしまうことがあります。

特徴2.すぐに怒る

モラハラ妻は非常に怒りやすい性格を持っており、些細なことで怒りを爆発させます。夫が彼女の期待に応えられなかった場合、彼女はすぐに怒りをあらわにし、夫を厳しく叱責します。この怒りやすさから、夫は常に緊張感を抱え、モラハラ妻の前では細心の注意を払わなければならなくなります。

特徴3.理不尽な要求をする

モラハラ妻は夫に対して理不尽な要求を繰り返し、その全てを忠実にこなすことを期待します。例えば、家事や育児の全てを夫に押し付けたり、自分の言いなりになることを強要します。このような行動は夫を疲弊させ、モラハラ妻の支配下に置くことを目的としています。

特徴4.マウントを取る

モラハラ妻は夫と比較して自分が優れているところを強調し、夫を見下します。例えば、自分の収入が多いことや社会的地位が高いことをアピールして夫を劣等感でいっぱいにさせることがあります。夫を精神的に支配することで、自分の優位性を保とうとします。

特徴5.夫に厳しいが自分には甘い

モラハラ妻は夫に対しては厳格で非常に要求が多い一方で、自分自身に対しては驚くほど寛容です。夫の趣味や買い物に対しては、細かくチェックし、「無駄遣いだ!」と一喝することもしばしばあるでしょう。しかし、自分に関しては、高級な化粧品やブランド品を購入することに何の躊躇もありません。夫がこれを指摘すると、「私はいつも節約しているのに、たまの贅沢も許されないの?」と被害者ぶり、夫を罪悪感で縛り上げます。

特徴6.外では献身的な妻を演じている

公私の場での態度のギャップもモラハラ妻の特徴の一つです。夫と二人きりの時は高圧的で命令的な態度をとりがちですが、夫の友人や同僚、公共の場では献身的で優しい妻を演じるのです。この背後には「理想の夫婦であること」や「幸せな結婚生活を送っていると周りに思われたい」という強い願望があり、外面の良さを演出することで自己評価を高めようとしています。

特徴7.元々細かい性格で文句が多い

モラハラ妻はしばしば細かい性格で、夫のちょっとした過失や家事のやり残しにすぐに文句を言います。過去の出来事をいつまでも引きずり、「あの時もダメだった、これもおかしかった」というように夫のミスを掘り返し、攻撃の材料とします。このような性格から、夫は常に緊張感を持って生活せざるを得なくなります。

特徴8.常識を盾に攻撃してくる

モラハラ妻は世間の常識や一般的な価値観を利用して夫を攻撃します。これが実際に常識かどうかは関係なく、「常識的に考えて〜」や「みんなが〜だから」という言葉を使い、夫の意見や行動を否定し、自分の価値観を押し付けます。これにより、夫は自分の判断や価値観に自信をなくし、モラハラ妻の支配下に置かれやすくなります。

特徴9.夫を孤立させてコントロールしようとする

モラハラ妻は夫を社会から孤立させることで、より一層コントロールしやすくします。夫の友人との交流を制限したり、実家との連絡を妨げたりすることで、夫が自分以外に頼ることができない状況を作り上げます。こうすることで夫はモラハラ妻に依存せざるを得なくなり、その支配を強化していきます。

特徴10.自分が常に正しいと思っている

モラハラ妻は自己中心的であり、自分の意見や考えが常に正しいと信じて疑いません。夫の意見や提案は軽んじられがちで、結婚生活の中で何か問題が起きた時には、すべての責任を夫に押し付けます。このような態度から、夫は自己肯定感を失い、モラハラ妻の支配を受け入れるようになります。

特徴11.平気で事実と違うことを言う

モラハラ妻は自分の目的のためなら、嘘をつくことにも抵抗を感じません。夫を孤立させ、自分の立場を強化するために、夫の友人や職場の人々に対して夫を悪く言ったり、事実とは異なる情報を流布する場合があります。これにより夫は孤立し、モラハラ妻に対する抵抗が難しくなります。

