法定相続情報証明制度|法定相続情報とは?デメリットや手続きも徹底解説

遺産相続というと、何かと煩雑な手続きの多いイメージがあるかと思います。
実際、戸籍謄本を取り寄せたり、普段は疎遠な親族と話し合ったり、不動産の名義変更や銀行口座の解約など、ひとつの遺産相続でしなければならない手続きは多いです。
そんな遺産相続ですが、手続きにかかる負担を減らせる「法定相続情報証明制度」をご存知でしょうか。
法定相続情報証明制度は、遺産相続における戸籍謄本の管理と相続人の整理を効率化できる制度です。具体的には、法定相続情報証明制度を利用することによって入手できる「法定相続情報一覧図」が1枚あれば、それが膨大な戸籍謄本の代わりとなり、法務局や金融機関で複数の手続きを同時に進めることが可能となったのです。
そこでこの記事では、法定相続情報証明制度の基本的な概要や、利用することのメリット・デメリット、実際の手続き方法などについて、弁護士が詳しく解説させていただきます。
相続手続きをスムーズに進めるために、法定相続情報証明制度は欠かせません。
ぜひ、本記事を最後までご一読いただければと思います。
目次
法定相続情報証明制度
1.法定相続情報とは
民法の条文によって相続人となった人に関する情報をまとめたもの
「法定相続情報」とは、被相続人(亡くなった人)の法定相続人に関する情報のことです。
法定相続人とは、民法で定められた相続権を持つ人(民法第887条、889条、890条)のことを指します。具体的には、被相続人の配偶者や子、親や兄弟姉妹などが法定相続人です。
ですので、「ある被相続人に関して、民法によって法律上相続人となった人に関する情報をまとめたもの」が「法定相続情報」ということになります。
法定相続情報一覧図の記載例については、こちらでご確認ください。
参考:主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例(法務局)
2.法定相続情報証明制度とは
そして、「法定相続情報証明制度」とは、法定相続情報を一覧化した書類を法務局が証明する仕組みのことです。
被相続人の氏名・生年月日・本籍・死亡年月日などと、法定相続人全員の氏名・生年月日・続柄といった情報を整理して、家系図のように一覧化したものを法務局に提出します。法務局の登記官がこれらの情報を提出された戸籍謄本などと照合・審査して、内容が正確であることを確認し、「法定相続情報一覧図」という証明書を発行します。
法定相続情報証明制度ができたことにより、相続手続きで必要な戸籍謄本や相続関係説明図の代わりに、法定相続情報一覧図を提出できるようになりました。
そして、法定相続情報一覧図は、相続手続きに必要な枚数分の写しを交付してもらえます。
これまでは一箇所で戸籍謄本の原本を提出したら、その返却を待たなければ他の窓口での相続手続きに着手できませんでした。ですが、相続手続きに必要な数の法定相続情報一覧図を取得すれば、複数の窓口で同時に提出し、並行して手続きを進められるようになったのです。相続税の申告や不動産の名義変更など、異なる手続きにおいても同じ一覧図を使うことで、効率よく進めることができます。
また、戸籍謄本は紛失すると、再度市区町村役場に取得申請しなければなりませんでしたが、法定相続情報一覧図は簡単に再発行ができるため、戸籍謄本の紛失時のリスクも軽減することが可能となりました。
このように、法定相続情報証明制度を利用することで、戸籍謄本を管理する手間が大幅に削減されることとなったのです。
法定相続情報一覧図の作成という手間はかかるものの、A4サイズの紙1枚で完結する法定相続情報一覧図は、非常に有効的なのです。特に、戸籍謄本の提出を必要とする相続手続きが多ければ多いほど、この法定相続情報証明制度が役立つことになります。
このように、法定相続情報証明制度を利用することで、相続手続きが簡便化されるとともに、複数の手続きを同時並行で行うことが可能になりました。
法定相続情報証明制度は、特に多くの財産を相続する場合や、手続きを迅速に進めたい方にとって非常に有用な制度なのです。
2-2.いつから導入されたの?
