遺留分と弁護士|遺留分侵害額請求を依頼する場合の弁護士費用も

遺産相続において、遺留分の問題は切っても切り離せません。特に、被相続人が遺言を残している場合には、法定相続人の遺留分が侵害されている可能性が高いため、遺産を得た人と得られなかった・少なかった人との間で、遺留分をめぐるトラブルが起こることも少なくありません。
当事者同士で遺留分について話し合うことで解決するケースもありますが、相続人同士の関係性や遺産の内容によっては対立が激化することも多いため、客観的な第三者によって冷静に交渉等を進めていくことが推奨されます。
そこで、この記事では「遺留分の問題が生じたときに弁護士に相談・依頼すること」に焦点を当てて、詳しく解説させていただきます。
遺留分のトラブルを弁護士に依頼するケースとして、そもそもどういったものが想定されているのかを確認し、遺留分の問題を弁護士に相談することのメリットやデメリットについて見ていきたいと思います。
また、遺留分のトラブルを弁護士に依頼する場合にかかる費用や、遺留分問題に強い弁護士をどのように選べばよいのか、実際の相談の流れについても確認していきましょう。
遺留分の問題に直面している方にとって、本記事が少しでもご参考となりましたら幸いです。
目次
遺留分と弁護士
1.遺留分について弁護士に相談するケースとは?
遺留分の問題を弁護士に依頼するケースとしては、どういったトラブルが考えられるのでしょうか。ここでは、主なものを簡単にご紹介いたします。
1-1.遺留分侵害額請求する場合
遺留分をめぐるトラブルは、主に、遺言や贈与によって自身の遺留分を侵害された遺留分権利者が、遺贈や贈与を受けた者に対して侵害額に相当する金銭の支払いを求める「遺留分侵害額請求」をきっかけに発生することが多いです。
遺留分侵害額請求は、遺留分を侵害している相手方に対してその意思を表示すれば足りますが、実務上は、時効による権利消滅を防ぐために配達証明付内容証明郵便で請求することが一般的です。当事者間の交渉が困難な場合は、家庭裁判所での調停や、地方裁判所での訴訟を提起して争うことになり、法的な紛争に発展する可能性があります。
請求された側が遺留分の支払いに積極的に応じてくれるとスムーズに問題解決となりますが、遺留分侵害額の算定や支払い方法で揉めたり、遺留分侵害額請求の時効の完成で揉めたりすると、よりトラブルは複雑化して解決に時間がかかってしまうこともあります。
1-2.遺留分侵害額請求された場合
一方で、遺留分侵害額請求された場合に、請求された側が交渉や裁判手続きを弁護士に依頼することもあります。
例えば、遺言書で受け継いだ遺産が不動産だったために、請求された遺留分侵害額を金銭で支払うことが難しく、不動産の売却をしたり、遺留分権利者に分割払いで応じてもらえないかを交渉したりするケースがあるでしょう。
1-3.遺留分の放棄をする場合
もしくは、上記のような遺留分のトラブルに関わりたくないからと、遺留分の放棄を考える方もいらっしゃるかもしれません。
遺留分権利者は、遺留分を放棄することができます。遺産相続が始まってからは、特に手続きなどをせずとも、遺留分を請求しなければ「遺留分の放棄」になります。
被相続人が存命中に遺留分を放棄したい場合は、家庭裁判所での手続きが必要です。時間的な余裕がない方や、一人で手続きを進めるのが難しい方は、遺留分の放棄の手続きを弁護士に依頼することになるでしょう。
2.遺留分の問題を弁護士に相談するメリット
それでは、こうした遺留分のトラブルを弁護士に相談することで、どういったメリットがあるのでしょうか。
2-1.交渉による早期解決の可能性が高くなる
弁護士が介入することにより、相手方に遺留分侵害額請求の本気度を伝えることが期待できます。自分で請求するよりも重みがあり、「請求を拒んだら調停や訴訟になってしまうかもしれない」という懸念を相手方に抱かせる効果があります。その結果、相手方が積極的に遺留分の支払いに応じてくれる可能性が高まります。
また、相手方ができるだけ遺産を渡したくないと考えている場合、請求金額の減額や消滅時効の成立を主張してくることも考えられます。意見や主張が正反対に対立している状態では、当事者同士で話し合いを進めていくことも難しいでしょう。
