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シングルマザーの年収・平均収入は?生活費はいくら必要?

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。
3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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シングルマザーとしての生活は、経済的な面で多くの課題を抱えることが少なくありません。

特に、シングルマザーの年収や平均収入についての関心は高く、どれほどの生活費が必要なのかは多くのシングルマザーにとって切実な問題です。

そこでこの記事では、シングルマザーの平均年収について、正社員かパート・アルバイトかといった雇用形態別の平均年収や、仕事内容別の平均年収などについて、厚生労働省の統計データを基に、詳しく見ていきたいと思います。

また、母子家庭での平均的な生活費はおおむねいくら程必要になるのか、住民税などの税制度上、非課税世帯となる年収の要件はいくらなのか、といった点についても触れていきたいと思います。

この記事が、シングルマザーの年収・収入事情についての理解に少しでも役立ちましたら幸いです。

目次

シングルマザーのお金事情 厚生労働省のデータに見る年収はどれくらい?

それでは、さっそくシングルマザーのお金事情について見ていきましょう。

母子家庭のシングルマザーの平均年収については、厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査」という統計データが参考になります。

本記事でも、厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査」の統計データをもとに、シングルマザーの平均年収について弁護士が解説させていただきます。

なお、この記事におけるシングルマザーの「年収」については、主に「シングルマザー自身が就労によって得る平均年間収入」を意味しておりますので、児童手当や児童扶養手当などの助成金や養育費などは含まれない数字となっております。

母子家庭のシングルマザーの平均収入はどれくらい?

さて、給料収入というのは、そのシングルマザーの雇用形態(正社員かパート・アルバイトか)や、仕事内容(一般事務職、営業、専門職、自営業など)によっても変動します。

まずは、母子世帯のシングルマザーの年収(年間就労収入)の全体的な構成割合についての表を見てみましょう。

下記の表は、厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」の「母子世帯の母の年間就労収入の構成割合」を参考にして、まとめたものになります。

母子世帯のシングルマザーの年収の構成割合(人・%)

総数

100万円未満

100~200万円未満

200~300万円未満

300~400万円未満

400万円以上

955,072人

188,464

264,380

231,134

126,852

144,241

100%

19.7%

27.7%

24.2%

13.3%

15.1%

参考:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査(厚生労働省)

日本には100万世帯を超えるシングルマザー・母子世帯がいるわけですが、その母子世帯のシングルマザーのうち約85%のシングルマザーが、年収400万円未満であるということが分かります。

そして、最も多いのは27.7%を占める「年収100~200万円未満」のシングルマザーであり、次いで多いのは24.2%の「200~300万円未満」のシングルマザーとなりました。

年収300万円未満や400万円未満を、多い・十分であると見るか、少ない・不十分であると見るかは、その人の生活状況によりさまざまでしょう。ですが、例えば2022年(令和4年)に実施された厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、母子世帯における平均家計支出額は、月額21万1000円とのことです。

参考:国民生活基礎調査(厚生労働省)

単純計算で、21万円×12ヶ月となりますから、母子世帯における年間の支出額は、252万円となる計算です。

母子世帯のシングルマザーの年収が300万円未満で、年間支出が250万円では、ほとんど手元にお金が残りませんし、急な病気や入院といった突発的な事態に出費するにも苦心するでしょう。母子の将来に備えて貯蓄に回せるお金も、ほとんどありません。

さて、厚生労働省の統計データから、シングルマザーの年間収入について、もう少し詳しく見てみましょう。

母子世帯のシングルマザーの年収の構成割合(仕事内容別)

仕事の内容

総数(人)

