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母子家庭向け家賃補助|シングルマザーが利用できる支援制度・手当

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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日本における母子家庭では、住環境や仕事と育児の両立など、さまざまな問題に直面します。その中でも、経済的問題に悩むシングルマザーや母子家庭は少なくありません。

特に、家賃・住居費用の負担は、母子家庭にとっては特に重大な悩みとなっています。国や各地方自治体は、シングルマザーが安心して子育てに取り組むことができるよう、さまざまな家賃補助制度や住宅手当を設けています。

そこでこの記事では、シングルマザーが利用することのできる住宅手当や家賃補助制度について、どういった内容の家賃補助があるのか、主なものをいくつかご紹介させていただきます。

また、住宅手当や家賃補助といった直接的に家賃を助成する制度以外にも、住宅費用に関連する支援制度についても解説いたします。

この記事が、家賃補助制度の利用を検討している母子家庭の方々にとって、少しでもご参考となりましたら幸いです。

目次

母子家庭・シングルマザーが利用できる家賃補助制度

自治体ごとにさまざまな母子家庭向けの家賃補助・ひとり親家庭住宅手当制度を設けています

人が生活する上で欠かすことのできないものの一つが、住宅です。持ち家に限らず、日本では住宅の選択肢として賃貸住宅も主流ですが、大抵の場合、賃貸住宅を借りるとなると安くない家賃が毎月継続して発生するため、家を借りるというのもなかなか大変ですよね。

安定した仕事に就いていない人や、収入の少ない人にとっては、毎月の家賃を捻出するのも大変です。

特に、自分自身と子どもの生活を一手に担うシングルマザーなどのひとり親世帯にとっては、支出の中に占める家賃の負担はかなり大きなものになります。

ところで、厚生労働省が令和3年に実施した「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果」によると、令和2年の父子世帯における父自身の平均年間収入は518万円であったのに比べ、母子世帯における母自身の平均年間収入は272万円、という調査結果が出ています。

「平均収入」とは生活保護法に基づく給付、児童扶養手当等の社会保障給付金、就労収入、別れた配偶者からの養育費、親からの仕送り、家賃・地代などを加えた全ての収入の合計額なので、単純に父・母本人が就労で得た収入はこれを下回ります。

参考:「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」結果について(厚生労働省)

あくまで父子家庭の平均と母子家庭の平均の比較ですが、仮に家賃6万円のアパートを借りるとしても、平均年間収入518万円の父子家庭と平均年間収入272万円の母子家庭では、どうしても生活状況の余裕に差が生じてしまうでしょう。

このように、どうしても収入の低くなりがちな母子家庭等ひとり親世帯について、都道府県や市区町村は、さまざまな家賃補助制度や住宅手当などの助成金支援制度を設けています。

以下に、主な自治体における家賃補助制度・住宅手当制度をご紹介していきたいと思います。

【例①】ひとり親家庭住宅支援資金貸付事業

ひとり親家庭住宅支援資金貸付事業とは、都道府県及び指定都市等が実施主体となっている貸付金制度です。就労を通じた自立に向けて意欲的に取り組んでいるひとり親に対し、就労に資する住宅の居住を促進することを目的とし、住宅の借り上げに必要な資金について貸付を行う支援制度になります。

ひとり親家庭住宅支援資金貸付事業によって、貸付を受けた日から1年以内に就職、もしくはより高い所得の見込まれる就業先に転職等をして、1年間継続して就業した場合には、貸付金の返還が免除となるため、母子家庭にとってはかなり大きい家賃補助の制度になるかと思います。

貸付対象者や貸付額等について、一般的には次の通りとなっています。

貸付対象者

その自治体に居住しており、次のいずれの要件にも該当する人。
1.児童扶養手当の支給を受けている人、または所得が児童扶養手当支給水準の人。
2.母子・父子自立支援プログラムの策定を受けている人(母子・父子自立支援プログラムの策定を受けたことがある人で、申請時点において自立に向けた支援を受けていない場合は対象外)。

貸付額

貸付額は、月額4万円を上限とし、入居している住宅の家賃(管理費および共益費含む)の実費となります。貸付期間は12ヶ月なので、最大で4万円×12ヶ月の家賃補助となる貸付金を受けることができます。

