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スピード離婚の理由とは?結婚期間は何年?すぐ離婚する人の特徴も

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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時折ニュースを賑わせる、「スピード離婚」という言葉について、一度は耳にしたという方は少なくないかと思います。

かつては、「成田離婚」などとも言われていました。新婚旅行で海外旅行に行き、旅行中に夫婦関係が悪化し、成田空港へ戻ってきた途端に離婚した、という状態を指して成田離婚と言われるようになったそうです。最近では「成田離婚」という言葉に代わり、「スピード離婚」などと言われるようになっています。
テレビやネットニュースなどを見ていると、芸能人夫婦が入籍からしばらくして離婚したときに「スピード離婚」などと報じられることが多いですが、スピード離婚をするのは芸能人夫婦に限らず、一般の夫婦でもスピード離婚をするケースがあります。

本記事では、スピード離婚について、基本的な知識を弁護士がご説明させていただきます。スピード離婚の原因・理由となっているのかなど、詳しく解説していきたいと思います。
本記事がご参考になりましたら幸いです。

目次

スピード離婚の結婚期間は最短で1ヶ月を切るの?

それでは、スピード離婚について詳しく見ていきましょう。
スピード離婚という言葉は、度々テレビやネットニュースで耳にするため、なんとなく知っているという方は多いのではないかと思います。
そう長くない結婚期間を経て離婚してしまうこと、というイメージはあるかと思いますが、スピード離婚の定義はあるのでしょうか。結婚期間は何年までがスピード離婚に該当するのでしょうか。

婚姻期間は何年までがスピード離婚になるの?半年?1年?

さて、スピード離婚について、実は明確な定義はありません。ただ、結婚から2、3年以内に離婚してしまうとスピード離婚だと思う方も多いのではないでしょうか。
そのため、同じスピード離婚といっても、結婚期間1ヶ月や半年で離婚する夫婦もいれば、結婚から2、3年ほどの期間を経て離婚する夫婦もいるのです。

ところで、最近では耳にすることはなくなりましたが、1990年代頃からは、「成田離婚」という言葉が使われるようになっていました。こちらも、スピード離婚と同じく、一般的な婚姻よりも短期間で離婚してしまうことを指している言葉です。
バブル期以降は新婚旅行で海外旅行が主流になったことで、新婚旅行から成田空港へと戻った途端に離婚してしまうことから、成田離婚、と言われるようになりました。
現在では、成田離婚という言葉に代わり、スピード離婚と言われることが多くなっています。

さて、そのようなスピード離婚ですが、最短の期間はどれくらいなのでしょうか。
海外の有名人などの離婚に関する報道を見ると、短い人は結婚期間が1ヶ月どころか、1週間もないケースも見受けられます。もちろん、結婚期間が数日から1、2週間、1ヶ月未満というケースは、スピード離婚でも稀な方でしょう。

こうした極端なケースを除き、一般的な場合はどうなのでしょうか。
日本におけるスピード離婚の結婚期間については、厚生労働省の「人口動態統計」という統計資料が参考になります。

同居期間別にみた離婚件数の年次推移
同居期間 令和元年(2019) 令和2年(2020) 令和3年(2021) 令和4年(2022)
1年未満 11,834 10,973 9,853 8,971
1~2年 14,513 13,400 12,701 11,278
2~3年 13,634 12,588 12,043 11,965
3~4年 12,612 11,627 10,535 11,060
4~5年 11,233 10,258 9,378 9,334
総数 208,496 193,253 184,384 179,096

参照:厚生労働省「令和4年(2022年)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より表12「同居期間別にみた離婚件数の年次推移

上の表は、厚生労働省の「令和4年(2022年)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より、表12「同居期間別にみた離婚件数の年次推移」を参考に、同居期間(結婚期間)が5年未満までの夫婦の離婚件数を表にしたものです。
上記表の「同居期間5年未満の離婚件数」に限れば、令和4年(2022年)の離婚件数は、同居期間が2~3年の夫婦の離婚件数が11965件と最も多く、次いで11278件の同居期間1~2年、という結果になりました。

