• 不倫慰謝料

不倫や浮気をしている妻の行動の見分け方。調査方法や離婚について

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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「なんだか最近、妻が冷たくなった気がする」「ずっと携帯ばかり触っている」
そんなとき、もしかして奥様が浮気や不倫をしている可能性があります。

では、どのような行動があると、怪しいのでしょうか?

また、妻の浮気を知ってしまったら、どうすればいいのでしょうか。

ここでは、不倫や浮気を見破る方法や、妻の不倫を理由として離婚する場合の方法などについてご紹介します。

目次

不倫や浮気をする妻の行動の特徴とは?不倫や浮気の見分け方を解説!

不倫や浮気をしている妻の共通の特徴

妻の行動を見れば、不倫や浮気を見極めることができる

「最近妻の帰りが遅くなった」「土日もずっと誰かとメールや電話をしているようだ」と、最近妻の行動や様子に違和感を覚えていませんか?

妻の行動がいつもと違う場合、それは妻が浮気や不倫をしている前兆かもしれません。

しかし、証拠もないのに妻の浮気や不倫を疑っては、ただ口論になるだけで、何も解決しない可能性があります。

さらに、妻が実際に浮気や不倫をしていなかった場合には、なおさら夫婦関係がこじれる原因となってしまうので、妻の不倫を問い詰める場合は、それなりの確証が必要となるでしょう。

では、どのような行動があれば、より妻が浮気や不倫をしていると言えるのでしょうか?

妻の行動が怪しい!不倫や浮気をしている妻には共通の特徴がある

妻の浮気や不倫を見破るポイントが知りたい!という人も多いと思います。

浮気や不倫をする妻には、共通する特徴があることをご存知でしょうか?

妻の浮気や不倫には、共通した行動が見られます。以下にまとめてみましたので、参考にしてください。

 

  • 携帯電話を触っている時間が長い
  • SNSやメールを利用する頻度が増えている
  • 帰宅時間が遅い、残業や出張が増える
  • 女性の友人と出掛けることが増えた
  • 夫とのスキンシップを拒むようになる
  • 服装や髪型に以前よりお金を掛けるようになった

 

以下では、これについて詳しくみていきたいと思います。

妻の不倫・浮気を見抜く方法①携帯電話を触っている時間が長い

以前と比べて妻が携帯電話を触ってる時間が増えているときは要注意です。

特に夫に隠れてこそこそと携帯電話を触っていたり、家事や育児の合間でも携帯電話を手放さない場合は、不倫相手と連絡を取り合っている可能性があります。

一方で、趣味や調べものに熱中しているだけの可能性もあります。

日常の会話で最近はまっている趣味などを話してくれたり、携帯電話の画面を夫に見せてくれる場合などは、妻が不倫・浮気をしている可能性は低く、安心してよいと思います。

妻の不倫・浮気を見抜く方法②SNSやメールを利用する頻度が増えている

携帯電話やパソコンで、頻繁にLINEやSNSのメッセージなどを利用している場合も要注意です。

特に誰と連絡しているのか聞いても夫には言わなかったり、曖昧に誤魔化すような言動があれば、夫に言えない相手と連絡していることが伺えるので、妻が浮気や不倫をしている可能性が高まります。

また、SNSやメールのやり取り、携帯電話の着信履歴などを削除している場合も大変怪しいでしょう。

妻のSNSをフォローしている人や共通の知人が妻のSNSを見ることができるなら、新しい異性のフォロワーがいないか、妻のつぶやきやタイムラインから、不倫や浮気につながりそうな投稿がないか確認して、浮気や不倫でないかを見極めてください。

妻の不倫・浮気を見抜く方法③帰宅時間が遅い、残業や出張が増える

妻の帰宅時間が遅くなることも不倫や浮気の典型的な行動パターンといえるでしょう。

突然妻の残業や出張の予定が入ったり、飲み会の頻度が増えたりした場合は、気を付けましょう。

特に、帰宅が深夜を超える場合や、帰宅が遅くなる理由を隠している場合などは、妻が不倫や浮気をしている可能性が非常に高いといえます。

不倫している場合は、不倫相手の仕事の都合などに合わせて帰宅時間が遅くなっているため、特定の曜日だけ帰宅時間が遅くなったり、土日に頻繁に出掛けるような行動が増えます。妻の行動が怪しい場合は、一週間の帰宅時間を把握してみるとよいでしょう。

