シングルマザーの暮らしの悩み|親の離婚が子どもに与える影響とは?
日本は少子高齢化社会である一方で、シングルマザーやシングルファザーといったひとり親世帯の数は増加傾向にあると言われています。
そうしたひとり親世帯の内、約8割はシングルマザー(母子家庭)だということです。
そんなシングルマザーですが、母子だけでの生活や、仕事と子育ての両立、働き方など、さまざまな悩みや問題を抱えています。
この記事では、母子家庭の生活でよく見られる問題や悩みに注目し、日本におけるシングルマザーの現状について、深掘りしていきたいと思います。
また、親の離婚や母子だけでの生活が、子どもにとってどのような影響を与えるのか、といった点についても見ていきたいと思います。
目次
日本におけるシングルマザー(母子家庭)の現状とは?
それでは最初に、日本におけるシングルマザー(母子家庭)の現状とはどういったものか、簡単に解説させていただきます。
シングルマザーとは、法的な婚姻をせずに子どもを産んだ未婚の女性や、夫との離婚や死別によって、子どもをひとりで扶養している女性のことをいいます。
シングルマザーと子どもとで構成される家庭を「母子家庭」といいますが、一般的にはシングルマザーと母子家庭とを厳密に区別して使ってはいません。
ところで、シングルマザーというと、幼い子どもと母親、というイメージが一般的ですが、何歳までの子どもがいる母子家庭の母親が「シングルマザー」か、という明確な定義はありません。
ですが、児童手当や児童扶養手当といったシングルマザー向けの公的助成制度において、対象となるシングルマザーの要件には「中学校卒業までの児童」や「18歳未満の児童」といった子どもの年齢要件があります。そのため、こうした制度上のシングルマザーとは、おおむね「未成年の子どもがいる未婚の母親」といえます。
さて、内閣府・男女共同参画局が公開している「男女共同参画白書 令和元年版」及び厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」を見ると、日本におけるひとり親家庭・母子家庭の現状が見えてきます。
日本におけるシングルマザー(母子家庭)の現状
少子化社会にあって、子どものいる世帯は徐々に減少している一方で、シングルマザー(母子家庭)等ひとり親世帯は、1993年(平成5年)の約95万世帯から増加し、令和3年には約134万世帯(134万3839世帯)となったようです。
そして、この134万3839世帯のひとり親家庭の内、シングルマザー・母子家庭は119万5128世帯と、ひとり親家庭の89%が母子家庭であることが分かります(令和3年度 全国ひとり親世帯等調査・第155表「子どもの数別世帯の状況」参照)。
近年は事実婚を選択する男女も増えているため、子どもを扶養する世帯の中で母子家庭や父子家庭が占める割合も増えていくのではないか、と考えられています。
さて、日本では100万世帯を超えるシングルマザー・母子家庭がいることが分かったわけですが、これだけシングルマザーが多いにもかかわらず、社会的理解や支援・サポートは十分に浸透しているとは言えないようです。
それでは次に、シングルマザーの生活では何が大変なのか、母子家庭によく見られる悩みや問題について見ていきましょう。
シングルマザーはここが大変!母子家庭によくある悩み・問題とは
シングルマザー・母子家庭の生活が大変、というイメージは一般的ですが、では具体的に何が大変なのかというと、漠然としているのではないでしょうか。
シングルマザー・母子家庭の生活における悩みや問題はさまざまですが、主に「収入や生活費といった経済的な悩み」と、「仕事や子育て・家事との両立といった生活の悩み」が挙げられます。
より詳しく見てみると、シングルマザー・母子家庭には次の5つの悩みが多いようです。
- 年収・収入が不安定で生活が苦しい。
- 正社員になりにくい。パート・派遣の仕事しか見つからない。
- 住宅の確保に苦労する。
- 仕事と子育て・家事をひとりで両立させるのが大変。
- 体調不良の時に育児を頼める人がいない。
年収・収入が不安定で生活が苦しい
シングルマザーの悩みとして多いのが、やはり経済的な悩みです。
婚姻中は専業主婦だったため、離婚後に安定した収入を得られる仕事に就けず、収入がなく生活が苦しい、といったシングルマザーは少なくありません。
また、パートや正社員として働いているシングルマザーも、子どもの保育園への送迎や子どもの体調不良で長時間働くことができずに、なかなか思うような収入を得られない場合もあります。
それでは実際に、シングルマザーの年収・収入の平均はどれくらいあるのでしょうか。
