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モラハラ夫の特徴チェックリスト|言葉や言動から診断しましょう

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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近年、モラルハラスメント、通称モラハラの問題が社会的に注目されています。特に、ここ数年は離婚調停の申立て理由として上位に「精神的虐待(モラハラ)」が見受けられるようになりました。

その一方で、家庭内では、「モラハラ夫かどうか分からない」などと、被害者がモラハラ被害を認識することが難しいケースが少なくありません。
自分の夫がモラハラ夫か、あるいはモラハラ妻なのか、自分はモラハラ被害者なのか、どのように判断すればいいのでしょうか。

そこで、本記事では、モラハラ夫かをチェックするための特徴をご紹介いたします。
モラハラ夫かを診断できるチェックリストもありますので、ぜひご利用ください。
具体的な行動や言葉、状況から、夫婦の関係が健全か、モラハラ被害を受けている可能性があるかをチェックする参考にしていただければと思います。
本記事のチェックリストを通じて、問題の早期発見と適切な対応を目指しましょう。

目次

モラハラ(モラルハラスメント)とは

結婚してからモラハラ夫だと分かり、モラハラ夫と離婚した、という内容のブログやWEB漫画を、ここ数年でいくつも見かけるようになりました。
それでは、そもそも「モラハラ」とはどういったハラスメントなのでしょうか。

モラハラの意味

モラハラとは、モラル・ハラスメントの略語で、フランスの精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌが提唱し、テレビ番組などで紹介されてから、一般にも知られるようになりました。
「モラル」が倫理や道徳、「ハラスメント」が嫌がらせという意味なので、倫理や道徳に反した嫌がらせ、と解釈されています。

なお、ハラスメントの動詞である「ハラス(harass)」には、しつこく悩ます、間断なく攻撃して悩ます、といった意味があります。つまり、一度や二度の嫌がらせではなく、継続的に繰り返し行われる執拗な嫌がらせ、と言っても過言ではありません。

モラハラは、身体的DVなどの物理的な暴力ではなく、言動や態度による精神的な虐待です。夫に話しかけたのに無視をされた、妻から馬鹿にされたり暴言を浴びせられた、睨まれたり意味もなく不機嫌に振舞われた、といった行為がモラハラに該当します。

モラハラ夫に見られる特徴をチェック!

 

モラハラの主な特徴

 

モラハラ夫の特徴とよく見られる言葉一覧

前述した精神科医イルゴイエンヌや、著書に「モラル・ハラスメントの心理構造~見せかけの愛で他人を苦しめる人~(大和書房)」のある社会学者の加藤諦三によれば、モラハラ加害者には次のような特徴や行動パターンが見られるといいます。

モラハラ加害者の特徴・行動パターン

  • 罪悪感を持たず、他人に責任を押し付ける。
  • 強い者には弱く、弱い者には強い。
  • 際限なく非現実的なほど高い欲求を周囲の人にする。
  • ターゲットにする相手に対し、前に言ったことと今言うことが矛盾していても、何も気にならない。
  • 人を怒鳴っておいて、それが自分にとって不利益になると分かれば態度をがらりと変える。
  • 恩に着せる。
  • 恩を売られるのを拒む。
  • 不安を煽り、解決し、相手に感謝を捧げさせる(マッチポンプ)。その一方で、自分への被害は甚大な被害として扱う。
  • 心(人格)に問題があり、しつこい人であることが多い。

以上が、一般的にモラハラ加害者に見られる特徴とされています。夫にこのような傾向が見られる場合、モラハラ夫である可能性があります。

たとえば、罪悪感を持たせる行動としては、夫が妻に家の掃除を露骨にやってみせるとか、聞こえるくらいの声で家事の文句を言うなどがありえます。

その他にも、恩に着せる行動としては、休日に家事をやったことを自慢げに話すとか、家族のために仕事してやってるというなどがあります。

そして、こういった特徴から、モラハラ夫は下記のような言葉を発することが多いとされています。

モラハラ夫によく見られる言葉一覧

  • 専業主婦は気楽でいいよな。
  • 料理くらいちゃんとできるだろう。
  • 外で働いている人たちを馬鹿にするつもり?
  • 子育てくらい、ちゃんとできないのか。
  • 友達と遊んでばかりで、家事を放っておくつもり?
  • 子供たちの悪いところ、全部お前に似ている。
  • 何でそんなに無駄遣いするんだ。お前が稼いでいるわけじゃないだろ。

これらの言葉一覧や特徴に、思い当たる部分がありましたでしょうか。

それでは、以上の特徴を踏まえた上で、具体的な言動リストをチェックしてみましょう。

【チェックリスト】モラハラ夫診断

それでは、以下のチェックリストに列挙した具体的な言動をチェックしてみましょう。
あなたの夫の言動や態度がチェックリストの項目に当てはまれば、モラハラ夫の可能性があります。チェックリストの項目に当てはまる数が多ければ多いほど、モラハラ夫である可能性も高くなります。