なお、令和元年(2019年)から令和3年(2021)年にかけては、5年未満の離婚件数のうち、同居期間が1~2年の夫婦の離婚件数が、どの年も最多となっています。
令和4年における離婚件数の総数が179096件なので、同居期間が3年未満の「スピード離婚」の割合は、約18%となります。
つまり、1年間の離婚件数のうち、約2割の夫婦が結婚から3年以内にスピード離婚していると言えるのです。

また、人口動態統計ではなく、別の資料からも、日本におけるスピード離婚についての実態を見ることができます。
下の表は、裁判所がホームページにおいて公開している、「司法統計」を参考に作成したものです。

婚姻関係事件数(終局区分別・婚姻期間別)
婚姻期間 調停成立(調停離婚) 調停成立(協議離婚届出) 取下げ(協議離婚成立)
6ヶ月未満 140 1 36
6ヶ月以上 475 9 78
1年以上 1,203 15 146
2年以上 1,169 12 127
3年以上 1,229 20 163

参照:「令和4年 司法統計(第20表 婚姻関係事件数―終局区分別)

夫婦関係に関する調停のうち、調停成立あるいは取下げによって、離婚が成立したケースをまとめました。
婚姻期間が半年未満で離婚しているケースは、約180件となっています。
なお、この数字は家庭裁判所における調停手続きによる離婚に限られますので、夫婦の話し合いだけで成立する協議離婚のケースを含めれば、半年未満でスピード離婚している夫婦の数はさらに増えるでしょう。この約180件のケースの中には、婚姻1ヶ月未満で離婚している夫婦もいるかもしれません。

以上の通り、実はスピード離婚をする夫婦は、一般的にも少なくないのです。
それでは、夫婦はどういった理由から、スピード離婚に至るのでしょうか。結婚1ヶ月や半年での離婚の決断は、そう容易ではないかと思います。
次は、スピード離婚の理由(原因)について、見ていきましょう。

スピード離婚の原因は何?主な5つの理由を解説

夫婦がスピード離婚に至る原因(理由)は、それこそ夫婦の数だけ考えられますが、ここでは一般的な原因(理由)を5つ、ご紹介いたします。

スピード離婚の原因(理由)1.スピード結婚

スピード離婚の原因(理由)の一つ目は、スピード結婚です。
スピード離婚の原因(理由)がスピード結婚とは、一体どういう事なのだと思うかもしれません。
スピード結婚についても明確な定義はありません。ただ、「1年未満の短い交際期間での結婚」した夫婦をみると、スピード結婚だと思う方も多いのではないでしょうか。

30代、40代の年齢の男女が、若いとは言えないからと結婚を急いだり、家族からの「早く結婚しなさい」というプレッシャーから、短い交際期間で結婚を決意することもあります。
交際期間が十分ではなかったために、結婚後に配偶者との価値観の違いに直面することになってしまうのです。
もちろん、スピード結婚をするのは30代、40代の男女だけではありません。20代の若い男女が交際したところ、子供ができたため結婚を選ばざるを得ないといったケースなどもあります。

スピード離婚の原因(理由)2.結婚生活の理想と現実のギャップ

スピード離婚の原因(理由)の二つ目は、結婚生活の理想と現実のギャップになります。
大なり小なり、結婚前には結婚生活に対して理想のイメージを抱かれているかと思います。しかし、描いていた理想の結婚生活に対し、現実の結婚生活が大きく異なったために、そのギャップに対処しきれず、スピード離婚に至ってしまう場合があるのです。

例えば、結婚前には二人で多くの趣味を共有し、週末には旅行を楽しむことを夢見ていたのに、実際には仕事の忙しさや家計の制約で、ほとんど家にいるだけの生活を送ることになるようなケースがあります。