母子家庭のシングルマザーの年間就労収入の割合
総数(人) |
100万円未満 |
100~200万円未満 |
200~300万円未満 |
300~400万円未満 |
400万円以上 |
955,072 |
188,464 |
264,380 |
231,134 |
126,852 |
144,241 |
割合(%) |
19.7% |
27.7% |
24.2% |
13.3% |
15.1% |
上記の表は、厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」結果の16-1-2「母子世帯の母の年間就労収入の構成割合」を参照したものです。
この調査結果を見ると、約95万人のシングルマザーの内、28%に当たる約26万人のシングルマザーが、年収100万円~200万円、ということが分かります。約3割のシングルマザーが、年収100万円~200万円で子どもを扶養し生活しているのです。2割のシングルマザーは、年収が100万円未満となっています。
そして、約95万人の内約68万人が、300万円未満の収入だと分かります。7割のシングルマザーが、年収300万円未満で生活しているのです。
シングルマザーの収入は300万円未満が一般的である、というデータの一方で、消費支出については厚生労働省の「国民生活基礎調査」に次のようなデータがあります。
2022年(令和4年)に実施された「国民生活基礎調査」結果の「1世帯当たり平均家計支出額(世帯人員・世帯類型別)」を参照すると、母子世帯における平均家計支出額が21万1000円、ということが分かります。
21万円×12ヶ月と考えると、年間の支出額は252万円となります。
前述した年収と照らし合わせると、多くの母子家庭では貯蓄も厳しい収支状態なのです。
正社員になりにくい、パート・派遣の仕事しか見つからない
シングルマザーの悩みの中でも特に深刻なのは、正社員になりにくく、パートや派遣の仕事しか見つからないという点です。シングルマザーは家計を支えるために仕事を得なければなりませんが、正社員としての仕事を得ることが難しい現状があります。これにはいくつかの理由があります。
まず、シングルマザーは育児と家事の負担が重く、フルタイムで働くことが難しいため、雇用主が正社員としての採用をためらうことがあります。
また、シングルマザーは急な子どもの病気や学校行事に対応するため、柔軟な働き方が求められることが多いです。そのため、パートや派遣の仕事がシングルマザーにとって現実的な選択肢となりがちです。
さらに、シングルマザーの中には、配偶者の離別や死別によって長期間のブランクが生じている場合もあります。その結果、職務経歴に空白期間があるため、再就職が難しくなることもあります。特に専門的なスキルや資格がない場合、競争が激しい正社員の求人に応募しても採用されにくいのが現状なのです。
シングルマザーにおすすめの仕事や、資格取得の支援制度などについては、こちらの関連記事にて解説しておりますので、ぜひご参照ください。
住宅の確保に苦労する
夫との離婚や死別によってシングルマザーになった場合、自分の収入と、勤務先や子どもの通園・通学に配慮し、新たな住宅を探すことになります。
そして、自身の希望に合致した賃貸物件を見つけても、必ずその物件に入居できるとは限りません。
たとえば、賃貸物件の入居審査では、年収、職業・勤務先の安定性、保証人・保証機関の有無や子どもの年齢といったポイントを重点的にチェックします。
シングルマザーが住宅を確保する際の最大の課題は、収入の不安定さです。シングルマザーの多くがパートタイムや派遣の仕事に就いており、収入が一定でなく不安定なため、賃貸物件の審査を通過するのが難しいです。特に、大家や不動産管理会社は収入の安定性を重要視するため、シングルマザーのように収入が不安定な場合、審査に落ちやすくなります。
また、保証人を見つけることが困難であることも、シングルマザーにとって大きな障害となります。通常、賃貸物件の契約には保証人が必要ですが、シングルマザーは家族や友人に保証人を頼むことが難しい場合があります。そのため、保証会社を利用することになりますが、保証会社の審査も厳しく、費用もかかるため、負担が増えます。
さらに、シングルマザーの多くは子どもと一緒に住むため、子どもの学校や保育園へのアクセスも重要なポイントです。希望するエリアで適切な物件を見つけることができても、家賃が高額だったり、環境が適していなかったりする場合があります。特に都市部では家賃が高く、シングルマザーの収入では賄いきれないことが多いのです。