また、ひとり親家庭住宅支援資金貸付事業の貸付金は無利子で、貸付を受ける際に連帯保証人を必要としません。

そして前述した通り、ひとり親家庭住宅支援資金貸付事業によって、貸付を受けた日から1年以内に就職、もしくはより高い所得の見込まれる就業先に転職等をして、1年間継続して就業した場合には、貸付金の返還が免除となります。

詳細につきましては、実施している自治体の担当窓口やホームページなどでご確認ください。

参考:ひとり親家庭住宅支援資金貸付事業(神奈川県社会福祉協議会)

【例②】東京都新宿区「民間賃貸住宅家賃助成」

続いてご紹介する家賃補助制度は、東京都新宿区が実施している「民間賃貸住宅家賃助成」という家賃補助制度になります。

民間賃貸住宅家賃助成とは、新宿区内の民間賃貸住宅に住む世帯の家賃を助成することで負担を軽減し、定住化の促進を目的とした家賃補助制度です。

民間賃貸住宅家賃助成の助成対象者は、子育てをしている世帯なので、母子家庭に限られませんが、母子家庭でも以下の要件を満たせば申し込みを行うことが可能です。

対象者

基準日(10月1日)の前日までに新宿区内の民間賃貸住宅に居住し、住民登録の届出を済ませている世帯が、助成金の支給対象者となります。そして、新宿区内に居住している子育て世帯の中でも、さらに以下の要件に該当していなければなりません(以下に挙げる資格要件は一部となりますので、新宿区のホームページ等でご確認ください)。

  • 居住住宅は、公営・公社・UR賃貸住宅等の公的住宅や、社宅等の給与住宅、1年未満の短期間契約の住宅並びに家主(所有者)が2親等以内の親族の住宅ではないこと。
  • 基準日時点で、申込者本人が義務教育修了前の子ども(出産予定の胎児を除く)を税法上扶養し、同居していること。
  • 管理費・共益費を含まない月額家賃が、22万円以下であること。
  • 世帯全員の 前年中の総所得合計が、520万円以下であること。
  • 家賃を滞納していないこと。
  • 現在及び過去に、受給者又はその配偶者として、新宿区の民間賃貸住宅家賃助成を受給していないこと。

家賃補助の助成内容

家賃補助のための助成金として、最長で5年間に渡って、月3万円の助成金を受給することができます。実際の家賃の月額が助成月額3万円に満たない場合は、家賃月額が助成上限となります。

募集は随時ではなく、年に1回、決められた期間にのみ募集を受け付けています。そして、応募者が募集世帯数を上回る場合には、公開抽せんとなります。ちなみに、令和4年度の倍率は3.66倍だったようです。

なお、この助成金は課税所得となりますので、所得税等の確定申告が必要となる場合があるため、注意が必要です。

参考:民間賃貸住宅家賃助成(東京都新宿区)

【例③】兵庫県神戸市「ひとり親世帯家賃補助制度」

この家賃補助制度は、公営住宅に入居できないひとり親世帯が民間賃貸住宅に新たに入居する場合に、その家賃の一部を補助することで、子どもの健全な成長促進や困窮状況の改善を図り、貧困連鎖防止に繋げることを目的とした神戸市のひとり親家庭住宅手当制度です。

対象者

ひとり親世帯家賃補助制度の対象となるのは、神戸市内に居住もしくは勤めていて、次のいずれかに該当し、かつ18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもと同居しているひとり親世帯です。

  • 配偶者と婚姻(内縁関係を含む)を解消された人
  • 配偶者が死亡された人
  • 配偶者の生死が明らかでない人
  • DV(配偶者からの暴力)被害を受けた人
  • 婚姻によらないで母・父となった人

さらに、上記の要件に加えて、次の全ての要件にも該当する必要があります。

  1. 世帯全員の所得合算額が市営住宅の収入基準(政令月収15万8000円以下)を満たすこと。
  2. 指定要件(居住面積が25平方メートル以上等)を満たす民間の賃貸住宅に、2024年1月1日以降に新たに引越し、住環境が改善されること。
  3. 公営住宅に落選したこと。
  4. 申請前の住居が公営住宅でないこと。
  5. 住宅扶助(生活保護法)または住居確保給付金(生活困窮者自立支援法)を受給していないこと。
  6. 兵庫県又は神戸市から同様の補助を受けていないこと。
  7. 世帯全員が暴力団員でないこと。