特徴12.夫に感謝をしない

モラハラ妻は夫の努力や親切を当然と捉え、感謝の意を示すことはほとんどありません。夫が仕事で成功しても、家事をこなしても、それに対する評価や感謝の言葉はなく、むしろ「もっとできたはず」と更なる要求を突きつけることがあります。このような状況では、夫は自分の存在価値を疑い、モラハラ妻の支配下で生きることになります。

特徴13.過去の失敗をいつまでも引きずる

モラハラ妻は夫の過去の失敗を忘れず、都合の良い時にそれを引き合いに出して攻撃します。「あの時もダメだったじゃない」「以前も似たようなことをやらかして」と言うことで、夫を常に劣等感で縛り付け、自分の言いなりにしようとします。このように過去の出来事を常に引きずることで、夫は過去の失敗から逃れられず、モラハラ妻の影響を強く受けやすくなります。

特徴14.謝罪や反省がない

モラハラ妻は自分の過ちに気づいても、それを素直に認めることができません。謝罪や反省の態度を見せることはほとんどなく、むしろ自分の行動を正当化し、夫に非があると反転攻撃します。このような態度は夫を混乱させ、モラハラ妻の支配下で生きることを強いる一因となります。

特徴15.独占欲が強い

モラハラ妻は夫に対して過度な独占欲を持ち、彼の時間や注意を独り占めしようとします。友人や家族と過ごす夫の時間を妬み、自分以外の人との交流を制限しようとすることがあります。また、夫が自分の趣味や仕事に時間を費やしていると、それを邪魔しようとしたり、悪く言ったりすることもあります。この過度な独占欲は、夫を精神的に縛り付け、彼の自由を奪い、モラハラ妻のコントロール下に置くことを目的としています。

これらの特徴が見られる場合、それがモラルハラスメントに該当する可能性があります。
状況が改善しない場合や、ご自身で解決が難しいと感じる際には、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめいたします。適切なアドバイスやサポートを受けることで、問題解決への道が開けるかもしれません。

モラハラ妻か診断|チェックリスト

以上のようなモラハラ妻に見られる特徴から、具体的な診断チェック項目を作成いたしました。該当するチェック項目が多ければ多いほど、モラハラ妻である可能性が高くなります。
思い当たる節がある方は、こちらのチェックリストで診断してみてください。

□夫の仕事や収入、昇進のことで責めたり嫌味を言ったりする。
□夫の買い物に理不尽な小言や嫌味を言う。
□夫のことを無視する。
□夫の携帯を勝手に盗み見てチェックする。
□休日に家でくつろいでいると、ドアをわざと大きな音を立てて閉める。わざと床を激しく踏み鳴らす。
□会社の接待などで必要な飲み会であっても、嫌味を言う。
□子どもを妻が独占して、遊ばせてくれない。
□夫の体調を気遣わず、無理を強いる。
□夫の意見や希望を聞かずに、一方的に決定を下す。
□夫を小ばかにするような言動を繰り返す。
□夫の成功や努力を認めず、軽視する。
□夫に対して過度な期待を抱かせ、達成できないと責める。
□夫のプライバシーを侵害し、個人的な空間を尊重しない。
□夫の親族との交流を妨げ、家族行事への参加を制限する。
□夫の友人を貶め、夫の交友関係を遮断しようとする。
□夫が熱中している趣味を馬鹿にし、時間の無駄だと非難する。
□夫の特技や才能を認めず、他人と比較して落ち込ませる。
□夫の親族や友人からの連絡を勝手に見たり、返信を制御する。
□夫が家族や友人と過ごす時間を過度に妬み、文句を言う。
□夫の趣味に対して過度に否定的な態度をとり、参加を阻止する。
□夫が他の人と良好な関係を築いているのを見て不機嫌になる。
□夫の親族や友人を理由なく敵視し、夫にも同様の態度をとることを強要する。
□夫が趣味や特技で得た成果を評価せず、侮辱する。
□夫の親族や友人との約束を勝手にキャンセルしたり、変更する。
□夫の趣味や活動について、理解しようとせず常に否定的なコメントをする。
□夫が親族や友人と楽しい時間を過ごしたことに対して、後で文句を言う。
□夫の特技を活かす機会をわざと避け、参加させない。
□夫の親族や友人との関係を悪化させるような噂を流す。

モラハラ妻になる原因は?

