相続登記の必要書類|法務局で提出する必要書類を一覧表で解説

相続手続き

更新日 2026.01.15

投稿日 2024.06.11

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

弁護士法人あおい事務所の相続専門サイトをご覧いただき、ありがとうございます。当サイトでは、相続に関する法的な知識を分かりやすくお届けしております。皆様のお悩みの解消に少しでもお役立ちできましたら幸甚です。

2024年4月1日より、不動産を遺産相続した場合には相続登記が義務化されました。相続発生後3年以内に、法務局での所有権移転にともなう名義変更手続きを必ず行わなければなりません。

ですが、法務局での手続きと聞くとハードルが高く感じられ、日常的にする手続きでもないため、具体的なイメージがわかないという方もいらっしゃるかもしれません。

相続登記をスムーズに進めるためには、手続きに必要な書類について把握しておくことが重要です。
そこで本記事では、遺言書による遺産相続の場合や、遺産分割協議による場合、法定相続分に従って相続する場合など、ケース別での相続登記の必要書類を、一覧表でご紹介いたします。

必要書類ごとの集め方・作り方や、申請書と添付書類の正しい綴じ方などについても解説させていただきます。

相続登記が控えている方にとって、本記事がご参考となりましたら幸いです。

目次

相続登記の必要書類

1.相続登記の必要書類の提出先

相続登記とは、遺産相続によって不動産を取得した際に、現在の持ち主の名義から新しい持ち主の名義へ書き換える手続きのことです。

不動産の所有権者が変わる原因には、遺産相続の他にも売買や贈与があり、その際に行う名義変更の手続きを「所有権移転登記」と呼びます。その所有権移転登記のうち、特に相続を原因とするものについて、一般的に相続登記と呼ばれています。

相続登記の申請は、対象となる不動産を管轄する法務局に必要書類を提出することで行います。

参考:管轄のご案内(法務局)

管轄を誤ると申請が却下されてしまう可能性があるため、事前に確認しておくことが大切です。

必要書類の提出方法

  1. 窓口での申請

    直接、管轄の法務局の窓口に必要書類を提出する方法です。申請書類を窓口で直接提出し、その場で職員のアドバイスを受けながら必要な修正を加えることができます。

  2. 郵送申請

    郵送で申請することも可能です。必要書類を送付する際には、「相続登記申請書在中」と封筒に明記し、書留で送ることが一般的です。郵送は便利ですが、書類に不備があると手続きが遅れてしまったり、郵便物が紛失してしまったりするリスクもあるため、注意しましょう。

  3. オンライン申請

    オンラインでの申請も可能です。「登記・供託オンライン申請システム」で、ICカードリーダーやマイナンバーカードの電子証明書を利用して手続きを進めます。時間や場所を選ばずに行えるため便利ですが、電子申請による手続きに不安がある場合は、窓口や郵送で申請手続きを進めることをおすすめいたします。

法務局での相続登記の必要書類と集め方

1.不動産の所有権移転登記(名義変更)の必要書類と自分で集める方法

1-1.遺産分割協議書

遺産分割協議によって相続する場合、話し合いが成立したことを証明するために、遺産分割協議書の提出が必要となります。
相続人全員で話し合いを行い、合意した内容を書面にまとめ、全員が署名押印することで遺産分割協議書が完成します。

1-2.被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等

相続登記においては、被相続人の戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍といった戸籍謄本等の提出が必要です。被相続人の生涯を通じて、家族関係がどのように変遷したかを詳細に示すために活用されます。

具体的には、被相続人の出生時に作成された戸籍に始まり、結婚や住所変更、家族構成の変化が反映された各時点での戸籍謄本が必要となります。そのため、筆頭者が変わるたびに新たに作成される戸籍、法律の改正に伴い再作成された戸籍、結婚や転籍によって新しく作成される戸籍など、出生から亡くなるまでの全ての戸籍履歴を網羅する必要があるのです。

場合によっては、被相続人が亡くなったことによって作成される「除籍謄本」や、過去にさかのぼって修正された「改製原戸籍」も含まれることがあります。

被相続人の戸籍謄本等の集め方

戸籍謄本は、本籍地の市区町村の役所で取得することができます。

まず、被相続人の最後の本籍地の役所で、亡くなった時点の戸籍謄本を取得します。
もし最後の本籍地がわからない場合は、被相続人の住民票の除票を取得することで、本籍地を確認できます。除票とは、被相続人の住民登録が削除された記録であり、本籍地が記載されています。