モラハラ夫チェックリスト

☑妻の出した食事が気に入らないと、食事を捨てたり、別の物を食べたりする。
☑自分は自由に買い物をするが、妻の買い物には小言や嫌味を言う。
☑生活費を渡してくれない。
☑体調不良の妻に家事をするよう要求する。
☑「誰のおかげで生活できるんだ」、「主婦だから毎日暇だろう」、「こんな事も知らないの?」などと暴言を吐く。
☑自分は家事や育児を手伝わないが、「俺ならもっと上手くできる」など、軽んじるような発言をする。
☑自分は自由に交際するが、妻の交友関係には口を出し、外出や行動を制限する。
☑妻の携帯を勝手に盗み見てチェックしている。
☑不機嫌さを隠さず、妻の前で舌打ちをする。
☑些細な事で不機嫌になる。
☑怒るタイミングが分からず、突然キレたり怒鳴ったりする。
☑妻が話しかけても無視する。
☑妻の趣味や特技、意欲を否定する。
☑妻のミスや言動を、執拗に理屈っぽく問い詰める。
☑自分に非があっても、人のせい(妻のせい)にする。
☑性交渉を拒否すると不機嫌になる。
☑周囲の人からは「優しい旦那さん」と思われている。

あなたはモラハラされやすい妻?自分をチェック!

最後に、モラハラ夫から被害を受けている妻である可能性があるのか、下のチェックリストでチェックしてみましょう。
現時点ではモラハラ夫から被害を受けていなくても、下記チェックリストの項目に当てはまるものが多い人ほど、モラハラ被害を受けやすい妻の傾向があります。

モラハラ被害チェックリスト

☑相手から責められるのは、自分に非があるからだ、と思ってしまう。
☑相手から何かを言われても、反論することができない。
☑相手が間違っていると思っても、正さずに流してしまう。
☑相手が家にいると常に気を遣う、心が休まらない。
☑相手が帰宅する時間が近づいてくると、具合が悪くなる。
☑自分さえ我慢すれば家庭はうまくいくと思う。
☑自分の洋服や雑貨、消耗品を自由に買えない。
☑相手から理由もなく無視され続けたことがある。
☑自由に美容院に行けない。美容院に行けても髪型を相手に強制される。
☑友人と自由に遊べなくなった。友人と遊ぶのに配偶者の許可が要る。
☑外出すると、早く家に帰らなければとそわそわして落ち着かない。
☑結婚してから、趣味を楽しむことがなくなった。
☑相手の許可がなければ実家に帰省することができない。
☑相手が性交渉を求めてきたら、どんな時でも断れない。
☑いつか相手に分かってもらえる、変わってくれる、と思っている。

夫婦間のモラハラに関するQ&A

Q1.「モラハラ夫」に見られる具体的な特徴や兆候は何ですか?

モラハラ夫の特徴としては、妻の意見や価値観を否定的に捉えること、妻を無視したり、過度に批判したりすることなどが挙げられます。モラハラ夫であると気付くために、本記事のモラハラ夫チェックリストをご活用いただければと思います。

Q2.モラハラ夫かどうかを判断するためのチェックリストはどこで入手できますか?

本記事では、夫がモラハラ夫かをチェックするための、具体的な言動を列挙したモラハラ夫チェックリストを掲載しています。このモラハラ夫チェックリストを通じて、夫婦関係の健全さや、モラハラ夫である可能性をチェックすることができます。

Q3.モラハラ夫の行動を見極めるためのチェックポイントは何ですか?

モラハラ夫の行動を見極めるための主なチェックポイントとしては、本記事のチェックリストにある通り、以下のような具体的な言動が考えられます。

  • 妻の話を中断し、自分の意見を強く主張する。
  • 家計や妻の外出について過度にコントロールしようとする。
  • 妻の過去の失敗を何度も持ち出し、そのことで執拗に妻を非難する。
  • 自分は自由に交友するが、妻の友人や家族との交友を制限しようとする。
  • 妻を貶める言葉や罵倒を繰り返し使う。

まとめ

近年、社会的に注目されているモラルハラスメント、通称モラハラ。
モラハラとは、相手を精神的に追い詰めるような言動や態度を、継続的に繰り返し行う行為のことを指します。

具体的な言動としては、無視、冷たい態度、過度な批判、価値観を否定する発言、絶えず疑う態度などが挙げられます。これらの行動を受けると、自尊心を傷つけられ、精神的なストレスを与えられるため、相手との健全な関係を築くことが難しくなってしまうことが多いです。

こうしたモラハラ行為は、職場に限らず、夫婦間でも見られます。夫婦間でのモラハラ被害は特に、家庭内という狭い環境のため、被害者がその実態をチェックするのが難しく、夫がモラハラ夫であると気付けない妻が少なくないとされています。

本記事では、モラハラ夫の兆候や特徴に焦点を当て、それをチェックするためのチェックリストをご覧いただきましたが、いかがでしたでしょうか。
このチェックリストをもとに、夫婦間の関係が健全であるか、モラハラ夫の可能性があるかの、判断の一助となれば幸いです。

この記事を書いた人

雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

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