家賃補助の助成内容

補助金の種類は、家賃補助と家賃債務保証料補助の2つあります。

家賃補助は、最大で月1万5000円が支給されます。家賃債務保証料補助とは、住宅の賃貸借契約に当たって、家賃債務を担保するために家賃債務保証会社に支払う保証料のことで、最大で月6万円が支給されます。

支給は毎年8月、12月、4月に行われ、交付月の前4ヶ月分の家賃の支払が確認できてから、請求に基づいて補助金が支給されます。

ひとり親世帯家賃補助は最大で6年間受けることができ、一番下の子どもが18歳に達して以後、最初の3月31日までひとり親世帯家賃補助を受けることができます。

なお、継続して家賃補助の支給を受けるためには、毎年所定の手続きによる申請が必要です。

参考:ひとり親世帯の家賃補助制度(兵庫県神戸市)

家賃補助以外に母子家庭で利用できる住宅・暮らし関係の支援制度

 

家賃補助以外に母子家庭で利用できる住宅・暮らし関係の支援制度

 

さて、家賃補助の支援制度以外にも、母子家庭・シングルマザーで利用できる住宅・暮らし関係の支援制度はさまざまあります。ここでは、その中の一部をご紹介いたします。

1.水道料金の減額・免除

家賃補助以外に、母子家庭・シングルマザーが利用できる住宅・暮らし関係の支援制度としては、水道料金の減免制度が挙げられます。

水道料金の減額・免除は、母子家庭・シングルマザーに限られませんが、各自治体ごとに、所定の要件を満たせば、上下水道の水道料金が減額あるいは免除される場合があります。

たとえば、東京都(東京都水道局)においては、以下の通りの水道料金の減免制度が設けられています。

水道料金の免除

生活保護法による、「生活扶助」、「教育扶助」、「住宅扶助」、「医療扶助」もしくは「介護扶助」を受給している人や、「児童扶養手当」もしくは「特別児童扶養手当」を受給している人を対象に、水道料金(基本料金と1月当たり10m³までの従量料金の合計額に100分の110を乗じて得た額)、下水道料金(1月当たり8m³までの料金)の減額・免除を行っています。

したがって、東京都内に居住している母子家庭・シングルマザーで、児童扶養手当や特別児童扶養手当などを受給している場合は、水道料金の減額・免除を受けられる可能性があります。

母子家庭・シングルマザーで、この減免制度を利用したい場合は、契約している水道局の窓口に下記の必要書類等を持参して、水道料金の減免の申請を行います。

  • 児童扶養手当証書(現在、有効なもの)もしくは、「児童扶養手当受給証明書」
  • 水道料金領収書
  • 印かん(朱肉を使って押印するもの)

水道料金の基本料金が減額・免除されるだけでも、家計にとっては少なくないプラスになりますので、児童扶養手当等を受給している母子家庭・シングルマザーは、忘れずに水道料金の減免の申請手続きをすることをおすすめいたします。

なお、以上は東京都水道局の例になります。自治体によって基本料金や従量料金、水道料金の減免制度は異なりますので、いくら減額・免除されるかは、事前に居住地の水道局に問い合わせて確認しましょう。

2.ひとり親家庭等日常生活支援事業

続いてご紹介する支援事業は、母子家庭・シングルマザーの暮らしをサポートする支援事業です。

ひとり親家庭等日常生活支援事業とは、父子家庭・母子家庭等が就学等の自立を促進するために必要な事由や疾病などの理由により、一時的に生活援助、保育サービスが必要となる場合や、生活環境等の激変により、日常生活を営むのに支障が生じている場合に、その生活を支援する者(家庭生活支援員)を派遣し、父子家庭・母子家庭等の生活の安定を図る制度です。

なお、実施主体は都道府県・市区町村なので、自治体によってはひとり親家庭等日常生活支援事業を実施していない場合もあります。居住地の自治体に、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