また、あるいは、結婚前には互いのキャリアを尊重し合い、支え合う関係を築くことを理想としていた夫婦が、実際には一方のキャリアが優先され、もう一方が家庭と仕事のバランスに苦しむことになってしまうこともあるでしょう。
さらに、育児の分担を平等にすることを約束していたのに、実際には一方が大部分の負担を担うことになってしまうというケースも考えられます。

このような、理想の結婚生活と現実の結婚生活のギャップが原因(理由)となり、スピード離婚に至ってしまうことが少なくないのです。

スピード離婚の原因(理由)3.配偶者の浮気や不倫

配偶者の浮気や不倫は、スピード離婚に限らず、離婚の原因(理由)としても一般的です。結婚後に不倫をする人もいれば、結婚前から他の異性と交際している人もいます。

こうした夫婦の中には、結婚前に浮気していることを知っていたものの、「結婚して子供ができれば、浮気せずに家族を優先してくれるようになると信じていた。」という人も少なくありません。
配偶者の浮気や不倫が発覚した場合、それでも婚姻生活を続ける夫婦もいれば、傷が浅いうちに、と離婚を決める夫婦もいます。

スピード離婚の原因(理由)4.配偶者のモラハラや借金が露呈した

スピード離婚の原因(理由)の四つ目は、配偶者のモラハラや借金です。
より具体的に言いますと、「結婚前には知らなかった配偶者の借金やモラハラ気質、特殊嗜好や性癖など、隠されていたことが明らかになったため、相手のことを信用できなくなった」ことが原因(理由)のスピード離婚です。
例えば、借金でも非常に金額の少ない借金で、返済の目途も立っているような場合は、受け入れられることもあるかもしれません。

しかし、多くの場合、隠していた事の内容以上に、「隠されていた、自分は信頼されていなかった。」と精神的に傷つき、相手を信用できなくなってしまうことが、離婚を選ぶ原因(理由)に結びついていると考えられます。
信頼感を喪失させるようなこのような行為は、スピード離婚を選択させるほどまでに、相手を傷つける行為なのです。

スピード離婚の原因(理由)5.将来に対する見通しの甘さ

スピード離婚の原因(理由)の五つ目は、将来に対する見通しの甘さです。
将来に対する計画や目標の不一致は、夫婦間の対立の原因(理由)となり得ます。
例えば、結婚前には子供を持つことについて話し合いをしていても、結婚後、夫が本当は子供を望んでいないことが明らかになったり、あるいは経済的に子育てが難しいことが分かった結果、結婚自体を失敗だと感じ、離婚を選択することにつながるのです。

結婚前に、将来に対しての見通しや計画を十分に共有できなかったために、結婚後に深刻な価値観の違いが生じ、夫婦が対立した結果、スピード離婚に至ってしまうことがあるのです。

短期間で離婚する人の10の特徴

 

短期間で離婚する人の10の特徴

 

スピード離婚に至る状況や原因は多々ありますが、スピード離婚する人には、何か特徴はあるのでしょうか。
スピード離婚しやすい人の特徴を把握しておくことで、スピード離婚を事前に回避することができるかもしれません。
それでは、スピード離婚をする人・しやすい人に見られる特徴について、見ていきましょう。

スピード離婚をする人の特徴1.自己中心的な行動を取る傾向がある

自分の要望や気持ちを優先する傾向のある人は、夫婦関係において問題を引き起こす可能性が高いです。例えば、自分の趣味や友人との時間を、配偶者との時間よりも優先することが続けば、夫婦間の溝を深める原因となってしまいます。

このような配偶者を尊重することに欠ける行動は、非常に自己中心的です。配偶者も、こうした態度に「家族である意味があるのか。」と離婚を考えることになりかねません。

スピード離婚をする人の特徴2.子供に関する意見の不一致

子供を持つことに対する考え方が夫婦で異なる場合、これは重要な問題となり得ます。例えば、一方が子供を望んでいるのに対し、もう一方は子供を持つことに消極的である場合、この根本的な違いは、夫婦にすれ違いを生じさせる原因となります。