妻の不倫・浮気を見抜く方法④:女性の友人と出掛けることが増えた

妻が浮気や不倫をしている場合に、夫に隠し方として最も多いのが、「女友達とご飯に行っていた」「相談したいことがあって、女友達の家に泊まってきた」などの女性の友人との予定で誤魔化す方法です。

なかには、妻の不倫を知っている友人も協力して、口裏合わせをしているようなパターンもあります。

出掛けた先の様子や写真などを隠す場合は、妻が不倫や浮気をしている可能性が高いでしょう。

妻の不倫・浮気を見抜く方法⑤夫とのスキンシップを拒むようになった

女性は、好きな人ができると、その人以外とは接触を拒む傾向が顕著です。

特に、キスやハグ、性行為などの直接的な身体へのスキンシップができなくなるため、突然妻が夫とのスキンシップを拒むようになった場合は、夫以外の男性に好意を向けている可能性があります。

一方、仕事や育児が忙しくてセックスレスになる女性も多いため、その他の行動も見ながら妻が浮気や不倫をしているか見極める必要があります。

妻の不倫・浮気を見抜く方法⑥:以前より服装や髪型にお金を掛けるようになった

婚姻生活を続けていると、女性は身の回りのことに手を抜きやすくなりますが、浮気や不倫によって新しい恋をすると、スキンケア、髪型、下着や洋服などの衣類などに、お金を掛けるようになります。

これまでジーンズなどの動きやすいパンツスタイルが多かった妻が、突然ワンピースやスカードなどの女性らしい衣服を着るようになる場合も、妻の不倫が怪しいでしょう。

これらの言動が複数ある場合には、妻が浮気や不倫をしている可能性があります。

一方で、単に気分転換である場合や、不倫・浮気はしていないけれども、妻が一時的に夫への愛情が冷めてしまったことで、このような言動を取っている場合もありますので、妻に怪しい言動があるからといって、一方的に不倫を責めることはやめましょう。

妻の浮気や不倫が疑わしい場合は、まずはその証拠を集めることが大切でしょう。

妻が不倫や浮気をする心理とは?

妻が浮気や不倫をしているかもしれないと思うと、どうしても妻を責めたい気持ちになりますよね。

ただ、同時に夫のことを好きで結婚したはずなのに、どうして妻が不倫をしたのか、妻の気持ちがわからないという男性も少なくないでしょう。

確かに、男性よりも女性の方が不倫をしている割合は少ないと思われがちですし、突然の妻の不倫や浮気に困惑してしまうのは当然です。

ここでは、不倫や浮気をする妻の心理や気持ちについて解説していきます。

妻が不倫や浮気してしまう心理とは

妻が不倫や浮気をしてしまう心理として、最も多いものが「寂しかったから。」というものです。

夫と、結婚していても、夫が仕事で忙しく思うように妻をかまってあげられていなかったり、家に一人でいる時間がながいと、寂しさを埋めるために、夫以外の相手と浮気や不倫をするようになります。

また、夫が妻一人に家事や育児を押し付けて、妻に感謝や労りがないような場合だと、妻が夫に不満を溜めて夫への愛情が冷め、浮気や不倫につながることになります。

このように、女性は寂しさや夫への不満から不倫・浮気に至ることが多いと考えられています。

また、以下のような場合も、妻が不倫・浮気をしてしまう原因となりやすいので、注意が必要でしょう。

 

  • 夫に不満を持っている
  • 夫からの愛情を感じない
  • 夫から感謝されたり、褒めてもらうことが少ない
  • 夫が家事や育児に非協力的
  • 家にいる時間が長く、一人で過ごすことが苦手
  • 仕事や育児の気分転換をしたい
  • 職場などで夫よりも理想的な男性と出会った
  • 職場などで、他の男性から食事などに誘われてる
  • 職場などで夫よりも理想的な男性と出会いがある