それでは、一体どういった原因によって、妻がモラハラ妻となってしまうのでしょうか。一般的に考えられる原因は、次の通りです。

1. 自分自身がモラハラ行為を受けた経験が影響している

過去に親や以前のパートナーからモラルハラスメントを受けて育った人は、その経験を無意識のうちに「普通」や「当たり前」と認識してしまうことがあります。そのため、自分自身が夫に対して同じようなモラハラ行為をとってしまっても、それを問題行動として認識することが難しいのです。このような過去の経験が、無意識のうちに現在の夫婦関係にも影響を与え、モラハラ妻としての行動を取ってしまう原因となってしまいます。

2. 結婚生活への不満が蓄積している

日々の生活の中で感じる些細な不満やストレスが、適切に解消されずに積み重なっていくことがあります。特に、夫婦間でのコミュニケーションがうまくいっていない場合、これらの不満が解消されることなく蓄積し続けることになります。そして、その積み重なった不満が一度に爆発してしまうと、夫に対してのモラハラ行為として表れることがあります。

3. 出産や子育てのプレッシャーによるストレス

出産や子育ては非常に大きなプレッシャーとなり、それによって感じるストレスは計り知れません。特に、自分自身に対して「完璧な母親でなければならない」という強いプレッシャーをかけている女性は、そのストレスが限界に達したときに夫に対してモラハラ行為をとることがあります。子育てにおいても「自分の思い通りにいかない」と感じたときに、そのイライラや不満を夫にぶつけてしまうことがあります。

4. 夫の過度な優しさがパワーバランスを崩している

夫が優しすぎると、それが逆に妻の支配欲をかき立てることがあります。夫を支配しやすいと感じた妻は、その状況を利用して夫をコントロールしようとすることがあります。そして、このコントロールがエスカレートしていくことで、モラハラ行為へと発展していくのです。

5. 他人を評価しランク付けする傾向がある

自己評価が高く、他人を評価しランク付けすることで優越感を得る傾向のある人は、夫に対しても上から目線で接することがあります。自分が優れていると感じることで自己肯定感を保とうとし、その結果として夫を見下すような言動をとることがあります。これがモラハラ行為へとつながっていくのです。

6. 自己評価が低く、自信を持てない状態

自己評価が低く、自信を持てない人は、他人を支配することで自分を大きく見せようとする傾向があります。このような状態の人が夫に対してモラハラ行為をとることで、一時的にでも自己評価を上げようとするのです。しかし、これは健全な自己評価の形成には繋がらず、モラハラ行為などの問題行動を繰り返してしまうのです。

7. 被害者意識が強い

常に自分が被害者であると感じることで、他人を非難し攻撃することを正当化する傾向があります。この被害者意識が強い状態で夫に接すると、些細なことでも夫を非難し攻撃してしまうことがあります。これがエスカレートしてモラハラ行為へと発展していくのです。

8. 産後鬱や育児ノイローゼの可能性

産後鬱や育児ノイローゼは女性の精神状態を非常に不安定にし、感情のコントロールが難しくなることがあります。このような状態の女性が夫に対してイライラをぶつけやすくなり、その結果としてモラハラ行為をとることがあります。この状態は一時的なものであることが多いですが、放置しておくと夫婦関係に深刻なダメージを与えることになります。

妻のモラハラの治し方はある?