弁護士を通じて遺留分侵害額請求の交渉を行うことで、冷静に話し合いを進めることが期待でき、遺留分トラブルの早期解決につながります。
2-2.手続きの手間や心理的負担を軽減できる
遺留分の問題を弁護士に相談するメリットの一つは、手続きの手間や心理的負担を軽減できる点にあります。
遺留分侵害額の請求では、相続人や相続財産の調査、遺留分の計算、内容証明郵便の作成・送付、相手方との交渉、調停や訴訟の対応など、多くの手続きが必要になります。それぞれの作業で手間も時間もかかりますし、こうした手続きを進めていく中で、精神的にも大きな負担が生じてしまいかねません。
特に、遺留分侵害額を請求する・請求された、といったトラブルでは、感情的な対立が激しくなってしまい、争いが泥沼化し長期化するケースも少なくありません。こういった状況が精神的ストレスとなり、悪循環となってしまいます。
遺留分のトラブルを弁護士に任せることで、複雑な書類作成や裁判所対応を任せることができるほか、相手方とのやり取りも一任できます。そのため、感情的な対立を避けながら、冷静に交渉や手続きを進めることができますし、心理的な負担を大幅に軽減することが期待できるのです。
2-4.遺留分侵害額を正確に計算できる
遺留分の計算は、生前贈与や遺言による複数の相続人への遺贈が絡む場合、非常に複雑になります。遺留分侵害額の計算には、相続時点での財産に加えて、相続前1年以内の生前贈与や10年以内の特別受益も計算に含める必要があります。多額の生前贈与が発覚するなどして、遺留分侵害額が大幅に増加するケースもあります。
計算を間違えてしまうと、本来請求できるはずの金額を見落とし、損失を被ることもあるため、正確な侵害額を算出することはとても重要です。
弁護士に依頼することで、相続財産の詳細な調査を行い、正確な法的知識によって、適切な遺留分侵害額を算出することができます。
遺留分侵害額請求する側は、適切な金額を請求することができますし、遺留分侵害額請求された側も、不当な金額の支払いに応じてしまうリスクを軽減できるでしょう。
2-5.調停や訴訟の法的手続きを代理
遺留分の請求の一般的な流れとしては、まず内容証明郵便を送付し、請求の意思表示を行います。その後、話し合いによる解決を目指しますが、当事者同士の話し合いで解決に至らない場合は調停や訴訟といった法的手続きに移行します。
交渉や裁判所での手続きを、自分一人で進めていくのは非常に難しいです。適切で分かりやすい主張をし、その主張を裏付ける証拠も提出しなければなりません。
弁護士に依頼すれば、依頼者の代理人として、遺留分トラブルに関する交渉や裁判手続きを進めていきますので、最適な主張や証拠の提出を行い、依頼者の立場が不利にならないようにすることが期待できます。
弁護士の専門的なサポートによって、法的な手続きもスムーズに進めることができ、迅速かつ公正な解決が期待できるでしょう。
2-6.時効の成立を避けることができる
遺留分侵害額請求権は、相続が開始し、かつ遺留分を侵害する遺贈があったことを知った日から1年以内に行使しなければ、時効によってその権利は消滅してしまいます。これに加えて、相続開始から10年が経過すると、遺留分侵害額請求権自体が除斥されます(民法第1048条)。
また、遺留分侵害額請求を行使してからの金銭債権の消滅時効は5年とされています(民法第166条1項1号)。
つまり、遺留分を侵害されていると思っても、請求するのを放置したり手間取ったりしていると、時効が完成してしまい、請求が認められなくなってしまうリスクがあるのです。
反対に、請求された側が時効の完成に気付かずに支払いに応じてしまう、といったこともあるかもしれません。
弁護士に遺留分について依頼すれば、時効の成立に注意しながら対応するため、適切なタイミングで必要な対応を行うことが期待できるでしょう。
3.遺留分の問題を弁護士に相談するデメリット
上記のようなメリットがある一方で、遺留分の問題を弁護士に相談することには、次のようなデメリットもあります。
3-1.費用がかかる
弁護士に依頼すると、その分の弁護士費用がかかります。自分で遺留分の問題に対応する場合は手続きの実費で済みますが、弁護士に依頼する場合は実費に加えて着手金や報酬金なども発生します。
3-2.相手の態度が強固になるリスクもある