 

不倫相手になりやすい人の特徴

次に、妻の不倫相手や浮気相手には、どのような人が多いのでしょうか。

妻の不倫相手や浮気相手として多いものは、仕事先の男性、次に子供の関係でつながった親、同級生や地元の知人などになります。

ここから順に見ていきましょう。

不倫・浮気相手の特徴①職場の同僚や上司、仕事先の男性

一番多いのが、職場の男性と不倫や浮気をするという、職場恋愛のパターンです。

職場は、男性と会話をしたり、長い時間顔を合わせることが多いので不倫や浮気に発展しやすいのです。

また、職番の男性は仕事の場面やミーティングのときに頼りになる男らしさにも触れる機会が多いので、女性にとっては魅力的に見えるところがあります。

また、バリキャリの妻などは、職場の上司や同僚、仕事先の相手などからも食事や飲みに誘われる機会が多く、浮気や不倫に発展するケースも少なくありません。

また、家庭内での不満や愚痴を職場の人に聞いてもらう女性も多いため、その流れで恋愛に発展することもあります。

そのようなことから、妻の不倫相手として、職場の上司や同僚、取引先の相手などが上がることが多いのです。

不倫・浮気相手の特徴②同級生や地元の知人

妻の不倫相手として次に多いのが、学生時代の同級生や地元の知人などです。

これは、結婚式や同窓会での再会がきっかけとなり、不倫や浮気に発展するパターンです。

学生時代に気になっていた相手や憧れていた先輩などと、再会をきっかけに親しくなり、徐々に恋愛関係に発展する女性も少なくありません。

また、昔からの知り合いや同郷の相手には、自然と親しさを覚えるものです。

夫との生活に寂しさや不満を抱いている妻が、昔からの顔なじみと再会して、懐かしさや安心感を覚えて、不倫をしてしまうようなケースがあります。

不倫・浮気相手の特徴③子供の関係でつながった親

最後に、子供の同級生の親や、子供の遊び先である公園などでよく遭遇する親などと不倫や浮気をするケースです。

同級生の親などは、同じ世代の子供を持つ親として、仕事や子育ての悩みや不安などが共感しやすく、相談相手や雑談の相手として親しくなりやすい間柄でもあります。

妻が夫への不満を聞いてもらううちに、不倫や浮気に発展したというケースも少なくありません。

妻の不倫を調査する方法・証拠の集め方や探偵事務所の利用について

妻の不倫や浮気に気付いてしまったらどうすればいいか、疑問を持たれることがあるかもしれません。

本当に妻が不倫をしているか確かめたいけども、その方法がわからないと思われる方も多いでしょう。

妻の不倫を確かめるために、どのような方法があるのでしょうか?

妻の不倫を確かめるためには、まずは証拠を集める準備をしましょう。
妻の不倫の証拠を集めるためには、①自分で妻の不倫や浮気の証拠を集める、②探偵事務所で不倫調査を依頼する方法などがあります。ここから詳しく見ていきましょう。

夫が自分で妻の不倫の証拠を集める方法

妻の証拠を集めることで、妻の反省を促すほか、妻に不倫の慰謝料を請求したり、離婚を求めるときに非常に役に立ちます。

まずは、夫が自分で妻の不倫の証拠を集める方法について解説します。

妻の不倫の証拠として認められやすいものは以下のとおりです。

 

  • ホテルに出入りする写真や動画(短時間の滞在では肉体関係があったと認められないケースもあります。ホテルに入った時間と出て行った時間を必ず記録しましょう)
  • ホテルの領収書やクレジットカードの利用明細書
  • 妻と不倫相手のやり取りの記録(肉体関係をほのめかすようなやり取り、不倫を推察できる写真や動画など)
  • 不倫したことを認める音声や動画、LINEやSNSなどの記録

 