婚姻関係の継続のために、モラハラ妻のモラハラが治れば、それが最善です。とはいえ、治し方のある怪我や病気のように、モラハラは治せるものなのでしょうか。
残念ながら一般的に、モラハラを治すことは難しいと言われています。それは、モラハラ妻に次の要素が必要になってくるためです。

  1. モラハラをしているという自覚
  2. モラハラをやめる意思

モラハラ妻はモラハラをすることによって、鬱憤を晴らし自分の精神を安定させるわけですから、そもそもモラハラを治すメリットが無いのです。自分にとってメリットのある事をやめろと言われても、なかなか素直にやめられないかと思います。
なお、これからご説明する治し方は、モラハラを完治させる治療法ではありませんので、ご承知おきください。

(1)モラハラ妻に、その行為がモラハラであることを伝える

妻に対して、その行動がモラルハラスメントであることを冷静かつ具体的に伝えましょう。その際、感情をコントロールし、具体的な例を挙げて説明することが重要です。また、その行動がどのような影響を夫や家族に与えているかも具体的に説明し、理解を促しましょう。

(2)子どもが悲しむことを伝える

子どもが親のモラハラ行為によって傷ついていることを妻に伝えましょう。子どもの感情を重視し、子どもが安心して暮らせる環境を作ることの重要性を共有しましょう。また、子どもの未来に対しても影響があることを理解してもらい、行動改善を促しましょう。

(3)妻のストレスを解消する

妻がストレスを抱えている場合、その原因を探り、解消する手助けをしましょう。趣味の時間を作る、リラックスできる環境を提供するなど、具体的なサポートを行いましょう。また、必要であれば専門家の助けを借りることも検討しましょう。

(4)夫婦間のコミュニケーションの改善

お互いの思いや考えを正直に共有し、理解し合える関係を築きましょう。感情をコントロールしながら、建設的なコミュニケーションを心がけましょう。また、お互いの意見を尊重し、歩み寄る姿勢を持ちましょう。

(5)パートナーシップを強化する

夫婦としてお互いを尊重し合い、パートナーシップを強化しましょう。共同で家庭を支える意識を持ち、協力して問題を解決しましょう。お互いの強みを生かし合い、支え合う関係を築きましょう。

(6)妻の自己評価を向上させる

妻が自己評価を高めることができるようサポートしましょう。妻の長所や成果を認め、ポジティブなフィードバックを提供しましょう。また、失敗から学び、成長する機会を提供し、自信を持てるよう励ましましょう。

(7)妻に対し共感と理解を示す

妻の気持ちに共感し、理解を示しましょう。感情を大切にし、妻の立場に立って考えることで、安心感を提供しましょう。また、妻の意見や感情を尊重し、感謝の気持ちを表現しましょう。

(8)モラハラ妻との適切な境界線を設定する

お互いのプライベートな時間や空間を尊重し、適切な境界線を設定しましょう。依存や支配を避け、健全な関係を築きましょう。また、お互いの自立を促し、バランスの取れた対等な関係を目指しましょう。

(9)モラハラ妻にカウンセリングを受けさせる

専門家の助けを借りて、妻のモラハラ行為やその原因について、妻にカウンセリングを受けることを提案しましょう。第三者の視点からアドバイスを受け、問題解決に努めましょう。また、夫も一緒にカウンセリングを受けることで、お互いの理解を深めることにもつながります。

(10)モラハラ妻に対する正しい対処法を学ぶ

モラハラ行為に対して正しい対処法を学び、適切に対応できるようにしましょう。本やセミナーを活用し、知識を身に付けましょう。また、専門家からアドバイスを受け、実践することで、夫婦関係の改善を目指しましょう。

モラハラ妻への対処法

モラハラ妻との状況が改善しない場合は、ストレスを発散して自分の心身の健康を保つ他、カウンセラーや弁護士などの専門家の手を借りたり、別居して距離を置き冷静になるなど、なんらかの対処が必要です。