子供を産むこと、あるいは子供の育て方に関する意見の不一致は、しばしば関係の破綻につながってしまうのです。

スピード離婚をする人の特徴3.感情の起伏が激しい

熱しやすく冷めやすい性格の人は、人間関係において安定性を欠くことがあります。
感情的になりやすい人は、一時的な感情に流されやすく、長期的な関係の維持に問題を生じさせることが少なくありません。
恋愛感情が冷めたり、興味が配偶者以外の対象に移ったりすることもあり、関係を維持する努力を怠る傾向があります。

スピード離婚をする人の特徴4.コミュニケーション不足

配偶者と対等に話し合いができない人や、配偶者とのコミュニケーションを充実させる気のない人など、夫婦間のコミュニケーションに問題があることも、スピード離婚する人に見られる特徴です。
意見の相違がある場合に、建設的な議論を行うことができず、問題を解決するための共有の基盤が形成されにくいです。

夫婦の一方が支配的であったり、他方が意見を述べる機会が少なかったりすると、不満が溜まりやすくなります。

スピード離婚をする人の特徴5.信頼関係の構築に課題を持つ人

信頼関係を築くことが難しい人は、しばしば過去の経験や個人的な不安から他人との深い絆を築くことを避けがちになってしまいます。例えば、過去の失恋や家族間の問題から、配偶者に対しても無意識に距離を置いてしまう場合があります。

このような状況が続いてしまうと、小さな誤解が大きな不信感へと発展し、夫婦間のコミュニケーションが崩壊しやすくなります。結果として、互いの理解や支持が欠けるために、スピード離婚へと進むケースが見受けられます。

スピード離婚をする人の特徴6.配偶者や家族に対して否定的な態度を取る人

配偶者や家族に対して頻繁に批判的な態度を取る人は、夫婦関係においてネガティブな影響を及ぼします。例えば、友人や親戚の前で配偶者の欠点や失敗を話したりして、相手の尊厳を傷つけ、夫婦間で相互に尊重し合う感情が欠ける要因となってしまいます。

このような家庭環境が、相互の信頼と愛情の喪失を招き、最終的にはスピード離婚に至ることがあるのです。

スピード離婚をする人の特徴7.浪費癖のある人

浪費癖も、スピード離婚をする人に見られる特徴の一つです。例えば、家計に無理をしてでも最新のファッションやアクセサリーを購入することに固執し、これが家庭内の金銭的なトラブルを引き起こすことがあります。

このような行動は、家庭の財政安定を脅かし、夫婦間の価値観の不一致を生じさせることがあります。
経済的な価値観のズレが、スピード離婚につながる可能性があります。

スピード離婚をする人の特徴8.見栄や世間体を優先する人

見栄や世間体を重視する人は、外見や他人の意見に影響されやすく、本質的な家庭の問題を見落としがちです。例えば、高価な車や豪華な家を持つことに固執する一方で、配偶者との関係や子どもの幸福を軽視することがあります。

このような価値観のズレは、夫婦間の溝を深め、結婚生活の破綻につながることが多いです。結果的に、これらの問題はスピード離婚に至る要因となることがあります。

スピード離婚をする人の特徴9.浮気や不倫をする人

浮気や不倫をする人は、夫婦関係の基本的な信頼と忠誠心を深く損ないます。このような行動は、配偶者に対する裏切りと見なされ、関係の修復が非常に困難になることが多いです。

浮気や不倫は、夫婦間の信頼を根底から揺るがし、感情的な傷を残します。このような信頼の失墜は、夫婦間の絆を回復不可能なほど弱める可能性があり、多くの場合、スピード離婚に至る原因となるのです。

スピード離婚をする人の特徴10.時間のすれ違いが多い夫婦

時間のすれ違いが多い夫婦は、一緒に過ごす機会が少なく、絆を深めるチャンスが減少します。例えば、一方が仕事や趣味に忙しく、もう一方が家庭での時間を重視している場合、このすれ違いは相互理解の欠如や孤独感を生じさせます。

共通の体験や思い出が少ない夫婦は、結束力が弱くなり、やがてはスピード離婚へと進む可能性が高まります。

財産分与や慰謝料の請求はできる?