取得した戸籍謄本を確認し、「転籍」などの記載があれば、転籍前の本籍地で戸籍謄本類を取り寄せます。「従前の記録」や「従前本籍」を基に、被相続人の出生時からの戸籍謄本がすべて揃うまで遡って集めましょう。

なお、後述の法定相続情報一覧図を提出する場合は、戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍の提出が不要になることもあります。

1-3.相続人全員の戸籍謄本

相続人がと相続人との関係を確認し、相続権があることを証明するためには、相続人の戸籍謄本の提出が必要です。

相続人の場合は、相続発生時に相続人であるということを示すために必要となるので、出生まで遡る必要はなく、現在有効な戸籍謄本を提出することで足ります。

相続人全員の戸籍謄本の集め方

本籍のある市区町村役場で交付申請をします。手続きには、戸籍証明書等の交付申請書、本人確認書類、印鑑のほか、一通につき450円の手数料が必要です。役所に直接行けない場合は、郵送で手配することもできますが、1週間程度の日数がかかってしまうため、余裕を持って集めましょう。

なお、2024年(令和6年)3月1日以降、戸籍謄本の広域交付制度が導入され、本人及び直系親族(配偶者、両親、祖父母、子、孫)の戸籍謄本や除籍謄本について、最寄りの市区町村の役所でまとめて取得することが可能になりました。利用する際には、顔写真付きの本人確認書類(免許証やマイナンバーカードなど)を持参し、本人が直接役所の窓口に出向く必要があります。代理人による申請や郵送での利用はできません。

また、兄弟姉妹や叔父・叔母、甥・姪などの戸籍謄本は、この広域交付制度の範囲外となりますので、従来通り本籍地の市区町村の役所で直接請求する必要があります。

1-4.対象不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)

相続登記を行う際には、対象不動産の最新の登記簿謄本(登記事項証明書)が非常に重要です。

「登記事項証明書」と「登記簿謄本」は、登記されている事項を証明するという点で同じ効力を持つ書類ですが、登記簿の全部を紙に複写して証明した者が「登記簿謄本」で、コンピュータ管理されたものが「登記事項証明書」と呼ばれています。

登記申請の際に直接添付する書類ではありませんが、登記簿謄本には不動産の所有者名、面積、地目などの詳細が記載されているため、登記申請書を作成する際に必要な書類となるのです。

登記簿謄本(登記事項証明書)の集め方

登記簿謄本(登記事項証明書)は、法務局の窓口で申請するのが一般的です。郵送やオンラインによる交付申請も受け付けています。

登記所の窓口で取得する場合は、備え付けの申請書に必要事項を記載し、提出します。取得にあたって、管轄の法務局である必要はなく、全国どこの登記所でも証明書を取得することが可能です。申請にあたり、印鑑や身分証明書は必要ありませんが、1通あたり600円の手数料を収入印紙で支払う必要があります。

郵送での申請の場合は、法務局のホームページから申請書をダウンロードして記入し、1通あたり600円の収入印紙をと返送用封筒を同府し送付します。この場合も、不動産の管轄の法務局である必要はありません。

オンライン申請では、利用者登録後にウェブ上で申請を行います。証明書は郵便か法務局の窓口で受け取ることができ、請求の際に選べます。オンライン申請の料金は、郵送受け取りの場合1通あたり500円、法務局の窓口で受け取る場合は1通あたり480円になります。ネットバンキングでの支払いも可能です。

登記事項証明書には複数の種類がありますが、「登記全部事項証明書」は全ての登記情報が確認できるため、全部事項証明書の交付申請がおすすめです。

1-5.被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)

不動産の登記簿上の所有者と被相続人が同一人物であることを確認するために必要になります。

前述の登記簿謄本には、不動産の所有者の住所・氏名が記載されていますが、戸籍謄本には本籍地と氏名がある一方、住所は記載されていません。このため、被相続人の住所情報を確認するため、住民票の除票が用いられることになるのです。

住民票の除票は、被相続人の住民登録が削除された際の記録なので、被相続人の最終的な住所を確認することができます。

なお、被相続人が生前に住所変更を行い、その変更が不動産登記簿に反映されていないこともあります。このように、不動産登記簿に記載されている住所と被相続人の最新の住民票の住所が異なる場合には、住民票の除票ではなく「戸籍の附票」が活用されます。

戸籍の附票は、被相続人の戸籍が作成された時から除籍されるまでの住所の変遷を記録した書類です。戸籍の附票で被相続人の住所変更の履歴を確認でき、不動産登記簿上の住所との照合が可能になるため、登記名義人と被相続人が同一であることが証明できるのです。