(1)ストレスを発散する

ストレスはモラハラ行為の一因となることがありますので、日頃から効果的な方法でストレスを発散しましょう。趣味や運動を取り入れ、心身ともにリラックスする時間を作ることが大切です。また、友人や家族とのコミュニケーションを大切にし、気持ちを共有することで心の負担を軽減できます。

(2)カウンセリングを受ける

プロのカウンセラーや心理士の助けを借りて、モラハラ行為の背景にある問題や自分自身の感情を理解しましょう。カウンセリングを通じてコミュニケーションスキルを向上させ、夫婦間の問題解決に繋げていきましょう。必要であれば、カウンセリングを受けることを妻に提案し、一緒に受けることも一つの方法です。

(3)妻の言いなりにならない

毅然とした態度で、妻の思い通りに支配されない人間であることを示しましょう。自分の意見や感情をしっかりと表現し、妻の不適切な要求や非難には明確にノーと言いましょう。また、専門家の助けを借りて、自身の権利を守る方法を学び、健全な関係を築くことを目指しましょう。

(4)別居して物理的に距離を置く

一時的な距離を置くことで、お互いの感情が落ち着き、冷静に状況を分析する時間を持つことができます。別居中には、自分自身の感情や状況を振り返り、問題解決に向けた計画を立てましょう。また、別居を機にプロのカウンセリングを受けることも一つの方法です。子どもがいる場合は、子どもの感情や生活に与える影響を最小限に抑えるよう配慮し、コミュニケーションを大切にしましょう。

(5)専門家に法的問題を相談する

モラハラがエスカレートし、身の危険を感じるような場合は、速やかに法的な助言を求めましょう。弁護士や専門の相談機関に相談し、適切なアドバイスを受けながら、必要な場合は法的な措置を講じることが重要です。モラハラ行為を証明するために、メールやメッセージのやり取りを保存する、証人を確保するなどの準備をしましょう。自分自身と家族の安全を守るために、適切な対応を取ることが重要です。

モラハラ妻と離婚したい!どうすればいい?

 

モラハラ妻との離婚を検討し始めたら

 

1.証拠収集して離婚請求や慰謝料・養育費の請求に備える

モラハラ妻との離婚を検討している際には、まずはその行為の確固たる証拠を集めることが非常に重要です。具体的には、妻からの暴言や不適切な態度を録音や撮影で記録し、メールやLINEなどのメッセージのやり取りを保存するなどして、証拠として残しておきましょう。
下記のような証拠資料があると、後々離婚の際に理由を説明する際や、慰謝料の請求を行う際に有利な状況を作ることができます。

  • 暴力的な行動や、妻が不当に怒っている様子を捉えた写真や動画、録音データ。
  • LINEやメールなどでの脅迫的、または侮辱的なメッセージのスクリーンショットなど。
  • 毎日のモラハラ妻の行動や発言を詳細に記録した日記やメモ。
  • 家庭内の状況を目撃した友人や親戚、近隣住民からの証言。
  • 精神的、肉体的な苦痛により病院を受診した際の医療記録、カウンセリングや心療内科の診療記録。
  • 警察への通報や相談に関する公的な文書。

2.別居する

なお、証拠を収集するためには同居を継続していることが良いのですが、モラハラ妻が夫や子どもに与える悪影響があまりにも甚大な場合は、証拠収集よりも別居を優先しましょう。別居することで、夫や子どもはモラハラ妻から受ける精神的な圧迫から解放され、安全で安心できる環境で生活することが可能になります。

この別居に際して、法的なトラブルが生じないよう、あらかじめ弁護士にご相談いただくとスムーズかと思います。
別居後もモラハラ妻からの嫌がらせやストーキング、暴力の恐れがある場合には、必要な場合には警察に相談することも重要です。安全が確保された状況で、冷静かつ客観的に今後の対応を考えることが大切です。