法定相続情報証明制度が導入されたのは、平成29年(2017年)です。そもそも、なぜ法定相続情報証明制度が導入されることになったのでしょうか。
法定相続情報証明制度が導入されるまでの相続手続きでは、さまざまな申請にともなう戸籍謄本の収集が、相続人にとって大きな負担となっていました。
相続手続きでは、被相続人が出生してから死亡するまでの戸籍謄本や、相続人の戸籍謄本など、多くの書類が必要となります。
時間と費用をかけて戸籍謄本を集めたら、次は銀行や税務署、不動産登記所など、相続手続きを行うさまざまな窓口で、それぞれ戸籍謄本の原本を提出する必要があるのです。
各窓口で提出する戸籍謄本の原本は、手続きが終われば返却されるものの、途中で戸籍謄本の原本を一部でも紛失してしまったときには、再度その戸籍謄本を取得しなければなりませんでした。
また、戸籍謄本の原本を提出すると、手続きが完了するまで戻ってこないため、他の窓口での手続きを進められないこともありました。
このように、各手続きごとに戸籍謄本の原本を提出することが求められるため、そうした手間を嫌って相続登記の手続きを行わなかったり、相続自体を放棄したりする人もいたのです。
そこで、相続手続きをより簡便なものにし、相続登記が適切に行われるよう、平成29年(2017年)に、法定相続情報証明制度が導入されました。
3.何に使える?金融機関や法務局での対応状況
ところで、法定相続情報は、具体的にどういったシーンで利用されるのでしょうか。
法定相続情報が利用される場面は、相続手続きを進めるにあたって、相続人の確認が必要になる場合です。具体的には、以下の手続きにおいて、法定相続情報証明制度による法定相続情報一覧図が利用されることになります。
- 銀行・金融機関での預貯金の払戻し
相続人が被相続人の預貯金を解約・名義変更する際、通常は戸籍謄本を用意して相続関係を証明しなければなりませんが、法定相続情報一覧図を提出することで、複数の金融機関での手続きを同時に進めることができます。これにより、各機関ごとに戸籍謄本の返却を待って、一箇所ずつ手続きを行う手間を省くことが可能です。 - 税務署での相続税の申告
不動産の相続登記では、被相続人の名義を相続人に変更する手続きが必要です。法務局に法定相続情報一覧図を提出することで、相続関係が確認でき、戸籍謄本を収集・提出する手間を省くことができます。 - 登記所での相続登記(不動産の名義変更)
相続税申告において、税務署には相続人と被相続人の関係を証明する書類が必要です。通常の戸籍謄本に代わって一覧図を提出することで、複数の相続人や複雑な相続関係でも証明が一枚で完結するため、税務署における手続きが円滑になります。 - 自動車や株式など各種名義変更
被相続人が保有していた自動車や株式の名義変更を行う際には、各手続きで相続関係を証明する書類の提出が求められます。例えば、自動車の名義変更では陸運局に対し、株式の名義変更では証券会社や企業の株式担当部門に対して、それぞれ相続人であることを証明する必要があります。通常、戸籍謄本の提出が必要とされますが、法定相続情報一覧図を提出することで、一枚の証明書で手続きを進めることが可能となり、書類収集や提出の負担が軽減されます。 - 被相続人の死亡に起因する年金等手続(遺族年金、未支給年金、死亡一時金等の請求)
被相続人が年金を受給していた場合、遺族年金の請求や未支給年金、死亡一時金の申請手続きが必要になります。これらの手続きでも、相続人であることを証明するための戸籍書類の提出が求められるため、一覧図を用いると効率的です。
以上のように、法定相続情報証明制度はさまざまな手続きで利用されています。さらに、近年では特に、法務局での不動産登記の申請がさらに簡略化され、効率化が進んでいます。
例えば、令和6年4月1日から、不動産登記の申請において「法定相続情報番号」を登記申請書に記載することで、法定相続情報一覧図の提出を省略できるようになりました。
法定相続情報番号とは、法定相続情報一覧図の右上に記載される11桁の番号です。
従来の提出方法では、法定相続情報一覧図の写しを登記申請書に添付して提出する必要がありました。
令和6年4月からの新制度では、これがさらに簡略化され、法定相続情報番号を登記申請書の添付情報欄に記載することで、登記官がその番号を確認し、法務局に保管されている法定相続情報一覧図を参照する、という仕組みになったのです。
参照:法定相続情報番号の提供による相続登記等における法定相続情報一覧図の写しの添付省略について(法務局)
なお、銀行などの他の相続手続きでは、法定相続情報番号を利用することはできませんので、法定相続情報一覧図の写しを提出する必要があります。
