弁護士クロストーク

Introduction

規模拡大を目前に控えた今、3人の先生方が共に走ってきたこの1年半を振り返ります。家事案件を社会問題と捉えるアプローチや、所員同士が協力し合う独自の企業風土、さらにはマネージャー弁護士に求める人物像まで、徹底的に話していただきました。

Talk member

  • 代表弁護士

    雫田 雄太

  • 弁護士

    井川 海人

  • 弁護士

    堀口 恵梨佳

Talk theme 01

入所からの1年半で感じた変化

入所から今までの1年半を振り返って、ご自身の成長や変化を感じたことについて教えてください。

井川

まず実感として改めて抱いたのは、検察官と弁護士は同じ法律家と言えど役割が違うということですね。
これまでは検察官として被疑者や被告人と向き合ってきましたが、向き合う相手が依頼者に変わり、立ち振る舞いなども含めて最初はどうやって接すればいいのか分からず、試行錯誤をしました。

雫田

確かに最初は模擬法律相談でトレーニングしたり、色々話したよね。懐かしい。堀口さんはどう?

堀口

私は2つの壁を感じていました。1つ目は、上司から配転された事件を自分で決めた方針に沿って進めていくという仕事のやり方だった検察官時代と違い、弁護士はまず数ある弁護士のなかから選んでもらわないといけないという点です。2つ目は、仮に依頼を受任にすることができたとしても依頼者の希望があるので、自分の立てた見通しとすり合わせながら進めていく必要がある点です。
この2つの壁を乗り越えられたというのが、この1年半での最も大きな変化ですね。

井川

弁護士としての立ち振る舞いが身についていくにつれて、対話を通して依頼者が抱えていた本当の気持ちが掘り下げられるようになった実感はありますね。検察官の場合、掘り下げていくものは真実ですが、弁護士の場合は依頼者の本当の気持ち。その違いはありますが、対話を重ねて明らかにしていく部分は似ていますね。

堀口

そうですね。たとえば「とにかくいっぱいお金がほしい」と仰っている依頼者さんがいたと仮定して、入所当初は「どうやって希望を叶えるか」ということに集中していましたが、弁護士として精神的な余裕が持てるようになった今は「なぜ依頼者はお金がいっぱいほしいのか」というところまで考えられるようになりました。
この例で言えば、掘り下げていくと「子供がいるから養育費のためにお金がほしい」という背景が見えてくる。相手方も生活があるので「なるべくお金を渡したくない」と思っているけれど、お互いに子供を大切に思っているという点では折り合いがつけられる可能性が出てくる。そこまで双方の気持ちを掘り下げることができて初めて「こういう案なら、お互いの生活の見通しを立てつつ、子供のためにもなります」という双方が本当に納得するための話ができるようになるんです。

井川

家事問題は正解がないんですよね。依頼者と相手方のニーズや気持ちを掘り起こしていき、お互いに納得できる妥当な解決策を目指していくという側面が強いなと感じています。

堀口

だから依頼者だけでなく、相手方とのラポール(信頼関係)を築くことも大切ですよね。
実際、最初は相手方が私たちと話すとき、弁護士という肩書をもつ相手と喋るということで“敵地に乗り込む”と思って構えている方も多いです。ですが、リラックスして話せるように気を回しながら、丁寧に向き合っているといつの間にか信頼関係が築かれています。「実はこう思ってるんだ」と相手方も本音で話してくれるようになっていったときには手応えがありました。

雫田

どれくらいでその手応えを掴んだの?