父子家庭・母子家庭の日常生活を支援するこの事業の具体的な内容は、主に日常生活の支援を行う生活援助と、乳幼児の保育等を行う子育て支援に分けられます。

  • 乳幼児の保育(授乳、おむつ交換、沐浴介助、育児環境の整備など)。
  • 児童の生活指導。
  • 食事の世話。
  • 住居の掃除。
  • 身の回りの世話。
  • 生活必需品の買い物。
  • 医療機関との連携。

なお、利用には費用がかかります。自治体によって異なりますが、たとえば京都府京都市の場合、ひとり親家庭等日常生活支援事業の1時間あたりの利用料は、世帯の区分によって次の通りとなっています。

利用世帯の区分

生活援助

子育て支援

生活保護受給世帯・市民税非課税世帯

0円

0円

児童扶養手当支給水準世帯

150円

70円

上記以外の世帯

300円

150円

そして、ひとり親家庭等日常生活支援事業を利用するためには、登録申請が必要です。居住地の市区町村を管轄する福祉事務所等に問い合わせてください。

3.母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度とは、20歳未満の児童を扶養している母子家庭や父子家庭等を対象に、以下の通りさまざまな種類の資金の貸し付けを行う支援制度です。

  • 事業開始資金
  • 事業継続資金
  • 技能習得資金
  • 修業資金
  • 就職支度資金、就学支度資金
  • 医療介護資金
  • 生活資金
  • 住宅資金
  • 転宅資金
  • 結婚資金

これらの貸付金の中でも、母子家庭で住宅の購入や増改築をしたい時や、引越しの資金を補助する資金として、「住宅資金」や「転宅資金」の利用が考えられます。

住宅資金

住宅資金は、母子家庭の母等を貸付対象とし、住宅の建設・購入・補修・保全・改築・増築に必要な資金の貸し付けを行う貸付金制度です。

限度額は原則として150万円(特別:200万円)、6ヶ月の据置期間で、償還期間は6年以内(特別:7年以内)と定められています。

また、保証人が無い場合は年1.0%の利率が生じますが、保証人がある場合は無利子で貸し付けを受けることが可能です。

転宅資金

転宅資金は、母子家庭の母等を貸付対象とし、住宅を転居する際の住宅の貸借に際し必要な資金に必要な資金の貸し付けを行う貸付金制度です。

転宅資金の限度額は26万円、6ヶ月の据置期間で、償還期間は3年以内と定められています。

こちらの貸付金も、保証人が無い場合は年1.0%の利率が生じますが、保証人がある場合は無利子で貸し付けを受けることが可能です。

母子家庭でこうした貸付金を受けたいと考えている場合は、最寄りの地方公共団体の福祉担当窓口に問い合わせて、詳細を確認してください。

4.公営住宅の入居優先制度

母子家庭向けの住宅関連の支援制度には、家賃補助や住宅手当といった金銭的な助成制度以外にも、安価な住宅への入居を支援する仕組みも整っています。

そのひとつが、県営住宅や市営住宅といった公営住宅への入居優先制度です。

入居したい公営住宅によって、運営主体の自治体が異なるため、母子家庭の入居優先措置があるかは自治体にもよりますが、たとえば、次のような母子家庭の入居優先措置を行っている自治体があります。

  1. 母子家庭を含む優先割当世帯に対して、募集戸数が5戸以上ある場合、そのおおむね30~40%を優先割当戸数として、優先枠を設けている。
  2. 優先入居枠を設け、先に優先入居者の抽選を行い、この抽選に漏れた人については、希望すれば一般枠での公営住宅の再抽選の権利を与える。
  3. 入居資格・住宅困窮度を審査して優先順位を付しておき、空きが生じた場合に優先順位の高い者から公営住宅に入居させている。この審査の過程で、住宅困窮度を点数化し、住宅困窮度を判定する際に、母子家庭であることを判定要素に含めており、点数が同点の場合は、一般入居希望者よりも、母子家庭等の優先入居措置対象世帯を優先して公営住宅に入居させている。
  4. 母子家庭を含む優先入居措置世帯は、公営住宅の公開抽選の際に、同一番号の玉を更に1個入れることにより、当選確率が2倍になるような入居優先の措置をしている。

一方で、下記の通り、「市営住宅は母子家庭という理由だけで優先的に入居することはできない」と明示している自治体もあります。

【Q】質問 市営住宅は母子家庭を優先して入居させていることはありますか?