証拠①:ホテルや不倫相手の家などに出入りしている写真や動画

妻や不倫相手がホテルに出入りする写真や動画は、証拠としてとても有効です。

なぜなら、客観性が高く、信頼性があるからです。妻と不倫相手のどちらか一方しか映っていない写真では、証拠として弱いので、できるだけ妻と不倫相手の両方が写りこんでいるものを準備できるといいでしょう。

また、短時間のホテルの滞在では肉体関係にあったと認められないケースもありますので、ホテルに入った時間と出て行った時間を必ず記録しましょう。

証拠②:ホテルの領収書やクレジットカードの利用明細書

妻と不倫相手がラブホテルなどを利用した場合、写真や動画と一緒に、利用したホテルの証明書なども証拠の一つとなります。

また、クレジットカードでETCの利用履歴などが見れる場合は、ホテルの行き来に車を利用したことを証明することができます。

領収書や明細は携帯電話で写真を撮って置いたり、保存することをおすすめします。

ただし、領収書やクレジットカードの明細は、単独では不倫の証拠として弱いので、それ以外に写真など別の証拠も必要になるでしょう。

証拠③:妻と不倫相手のやり取りの記録

LINEやSNS、メールなどで、妻が不倫相手とホテルに行く約束をしていたり、

また肉体関係をほのめかすようなやり取りがある場合、これらのやり取りが記録されている携帯電話の画面の画像などが不倫の証拠となりえます。

ただし、嫌がる妻から無理やり携帯電話を奪ったりすると、夫の言動に責任を問われかねませんので、入手方法には注意してください。

証拠④:不倫したことを認める音声や動画、LINEやSNSなどの記録

夫婦で話し合った結果、妻が不倫や浮気を認めたり、妻との喧嘩の最中に妻が不倫や浮気を認める発言をした場合、これらの記録が不倫の証拠になる可能性があります。

妻が不倫や浮気を認めても口頭だけであれば、「そんなこと言ってない」など後からいくらでも覆えされることがありますので、できるだけ記録媒体に残すことをおすすめします。

また、これも妻が不倫を認めたという事実だけでは、不倫の証拠として弱いため、やはり不倫の写真など、他の証拠を集める必要があるでしょう。

夫が一人でこれだけの証拠を集めるには、とても大変です。

より効率的かつ効果的な証拠を集めたい場合には、探偵事務所などを利用するとよいでしょう。

探偵事務所で不倫・浮気調査を依頼する方法

次に、探偵事務所で不倫・浮気調査を依頼する方法について解説します。

普段の生活では、探偵事務所を利用する機会はそうそうないと思います。なので、探偵事務所に不倫・浮気調査を依頼するとなると、少しハードルが高く思われるかもしれません。

しかし、夫が妻の不倫や浮気の証拠を集めるには、不倫・浮気調査のプロである探偵事務所を利用することがおすすめです。

探偵事務所の不倫・浮気調査を利用するメリットとしては、自分で調べる手間が省けるほか、夫が妻の不倫を疑っていることがばれにくいことや、慰謝料請求や離婚の裁判で有益になるレベルの不倫や浮気の証拠を集めることができることです。

では、探偵事務所が行う不倫・浮気調査は、どのようなものになるのでしょうか。

探偵事務所では、妻の尾行や張り込みを行って、不倫や浮気の証拠を集めます。尾行は、妻の行動を追跡しながら、不倫相手との接触やホテルの出入りなどの証拠を集めることができます。

また、張り込みは、妻がホテルや不倫相手の家などに入る際に、その場を監視できる位置に待機して、建物から出てくるまで待ち続けます。

妻が不倫したことを証明するためには、不倫相手と肉体関係を持っていることを立証する必要があり、その場合は、長時間ホテルや不倫相手の家などに妻と不倫相手が滞在している状況などを押さえなければいけません。

プロの探偵に不倫調査を依頼することで、仕事や睡眠の時間を削ることなく、不倫の証拠を集めることができます。

また、探偵事務所は、不倫・浮気調査の結果について、調査報告書を作成します。

妻の行動の詳細や不倫相手の情報などについて、細かく調べ上げられた報告書となっておりますので、夫が妻に慰謝料を請求する際や離婚訴訟においても十分に有効な証拠となるでしょう。

