妻死亡のとき遺族年金はどうなる?専業主婦の場合は?受給要件や金額

相続手続き

更新日 2026.09.08

投稿日 2024.07.29

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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妻が死亡した場合でも、所定の要件を満たせば、夫や子どもが遺族年金を受給できることがあります。もっとも、夫が遺族厚生年金を受給する場合には年齢要件があるため、妻が受給する場合とは取扱いが異なる点には注意が必要です。

特に、専業主婦であった妻が死亡した場合、夫が受け取れる遺族基礎年金や遺族厚生年金の金額や条件については、正確に理解しておくことが重要です。

この記事では、妻が死亡した場合の遺族年金について、具体的な受給要件や金額を詳しく解説します。家族の将来を見据えたライフプランを立てる際には、ぜひ参考にしてください。

目次

妻が死亡した後にもらえる遺族年金

公的年金制度は、国民年金(基礎年金)を1階、厚生年金を2階とする構造です。原則として20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入し、会社員や公務員等は厚生年金にも加入します。「遺族年金」とは、国民年金または厚生年金の被保険者等が死亡したときに、死亡した方によって生計を維持されていた遺族に支給される年金です。遺族年金も遺族基礎年金と遺族厚生年金の二階建て構造となっており、死亡した方の年金加入・納付状況のほか、遺族側の要件を満たす場合に支給されます。たとえば、共働きの夫婦で妻が死亡した場合、夫は要件を満たせば遺族年金を受給することができます。

この場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給される可能性があり、それぞれの受給金額は亡くなった妻の年金加入歴や納付状況により決まります。

専業主婦や扶養内のパート就労の妻の死亡後は遺族基礎年金

ただし、子どもありの場合のみ受給できる

専業主婦または扶養の範囲内でパートタイム就労をしていた妻が死亡した場合でも、要件を満たせば、「子のある夫」または「子」に遺族基礎年金が支給されることがあります。遺族基礎年金は、死亡した妻が所定の国民年金の受給要件を満たし、遺族側も受給要件を満たす場合に支給されます。

遺族基礎年金を受給できるのは、死亡した妻によって生計を維持されていた「子のある夫」または「子」です。子のある配偶者が受給している間は子には支給されず、子が受給する場合にも、生計を同じくする父または母の有無によって支給停止となることがあります。

夫は就労中でも遺族基礎年金を受給できます。ただし、生計維持要件として、原則として年収850万円未満であることが必要です。死亡時に年収850万円以上であっても、おおむね5年以内に年収が850万円未満になると認められる事情がある場合には、受給できることがあります。

【受給対象者】

  • 夫: 亡くなった専業主婦と一緒に暮らしていた夫(子どもがいることが条件)
  • 子ども: 夫がいない場合は直接子どもに支給

子どもの要件

遺族基礎年金の対象となる子は、18歳に到達した年度の末日(3月31日)を経過していない子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子です。受給権者が婚姻した場合や、子が原則として直系血族または直系姻族以外の者の養子となった場合には、受給権を失うことがあります。

【子どもの要件】

  1. 18歳になった年度の3月31日を経過していない子ども
  2. 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子ども

死亡した妻の要件

死亡した妻の要件については、死亡した妻が次のいずれかの条件を満たしている場合に、遺族に対して支給されます。

【死亡した妻の要件】
1.国民年金の被保険者である間に死亡した場合
2.国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方が日本国内に住所を有している間に死亡した場合
3.老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡した場合
4.老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡した場合
(参照:日本年金機構HP「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」)

さらに、1および2の要件については、死亡日の前日において保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上であることが必要です。ただし、死亡日が令和18年3月末日までで、死亡した方が65歳未満である場合は、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ、納付要件を満たします。

老齢基礎年金の受給資格期間を基礎とする場合は、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間および65歳以降の厚生年金保険の被保険者期間を合算した期間が25年以上であることが必要です。

遺族基礎年金の金額

遺族基礎年金の年額は、受給者の生年月日に応じた基本額に子の加算額を加えた額です。令和8年度は、昭和31年4月2日以後生まれの受給者の場合、基本額は年額847,300円で、第1子・第2子は各243,800円、第3子以降は各81,300円が加算されます。

子どもの数

基本年金額

子どもの加算額

年金年額合計

1人

847,300円

243,800円

1,091,100円

2人

847,300円

487,600円

1,334,900円

3人

847,300円

568,900円

1,416,200円

※遺族基礎年金の基本額は毎年見直されます。

会社員で共働きの妻の死亡後は遺族厚生年金

妻が会社員や公務員等として厚生年金に加入していた場合、遺族は要件を満たせば遺族厚生年金を受給できることがあります。受給の可否は、死亡した妻の加入・納付状況のほか、遺族の順位、生計維持関係および年齢要件によって判断されます。