スピード離婚の場合に、財産分与や慰謝料の請求は可能でしょうか。
この点、スピード離婚は単純に、通常の離婚の場合よりも婚姻期間が短いというだけなので、財産分与や慰謝料を請求できることに変わりはありません。

財産分与の請求

スピード離婚は婚姻期間が短いため、財産分与に関して言えば、取り決める内容がシンプルで、話し合いがスムーズになることが多いです。
財産分与の対象となる財産は、夫婦が婚姻期間中に協力して形成した「共有財産」になります。
以下のような財産が共有財産にあたります。

  • 預貯金、現金
  • 保険
  • 不動産、住宅
  • 自動車
  • 家具、家電
  • 株式、投資信託

ですが、上記のような財産があっても、それが夫婦の一方が独身時代に形成したものであったり、一方が所持していたものを結婚時に持ち込んで使っているような場合は、夫婦で形成した共有財産とはならないため、財産分与の対象とはなりません。

スピード離婚の場合は、そもそも共有財産が少ないために、財産分与を請求しても、十分な財産を得ることが難しくなるという場合もあります。
スピード離婚をする夫婦の場合、婚姻期間が短いため、財産分与の対象となる共有財産が少なくなるからです。

離婚時の財産分与についての詳しい解説は、こちらの関連記事をご覧いただければと思います。
[離婚時の財産分与とは?共有財産の意味や家・車・貯金などの分与方法を弁護士が解説!]

慰謝料の請求

スピード離婚における慰謝料の請求については、慰謝料を請求できる場合と、慰謝料を請求できない場合とがあります。
スピード離婚に限らず、離婚時に慰謝料を請求できるケースというのは、相手方配偶者が不倫やDV、モラハラをしたなど、婚姻関係を破綻させるような不法行為をしている場合です。
離婚時の慰謝料は、このような配偶者の不法行為に対して被った精神的苦痛に対する損害賠償であるためです。
したがって、スピード離婚において次のような原因があった場合には、慰謝料を請求することができます。

スピード離婚で慰謝料を請求できるケース

  • 配偶者が不倫や浮気をした場合。
  • DVやモラハラなど、精神的または肉体的な暴力行為があった場合。
  • 経済的な虐待、例えば配偶者による経済的資源の制限や適切な経済的サポートの欠如があった場合。
  • 配偶者が他方を遺棄し、無断で家を出て行き家族を放棄した場合(悪意の遺棄)。

一方で、配偶者のどちらにも不法行為や婚姻関係を破綻させる行為がない場合は、慰謝料を請求することができません。

スピード離婚で慰謝料を請求できないケース

  • 離婚理由が性格の不一致や価値観の違いである場合。
  • 思想や信条、金銭感覚の不一致。
  • 配偶者の両親や親族との折り合いが悪い。

慰謝料の金額の相場は、離婚の理由や婚姻期間に応じてさまざまです。
前もって、弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。

世間体が悪い・・・スピード離婚に後悔するケースも

スピード離婚に後悔するケースは珍しくありません。
後悔するケースの中で最も多いのは、スピード離婚をしたことで、世間体の悪さが気になるというものです。
短期間の結婚生活の後に離婚を選択することで、周囲からの評価や社会的な見方に対する不安が生じることがあります。
特に、社会的な規範や期待が強い文化やコミュニティでは、離婚自体が否定的な意味合いを持つことがあるため、スピード離婚をすることで、社会からの目線を気にして後悔することが少なくありません。