探偵に依頼すれば、ラブホテルに入るところなどを写真付きで報告書にまとめてくれるので、法的に有効な証拠を手に入れられます。

妻の浮気や不倫が許せない場合にどうするか。

夫が妻の浮気や不倫を知ってしまったら、ひどく動揺するとともに、妻に対して不倫の責任を取ってほしいと思うものです。

妻が不倫や浮気をした場合、妻に対して不倫の慰謝料を請求することができます。

ただし、不倫の慰謝料請求が認められるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。

ここでは、どのような場合に夫が妻に不倫の慰謝料を請求することができるのか解説していきます。

不倫の慰謝料を請求できるのは、妻の不倫が不貞行為であると認められる場合である。

一般に、不倫とは、既婚者が配偶者以外の人と恋愛関係になることを指します。

しかし、法律上、不倫の慰謝料請求が認められるのは、妻が不倫相手と肉体関係を持った場合に限られます。

妻が相手と肉体関係を持っていない場合は、不倫ではなく、浮気になるのです。

また、妻が不倫相手と肉体関係を持っている場合でも、すべてのケースで不倫の慰謝料請求が認められるとは限りません。

夫が妻や不倫相手に対し、不倫の慰謝料を請求するためには、不倫が不法行為や不貞行為であると認められる必要があります。

まず、不法行為は、民法709条によって「故意又は過失によって、他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」ことであると定められています。

不法行為は、相手の権利などを侵害する行為のことです。

夫婦は婚姻を継続するために互いに貞操義務を負いますが、妻が不倫したことによって、夫は夫婦としての権利を侵害されるため、妻に対して、損害賠償=慰謝料を請求することができるのです。

次に、不貞行為とは、法律上の離婚事由の一つとなっています。

妻の不倫は、この不貞行為にあたると解されており、妻の不貞行為によって、夫婦関係が破綻し、夫が妻に離婚や慰謝料を請求する場合、裁判所はこれを認めることになります

妻の不倫が不法行為や不貞行為として認められるためには、以下の要件を満たす必要があります。

 

  • 配偶者が既婚者であることを不倫相手が知っていた、又は知ろうと思えば気付く状況であった
  • 不倫について自らの自由意思で肉体関係を持っていた
  • 不倫をしていた時期は、夫婦関係が破綻していなかった

 

上記要件が満たされている場合、夫は不倫した妻やその不倫相手に対し、慰謝料を請求することができます。

次に、妻や不倫相手に慰謝料を請求する手順ですが、まずは、①不倫をした証拠を集める、②不倫相手にも慰謝料を請求する場合は、不倫相手の名前や住所を特定する、③妻や不倫相手と直接交渉する、もしくは弁護士を介して示談交渉する、④交渉が難しい場合は、裁判所で調停又は訴訟手続を行うことになります。

不倫について、慰謝料を請求する場合の具体的な方法や慰謝料の相場などについては、こちらに詳しくまとめていますので、参考にしてください。

[不倫の慰謝料請求の相場はいくら?裁判の判例から目安を知ろう!]

妻を許す場合でも、不倫を繰り返すことを防ぐために、ペナルティー付きの約束事を作る

一方で、妻の浮気や不倫があっても、離婚をせずに婚姻生活を続けるようなケースもあるでしょう。

しかし、一度浮気や不倫をした人は、浮気や不倫へのハードルが低くなっており、一旦反省はするものの、しばらくするとまた浮気や不倫を繰り返しているという方も少なくありません。

夫が一度は妻の浮気や不倫を許す場合であっても、今後妻が不倫や浮気を繰り返さないために、ある程度妻に対して制約を掛けることをおすすめします。

まずは、浮気や不倫をした原因について夫婦で話し合うとよいでしょう。

お互いの気持ちを知り、夫婦として新たな関係性を再スタートとする気持ちが互いにあれば、ある程度は夫婦の関係性に改善がみられるものです。

ただ、口約束では、どうしても一度裏切られた妻の言動を信用することは難しいでしょう。

そのような場合は、今後妻が不倫や浮気を繰り返さないために、ペナルティ―付きの約束事などを作っておく方法があります。

ペナルティー付きの約束の例としては、

 