ただし、夫は妻死亡時に55歳未満の場合は受給できない

遺族厚生年金を受給できるのは、基本的には亡くなった妻と生計を同一にしていた夫と子どもです。

遺族厚生年金の配偶者の受給条件は、夫と妻で異なります。妻が死亡した場合、夫が受給権を得るには、原則として妻の死亡時に55歳以上であることが必要です。受給開始は原則60歳からですが、遺族基礎年金を併せて受給できる場合に限り、55歳から60歳の間も受給できます。

ここでいう「子」とは、18歳に到達した年度の末日(3月31日)を経過していない子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子をいいます。

遺族厚生年金は、死亡した妻によって生計を維持されていた遺族のうち、次の順で最も優先順位の高い人に支給されます。

第一順位 子のある配偶者
第二順位 子
第三順位 子のない配偶者
第四順位 父母
第五順位 孫
第六順位 祖父母

死亡した妻の要件

死亡した妻が次のいずれかの条件を満たしている場合に、遺族に対して支給されます。

【死亡した妻の要件】
1.厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
2.厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
3.1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡したとき
4.老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
5.老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
引用:日本年金機構HP「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」

※保険料の納付要件は、厚生年金保険の被保険者期間中に死亡した場合、または被保険者期間中に初診日がある傷病により初診日から5年以内に死亡した場合に必要です。要件の内容は、遺族基礎年金の場合と同様です。

遺族厚生年金の金額

遺族厚生年金の年額は、原則として、死亡した妻の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。報酬比例部分は、平均標準報酬月額または平均標準報酬額と被保険者期間を基に計算します。なお、一定の死亡事由では、被保険者期間が300月未満であっても300月とみなして計算されます。

年金額は、平成15年3月までと平成15年4月以降の加入期間に分けて計算されます。

  1. 平成15年3月までの期間
    平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 加入月数 × 3/4
  2. 平成15年4月以降の期間
    平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数 × 3/4

この違いは、平成15年4月以降に計算方法が改定され、標準報酬月額に賞与を合算する形となったためです。

妻が死亡した場合の遺族厚生年金の試算

ここでは計算例として、妻が平成15年3月まで84月、同年4月以後216月の合計300月、厚生年金に加入していたと仮定します。平均標準報酬月額を25万円、賞与を含む平均標準報酬額を33万3,333円とした場合、遺族厚生年金の年額は次のように計算されます。

  1. 平成15年3月までの期間
    加入期間:7年間(84ヶ月)
    計算式:250,000円 × 7.125/1,000 × 84月 × 3/4 = 112,218.75円
  2. 平成15年4月以降の期間
    加入期間:18年間(216ヶ月)
    計算式:333,333円 × 5.481/1,000 × 216月 × 3/4 = 295,973.70円

合計額は408,192.45円です。実際の年金額は、法令上の端数処理や個別の年金記録により異なるため、あくまで概算例として示します。

実際の年額は、妻の加入記録や報酬記録、死亡事由、受給者の年齢および他の年金との調整などにより異なります。具体的な見込額は、ねんきん定期便やねんきんネットで加入記録を確認したうえで、年金事務所に相談してください。

夫が遺族厚生年金を受給できるのは通常60歳から

夫が遺族厚生年金を受給する場合、受給開始時期は原則として60歳です。ただし、妻の死亡時に55歳以上であり、かつ遺族基礎年金を併せて受給できる場合には、60歳より前から受給できます。

まず、妻が亡くなった時点で夫が55歳以上であれば、60歳から遺族厚生年金を受給することができます。ただし、夫が遺族基礎年金も受給している場合は、遺族厚生年金も併せて受給することが可能です。

さらに、妻の死亡時に夫が55歳以上で、18歳未満の子どもがいる場合には、その子どもが18歳に到達する年度の末日まで遺族基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給することができます。子が年齢要件を満たさなくなるなどして遺族基礎年金を受給できなくなると、夫は原則として60歳になるまで遺族厚生年金を受給できません。60歳以後は遺族厚生年金を受給できますが、65歳以後に自身の老齢厚生年金の受給権がある場合には、併給調整の対象となります。

遺族厚生年金については、以下の記事でより詳しく解説していますので参照してください。

妻が死亡した場合と夫が死亡した場合とで給付額が異なる

夫が死亡した場合、妻は要件を満たせば遺族厚生年金を受給できます。65歳以後は、自身の老齢基礎年金と遺族厚生年金を併せて受給できますが、自身の老齢厚生年金の受給権がある場合には調整が行われます。なお、子のない30歳未満の妻が受給する遺族厚生年金は、原則として5年間の有期給付です。