法定相続情報番号による手続きの簡略化は、法定相続情報と不動産の相続登記が、同じ「法務局」という機関で扱われている業務だから可能となっているのです。
法定相続情報証明制度のメリット・デメリット
以上の通り、法定相続情報証明制度はさまざまな状況で活用できます。
そして、以下のようなメリットとデメリットがありますので、自身のケースで利用すべきかどうか、判断する際の検討材料にしていただければと思います。
1.法定相続情報証明制度のメリット
- 発行手数料が無料
- 5年間何度でも再発行できる
- 複数の相続手続きを効率的に進められる
- 情報が明確・簡潔
- 公的信頼性が高い
- 戸籍謄本の紛失リスクの軽減
①発行手数料が無料
法定相続情報証明制度の利用には、手数料がかかりません。法務局での法定相続情報一覧図の作成や写しの発行は無料で行われるため、相続手続きにおけるコスト負担が抑えられます。
②5年間何度でも再発行できる
発行日から5年間有効であり、この期間中は何度でも再発行が可能です。万が一紛失してしまった場合でも、再度法務局に申請することで再発行が受けられます。複数の機関に一覧図の提出が必要な場合も、複数枚の写しを発行できるため、手続きに必要な分を簡単に用意できます。
③複数の相続手続きを効率的に進められる
法定相続情報一覧図を活用することで、銀行や不動産登記、株式や自動車の名義変更など、複数の相続手続きを効率的に進めることができます。従来、相続関係を証明するためには、相続人全員の戸籍謄本一式を揃え、各手続きごとに提出が求められていましたが、法定相続情報一覧図を使うことで、これらの戸籍書類の提出が不要になり、手続きが大幅に簡便化されます。複数の機関に並行して手続きを行う際も、一枚の法定相続情報一覧図で対応できるため、全体の手間が軽減されます。
④情報が明確・簡潔
もし戸籍謄本で相続手続きをする場合、手続きをする担当者や申請をした相続人が、複雑な戸籍謄本の情報を読み解いて相続関係を確認しなければなりません。
ですが、法定相続情報一覧図であれば、法務局が戸籍謄本や住民票をもとに相続関係を確認済みですので、複雑な戸籍謄本を読み解く必要がなく、明確で簡潔な記載をもとに、相続手続きをスピーディーに進めることが可能となります。
⑤公的信頼性が高い
法定相続情報一覧図は法務局で発行されるため、その内容については公的な信頼性が高く、多くの機関で相続関係の証明書として認められています。そのため、各種相続手続きにおいて証明書としての効力が高く、相続手続きをスムーズに進めることができます。
⑥戸籍謄本の紛失リスクの軽減
相続手続きでは通常、各機関へ戸籍謄本を提出する必要があるため、手続きが多いほど戸籍謄本等を紛失するリスクが増えます。しかし、法定相続情報一覧図を利用することで、各手続きにおける戸籍謄本の提出が不要になり、紛失のリスクを抑えながら、安全かつ効率的に書類の管理をすることが可能です。
2.法定相続情報証明制度のデメリット
- 被相続人の生前に作成はできない
- 法定相続情報一覧図の作成に時間と労力を要する
- 戸籍謄本の収集が煩雑
- 証明書の受け取りに時間がかかる
- 対応していない金融機関などがある
- 再発行手続きができるのは申出人だけ
①被相続人の生前に作成はできない
法定相続情報一覧図は、その土地等の所有者等である被相続人について、相続が開始した場合において交付の申出をすることができる、と定められています(不動産登記規則第247条1項)。
(法定相続情報一覧図)
不動産登記規則第247条1項 表題部所有者、登記名義人又はその他の者について相続が開始した場合において、当該相続に起因する登記その他の手続のために必要があるときは、その相続人(第三項第二号に掲げる書面の記載により確認することができる者に限る。以下本条において同じ。)又は当該相続人の地位を相続により承継した者は、被相続人の本籍地若しくは最後の住所地、申出人の住所地又は被相続人を表題部所有者若しくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所の登記官に対し、法定相続情報(次の各号に掲げる情報をいう。以下同じ。)を記載した書面(以下「法定相続情報一覧図」という。)の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出をすることができる。
一 被相続人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日
二 相続開始の時における同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄
つまり、被相続人の生前に作成しておく、といったことはできません。
②法定相続情報一覧図の作成に時間と労力を要する
法定相続情報証明制度を利用するためには、事前に「法定相続情報一覧図」を作成する必要があります。この一覧図は家系図のようなもので、作成方法が厳密に決められています。正確に作成しなければならず、そのために多くの時間と労力を要します。特に、関係者が多い場合や複雑な家族構成の場合は、正確な情報を集めるのが大変です。
③戸籍謄本の収集が煩雑
法定相続情報証明制度を利用するには、被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本類を集める必要があります。過去の住所地の役所から取り寄せなければならないことも多く、時代を遡るほど、今では見慣れない手書きの戸籍謄本なども出てくるため、意外と手間がかかるものです。
④証明書の受け取りに時間がかかる
法定相続情報証明制度を利用して法定相続情報一覧図を申請した場合、証明書の受け取りには一定の時間がかかります。申請から交付までの期間は、法務局が戸籍謄本などの書類をもとに相続関係を確認し、一覧図を作成するための審査を行うため、即日発行は難しいのが実情なのです。通常、法定相続情報一覧図の交付には1~2週間程度かかることが一般的で、申請が集中する時期や申請内容が複雑な場合には、さらに時間がかかることもあります。
⑤対応していない金融機関などがある
法定相続情報証明書は、すべての相続手続きに利用できるわけではありません。不動産や車の名義変更には使えますが、金融機関や証券会社によっては、受け付けてもらえない場合があります。金融機関によっては、法定相続情報証明書ではなく、従来の戸籍謄本の原本を要求するところもあります。
⑥再発行手続きができるのは申出人だけ
法定相続情報一覧図の再発行は、初回に申請を行った「申出人」にしか手続きが認められないため、他の相続人や代理人が直接再発行を行うことはできません。このため、相続手続きの過程で一覧図が紛失・破損した場合や追加の一覧図が必要になった場合でも、申出人が再発行手続きを行わなければならず、他の相続人は申出人が再発行してくれるのを待つ必要が生じる場合があります。
法定相続情報証明制度の手続き
以上の法定相続情報証明制度ですが、必要な戸籍謄本等を適切に用意できれば、作成するのは特に難しくありません。法定相続情報一覧図の作成申し出の手続きの流れを、簡単におさえておきましょう。
1.管轄の法務局で手続きをする
具体的には、以下の手順で法定相続情報一覧図を取得することになります。
- 必要書類を準備する
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本類、被相続人の住民票の除票、相続人全員分の現在の戸籍謄本等や法定相続情報一覧図の原稿を用意します。 - 法定相続情報一覧図の原稿を作成する
法定相続情報証明制度では、申出人が作成した法定相続情報一覧図の原稿がベースとなって、法定相続情報一覧図が作成されます。そのため、被相続人の氏名、生年月日、住所、出生日、本籍地、死亡年月日等を記載し、相続人についても氏名、生年月日、出生日、住所(任意)を記載した原稿を用意しましょう。 - 申出書を管轄の登記所に提出する
法定相続情報一覧図の作成申出書に必要事項を記入し、①で用意した書類(戸籍謄本、住民票の除票など)と、②で作成した法定相続情報一覧図の原稿と共に、登記所(法務局)に提出して申し出を行います。どの登記所でも手続きができるわけではなく、管轄の登記所で行う必要があるため、事前に法務局のホームページで確認しましょう。
参考:管轄のご案内(リンク)(法務局)
法定相続情報一覧図の作成申し出や写しの交付は、登記所の窓口で行うほか、郵送で行うことも可能です。郵送による一覧図の写しの交付や戸除籍謄抄本の返却を希望する場合は、申出書にその旨を記入し、返信用の封筒および郵便切手を同封する必要があります。
申出書と必要書類を提出すると、登記官によって、提出された書類の内容が正確であるかどうか、また相続人の関係性が正しく記載されているかが確認されます。登記官の確認が完了すると、法定相続情報一覧図の写しが交付されます。
法務局ホームページにも手続きの流れが掲載されていますので、こちらもぜひご覧ください。
参考:法定相続情報証明制度の具体的な手続について(法務局)
2.交付までにかかる日数
法定相続情報一覧図の作成を申し出てから写しが交付されるまでの日数は、一般的に1週間ほどです。