100万円未満

100~200万円未満

200~300万円未満

300~400万円未満

400万円以上

管理的職業

13,312

4.3

10.2

3.7

14.5

67.2

専門的・技術的職業

198,512

4.1

15.9

21.6

23.3

35.1

事務

198,003

8.8

23.8

33.6

16.0

17.8

販売

73,271

16.7

45.9

25.2

7.7

4.6

サ-ビス職業

155,833

18.0

35.3

30.8

10.0

6.0

保安職業

868

0.0

0.0

0.0

0.0

100.0

農林漁業

3,323

27.9

49.6

10.2

12.3

0.0

生産工程

61,549

14.7

45.9

26.5

11.1

1.8

輸送・機械運転

5,703

39.0

14.4

31.7

8.1

6.8

建設・採掘

2,151

36.9

18.9

19.1

25.1

0.0

運搬・清掃・包装等

30,638

22.1

50.5

18.4

6.1

2.9

在宅就業者

1,458

37.0

31.5

0.0

0.0

31.5

個人事業主

39,075

36.0

27.3

20.1

8.1

8.5

その他

35,094

25.9

43.8

15.7

7.2

7.4

不詳

6,581

13.5

28.1

37.7

14.7

6.0

不詳

11,883

31.4

29.7

16.0

15.7

7.3

参考:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査(厚生労働省)

上記の表は、厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」の「現在就業している母の仕事の内容別年間就労収入の構成割合」から抜粋したものになります。

専門的な資格やスキルが必要とされる専門的・技術的職業や、会社内で一定の地位にある管理的職業のシングルマザーは、年収が400万円以上の人の割合が最も多い一方で、特殊なスキルや資格が求められない事務職や販売職などにおいては、年収300万円未満のシングルマザーの割合が多い傾向にあるようです。

シングルマザーの年収の中央値は?

また、同じく「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」の結果報告を参照すると、母子世帯のシングルマザーの年収の中央値がいくらか、といったことも分かります。

中央値とは?

中央値とは、あるデータの値を大きさの順に並べたときに、ちょうど中央に位置する値のことです。具体的には、データを小さい順から大きい順に並べ、その中で位置が中央にある値を指します。データの数が奇数の場合は中央の一つの値が中央値となり、偶数の場合は中央に位置する二つの値の平均が中央値となります。

例えば、「2,4,6,8,10」というデータの場合、中央の値である6が中央値です。

「1,3,5,7,9,11」というデータがある場合は、中央に位置する5と7の平均、つまり(5+7)÷2=6が中央値となります。

シングルマザーの年収の中央値

シングルマザーの年収の中央値に関しては、令和2年は200万円ということでした(参考:令和2年の母子世帯の年間収入状況)。

中央値は、極端に大きい値や小さい値が存在する場合に、平均値よりもデータの典型的な値をより正確に反映することが可能です。

例えば、年収が5000万円のシングルマザーがいた場合、この極端なデータも「平均年収」に反映されるため、算出した平均年収が実態とかけ離れてしまうことがあります。

中央値の場合、データの中央の値を参照するため、より実態に近いシングルマザーの年収が把握できるのです。

パートや正社員・・・雇用形態別の給料事情

さて、次に雇用形態別のシングルマザーの平均年収を見ていきたいと思います。

雇用形態には、フルタイムで働く正社員や、短時間働くパート・アルバイトなどがあります。

正社員は労働時間が多い分、安定した年収を得られることが一般的ですが、家事と子育てをひとりで担うシングルマザーは、なかなか正社員で働けることが少ないです。

特に、子どもが幼い場合は長時間働くことが難しい上、婚姻中に職務経歴が途絶えてしまっているシングルマザーもいるため、就職自体が難しいといった現状です。

そのため、シングルマザーはパートやアルバイトとして給料収入を得る人が多い傾向が見られます。

このような、正社員かパート・アルバイトか、といった違いは、シングルマザーの年収においてどのように影響するのでしょうか。

正社員シングルマザーの平均年収は約300万円、パート・アルバイトは400万円以上はほぼゼロ

それでは、厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」から、「現在就業している母の仕事の地位別年間就労収入の構成割合」を見ていきましょう。

現在就業しているシングルマザーの地位別年間就労収入の構成割合(人)

地位

総数(人)

100万円未満

100~200万円未満

200~300万円未満

300~400万円未満

400万円以上

正社員

413,413

10,465

52,739

125,917

100,804

123,489

派遣社員

30,220

2,734

13,865

10,027

2,180

1,415

パート・アルバイト

322,038

81,868

159,504

66,113

10,040

4,514

役員

7,305

0

1,845

992

920

3,548

自営業

39,420

15,477

9,820

6,916

3,691

3,516

家族従事者

3,336

1,485

1,326

525

0

0

その他

21,520

2,556

8,036

7,968

2,172

787

参考:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査(厚生労働省) 