子のある妻は、子が18歳に到達した年度の末日までの間など、所定の要件を満たす期間、遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給できます。中高齢寡婦加算は、所定の要件を満たす40歳以上65歳未満の妻に加算される制度であり、令和8年度の年額は635,500円です。適用には、死亡した夫の厚生年金の加入期間等の要件があります。この加算は、子どもが18歳以上になった場合にも遺族厚生年金とともに受給できるため、経済的な支援が継続されます。

子どもがいない妻は遺族基礎年金を受給することはできませんが、「遺族厚生年金」と「中高齢寡婦加算」を受け取ることができます。子のある妻は、子に関する要件を満たす間、遺族基礎年金と遺族厚生年金を併せて受給できます。子に関する要件を満たさなくなった後も、妻が40歳以上65歳未満で、中高齢寡婦加算の要件を満たす場合には、遺族厚生年金に同加算が上乗せされます。

このように、夫が死亡した場合の遺族厚生年金の受給には、妻の年齢や子どもの有無、子どもの年齢によって受給額や受給期間が異なり、適用される加算も変わります。

死亡した妻が専業主婦であっても遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できる場合

専業主婦であっても、過去に会社員や公務員として働いた経験がある場合、夫や子どもは遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できる可能性があります。妻に厚生年金の加入期間があり、妻と遺族の双方が所定の受給要件を満たす場合には、遺族基礎年金と遺族厚生年金を併せて受給できることがあります。なお、一定の死亡事由では、妻の厚生年金の被保険者期間が300月未満であっても、年額計算上は300月とみなされます。

まず、遺族基礎年金については、主に18歳未満の子どもがいる場合に支給されます。妻が亡くなった時点で夫が55歳未満であっても、子どもがいる場合は遺族基礎年金が支給されます。

次に、遺族厚生年金については、原則として妻の死亡時に夫が55歳以上である必要があります。一方、夫が55歳未満であるからといって、当然に遺族厚生年金が子へ支給されるわけではありません。子が遺族厚生年金を受給できるかは、子自身の年齢・障害要件、生計維持関係および遺族間の優先順位により判断されます。

このように、専業主婦であっても、過去に会社員や公務員として厚生年金に加入していた経験がある場合、家族が遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できる可能性があります。

配偶者への遺族給付「寡婦年金」と「死亡一時金」は夫でももらえる?

配偶者への遺族給付として知られる「寡婦年金」と「死亡一時金」は、いくつかの重要な違いがありますが、夫でももらえるかどうかについても異なる点があります。

まず「寡婦年金」は、国民年金第1号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせて10年以上有する夫が死亡した場合に、夫によって生計を維持され、夫との婚姻関係が10年以上継続していた妻が、60歳から65歳まで受給できる制度です。夫が老齢基礎年金または障害基礎年金を受給したことがある場合などは請求できません。

一方、「死亡一時金」は、寡婦年金と異なり、配偶者に加え、子や父母などの遺族も対象となります。死亡一時金は、死亡した人に国民年金第1号被保険者としての保険料納付済期間等が36月以上ある場合に支給される可能性があります。受給できる遺族は、死亡時に生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順です。したがって、妻が死亡した場合に夫が受給できるかは、妻の納付状況や他の遺族の有無等を確認して判断します。

死亡一時金について詳しくは、下記記事を参照してください。

妻が死亡した後に遺族年金を受給できないケース

1. 保険料納付要件を満たしていない

遺族年金を受給するためには、亡くなった妻が一定期間、年金の保険料を納付していることが必要です。この要件を満たしていない場合、遺族年金の受給はできません。

たとえば、死亡日の前日において、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が国民年金加入期間の3分の2に満たない場合、原則として納付要件を満たしません。ただし、死亡日が令和18年3月末日までで、死亡した妻が65歳未満の場合には、直近1年間に保険料の未納がなければ納付要件を満たします。

2. 生計維持関係が認められない

遺族年金は、死亡した妻によって生計を維持されていた遺族に支給されます。生計維持とは、原則として、死亡時に妻と生計を同じくしており、かつ年収850万円未満であるなどの要件を満たすことをいいます。妻が家計の主たる収入源であったことまでは必要ありません。この要件には以下の条件が含まれます。

  • 死亡時に年収850万円未満または年間所得655万5,000円未満であること
  • 死亡した妻と生計を同じくしていたこと※別居していても仕送りを受けていた場合や健康保険の被扶養者であった場合などには、生計同一が認められることがある