シングルマザーの物件探しについては、賃貸物件を中心として、どういった物件があるのか、賃貸物件の選び方のポイントは何か、といった点について、こちらの関連記事にて解説しておりますので、ぜひ合わせてご一読ください。
仕事と子育て・家事をひとりで両立させるのが大変
シングルマザーにとって、仕事と子育て、家事をひとりで両立させることは非常に大変な課題です。シングルマザーは家計を支えるために働かなければならず、同時に子どもの世話や家庭の管理もすべて自分で行わなければなりません。このような多忙な生活は、シングルマザーにとって大きなストレスとなります。
まず、仕事に関して、シングルマザーはフルタイムで働くことが難しく、パートタイムや派遣である場合が多いです。子どもの学校や保育園の送り迎え、病気時の看病、学校行事など、さまざまな要因でシングルマザーは柔軟な働き方を求められます。
そのため、正社員の仕事を見つけるのが難しく、パートタイムや派遣の仕事に頼らざるを得ないことが多いです。これにより、収入が不安定になり、生活の不安が増すこともあります。
次に、子育てにおいては、シングルマザーが一人で全ての責任を負うため、精神的・肉体的な負担が大きいです。シングルマザーは子どもの健康管理、学校の連絡事項の確認、宿題のサポートなど、さまざまな役割をこなさなければなりません。
また、子どもが小さい場合、夜中の授乳やおむつ替えなど、シングルマザーが一人で対応しなければならないため、十分な睡眠が取れず、疲れが溜まりやすいです。
家事についても、シングルマザーが全てを担当することになります。掃除、洗濯、料理、買い物など、日常の家事を一人でこなすのは時間と労力を要します。
特に、仕事と子育ての合間に家事をするとなると、シングルマザーは休む暇がなく、常に忙しい状態が続きます。このような状況は、シングルマザーの心身の健康にも悪影響を及ぼしやすいです。
体調不良の時に育児を頼める人がいない
シングルマザーにとって、体調不良の時に育児のサポートを頼める人がいないことは深刻な悩みの一つです。
シングルマザーは日々の生活で多くの責任を負っており、体調を崩した時、育児・子育てをパートナー等のサポートなしに一人で続けるのはたいへん困難です。
まず、シングルマザーは体調を崩しても、仕事を休むことが難しい場合があります。仕事を休むことで収入が減り、生活費の確保が難しくなるため、無理をして働く必要が出てきます。しかし、体調不良のまま働くことで、シングルマザーはさらに体調を悪化させるリスクを負うことになります。
また、シングルマザーには親や親戚、友人などのサポートを得ることができない場合も多いです。近くにサポートしてくれる家族がいなかったり、周囲にサポートを求められる人がいなかったりするため、シングルマザーはサポートなしに、一人で育児・子育てを担わなければなりません。このような状況では、シングルマザーの孤立感が増し、精神的なストレスも大きくなるため、悪循環に陥ります。
さらに、子どもが小さい場合は特に手がかかります。シングルマザーが体調不良で動けない時でも、子どもの食事やおむつ替え、遊び相手など、絶えずケアが必要です。このような場合、周囲のサポートのないシングルマザーは自分の体を休めることが難しく、回復が遅れる原因となります。
育児と子育ての両方をこなすシングルマザーにとって、体調不良時のサポートは重要です。しかし、シングルマザーは多くの場合、このサポートが得られないため、育児と子育てが大きな負担となってしまうのです。
その他のシングルマザーのデメリット
以上の5つがシングルマザーにとってのよくある悩みですが、これ以外にもシングルマザーには悩みの種となるような問題やデメリットがあります。
たとえば、シングルマザーに対する社会的な偏見が、精神的な負担を増大させる要因となります。シングルマザーに対するネガティブな固定観念やステレオタイプは根強く、シングルマザーが働く職場や子どもの学校などで不公平な扱いを受けることがあります。このような偏見に直面することで、シングルマザーは自己評価が低下し、孤立感を感じることが多くなります。
また、シングルマザーが抱える悩みや疑問を周囲に相談できる人がいない状況は、精神的なストレスをさらに悪化させます。シングルマザーは一人で全ての責任を負い、日常の育児や家事、仕事の中で発生する問題を誰にも相談できずに抱え込むことが多いです。
さらに、シングルマザーは多忙な生活の中で、友人や家族との交流の時間が限られていることが多いです。これにより、シングルマザーは社会的なつながりを持ちにくくなり、サポートネットワークを築くことが難しくなります。結果として、シングルマザーは孤独感に苛まれ、精神的な負担が増してしまい、身体にも悪影響を及ぼしかねません。