シングルマザーの人数で地位別の年収を見ると、上記の表の通りになります。正社員として働くシングルマザーは少なくはありませんが、パートやアルバイトとして働くシングルマザーも多く、派遣社員といった安定性に不安の残る雇用形態に就いているシングルマザーも一定数見られます。

こちらのデータについて、さらに分かりやすい割合(%)を見てみましょう。

現在就業しているシングルマザーの地位別年間就労収入の構成割合(%)

地位

100万円未満

100~200万円未満

200~300万円未満

300~400万円未満

400万円以上

正社員

2.5

12.8

30.5

24.4

29.9

派遣社員

9.0

45.9

33.2

7.2

4.7

パート・アルバイト

25.4

49.5

20.5

3.1

1.4

役員

0.0

25.3

13.6

12.6

48.6

自営業

39.3

24.9

17.5

9.4

8.9

家族従事者

44.5

39.7

15.7

0.0

0.0

その他

11.9

37.3

37.0

10.1

3.7

参考:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査(厚生労働省) 

割合で見ると一目瞭然です。正社員のシングルマザーは、年収200~200万円未満の割合が30.5%と最も多いですが、ほぼ同じ割合である29.9%のシングルマザーが、年収400万円以上となっています。

一方で、パートのシングルマザーやアルバイトのシングルマザーについては、100~200万円未満が約50%と半数を占めており、100万円未満が全体の4分の1という結果になっています。

パートのシングルマザーやアルバイトのシングルマザーに関しては、400万円以上の年収を得ているシングルマザーの割合が1.4%と非常に少なく、正社員のシングルマザーと比べて、かなり大きい年収差があることが分かります。

ところで、シングルマザーの年収が少ない一方で、同じひとり親世帯であるシングルファザーの年収はどれくらいあるのでしょうか。

シングルマザーとシングルファザーの地位別年収を比較した場合に、どれくらいの差があるのか見てみましょう。

現在就業しているシングルファザーの地位別年間就労収入の構成割合(%)

地位

総数(人)

100万円未満

100~200万円未満

200~300万円未満

300~400万円未満

400万円以上

正社員

77,800

1.1

1.7

11.1

21.6

64.5

派遣社員

1,440

12.8

29.5

21.5

9.4

26.8

パート・アルバイト

5,661

24.2

34.8

23.6

10.4

7.0

役員

8,977

7.2

5.1

3.5

6.4

77.8

自営業

15,103

12.1

10.4

13.6

23.2

40.6

家族従事者

442

0.0

32.4

35.2

0.0

32.4

その他

776

0.0

0.0

32.8

42.3

24.8

参考:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査(厚生労働省) 

まず、シングルマザーに比べて、そもそもシングルファザーの数が非常に少ないのが特徴的かと思います。

そして、正社員として働くシングルファザーのうち、約65%は400万円以上の年収を得ています。

パートやアルバイトのシングルファザーを見てみると、400万円以上の年収は7%となっており、400万円以上の年収を得ているパート・アルバイトのシングルマザーの5倍いることが分かります。

以上の通り、シングルマザーの年収については、仕事の内容や会社内での地位、雇用形態、就労者の性別によって、かなり異なることがお分かりいただけたかと思います。

収入によっては住民税が非課税になる税金制度も

さて、平均的な年間支出に対して、年収に不安の残るシングルマザーですが、シングルマザーをはじめ低所得者に対しては、税金についても減免の制度が設けられています。

平均年収300万円未満の割合が多いシングルマザーにとって、中でも欠かせない税金制度が、住民税に関する減免の制度になります。

住民税の減免制度は、経済的に困難な状況にある人々が利用できる公的支援の一つです。特にシングルマザーにとっては、家計の負担を軽減するために重要な制度です。この制度は、一定の収入基準を満たしている場合に適用され、住民税の何割かが減額されるか、非課税(全額免除)となる制度です。

年間所得の見積額合計が、生活保護法に基づく最低生活費以下となる場合などに、シングルマザーをはじめとした生活困窮者が、住民税の減免を受けることができます。

この減免は各市区町村において行われ、原則として個人の市民税や都・県民税が減額または非課税となります。 

住民税の減免申請に必要な書類などは、申請の理由によって異なります。一例を挙げますと、解雇、倒産、事業の廃止などの失業等による所得の減少によって住民税の減免申請をする場合は、雇用保険受給者資格者証や廃業届出書など、失業の事実を証明する書類が申請に必要な書類になります。