弁護士に依頼し交渉を代理してもらうことで、かえって相手が「あちらが弁護士をつけて争ってきた。こちらとしても負けられない。」と強固な態度になってしまうリスクがあります。もし本人同士の話し合いで解決できそうな関係の場合は、すぐには弁護士に依頼せず、少し様子を見て検討してみましょう。
遺留分侵害額請求の弁護士費用
1.遺留分侵害額請求を弁護士に依頼するのに必要な費用
遺留分侵害額請求を弁護士に依頼する場合の弁護士費用には、何があるのでしょうか。具体的に確認していきましょう。
1-1.相談料
相談料(法律相談料)は、正式に依頼を行う前に必要となる費用です。弁護士との法律相談を行った際に発生します。
一般的に、30分の法律相談で約5,500円の相談料が相場とされています。遺留分のトラブルでは相談に時間を要することもあるため、1時間程度の法律相談が必要となることも多いです。ですので、最初の相談には1万1,000円程度を予算として考えておくとよいでしょう。
法律相談料は事務所によっても異なります。例えば、当法律事務所のように、弁護士による法律相談を初回無料としている法律事務所も少なくありません。
法律相談をする前に、法律事務所のホームページなどで相談料を確認しておきましょう。
1-2.着手金
着手金は、弁護士に事件を依頼した段階で支払う初期費用であり、事件の結果に関わらず必要となります。つまり、遺留分の請求や遺留分の減額が成功するか失敗するかに関わらず、支払が必要となる費用です。着手金は、原則としてどのような結果となっても返還されません。
着手金の額も法律事務所によって異なり、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準に、着手金の一部を初期に支払い、残額を金銭の取得が成功した際に清算する方式を採用している法律事務所もあります。
あるいは、法律事務所によっては、着手金を固定金額で設定している場合もあります。これは11万円~33万円程度が一般的な相場です。
着手金の額や支払い条件は事務所によって異なるため、依頼前に詳細を確認し、自身の予算に合わせて適切な法律事務所を選ぶようにしましょう。
1-3.報酬金
報酬金は、事件が終わった場合に支払う費用で、達成された成果の度合い(経済的利益)に応じて報酬金額が決まります。
報酬金の算定基準としては、事件が成功した際に判決等で認められた金額が用いられます。なお、この金額を実際に回収できたかどうかまでは、報酬金の発生には影響しません。
例えば、500万円支払うことで事件が解決したとすると、相手方が実際に支払いを行うかどうかに関わらず、報酬金の支払いは発生します。
一般的には、(旧)日本弁護士連合会の報酬等基準を参考に、報酬金額が算定されることが多く、具体的には以下のような基準となっています。
| 回収額 | 報酬金額 |
| 300万円以下 | 回収額の17.6% |
| 300万円超~3,000万円以下 | 回収額の11%+19万8,000円 |
| 3,000万円超~3億円以下 | 回収額の6.6%+151万8,000円 |
| 3億円超 | 回収額の3.3%+811万8,000円 |
なお、多くはありませんが、最低報酬金額を設定している法律事務所や、利益の特定の割合を報酬金として設定している法律事務所もあります。
1-4.日当・実費など
例えば、遺留分侵害額請求の訴訟のために、事務所から県外の裁判所へ向かう場合は、半日~1日拘束されることになるため、日当が生じます。日当には、裁判期日に出頭するための出廷日当や、現地調査などのための出張日当が含まれます。日当の金額は、出廷1回につき約2万~5万円前後が一般的ですが、日当は発生しない法律事務所もあるため、事前に確認が必要です。
遺留分侵害額請求や遺留分の放棄の手続きを裁判所で行う場合は、裁判所に納める印紙代や郵便切手、裁判所へ向かうための交通費などが実費として生じます。実費については「実際にかかった金額」となるため、依頼前に正確な金額までは分かりませんが、「県内の裁判所で遺留分の放棄の手続きをしてもらう場合、目安としていくらかかるか」など大体の金額を確認しておくと安心です。
2.遺留分侵害額請求の弁護士費用の相場