3.離婚についての話し合いをする

次に、冷静かつ穏やかに妻とコミュニケーションをとり、離婚について話し合いでの合意を目指しましょう。双方が納得する形で協議離婚が成立すれば、時間とお金の両面で大きな節約となります。

離婚協議では、財産分与や子どもの親権、養育費、面会交流に関する細かな事項もしっかりと話し合い、合意に達することが求められます。合意に至った際は、正式な離婚協議書を作成し、これを公正証書にして残すことをおすすめします。
しかし、もし妻が離婚に合意しない場合は、法的な手続きを進めることを検討する必要があります。

4.離婚調停(夫婦関係調整調停)

まずは調停を申し立てることになります。いきなり裁判を起こすことはできません(調停前置主義)。
離婚調停を申し立てる際には、家庭裁判所に必要な書類を提出します。この手続きには、夫妻双方の基本情報を記載した調停申立書や、結婚生活の状況、離婚を希望する理由などを詳しく記述した書類が含まれます。これらの書類の準備は何かと煩雑ですので、弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。

調停が開始されると、夫婦は裁判所に出頭し、調停委員の前でそれぞれの意見や希望を述べます。この際には、財産分与や子どもの親権、養育費、慰謝料などについても話し合われることが一般的です。調停委員はこれらの情報を基に、双方が納得できる解決策を提案します。

離婚調停の過程は、時には感情的になりがちですが、冷静かつ客観的な態度で臨むことが重要です。
調停の進行は、通常は数回の面談を経て進行しますが、夫妻双方が合意に達することができれば、調停成立となり、裁判を経ることなく離婚が成立します。一方で、話し合いが平行線をたどり合意に至らない場合は、調停不成立となり、その後裁判を申し立てることになります。

5.裁判(離婚訴訟)

調停が不成立となった場合は、裁判所に離婚訴訟を申し立てることになります。裁判ではさらに詳細な審理が行われ、最終的には裁判官の判断により離婚が認められるか否かが決まります。
裁判で離婚が認められるためには、法定離婚事由(民法第770条1項)が必要です。したがって、モラハラ妻から加害行為を受けたことによって、夫婦関係が破綻するような、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法第770条1項5号)があることを証明する必要があります。

さらに、裁判手続きは時間と費用がかかる上、結果も予測しにくいので、入念な準備と覚悟が必要です。

モラハラ妻に関するQ&A

Q1.モラハラ妻とは具体的にどのような行動をする人を指しますか?

モラハラ妻とは、夫に対して精神的な圧力や支配を試みる女性のことを指し、夫を侮辱したり、否定したり、過度な期待や要求を押し付けたりします。また、夫の意見や感情を尊重せず、人格を否定するようなコメントを繰り返し行うこともあります。

Q2.モラハラ妻との関係を改善するためにはどうすれば良いですか?

自分自身の感情や価値を大切にし、必要であれば専門家の助けを求めることが重要です。カウンセリングやセラピーを受けることで、自身の感情を理解し、対処法を学べます。信頼できる友人や家族と話をすることも、気持ちを軽くするのに役立ちます。

Q3.モラハラ妻に対して法的な対処は可能ですか?

モラハラがエスカレートし身体的な暴力や脅迫が伴う場合は、法的な対処が可能です。警察に相談し、必要であれば弁護士にも相談しましょう。
しかし、モラハラは証拠が残りにくいため、日常的な出来事を詳細に記録しておくことが重要です。

モラハラ妻や夫についてのお悩みは弁護士にご相談ください

モラルハラスメントは、配偶者間の関係を著しく損なうものであり、その影響は精神的なものにとどまらず、日常生活全体に波及していく可能性があります。
本記事では、モラハラ妻との適切な対処法や、最終的に離婚を選択する際の流れについてご説明させていただきました。しかし、モラハラの状況は複雑で繊細であるため、個別の状況に応じた専門的なアドバイスが不可欠です。
モラハラに関するお悩みがあれば、お早めに弁護士にご相談ください。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。

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