申請書と必要書類を揃えたら、市区町村役場の担当窓口に提出します。この住民税の減免申請を行うと、担当者による審査が行われ、減免の決定がなされます。収入や資産、生活状況の審査がなされ、減免が不承認となる場合もありますので、注意してください。

住民税の減免割合については、個々の申請事由や自治体によっても異なりますので、事前に確認しましょう。

なお、大阪市の例を挙げますと、シングルマザーなどのひとり親に該当する場合、前年中の合計所得金額が140万円以下(給与収入金額211万5999円以下)の場合は7割減額され、前年中の合計所得金額が145万円以下(給与収入金額218万7999円以下)の場合は5割減額されます。

参考:個人市・府民税の減額・免除制度について(大阪市)

また、住民税が非課税となるケースとしては、次のような場合に非課税となることがあります。

  • 生活保護法の規定による各種扶助を受けている場合
  • 貧困により生活のため公私の扶助を受けている場合

住民税の減免申請を検討する場合は、役所のホームページや窓口で、申請手続きや要件について十分に確認しましょう。

母子家庭の生活費はいくら必要?手当を使って足しにしましょう

さて、収入について見てきましたが、今度は支出について見てみましょう。シングルマザーと子どもの生活で、生活費はいくら必要になるのでしょうか。

この点、本記事でも軽く触れていますが、次のような参考になるデータがあります。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によれば、母子世帯における一月の平均家計支出額は、21万1000円です。

参考:国民生活基礎調査(厚生労働省)

また、総務省が5年ごとに実施している「全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)」の調査結果によれば、母子世帯(母親と18歳未満の未婚の子どもの世帯)のうち、勤労者世帯の消費支出は、19万6379円というデータが出ています。

参考:家計調査 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

こうした統計データから見るに、シングルマザーに必要な生活費は20万円、という目安になるでしょう。

なお、これは平均の金額になりますので、たとえば「子どもが私立の高校に進学する」、「大学に進学する」などの個々の事情によっては、毎月の支出はこれより増えるでしょう。

自身の場合に必要な生活費については、子どもの年齢や人数、高校や大学への進学をどうするのか、といった点についても十分に検討し、早めにシミュレーションをして将来に備えておくことが肝心です。

児童扶養手当などひとり親向けの手当や公的支援制度を利用しましょう

シングルマザーに限らず、低所得者は住民税が非課税になったり、何割か減額されることがあると解説いたしましたが、住民税の減免以外にも、シングルマザーは次のような公的支援制度を利用することが可能です。

  • 生活保護
  • 児童手当
  • 児童扶養手当
  • 住宅手当
  • 医療費助成制度
  • 自立支援給付金
  • ひとり親家庭等日常生活支援事業
  • 公的サービスの手数料の減免
  • 健康保険料・年金保険料の軽減・免除
  • ひとり親控除

生活保護

生活保護とは、最低限の生活を保障するための公的支援制度です。シングルマザーをはじめ、収入や資産が一定基準を下回る家庭が対象となります。家賃や生活費、医療費などが支給され、生活の基本的なニーズを満たすために利用できます。

児童手当

児童手当は、子どもの養育費を支援するために支給される公的手当です。シングルマザーを含む全ての家庭が児童手当の支給対象で、子どもの年齢に応じて金額が異なります。養育費の補助として家計の負担を軽減するために役立ちます。

児童扶養手当

児童扶養手当は、シングルマザーなどのひとり親家庭などに対して支給される手当です。シングルマザーの子どもの数や年齢によって、児童扶養手当の支給額が決定されます。児童扶養手当は、シングルマザーの生活における経済的安定を支える重要な手当です。

住宅手当

住宅手当は、家賃負担を軽減するための支援制度です。シングルマザーなど一定の収入以下の家庭が対象となり、賃貸住宅の家賃の一部が補助されます。住居費の負担を減らし、安定した住環境を確保するために活用できます。市区町村によっては住宅手当を実施していないこともあるため、事前に確認しましょう。

医療費助成制度

医療費助成制度は、医療費の一部または全額を公費で負担する支援制度です。シングルマザーとその子どもが対象となり、病院での診察費や薬代が助成されます。健康管理にかかる費用を軽減し、安心して医療サービスを受けられるようにします。