堀口

入所から半年くらい経って、1つの依頼の始まりから終わりまでを1度経験できたことが大きかったように思います。
全体像がイメージできるようになって見通しが立ちますし、弁護士としての知識、スキル、自信などが複合的に影響し合って余裕を持って話し合いができるようになりました。

井川

元々、公益のために働く検察官だったこともあって、私も堀口先生もスタンスとして双方が納得する結末をすり合わせていくという意識は強かったと思います。ただ入所当初は弁護士の業務を通してそのスタンスを結果に結びつけるだけの具体的な知識や経験を持っていなかったので、最初は気持ちだけが先行していた部分がありましたね。

雫田

2人がこれまで実践してきている通り、その案件の当事者にとっての最適解を探っていくというのはすごく大事。だけどもう一歩踏み込むと、当事者にとっても社会にとっても最適解かどうかという視点も大事になるんだよね。
そうじゃないと、「何のためにやっているのか」が分からなくなるから。

Talk theme 02

家事問題に取り組む社会的意義

家事問題を社会課題の1つと捉えて活動していることは、当事務所の理念にも密接に関わる大きな特徴かと思います。単に目の前の依頼者の希望を叶えることに留まらず、その先の社会を想定するというのは、具体的にどういうことなのでしょうか?

堀口

確かに、私たちの仕事は依頼者ファーストである一方で、社会的な意義を意識しながら動いてもいるという側面も強いです。面会交流とかがいい例かな。
仮の話ですが、別居している夫婦のあいだに子供がいたとして、母親は子供を絶対に父親に会わせたくないと希望している。一方で、父親は子供に会いたいと思っている。父親側に虐待等の問題がなく、単に母が父を嫌いだから子供に会わせたくないというケースであれば、子供のことを考えると当然父親との交流があったほうがいいですよね。ただ、依頼者である母親の「会わせたくない」という希望とは相反してしまう。
私たちには、合理的な根拠がない面会交流の拒否は受け付けないという方針があります。

井川

クライアントの意向がなんであれ、依頼を受けてとにかくそれを叶えましょうという事務所も多いですからね。でも、私たちはそういう業界の体質や考え方を改善したくてやっています。

雫田

それは、家事案件特有の問題と言っていいもので、本当に悩ましいし難しいところでもあるね。
家事案件は利益や損得だけで割り切って考えられるわけではなく、感情も関わるし、その後の生活や人生も大きく左右してしまうからこそ、ただ依頼者の希望を叶えるだけでは務まらないんだよね。

井川

依頼者本人が疲れたり、心が折れてしまっていて不利な条件を飲もうとしていることもありますね。事務所の利益だけを追求するのであれば、「分かりました」とそのまま進めてしまうこともできますが、依頼者の未来を考えると私たちがそこで首を縦に振るわけにはいきません。

雫田

「あの判断で本当によかったのか」と葛藤が残ることは確かに多いよね。「依頼者はあのときこう言っていたけど、もうちょっと踏み込んで説得できていたら」とか、「心が折れてしまったクライアントをあと少しだけ勇気づけることができていたら」とか、そういう葛藤を抱えながら、次の案件と向き合わなければいけない。

井川

そうですね。だからこそ、1つひとつの依頼にどう向き合い、どう終わらせていくかはすごく重要だなと思っています。

Talk theme 03

弁護士を孤立させないという企業風土

あおい法律事務所は弁護士同士、または弁護士と秘書がお互いに協力し合うチームプレーの風土が根付いた組織であると言えると思います。法律事務所におけるチームプレーについて考えていることを教えてください。

雫田

通常の法律事務所において、弁護士はほぼ単独プレーです。案件で悩んでいたとしても、たいていの場合、誰にも相談せずに抱え込みます。実際、私にもそういう時期はありましたが、これがまあめちゃくちゃにしんどい。でも周りもみんなしんどいから相談なんてできないんです。でもそんな状況では、当然いい仕事はできません。依頼者の心が折れてしまうという話がありましたが、弁護士のほうが折れてしまうこともあります。
でも、折れそうなときに仲間がそばにいてくれるというだけで、あと少しの踏ん張りがきくこともある。弁護士を孤立させないという事務所の姿勢が、チームプレーのような文化となって現れているんだと思います。