夫の年収が原則として850万円以上である場合は、生計維持要件を満たさないため、遺族年金を受給できません。ただし、退職または廃業等により、おおむね5年以内に年収850万円未満になると認められる事情がある場合には、受給できることがあります。

3. 夫が再婚した

遺族年金の受給権は、受給者が再婚すると消滅します。再婚とは、法律上の婚姻だけでなく、事実婚も含まれます。たとえば、夫が妻の死亡後に新たなパートナーと事実婚の関係になった場合、遺族年金の受給権は消滅し、受給できなくなります。

これは、遺族年金が元々の家族の経済的な支援を目的としているため、新たな家族関係が生じた場合にはその必要性が減ると考えられているからです。

4. 夫が65歳以上で自分の老齢年金を受給している

夫が65歳以上で自身の老齢厚生年金の受給権を有する場合には、遺族厚生年金との併給調整が行われます。遺族厚生年金の額は所定の比較計算により決定され、その後、自身の老齢厚生年金に相当する額が遺族厚生年金から支給停止となります。実際の支給額は個別の年金記録によって異なるため、単純な差額計算では判断できません。

妻が死亡した後の遺族年金に関するQ&A

Q1.働いていない妻や、夫の扶養の範囲内で収入を調整している妻が亡くなった場合、遺族年金は受給できますか?

A:妻が無職または扶養の範囲内で働いていたことだけで、遺族年金の受給可否は決まりません。妻が所定の受給要件を満たし、遺族側も生計維持要件や子に関する要件を満たす場合には、遺族基礎年金を受給できることがあります。遺族基礎年金は年収によって金額が増減することはありません。専業主婦であった妻が亡くなった場合に検討する主な遺族年金は、次の2種類です。

  1. 遺族基礎年金:死亡した妻によって生計を維持されていた、子のある配偶者または子が受給対象です。
  2. 遺族厚生年金:妻に厚生年金の加入記録があり、死亡した妻と遺族の双方が所定の要件を満たす場合に受給できることがあります。

ただし、保険料を適切な期間支払っていないなど、受給要件を満たさない場合は支給されません。

Q2.遺族厚生年金の受給条件は妻と夫で異なるのですか?

A:はい、遺族厚生年金の受給条件は妻と夫で異なります。夫が受給者となる場合、妻が死亡した時点で夫が55歳以上でなければならず、受給開始は夫が60歳になってからです。

ただし、遺族基礎年金を併せて受給できる場合は、60歳より前から受給可能です。一方、妻が受給者となる場合、夫のような55歳以上の年齢要件はありません。ただし、子のない30歳未満の妻が受給する遺族厚生年金は、原則として5年間の有期給付です。また、所定の要件を満たす妻には、中高齢寡婦加算が遺族厚生年金に加算されます。

このように、遺族厚生年金の受給条件は夫と妻で異なるため、それぞれの条件を理解することが重要です。

Q3.夫が55歳未満の場合や再婚した場合、遺族厚生年金はどうなりますか?

A:妻が死亡した時点で夫が55歳未満の場合、夫は遺族厚生年金の受給権を得られません。妻の死亡時に夫が55歳以上であり、かつ遺族基礎年金を併せて受給できる場合には、60歳より前から遺族厚生年金を受給できます。

また、夫が再婚すると遺族厚生年金の受給権がなくなります。夫が65歳以上で自身の老齢厚生年金の受給権を有する場合には、遺族厚生年金との併給調整が行われます。自身の老齢厚生年金は全額支給され、比較計算により決定された遺族厚生年金のうち、自身の老齢厚生年金に相当する額は支給停止となります。

まとめ

妻が先に死亡した場合、夫が遺族厚生年金を受給するには、妻の死亡時に55歳以上であることなどの要件を満たす必要があります。一方で、遺族年金の年額は、死亡した妻の年金加入記録や報酬額、遺族側の要件によって個別に決まります。

共働き世帯においては、遺族年金の支給額を事前に確認し、それを踏まえたライフプランを設計することが重要です。遺族年金は家計の一部として非常に重要な役割を果たしますので、詳細な受給条件や金額を把握しておくことが大切です。

家族が亡くなった後には、遺族年金の請求のほか、相続税の申告など期限のある手続が必要になることがあります。遺族年金については、必要書類や請求先を確認し、早めに年金事務所等へ相談するとよいでしょう。なお、再婚等により受給権を失う場合があるため、受給後に生じた事情も確認が必要です。

遺族年金の申請を含む各種手続きについては、専門家への相談も検討し、適切な対応を心がけてください。

この記事を書いた人

弁護士法人あおい法律事務所
代表弁護士

雫田 雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。