遺留分のトラブルを弁護士に依頼する場合の費用の相場ですが、法律事務所によっても基準や固定金額等が異なるため、はっきりとした金額はありません。
2-1.内容証明郵便で請求する場合の相場
遺留分侵害額請求は、いきなり訴訟を起こすのではなく、内容証明郵便等を送付して相手の出方をうかがうことが一般的です。
内容証明郵便の送付だけ弁護士に依頼する場合は、送付する書面の作成だけであれば1万円程度、弁護士の名で内容証明郵便を送る場合は3万円~5万円程度が相場となっています。
請求の意思表示だけを依頼し、その後の交渉などを依頼しない場合は、発生する費用を大幅におさえることができます。仮に、弁護士の名前で内容証明郵便を送付するのに5万円の弁護士費用がかかった場合に、相手方が支払いに応じてくれ300万円を得られたとすると、「300万円 – 5万円 = 295万円」が手元に残ることになります。
2-2.遺留分請求する側の弁護士費用の相場
意思表示に加え、交渉や調停、裁判なども依頼する場合には、弁護士費用は高額になります。
例えば遺留分侵害額請求をして、交渉や調停で500万円の金銭を獲得した場合、弁護士費用の総額は100万円程度が目安となるでしょう。着手金や相談料が無料かどうかによっても大きく変動しますが、獲得した遺留分が500万円~1,000万円の場合の弁護士費用の相場は100万円~200万円が一般的です。
| 費目 | 相場の金額 |
| 法律相談料 | 無料 |
| 着手金 | 22万円 |
| 報酬金 | 68万円(500万円×10% + 18万円) |
| 実費 | 実際に発生した分 |
| 日当 | 50,000円 |
| 総額 | 約100万円 |
交渉から訴訟までを依頼する場合は、さらに金額が大きくなる傾向にあります。例えば、500万円の遺留分を獲得できた場合に、「裁判だけ」でかかる弁護士費用の目安は下のとおりです。
| 費目 | 相場の金額 |
| 法律相談料 | 無料 |
| 着手金 | 34万円(500万円 × 5% + 90,000円) |
| 報酬金 | 68万円(500万円×10% + 18万円) |
| 実費 | 実際に発生した分 |
| 日当 | 10万円 |
| 総額 | 約120万円 |
交渉から依頼している場合には、この費用に加えて、交渉や調停の際に支払う着手金や日当・実費も必要となりますので、遺留分侵害額によっては数百万円かかるケースもあります。
2-3.遺留分請求された側の弁護士費用
遺留分を請求された場合に弁護士に支払う費用は、法律事務所によって異なるものの、一般的な費用体系は以下の2つがあります。
- 減額額の特定の割合
弁護士が遺留分請求の額を減額させることに成功した場合、その減額された額の一定割合を報酬として支払います。 - 固定報酬
弁護士に支払う費用が事前に固定額で定められています。事前に費用を把握しやすいというメリットがあります。
実際に減額できた金額を基準として計算する場合、基本的な考え方は「獲得した遺留分を基準に計算する場合」と同じようになります。そのため、例えば遺留分として800万円を請求されていたケースで500万円を減額できた場合、「減額に成功した500万円」をもとに(旧)日本弁護士連合会の報酬等基準で報酬金等を算出します。全体的な弁護士費用としては、「500万円の減額」の相場は100万円程度、500万円~1,000万円の減額に成功した場合は100万円~200万円が目安となるでしょう。
遺留分を請求された側は、遺留分権利者に支払う可能性のある金額に加えて、弁護士費用も負担する必要があるため、経済的な負担が大きくなることを懸念する方も少なくありません。自身の状況、希望、相手の請求額、遺留分の基礎となる財産の額などを考慮し、費用体系を確認して依頼する弁護士を探しましょう。
3.調停・裁判に発展した場合の弁護士費用
3-1.調停に発展した場合の弁護士費用
調停は、裁判所を介して双方の当事者が話し合いを行い、問題を解決する手続きです。交渉から依頼していた場合などには、交渉から調停に進む際に、11万円~33万円程度の追加の着手金の支払いが必要となる場合があります。