【A】回答 入居者の選考は、原則住宅に困窮する度合いの高い方から入居者を決定し、住宅困窮順位が定め難い場合は、公開抽選により入居者を決定することとなっていますので、母子家庭という理由だけで優先的に入居することはできません。しかしながら、各種支援制度がありますので、詳しくは都市計画グループまでお問い合わせください。

引用:市営住宅は母子家庭を優先して入居させていることはありますか。(愛知県高浜市)

母子家庭で、県営住宅や市営住宅などの公営住宅への入居を考えている場合は、応募枠や抽せん方法などで母子家庭に対する入居優先等の措置はあるのか、居住する自治体に問い合わせて十分に確認しておくことをおすすめいたします。

5.母子生活支援施設

母子生活支援施設とは、児童福祉法に定められた、18歳未満の子どもを扶養している母子家庭や、母子家庭に準じる家庭の女性が、子どもと一緒に独立した個室に入居・生活できる施設です(児童福祉法第38条)。

児童福祉法第38条 母子生活支援施設は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。

全国にさまざまな形態の母子生活支援施設があり、中には一般的なアパートやマンションのような居室を提供している母子生活支援施設もあります。

また、住居を提供しているだけではなく、母子生活支援施設の保育室に保育士を配置し、保育サービスを行っている施設や、学童保育、ショートステイやトワイライトステイ等のサービスを実施している施設もあります。

施設の利用料金は、その母子家庭の住民税や所得税の税額に応じて決められます。

なお、母子生活支援施設は、夫からDVを受けた女性の一時的な保護施設としても機能するため、住所や連絡先といった詳細はホームページなどからは分かりません。申し込むには、福祉事務所の相談窓口での相談が必要です。

母子家庭向け家賃補助制度に関するQ&A

Q1.母子家庭ですが、入居を考えているアパートの家賃が払えません。どうしたら良いでしょうか?

自分自身の所得だけでは家賃を払うことが難しい場合は、母子家庭向けの家賃補助制度を利用しましょう。

母子家庭向け家賃補助制度は、経済的に困窮している母子家庭が安定した住居を確保できるように、家賃の一部を補助する制度です。家賃補助の対象となるのは、一般的に、所得が一定額以下の母子家庭で、特に経済的な支援が必要とされる家庭です。申請者の所得や家族構成によって支援の内容が異なることがあります。

家賃補助の助成金の要件は自治体によっても異なりますので、詳細は居住地の自治体の担当窓口にお問い合わせください。

Q2.家賃補助の支給期間に制限はありますか?

家賃補助の支給期間は通常、一定期間に限定されていますが、家庭の状況や地域の政策によって異なる場合があります。定期的に条件の見直しや更新が求められることが一般的です。

Q3.家賃補助や住宅手当などの助成制度以外に、住宅関連の支援制度はありますか?

家賃補助や住宅手当などの助成制度以外にも、上下水道料金の減額・免除制度や、生活支援施設の提供、公営住宅への入居優先措置など、さまざまな支援制度があります。いずれも母子家庭で利用することが可能なため、実施主体の都道府県や市区町村にご確認ください。

母子家庭のお悩みは弁護士にお気軽にご相談ください

この記事では、母子家庭が直面する住宅問題と、その解決のために利用可能な家賃補助制度に焦点を当てて解説させていただきました。

本記事では、東京都や兵庫県神戸市のひとり親家庭住宅手当等助成制度をご紹介いたしましたが、都道府県や市区町村が独自に実施している家賃補助・住宅手当等の助成制度がさまざまあります。

ご自身の居住地で、どういった家賃補助・ひとり親家庭住宅手当等の助成制度を受けることができるのかは、自治体の担当窓口でご確認いただければと思います。

そして、家賃補助制度・ひとり親家庭住宅手当等の助成制度以外にも、母子家庭の生活の中でお悩みやご不安がありましたら、お気軽に弁護士にご相談ください。

弁護士にご相談いただけましたら、行政的手続きの他にも、法的問題や手続きに適切に対応いたします。ぜひ、当法律事務所の初回無料相談をご活用いただければと思います。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。

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