ただし、この交付期間は法務局や時期によっては前後することがあります。申し出が多い時期や法務局の処理能力によっては、交付までに2週間ほどかかることもありますし、法務局が混雑しておらず早い場合には、申し出た日の翌日に交付されることもあります。
また、申し出をするまでの準備期間もある程度の日数が必要です。
前述の通り、法定相続情報一覧図を作成するためには、被相続人の戸籍謄本を出生から死亡まで全て揃える必要があります。この戸籍謄本は、被相続人が住んでいた自治体ごとに取得しなければならないため、複数の自治体に散らばっている場合には、それぞれの役場で手続きを行う必要があります。
遠方の自治体から戸籍謄本を取り寄せる場合、通常は郵送によって取り寄せることとなりますが、申請してから返送されるまでに数日から一週間ほどかかるでしょう。これが複数回続くと、戸籍謄本を揃えるだけでも数週間から1か月ほどかかってしまう場合もあります。
ですので、法定相続情報一覧図をスムーズに作成するためには、十分な時間を確保し、余裕を持って進めていくことが大切です。
複雑なケースの場合は、弁護士などの専門家に依頼することをお勧めいたします。
3.交付申請の費用は無料
法定相続情報証明制度のメリットについてお話しした際に触れましたが、法定相続情報一覧図の交付申請手続きにかかる費用は、原則として無料です。ただし、市区町村役場での戸籍謄本や住民票の取得には費用が発生するため、あくまで「登記所における申出にかかる費用」が無料となります。
また、法定相続情報証明制度を利用して交付された法定相続情報一覧図の写しが追加で必要になった場合、無料で再交付を受けることが可能です。
ただし、再交付を受けることができるのは、当初の申出書に「申出人」として氏名を記載した人に限られます。他の相続人は自分で直接法務局に再交付を申請することができないため、注意しましょう。
なお、申出人が法定相続情報一覧図の再交付を申請できる期間は、申出日の翌年から起算して5年間です。この期間内であれば、いつでも何通でも再交付を申請することができます。
再交付の手続きを行う際には、必要事項を記入した再交付申出書と、申出人の氏名・住所を確認することができる公的書類(運転免許証やマイナンバーカード等)が必要です。最初の申し出を行った登記所の窓口か、郵送によって再交付の申請をすることになります。
法定相続情報証明制度に関するQ&A
Q1.法定相続情報証明制度とは何ですか?
A:法定相続情報証明制度は、相続手続きを簡略化するため、法務局が発行する「法定相続情報一覧図」によって、相続関係を証明する制度です。
Q2.法定相続情報証明制度は何に利用できますか?
A:法定相続情報一覧図は、銀行や証券会社での預貯金や株式の解約、不動産の相続登記、相続税申告、さらには自動車の名義変更や年金手続きなどで利用できます。これにより、各手続きにおいて戸籍謄本を何度も提出する手間を省けます。
Q3.なぜ法定相続情報証明制度が導入されたのですか?
A:法定相続情報証明制度は、相続手続きをより簡便に進めるために導入されました。相続手続きでは、被相続人の戸籍謄本を収集し、複数の機関で何度も提出する必要があったため、相続人にとって大きな負担となっていました。この制度により、法務局で発行する「法定相続情報一覧図」を使うことで手続きが簡略化され、相続関係の証明がスムーズに行えるようになったのです。
まとめ
法定相続情報証明制度は、相続手続きを大幅に効率化するための制度です。
従来は、相続手続きのたびに多くの戸籍謄本や住民票などの書類を何度も提出する必要がありましたが、法定相続情報証明制度を利用することで、法定相続情報一覧図の写し一枚を提出するだけで済むため、手続きが格段に簡単になりました。
さらに、令和6年4月からは、不動産登記の申請において法定相続情報番号を利用することで、法定相続情報一覧図の写しそのものを添付する手間も省けるようになりました。これにより、相続登記手続きのさらなる効率化が期待されます。
この通り、法定相続情報証明制度には多くのメリットがありますが、本記事でもご紹介した通り、時間がかかるなどのデメリットもあります。そのため、法定相続情報証明制度を利用すべきかどうか、自身の状況や必要な相続手続きの数・種類に合わせて、適切に判断することが大切です。
法定相続情報証明制度を利用した相続手続きについて、疑問や不安がありましたら、お気軽に弁護士にご相談いただければと思います。
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この記事を書いた人
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。