事務所によっては、交渉を依頼した際の着手金に調停に関する費用も含まれている場合や、別途追加費用を請求しない方針をとっている場合もあります。そのため、弁護士に遺留分侵害額請求を依頼する際には、調停に移行する場合の追加費用についても事前に確認しておくようにしましょう。
また、調停には裁判所に支払う手数料も発生します。収入印紙や郵便切手代などが必要で、一般的には比較的低額ですが、考慮しておきましょう。
3-2.裁判に発展した場合の費用
裁判(訴訟)は、調停よりもさらに複雑で専門的な手続きが必要となるため、弁護士が費やす労力と時間も増加します。これを反映して、調停から裁判に移行する際に、11万円から33万円程度の追加の着手金を請求する法律事務所もあります。
もちろん、追加費用が発生しない場合もありますので、弁護士に依頼する際には、訴訟に発展した場合の追加費用についても事前に確認するようにしましょう。
加えて、裁判所に支払う訴訟費用も含まれます。訴訟の申し立てに必要な費用は、訴訟の内容や請求額によっても異なりますので、この点も合わせて確認しておきましょう。
4.誰が払うの?
遺留分のトラブルについての弁護士費用ですが、弁護士に依頼した本人が支払うことが一般的です。依頼時に着手金を支払い、問題が解決したら報酬金や実費等の清算を行います。
遺留分を弁護士に相談する
1.遺留分侵害額請求を弁護士に相談する流れ
遺留分の問題について弁護士に相談する際の全体的な流れを簡単に確認しておきましょう。
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初回無料相談に行く
まずは初回の法律相談を受けます。多くの法律事務所では、初回は無料で相談できるので積極的に活用しましょう。
初回の相談では、相続人や相続財産、遺留分侵害の具体的内容を確認し、遺留分を取り返すことが可能かどうかを検討します。相談の際は、相続人の関係説明図や財産の一覧表などの資料を準備してくおくとスムーズです。 -
弁護士が相続財産と相続人の調査をする
初回の相談後に弁護士に正式に依頼した場合は、次に相続人や相続財産の詳細な調査を行います。相続人や相続財産の範囲によって、遺留分の割合が変わるため、非常に重要です。
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遺留分侵害額を請求する
遺留分侵害額がある場合、贈与や遺贈を受けた人に対して遺留分に相当する金銭を請求します。まずは内容証明郵便などを送付することが一般的です。
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弁護士の交渉による解決を試みる
内容証明郵便での請求によっても支払いに応じてもらえない場合は、直接話し合いを試みます。話し合いは弁護士が依頼人に代わって行い、合意に至った場合は和解書や合意書を作成します。作成した合意書などを公正証書の形で残しておくことで、相手方が約束を守らなかった場合に、強制的に執行することができるため、この点にも注意しながら弁護士は対応を進めます。
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調停や裁判での解決を試みる
話し合いで合意に至らない場合、家庭裁判所に遺留分侵害額請求の調停を申し立てることになるでしょう。調停での合意が成立しない場合は、訴訟を提起することになります。裁判上の手続きは煩雑ですが、遺留分トラブルに強い弁護士に手続きを一任することで、依頼者は時間的・精神的負担を最小限におさえ遺留分請求を進めていくことが可能です。
2.遺留分侵害額請求に強い弁護士の選び方
遺留分トラブルを依頼するにあたって、遺留分侵害額請求に強い弁護士を選びたい、と思われるかもしれません。どのように選ぶかは、何を重視するかによっても変わりますが、一般的には以下の点が基準となります。
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費用対効果を考慮する
遺留分侵害額が高額でない場合には、得られた遺留分を弁護士費用が上回ってしまうリスクがあります。こうした場合は、着手金を無料としている弁護士を選ぶのも一つの方法です。ただし、着手金のみならず、報酬額や日当などの追加費用についても十分に考慮し、全体的な費用を見積もっておくと安心です。