自立支援給付金

自立支援給付金は、シングルマザーが自立を目指すための支援金です。職業訓練や教育費用の一部を補助することで、安定した収入源を確保するためのスキル向上を支援します。経済的な自立を助ける重要なサポートです。

ひとり親家庭等日常生活支援事業

ひとり親家庭等日常生活支援事業は、シングルマザーの日常生活を支援するためのサービスです。家事代行や育児サポートを提供し、家庭の負担を軽減します。仕事と育児の両立をサポートし、生活の質を向上させます。

公的サービスの手数料の減免

シングルマザーは、公的サービスの手数料減免を受けることができます。これには、保育料や教育費、公共施設の利用料などが含まれます。経済的負担を減らし、必要なサービスをより利用しやすくします。

健康保険料・年金保険料の軽減・免除

健康保険料や年金保険料の軽減・免除は、シングルマザーの経済的負担を軽減するための支援です。一定の収入以下の場合、保険料が減額または免除されます。これにより、必要な社会保障を維持しながら生活費の圧迫を避けることができます。

ひとり親控除

ひとり親控除は、シングルマザーが税制上の優遇を受けるための控除です。所得税や住民税の負担が軽減され、手取り収入が増える効果があります。これにより、生活費の一部が補填され、経済的な安定を支援します。

以上が、シングルマザーの利用が想定される主な公的手当や支援制度になります。これ以外にも、市区町村ごとに実施しているシングルマザー支援や、民間企業・団体によるシングルマザー支援もありますので、自身にあった支援制度やサポートを利用しましょう。

なお、上記の「児童扶養手当」や「ひとり親控除」、「住宅手当」といったシングルマザー向け支援制度については、こちらの関連記事で詳しく解説しております。ぜひ、合わせてご覧いただければと思います。



母子家庭の年収に関するQ&A

Q1.母子家庭のシングルマザーの平均年収はどれくらいですか?

母子家庭のシングルマザーの平均年収は、一般的には約200万円から300万円程度とされています。しかし、地域や就業状況、職種によって大きく異なる場合があります。パートタイムやアルバイトで働くシングルマザーは、フルタイムで働く場合よりも低い年収となる傾向があります。

Q2.離婚してシングルマザーになることを考えています。離婚後の生活費の目安はいくらでしょうか?

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によれば、母子世帯における一月の平均家計支出額は、21万1000円です。総務省の「全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)」の調査結果によれば、19万6379円というデータが出ています。

したがって、シングルマザーの生活費としては、20万円が目安と考えられるでしょう。

Q3.母子家庭のシングルマザーの年収が一定以下の場合に利用できる公的支援にはどのようなものがありますか?

母子家庭のシングルマザーの年収が一定以下の場合に利用できる公的支援には、児童扶養手当、生活保護、児童手当、住宅手当、医療費助成制度、自立支援給付金などがあります。また、シングルマザーはじめ低所得者については、住民税などの税金制度上の優遇措置もあります。

これらの支援を活用することで、シングルマザーの経済的な負担を軽減し、母子の生活の安定を図ることができます。

当法律事務所の弁護士にご相談ください

シングルマザーの年収は、家庭の経済状況や生活の質に直結する重要な要素です。本記事では、シングルマザーの平均年収について、さまざまなデータをもとに解説させていただきました。

同時に、シングルマザーが生活する上で、どれくらいの生活費が必要なのか、といったことについても、統計資料をもとに簡単にご紹介させていただきました。

本記事でも解説した通り、母子家庭のシングルマザーは正社員としての仕事に就労しづらい傾向がありますが、シングルマザー向けのさまざまな支援制度やサポートサービスをうまく利用して、シングルマザーとしての生活を快適なものにしていただければと思います。

さて、年収の悩み以外にも、母子家庭のシングルマザーとしての悩みや、公的支援制度を利用する上での疑問、法的問題に関する相談などがありましたら、ぜひ弁護士にお問い合わせください。

当法律事務所では、法律相談を初回無料とさせていただいております。法律相談のご予約は、お電話やWeb予約フォームにて受け付けておりますので、お気軽にご利用ください。

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雫田 雄太

弁護士法人あおい法律事務所 代表弁護士

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

 

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。

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