家事問題を見つめて辿り着いた
“法律家として在りたい姿”
弁護士法人あおい法律事務所 弁護士
堀口 恵梨佳
世界を少しだけよくするはずだ、という信念
私は検察官時代に「家庭環境を改善すれば防げた非行や犯罪があったのではないか」という問題意識を持ち、家事問題を専門で扱うあおい法律事務所へ入りました。
世の中をよくするという、私たちが掲げる大きな目標に寄与できているかと問われるとまだ私自身は確かな実感を得るようなことができているようには思いません。ですが、依頼者や相手方、さらにはそのお子さん等、目の前で今困っている人や悩んでいる人に手を差し伸べ、法律面からのサポートをすることは、回りまわって「世の中をよくすること」や「この先の未来を生きる誰かの幸せ」へ繋がっているはずだと信じて、日々家事問題と向き合っています。
「弁護士として何を為すべきか」家事問題に触れて見つけた答え
非行や犯罪をしてしまう被疑者のなかには、子供のころ学校にきちんと通わせてもらえなかったり、両親の喧嘩に晒され続けていたりという家庭環境が影響して罪を犯してしまったのではないかと思えるような方が少なくありません。
もちろん、犯してしまったことに対して適切な裁きを受け、更生をめざしていくということは社会にとって大切です。しかし、法律を通して現実と向き合っているうちに、「もし家庭環境を改善することができたなら、この人はそもそも罪を犯さなかったのかもしれない」と強く思うようになりました。
私は小さい頃から「弁護士になりたい」と思ってきましたが、大学や司法修習生時代の同期たちと比べると「どんな弁護士になりたいか」「弁護士として何をしたいか」という部分はずっと曖昧なままでした。しかし弁護士として家事問題の解決に尽力することが、起きていたかもしれない犯罪や不幸の目を摘むことに繋がるのではないかと感じたとき、“法律家として私が在りたい姿”を見つけることができたのです。
女性弁護士特有の苦悩を超えて辿り着いた“私のスタイル”
弁護士は無料相談を受け、相談者を「この先生にお願いしたい」という気持ちにさせて、数ある弁護士のなかから選んでもらわなければいけません。もちろん被疑者と家事問題の相談者では、向き合う相手も全く違いますから、弁護士としてゼロから自分のスタイルを確立していく必要がありました。
そのため、入所後はとにかく試行錯誤の連続です。たとえば、相槌1つをとっても「はい」なのか「うん」なのか、それとも「無言でうなずくだけ」であるべきか——。、思いつく限り色々な方法を試し、服装や髪型などもより意識するようになりました。
これは女性弁護士が誰しも通過する道でもあるようなのですが、女性弁護士には同じ年代の男性弁護士と比べて、より若く、経験が浅いと思われてしまうことが多いという難しさがあります。あおい法律事務所での女性弁護士として、ただ周囲の先生の真似をするだけでは足りません。相談者により安心してもらうためにどう立ち振る舞うべきなのか、考えつづけてきました。
色々と試行錯誤した結果、たどり着いたのは「私自身がナチュラルに接すること」でした。「どう見られるか」「依頼してもらえるだろうか」と緊張するのではなく、ひとりの人として、実務の経験や知識を身につけた弁護士として。精神的な余裕を持つことが依頼者の安心にもつながると感じています。
目の前の家事問題に取り組むことで、世界はきっと少しだけよくなる
私があおい法律事務所に入所したきっかけは、司法修習生時代でした。ちょうど独立して事務所を開こうとしている雫田先生と直接お話する機会があり「家事問題を解決して世の中をよくしたい」と仰っていたのが今も印象に残っています。
実際に今こうして一緒に働くようになり、あのとき伺ったお話が組織作りにも活きているように感じています。
その1つが、あおい法律事務所ではごく当たり前の光景になっている、サポートの文化です。弁護士同士であったり、弁護士と秘書であったり、お互いに気遣ったり、アドバイスをしたりしながら案件を進めていきます。これは弁護士が1人で抱え込んでしまい、追いつめられてしまうことを防ぐという意味ももちろんありますが、依頼者と相手方、お子さん等の関係者全員が最良の結果を得るためにも大切なことです。
たとえば、アドバイスを求めたり、相談をすることで、A案、B案、C案……とより多角的な視点から解決策を探ることができますし、最終的にA案を選んだとしても、BとCも検討した上で選んだAであれば弁護士自身も依頼者も納得した上で次に進むことができます。
Creer
これまでの私のキャリア
中央大学法科大学院を修了
5歳の頃、両親から「弁護士に向いている」と言われて以来、弁護士を目指す。司法試験合格後、「弁護士になって何をしたいか」が漠然としていたこともあり、司法修習生時代に魅力を感じた検察官としてのキャリアをスタート。
大阪での検察庁勤務
捜査から起訴・公判まで一連の刑事手続きを担当。自分のこれまでの人生では接点がなかった被疑者や被告人の生い立ちに触れるなかで、「家庭環境の問題を解決・支援することができていれば犯罪や非行は起きなかったのではないか」という問題意識が芽生える。
弁護士法人あおい法律事務所へ入所
青少年の将来に大きくかかわる「家事事件」を担当するべく、弁護士への転身を決断。修習生・検事時代を通じて交流があった井川先生を通じて雫田先生と知り合う。家事問題や法律業界への問題意識に共感して入社後、地域トップの家事問題専門の弁護士事務所の成長を支えてきた。