多くの場合、スピード離婚は、一時的な感情や勢いによる決断によるものであり、時間をかけて慎重に考える機会が欠けていることが後悔の一因となることがあります。勢いやその時の流れで急いだ決断を下してしまうと、後になって、スピード離婚以外に適切な対処法があったのではないか、という思いに駆られることがあるのです。

また、スピード離婚が子供に与える影響を十分に考慮しなかった場合も、子供が抱える可能性のある精神的ストレスや不安定感に対して、強い後悔を感じることがあります。
スピード離婚によって生じる経済的な変化や困難も、事前に完全には予見できないため、スピード離婚後に生活水準の低下や財政的な不安に直面することになり、スピード離婚に後悔することになるのです。

さらに、夫婦関係を修復するための努力や、カウンセリングなどの選択肢を試さずに離婚を決断したことに対する後悔も見られます。家族や友人、社会的な圧力に影響されて急いで決断した結果、スピード離婚は自分の真の意志に反していたと感じることもあります。
また、配偶者との良好だった関係や共有していた思い出を失ったことに対して後悔することもあります。特に、スピード離婚の場合は、迅速な決断が後々の後悔を招く可能性があるのです。

スピード離婚をして良かったと思えるために

スピード離婚をしたことを後悔しないために、まずは、離婚の決断に至るまでのプロセスにおいて、自分自身の感情や理由をしっかりと理解し、それらが十分に正当化されることが重要です。
また、離婚後の自己成長や新たな人生の展開を前向きに捉えることも重要です。離婚は一つの終わりであると同時に、新しい始まりでもあります。新たな趣味やキャリア、人間関係などに積極的に取り組むことで、人生の次の章に希望を見出すことができます。

さらに、離婚を通じて得た教訓を次の人生の段階に活かすことも大切です。過去の関係から学んだことを自己成長につなげ、より良い人間関係を築くための知見として活用することができます。
子供がいる場合は、子供の幸福と健全な成長を優先することが重要です。子供との関係を保ち、健全な共育ての環境を確立することで、家族としての新たな関係を築くことが可能です。

Q&A

Q1.スピード離婚とは何ですか?

スピード離婚の明確な定義はありませんが、一般的には結婚から2、3年以内に離婚することを指します。

Q2.スピード離婚の原因は何がありますか?

スピード離婚の原因は、人によって様々ですが、一般的には、結婚前に相手のことを十分に知らなかったり、結婚後に相性や価値観の不一致に気づいたり、結婚に対する期待と現実のギャップに失望したりすることが挙げられます。

また、結婚に対する責任感やコミットメントが低かったり、離婚に対する抵抗感が少なかったりすることも、スピード離婚の原因となる可能性があります。

Q3.スピード離婚を回避するためにはどうすればいいですか?

スピード離婚を回避するためには、結婚前に十分なコミュニケーションをとることや、結婚後に互いの尊重や理解を深めることが大切です。また、結婚に対する期待や不安を正直に話し合うことや、結婚生活に慣れるまでの時間を与えることも効果的です。

スピード離婚は、結婚に対する軽い考えや衝動的な決断が原因で起こることが多いので、結婚は一生のことだという意識を持つことが必要です。

弁護士にご相談ください

この記事では、スピード離婚について弁護士が解説させていただきました。
スピード離婚の定義や理由、スピード離婚をする人に見られる特徴といった基本的知識に加え、スピード離婚における財産分与や慰謝料の請求についてもご説明いたしました。
財産分与や慰謝料の請求については、スピード離婚は一般的な離婚と原則は変わりません。ですが、婚姻期間が短いことが、財産分与の対象財産を少なくすることになったりと、スピード離婚時の金銭的請求にはある程度影響があることも事実です。

スピード離婚は世間体やイメージの悪さなどが先行してしまいがちですが、早期に見切りをつけて新しい生活を始めることもできるため、決してデメリットばかりではありません。
スピード離婚をすることを検討している方や、スピード離婚を回避したいとお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽に弁護士にご相談ください。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。

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