親の離婚が子どもに与える影響
離婚して母子家庭という生活になったことで及ぶ影響は、シングルマザー本人だけでなく、子どもにも生じます。
母子家庭だから必ず子どもに悪影響がある、というわけではありませんが、親の離婚で母子だけの生活になった場合、一般的に次のような影響があると考えられています。
精神的な問題
シングルマザーの子どもは、親の離婚に伴う不安や孤独感から精神的な問題を抱えることが多いです。親の離婚は子どもにとって大きなストレス源となり、うつ病や不安障害、睡眠障害などの精神的な健康問題を引き起こすことがあります。
シングルマザーが育児や家事、仕事で多忙なため、子どもが感情的なサポートを十分に受けられない場合もあり、これが子どもの精神的な安定をさらに脅かします。
学力の低下
シングルマザーの家庭では、経済的な制約や時間的な余裕のなさが原因で、子どもが学習に集中する環境を整えるのが難しいことがあります。親の離婚による家庭内の変化やストレスも、子どもの学習意欲を低下させる要因となります。
シングルマザーが仕事で忙しく、学習面でのサポートが十分にできない場合、子どもの学力が低下するリスクが高まります。
自尊心や自己評価の低下
親の離婚は子どもの自尊心や自己評価に大きな影響を与えます。シングルマザーの子どもは、親の離婚を自分のせいだと感じることがあり、それが自尊心の低下や自己評価の低下につながります。シングルマザーが子どもに対して十分な愛情やサポートを提供しようとしても、経済的な問題や時間的な制約がそれを妨げることがあります。
このような環境下では、子どもが自己肯定感を持つのが難しくなります。
身体的な健康問題
シングルマザーの家庭では、ストレスや精神的な負担が子どもの身体的な健康にも影響を与えることがあります。精神的な問題が身体的な症状として現れることがあり、免疫力の低下や慢性的な疲労、頭痛や胃痛などの健康問題を引き起こすことがあります。
また、シングルマザーが経済的な理由から十分な医療や栄養を提供できない場合、子どもの健康状態が悪化するリスクも高まります。
問題行動
親の離婚によるストレスや感情の混乱から、シングルマザーの子どもは問題行動を起こすことがあります。反抗的な態度や規則違反、暴力的な行動が増えることがあり、これが学校生活や社会生活に悪影響を与えることがあります。
シングルマザーが子どもの問題行動に対処するための時間やエネルギーを十分に持てない場合、これがさらに問題を悪化させる原因となります。
子どもは0歳、1歳でも親の離婚の影響を受けます
親の離婚によって母子家庭になった場合、子どもはさまざまな影響を受けることがあります。特に幼少期の子どもにとっては、家族構成の変化は大きなストレスとなります。
0歳や1歳の子どもであっても父親の存在を感じ取っており、突然いなくなることで無意識に喪失感を抱くことがあります。この時期の子どもは、母親の愛情が不可欠であり、母親が忙しいと不安定になりやすく、食欲不振や睡眠障害といった問題が生じることもあります。
幼児期になると、子どもは周囲の家庭と自分の家庭を比較し始めます。保育園や幼稚園で他の子どもたちが両親と一緒にいるのを見て、自分にはなぜ父親がいないのかと疑問を持つことが増えます。
この時期は、母親が仕事で忙しく一緒に過ごす時間が減ると、子どもは捨てられたと感じることがあり、寂しさや不安が強まります。結果として、言葉の発達やトイレトレーニングに遅れが出ることがあります。
さらに、小学校に入ると、子どもは親の離婚の理由を理解し始めますが、それを自分のせいだと感じることもあります。母子家庭であることに対する周囲の視線や、母親が感じるストレスを敏感に察知し、学校生活や学業に影響が出ることがあります。友達との付き合いにも影響が出ることがあり、孤立感を深める原因となります。シングルマザーとしての母親の努力や苦労を理解しようとする一方で、自分の存在が問題の一因だと思い込むことがあります。
思春期に入ると、子どもはさらに複雑な感情を抱くようになります。親の離婚の背後にある理由を理解しつつも、受け入れるのが難しい場合があります。反抗的な態度を取ったり、非行に走ったりすることもあり、母子家庭の状況に対する不満や怒りが原因となることがあります。
このように、親の離婚は子どもが何歳であるかに関係なく、さまざまな影響を与えることになります。子どもが0歳や1歳だから何も分からないだろう、ということはないのです。
悪い影響だけじゃない!母子家庭にはメリットも