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相続問題に強い弁護士を選ぶ
遺留分トラブルには遺留分特有の複雑さがありますので、相続問題に精通した弁護士を選択することが重要です。法律事務所の公式サイトや、弁護士検索のポータルサイトを活用し、相続問題の解決事例が豊富な弁護士や法律事務所を探しましょう。
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透明性のある料金体系
弁護士費用は事務所ごとに異なります。料金体系が明確に示されている弁護士を選ぶことで、「追加で費用が必要となるなんて聞いていない」などのトラブルを避けることができます。料金体系や提供されているサービスを比較し、自身のケースに合った法律事務所を選びましょう。
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初回相談時の対応を重視する
遺留分に関する相談を行う際は、初回相談時の弁護士の対応もポイントです。相談者の話に耳を傾け、具体的な解決策や費用の見積もりを提供してくれる弁護士は、信頼に足りると言えるでしょう。また、調停や裁判になった場合の勝算や、見込まれる遺留分の額について具体的に説明してくれるかどうか、といった点も注目すべきポイントとなります。自身との相性は、非常に重要です。
相続問題は長期間にわたる可能性があるため、信頼できる弁護士を選ぶことが重要です。多少費用が高くても、より良いサービスを提供する弁護士に依頼することが、長期的に見ると最適な選択となることは多いです。
遺留分と弁護士に関するQ&A
Q1.弁護士に相談する遺留分のトラブルには何がありますか?
A:遺留分に関するトラブルとして多いのは、遺言によって特定の相続人や第三者に財産が偏っているケース、多額の生前贈与が行われているケース、相続財産の内容が十分に開示されていないケースなどです。遺留分の計算方法や、相続財産の土地評価額をめぐって争いになることも少なくありません。
Q2.弁護士に遺留分侵害額請求を依頼するメリットは何ですか?
A:弁護士に依頼する主なメリットは、法的手続きの専門知識を活用できる点です。弁護士は、遺留分侵害額を正確に計算し、依頼者が不利な立場とならないよう、時効にも注意しながら適切に法的手続きを進めていきます。手続きにかかる手間や時間をおさえることができ、ほとんどの対応を弁護士に任せられるため、精神的な負担も軽減することができるでしょう。
Q3.弁護士に遺留分侵害額請求を依頼する際の費用はどのくらいかかりますか?
A:弁護士による遺留分侵害額請求の費用は、事務所やケースによって異なりますが、一般的には着手金、成功報酬、日当、実費などが含まれます。着手金は事件の取り扱いを開始するために前払いする費用で、成功報酬は問題が解決して依頼者が利益を得た場合に支払う費用です。日当は弁護士が裁判所や交渉のために出張する際に発生する費用で、実費は郵送費や印紙代などの具体的にかかった経費を指します。どういった費用が発生するか、いくらかかるかについては法律事務所ごとに異なるため、事前に無料相談などで目安の金額を確認しておくことが重要です。
まとめ
この記事では、遺留分のトラブルが生じたとき、弁護士に依頼するメリットやデメリット、具体的に費用はいくら発生するのかなどを解説させていただきました。
遺留分のトラブルといっても、その内容や立場はさまざまです。自身のケースに合った弁護士に依頼することが、なにより重要です。
遺留分侵害額請求をする場合は、時効などの期間制限もありますので、なるべく早めに行動することが肝心です。遺留分の問題が発生したら、可能な限り早い段階で、弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。
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この記事を書いた人
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
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