  • 妻は浮気相手や不倫相手の連絡先、SNSの繋がりなどをすべて消去すること
  • 今後一切、妻は浮気相手や不倫相手と接触しないこと
  • 夫が要求した場合、妻は自身の携帯電話を夫に預けること
  • 再び妻が浮気や不倫をした場合は離婚すること
  • 離婚時の慰謝料は〇〇〇万円とすること

 

などがあります。

また、妻が浮気相手や不倫相手と接触した場合のペナルティーなども付けておくとよいでしょう。

約束事を決めたら、その内容は必ず書面に残しましょう。

書面に法的な拘束力を付けたい場合は、弁護士事務所に依頼することをおすすめします。

妻の不倫や浮気を原因に離婚する場合

妻の浮気や不倫が発覚すると、夫は少なからず離婚を考えることでしょう。

夫が妻の不倫や浮気を原因に離婚する方法としては、①協議離婚、②弁護士の示談交渉による離婚、③調停離婚、④裁判離婚があります。

協議離婚以外の方法では、法律の知識が必要になりますので、弁護士事務所に相談することをおすすめします。

どの方法にも一長一短がありますので、一つずつ詳しく見てみましょう。

①協議離婚

夫が不倫した妻と離婚したい場合で最も多い方法は協議離婚です。協議離婚は、夫婦が離婚に合意していれば、離婚届けに必要事項を記載して、役所に届け出ることで離婚が成立します。

妻が自身の不倫や浮気を認めている場合は、離婚の話し合いもスムーズにいく場合が多いですが、妻が浮気や不倫を認めない場合は、話し合いも難航しますので、できるだけ、事前に妻の浮気や不倫の証拠を集めておくとよいでしょう。

②弁護士に示談交渉を依頼して離婚する場合

夫婦の話し合いでは離婚がまとまらない場合、弁護士事務所に相談して、弁護士に離婚を交渉してもらう方法があります。

弁護士事務所では裁判手続以外にも、弁護士に協議離婚の交渉を依頼することができます。

弁護士が代理人となると、妻や不倫・浮気相手との交渉を夫の代わりに弁護士がすべて行ってくれるため、夫が妻や不倫相手と直接関わる必要はありません。

弁護士は、不倫や離婚について交渉のプロです。

法律に慣れていないと、妻の不倫が法律上の不貞行為又は不法行為として認められるのか判断が難しいと思います。

その点、弁護士は法的に有利となる妻の不倫や浮気の証拠を集め、過去の判例などから、妻の不倫が不貞行為又は不法行為として認められるか、慰謝料請求や離婚裁判が可能か、ということを判断することができます。

離婚や不倫・浮気の問題については弁護士は交渉のプロですので、安心して任せるとよいでしょう。

しかし、弁護士による交渉を経てもなお、離婚に向けた話し合いがまとまらない場合には、裁判所の調停手続又は訴訟手続を利用することになります。

離婚調停で離婚する場合

離婚調停を行う場合は、家庭裁判所で離婚調停を申し立てます。調停では、離婚を中心として、親権、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料などについて話し合うことができます。

調停では弁護士を依頼せずに、夫が自分で手続きを申し立てることができます。

しかし、弁護士に依頼すれば、夫の代わりに、法律家の視点から、離婚や妻の不倫について夫の有利になる主張を行いますので、調停を利用するなら弁護士に依頼するのが賢明でしょう。

特に裁判所に不倫の証拠を提出したり、妻の不倫が法律上の不法行為や不貞行為に当たることを論理的に説明する必要がありますので、弁護士の知識が必要となります。

調停では、夫と妻の双方が離婚に合意することで、調停成立となり、離婚することになります。

一方で、夫と妻のどちらか一方でも復縁する気持ちがあったり、親権以外の条件について折り合いがつかない場合には、調停は不成立となり、調停以外で離婚する方法を考える必要があります。