母子家庭になると、多くの人が悪影響や困難な状況に注目しがちですが、シングルマザーと子どもにとって、多くのメリットもあります。
まず、シングルマザーと子どもの親子の絆が深まることが挙げられます。母子家庭では、シングルマザーと子どもが協力し合って生活を送るため、自然とコミュニケーションが増え、お互いの理解が深まります。日常の小さな出来事や困難を共有することで、シングルマザーと子どもの信頼関係が強固になり、絆が深まるのです。
次に、子どもの自立心が養われる点もメリットの一つです。母子家庭では、子どもが早い段階から家事や自分のことを自分で行う必要がある場合が多く、その結果、子どもは自然と自立心を育むことができます。また、シングルマザーの背中を見て育つことで、責任感や協力の大切さを学びます。
シングルマザー自身も、多くのメリットを享受することができます。例えば、自分のライフスタイルを自由に選択できる点です。パートナーがいないため、シングルマザーは自分のキャリアや生活の仕方を自分のペースで決めることができます。これにより、自己成長や自己実現の機会が増え、シングルマザーは自分らしい人生を追求することが可能になります。
シングルマザーには夫側の親戚との付き合いがなくなるというメリットもあります。夫側の親戚との関係がストレスになることも多い中、離婚後はそのような義務的な付き合いから解放され、自分と子どものために時間とエネルギーを使うことができます。これにより、シングルマザーは自分自身の生活や子どもとの時間をより豊かに過ごすことができるようになります。
さらに、シングルマザーは恋愛や再婚の機会を持つことができます。新しいパートナーを見つけることで、シングルマザー自身も新たな幸せを見つけることができ、子どもにも新しい家族の形を提供することができます。
また、シングルマザーと子どもには多くの社会的支援があります。自治体やNPOが提供するさまざまなサポートサービスや支援制度を利用することで、経済的な負担を軽減し、生活の質を向上させることができます。例えば、生活保護、住宅手当、児童手当や児童扶養手当などがあります。
これらの手当を上手に活用することで、シングルマザーと子どもは安心して生活を送ることができます。
シングルマザー生活の悩みは支援制度を利用して対応しましょう
1.生活保護や児童扶養手当、住宅手当などの助成金を申請しましょう
シングルマザー生活には多くの困難が伴いますが、適切な支援制度を活用することで、生活の質を向上させることができます。
例えば、生活保護や児童扶養手当、住宅手当などの手当を活用することが重要です。これらの手当は、シングルマザーの経済的負担を軽減し、子どもの生活環境を安定させるために大いに役立ちます。
生活保護は、収入が一定の基準を下回る場合に、生活費や医療費を補助する制度です。シングルマザーが生活保護を申請することで、基本的な生活費や医療費がカバーされ、経済的な安定が図れます。
児童手当や児童扶養手当といった手当は、子どもの教育費や生活費を補助するために支給されます。児童手当や児童扶養手当を活用することで、シングルマザーは子どもの教育や健康管理に必要な費用を確保しやすくなります。
また、自治体によって独自に設定されている手当も活用できます。例えば、住宅手当は、低所得者向けに家賃の一部を補助する制度です。シングルマザーが住宅手当を申請することで、家賃の負担が軽減され、安心して住む場所を確保することができます。住居の安定は、子どもの成長にとって重要な要素ですので、住宅手当を利用することは大きなメリットとなります。
2.シングルマザー向け減免制度(保育園・水道・保険料など)を活用しましょう
また、各種減免制度を上手に活用することも重要なポイントです。
シングルマザーは仕事と育児を両立させるために、保育園の利用が不可欠ですが、多くの自治体では、シングルマザーを対象に保育料の減免制度を設けています。これにより、シングルマザーは低い費用で子どもを保育園に預けることができ、経済的な負担を軽減できます。保育料の減免制度を利用することで、シングルマザーは安心して仕事に専念でき、子どもも安全な環境で過ごすことができます。
水道料金の減免制度についてです。多くの自治体では、シングルマザーなどの低所得者を対象に、水道料金の減免措置を行っています。これは、生活の基本となる水道料金の負担を軽減するための制度です。水道料金の減免制度を利用することで、シングルマザーは生活費の一部を節約でき、その分を子どもの教育や医療に充てることが可能になります。