堀口

1人で抱え込んでいてきついという話は知り合いの弁護士からもよく耳にする話です。
難しい案件で煮詰まっているときに「その方針は苦しいと思うけど、私も正しいと思う」と背中を教えてもらえるだけでほっとしますし、まだ頑張ろうという気持ちになれますね。

井川

私たちの言うチームプレーは少し特殊かもしれませんね。一般的には役割分担を思い浮かべますが、案件を担当するのはあくまで主任弁護士1人なので。
ただ、正解がない家事案件では、どの選択が最良なのかを常に考えていかなければならず、お互いに相談し合って知識や経験を共有しながら仕事を進めていきます。だから1つの案件のためにチームで頑張るというよりも、お互いのためにお互いが頑張るというチームプレーとでも言えばいいのかな。

堀口

そうですね。離婚すると言っても、財産分与、親権など、解決すべきことは多岐に渡ります。法律の観点から自分が思い描くゴールと、依頼者の希望、相手方の意見をすり合わせながら話し合いを進めていく必要がありますが、正解がない分、結末は膨大なんです。そういうときにアドバイスを求めて相談すると、1歩引いた俯瞰的な視点からの意見や考えを聞けるので、とても助かっています。

雫田

1人の案件を支えているということが、事務所全体を支えることに繋がっているという想いを全員で共有できていることの結果が、他の法律事務所ではほとんどないあおい法律事務所独自のチームプレーなんだろうね。

堀口

「とりあえず相談してみよう」が本当にOKという認識は規模が大きくなってもきちんと伝えていきたいです。
正解がない仕事なので、質問の内容も「分からないことが分からない」という完全に迷子状態のことも多いんです。そんな状態で質問していいのだろうかと思ってしまうところだと思うんですが、私はそういう状態で相談をしてきて助けてもらいました。今後、自分が相談の受け手になるときには、一緒に考えて悩んでいけるようにしたいと思っています。

雫田

こういう文化の浸透は、今後規模を拡大していく上での課題だとも思ってるんだよね。
これまでは目の前で顔を合わせて、言葉を交わしながら浸透させてきた文化も、これからは遠隔地にいながら同じものが根付くようにしなければいけないし、文化を根付かせるための過程は必ず変わっていくはずだから。
プレイヤーの弁護士を孤立させないというのはこれからも変わらないけれど、これからはマネージャー弁護士の負担を分散させていく仕組みも作っていかないといけないよね。

井川

あおい法律事務所は1人のために率先して動いてくれる人たちの集まりだと思うので、そういう法律事務所としてはちょっと珍しい独自性に共感してもらえるような人たちが新しい仲間に加わって、一緒に事務所を大きくしていけるといいですね。

雫田

個々の案件の解決が最終的に世の中をよくすることに繋がっていると、私たちは本気で信じていて、そういうビジョンに共感して、なおかつ楽しんでくれることは大事だね。
私自身この1年半、2人のマネジメントをするようになって、人として根本的な成長をする機会だったなと実感しているんだよね。マネージャーポジションを経験することで案件の見方も変わるし、弁護士としても人としても必ず成長できる。加えて、成長すれば、社会に対する意識や生き方の変化にも繋がる。自分の人生の根本を抑えるセンターピンのような仕事になるはずだから。
そういう成長を求めている人に、ぜひ声をかけてもらいたいね。

Editor’s note

あおい法律事務所独自のチームプレーの文化は、弁護士の働きやすさを担保するものでありながら、答えのない家事問題に関わる当事者が最良の結論に辿り着くために妥協しないという事務所の姿勢とも繋がるものです。規模が大きくなるなかで、事務所の理念や文化を継承し、発展させていくという意気に満ちた方をお待ちしています。

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誰かの明日になる。

家庭の問題に悩む人を、一人でも多く救いたい。
ここからはじめる私たちとの歩みが、誰かの明日になる。

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