個人の人生を再構築する
家事案件弁護士の価値観
弁護士法人あおい法律事務所 弁護士
井川 海人
家事案件のエキスパートとして
あおい法律事務所が専門とする家事案件のなかでも、私は離婚・不貞・親権の案件を主に担当しています。常時60件ほどの案件を同時進行していますが、ひとつとして同じ背景を持つ依頼はありません。
多くの法律事務所では、代表が受けた依頼を他の弁護士が分業的に担当することが一般的ですが、当事務所は受任から解決まで一人の担当弁護士が完結させるスタイルをとっています。それは家事問題という正解のない問いに向き合うには、一人のエキスパートとして依頼者に徹底的に寄り添い、傾聴することでその人生の機微までを理解する必要があると考えているからです。
個人と家庭の再起を支える仕事
私のキャリアの原点は検察庁にあります。かつては大組織の中で法律を適用し、白黒はっきりつけることが正義だと考えていました。しかし、家事案件において法律は人を特定の型に嵌めるためのものではありません。ままならない状況に巻き込まれて混乱の中にいる個人が自分自身の価値観に従って新しい一歩を踏み出す手助けであるべきです。
私たちが扱う案件の先には、常に「生活」が続いています。親権や養育費が関わる事案では、特にお子様にとっては解決した後の人生のほうがずっと長く続きます。だからこそ目先の勝利だけを求めることだけがミッションではないのです。
依頼者とその家族にとって数年後、数十年後の幸福が交わる地点を探し出せるのは家事案件の弁護士だけです。そこにエキスパートとしての矜持を持っています。だからこそ私は、依頼者が抱える固有の事情や想いをありのままに受け止め、またそれを客観的に検証し、法的サポートを通じてその人生の再構築に伴走することを何より大切にしています。
家事案件専門弁護士の一日
業務は9:00の営業開始とともに始まります。まずは前日夜に届いたFAXやメール、LINEでのやり取りを精査し、裁判所への起案準備に入ります。起案は、複雑に絡み合った感情や事実を、実務上の経験則に基づいて法的説得力のある言葉へ翻訳していくクリエイティブな作業です。
午後は面談や協議が中心となります。1日に2〜3件、一人あたり30分から1時間ほどかけて傾聴します。予約が入っている場合もあれば、なかには「配偶者が子どもを連れて家を出てしまった」といった電話を受けて即座に面談を組むケースもあります。
面談では、依頼者・相手方双方の主張や証拠を整理しながら方針を確認していきます。複数の当事者のあいだで板挟みになりやすい家事案件だからこそ、法知識を駆使しつつも多面的・俯瞰的な視点を持ち、当事者の心情を細かく読み解く集中力が求められます。
担当制ではありますが、決して一人で戦っているわけではありません。所内の弁護士で案件の方針を相談することも多くあります。代表の雫田先生、そして私と同じ離婚・不貞分野を担当する堀口先生と案件の本質的な方針について議論し、事案をどのようなストーリーで解決に導くかともに考えています。
18:30の終業まで、こうした対話と思考を往復する時間が、弁護士としての私の日常になっています。
Creer
これまでの私のキャリア
慶応義塾大学法科大学院を修了
司法試験合格後、弁護士・裁判官・検察官の進路を模索しつつ就職活動を行う。その時期に大手弁護士事務所・静岡支店長時代の雫田先生と交流を得た。結果として、社会正義の実現という観点から魅力を感じた検察官としてのキャリアをスタート。
東京・京都での検察庁勤務
捜査から起訴・公判まで一連の刑事手続きを担当。大きな組織の中で上司や同僚と議論を重ねながら法の適用を判断する環境は学びに溢れていた。しかし、家庭環境に問題を抱え、再犯を繰り返してしまう人々と接する中で「もっと早期に支援すべきではなかったか」と次第にもどかしさを覚えるようになる。
弁護士法人あおい法律事務所へ入所
青少年の将来に大きく関わる「家事事件」を担当するべく、弁護士への転身を決断。雫田先生に連絡を取り、あおい法律事務所として独立していることを知る。ともに挑戦できる環境に魅力を感じ入所後、家事案件での地域トップ弁護士事務所への成長を支えてきた。今後支店が増えていくフェイズではマネジメント層へのステップアップも見据える。