保険料の減免制度についても触れておきましょう。健康保険や国民年金保険料の減免制度を利用することで、シングルマザーは健康維持に必要な医療サービスを受けやすくなります。これにより、シングルマザー自身の健康管理がしやすくなり、子どもに対しても安心して育児を続けることができます。特に、子どもが病気になった場合でも、適切な医療を受けさせるための経済的な余裕が生まれます。
これらの減免制度を利用するためには、市区町村の役所や福祉事務所に相談し、必要な手続きを行うことが必要です。申請書類や手続きの詳細については、自治体のホームページや窓口で確認することができます。
3.公的相談窓口やサポートサービスに相談しましょう
シングルマザー生活には多くの困難が伴いますが、適切な支援制度やサポートサービスを活用することで、母子家庭の生活も快適になります。
例えば、自治体によってはシングルマザーを支援するための専用窓口が設置されています。ここでは、生活の悩みや経済的な問題、子育ての相談など、幅広いテーマについて相談することができます。
専門の相談員が親身になって対応してくれるため、シングルマザーは安心して悩みを打ち明けることができます。自治体の福祉事務所や子育て支援センターなどが主な相談窓口となりますので、最寄りの施設に問い合わせてみましょう。
公的な窓口の他にも、民間のサポートサービスの利用も検討してみてください。シングルマザー向けのサポートサービスは、多岐にわたります。
例えば、育児支援サービスや一時保育サービス、家事代行サービスなどがあります。これらのサービスを利用することで、シングルマザーは育児や家事の負担を軽減し、少しでも自分の時間を確保することができます。
また、地域のNPOやボランティア団体が提供するサポートプログラムも非常に役立ちます。これらのプログラムでは、同じ境遇のシングルマザーとの交流や情報交換の場が提供され、シングルマザーにとっての精神的な支えにもなります。
公的相談窓口やサポートサービスを利用するためには、まず自治体や関連機関のホームページをチェックし、利用可能なサービスや相談窓口を確認することが必要です。電話やメールでの問い合わせも受け付けている場合が多いので、気軽に相談してみましょう。
シングルマザーに関するQ&A
Q1.シングルマザーとしての生活で直面する主な経済的な課題は何ですか?
シングルマザーとしての生活で直面する主な経済的な課題には、収入の不安定さ、住宅費や教育費の負担、医療費の負担などがあります。これらの課題に対処するためには、助成金や減免制度を活用し、生活費の一部を補助してもらうことが重要です。
Q2.シングルマザーとして仕事と子育てを両立させるためにはどうすればいいですか?
シングルマザーが仕事と子育てを両立させるためには、地域の育児支援サービスや一時保育を利用することが重要です。また、家事代行サービスを活用することで、育児や家事の負担を軽減することができます。さらに、職場での柔軟な働き方や在宅勤務の制度を利用することも、仕事と子育てを両立させるための有効な方法です。
Q3.シングルマザーになった場合、どのような助成金や手当を申請できますか?
シングルマザーが申請できる助成金として、主なものに、生活保護、児童扶養手当、住宅手当などの手当があります。
生活保護は収入が一定基準以下の場合に生活費や医療費を補助します。児童扶養手当は18歳未満の子どもを養育しているシングルマザーに支給される手当で、教育費や生活費を補助します。住宅手当は家賃の一部を補助する制度で、安定した住環境を確保するのに役立ちます。
弁護士にご相談ください
シングルマザーとして生活を送る中で、さまざまな困難や課題に直面することが多いでしょう。
ですが、適切な支援制度や法的サポートを活用することで、安心して子どもと共に豊かな生活を築くことが可能です。生活保護や児童扶養手当、住宅手当などの助成金を申請することで経済的な負担を軽減し、保育料や水道料金、保険料の減免制度を活用することで生活の質を向上させることができます。
また、公的相談窓口やサポートサービスを利用して、専門的なアドバイスや具体的な支援を受けることも大切です。
当法律事務所では、シングルマザーの方々が安心して生活を送れるよう、法的サポートを提供しています。離婚後の法律問題、養育費の請求、生活保護の申請支援など、幅広い分野でサポートを行っています。
シングルマザーとしての生活に関するお悩みや疑問がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
雫田 雄太
弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。