離婚裁判で離婚する場合

調停手続が不成立になり、それでも離婚をしたいと考える場合は、当事者のどちらか一方が、裁判所に対して訴訟を提起します。これがいわゆる裁判といわれるものです。

裁判で離婚するためには、法的に認められる離婚事由が必要となります。

民法上、離婚事由として以下の5つが明記されています。

 

  • 配偶者に不貞行為があったとき
  • 配偶者から悪意の遺棄をされたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

 

妻が不倫相手と肉体関係を持っている場合は、1つ目の「配偶者に不貞行為があったとき」に該当すると認められ、離婚できる可能性が高いでしょう。

夫婦には、貞操義務といって、配偶者以外と性的関係を持ってはいけない義務があります。配偶者の不貞行為は、この貞操義務に違反しているので、その責任から、不倫された側が離婚を求める場合に、裁判所はこれを認めることになります。

ただし、裁判で離婚するには、妻の不倫が不貞行為であると立証する必要がありますので、必ず裁判で通じるレベルの証拠を集めましょう。

写真などの客観的な証拠のほか、決定的な証拠がない場合でも、妻と不倫相手のSNSやメールの記録などから、状況的に妻が不倫相手と肉体関係を持っていることが推察されれば、妻の不倫は不貞行為として認められる可能性があります。

裁判で有効な証拠を集め、妻の不倫が不貞行為であると立証するためには、弁護士の力が欠かせません。妻の不倫を原因として離婚訴訟を起こす場合は、一度弁護士事務所に相談することをおすすめします。

不倫や浮気をしている妻の行動の見分け方。調査方法や離婚についてのQ&A

不倫や浮気をする妻の行動の見分け方とは?

妻の浮気や不倫を見分けるには、妻の行動を観察しましょう。

不倫や浮気をする妻には、以下のような共通した行動が見られます。

 

  • 携帯電話を触っている時間が長い
  • SNSやメールを利用する頻度が増えている
  • 時間が遅い、残業や出張が増える
  • 女性の友達と出掛けることが増えた
  • 夫とのスキンシップを拒むようになる
  • 服装や髪型に以前よりお金を掛けるようになった

 

このような言動が妻に見られた場合は、不倫や浮気をしている可能性があるでしょう。

妻の不倫や浮気を調査する方法を教えてください。

妻の不倫を調査する方法としては、①自分で妻の不倫や浮気の証拠を集める、②探偵事務所で不倫調査を依頼する方法などがあります。また、妻の不倫の証拠として認められやすいものは以下のとおりです。

  • ホテルに出入りする写真や動画(短時間の滞在では肉体関係があったと認められないケースもあります。ホテルに入った時間と出て行った時間を必ず記録しましょう)
  • ホテルの領収書やクレジットカードの利用明細書
  • 妻と不倫相手のやり取りの記録(肉体関係をほのめかすようなやり取り、不倫を推察できる写真や動画など)
  • 不倫したことを認める音声や動画、LINEやSNSなどの記録

妻の不倫や浮気を理由に離婚するためには、どうすればよいでしょうか。

夫が妻の不倫や浮気を理由に離婚する方法としては、①協議離婚、②弁護士の示談交渉による離婚、③調停離婚、④裁判離婚があります。

妻が不倫や浮気を認めない場合は、妻が離婚に応じないケースも多いので、弁護士に相談するなどして、事前に不倫や浮気の証拠を準備しておくとよいでしょう。

最後に

信頼していた妻の不倫や浮気を知ってしまうと、誰もが大きなショックを受け、複雑な思いを抱くでしょう。

しかし、感情的になって、一方的に妻の浮気や不倫を責めてしまっては、冷静な話し合いができません。

妻に浮気や不倫を反省させ、その責任を取ってもらうためには、夫も冷静になり、まずは浮気や不倫の証拠を集める準備をしましょう。

妻の不倫や浮気を原因に慰謝料を請求したり、離婚を求めたりするなら、弁護士などのプロにお任せすることをおすすめします。

不倫や離婚に関するすべての手続きを弁護士に一任することができるので、安心して任せることができます。

妻の不倫や浮気で困っている方などは、一度弁護士事務所や探偵事務所にご相談されることをおすすめします。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。

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