被相続人の住民票の除票の集め方

被相続人の最後の住所のある市区町村役場で取得可能です。遠方で直接取得できない場合は、郵送での申請も検討しましょう。

取得に際して、住民票の写し等交付申請書、本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)、1通あたり300円の手数料、そして被相続人との関係がわかる書類(申請者の戸籍謄本など)が必要になります。

取得する住民票は、本籍地記載のある住民票にしましょう。続柄の記載は省略せずに交付申請してください。

1-6.登記申請書

登記申請書は、不動産の所有権変更などの登記を申請する際に必要です。申請者の情報、不動産の情報、必要な登記の種類などについて、登記簿謄本等を参考にしながら記入します。

法務局のホームページに、登記申請書の様式と記載例が掲載されていますので、ダウンロードして活用しましょう。

参考:不動産登記の申請書様式について(法務局)

登記申請書の作成ポイント

登記申請書が複数枚にわたる場合、全てのページが一続きの書類であることを証明するために、ページをホチキスでとめた上で、文書の綴じ目に印鑑で押印しましょう(契印)。申請人が2人以上いる場合には、そのうちの1人が契印することで足ります。

些細な誤字脱字などの記入ミスがあった場合、その場での修正が可能なこともありますが、申請前にしっかり確認し、必要に応じて修正しておきましょう。

また、「登記識別情報の通知を希望しません」の選択肢には、原則としてチェックを入れないようにしてください。登記識別情報は、将来的に不動産を売却する際や担保に設定する際に必要となります。登記識別情報がないと余計な費用や手間が発生してしまうことがあるため、チェック欄は空けておきましょう。

1-7.相続関係説明図(法定相続情報一覧図)

相続関係説明図は、亡くなった被相続人と相続人間の関係を明確に示した図のことで、自分で作成します。この図を使用することで、相続人同士の関係を一目で理解することができます。相続関係説明図を提出することで、戸籍謄本等の原本を返却してもらうことが可能となる、というメリットが挙げられます。

法定相続証明情報一覧図とは、法務局で定められた様式に従って作成し、登記官による証明を受けた相続関係説明図のことです。戸籍謄本の代わりとして使用できるため、法定相続情報一覧図の写しを提出する場合は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等などの書類の提出を省略することが可能です。

法定相続情報一覧図は、相続登記の手続きと同時に申請することも可能です。相続の手続きで非常に役立つため、相続登記の際にはあわせて申請することをおすすめいたします。

相続関係図に決まった書式はありませんが、法定相続情報一覧図の書式と記載例が参考になりますので、ぜひご確認ください。

参考:主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例(法務局)

1-8.固定資産評価証明書

相続登記をする際には、登録免許税を納付する必要があります。この登録免許税を算出する際に必要となる書類が、固定資産評価証明書です。

固定資産評価証明書に記載されている「価格」の部分には、固定資産の税評価額が明記されており、この評価額を基に登録免許税が計算されます。

登録免許税の計算ですが、まず、固定資産税評価額から1,000円未満の部分を切り捨てます。その金額に0.004(0.4%)を乗じ、得られた税額からさらに100円未満を切り捨てることで、最終的な登録免許税が決定されます。

固定資産評価証明書の集め方

固定資産評価証明書は、被相続人の本籍地がある市区町村役場で取得することができます。郵送での手配も可能です。

申請には、固定資産評価証明書の交付申請書、本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)、被相続人の住民票の除票やその他死亡を証明する書類、そして被相続人との関係を証明する書類(例えば、申請者の戸籍謄本)が必要です。
申請書には不動産の地番や家屋番号を記入する必要がありますので、登記事項証明書の申請時に使った情報を記録しておくと良いでしょう。手数料は1通あたり300〜400円程度となります。

特に、一戸建ての不動産を相続する場合、土地と建物それぞれに評価額が設定されているため、両方の固定資産評価証明書が必要になることがあります。そのため、土地と建物の登録免許税をそれぞれ支払う際には、評価証明書を2通取得する必要があります。

1-9.印鑑証明書

印鑑証明書は、遺産分割協議書や契約書などに押印された印鑑の印影が、市区町村に実印として登録された印影と同一であることを公的に証明するための書類です。相続登記においては、遺産分割協議書に押印された印鑑が本人のものであることを証明するために、印鑑証明書の提出が求められています。

一般的な相続登記で必要となる印鑑証明書は、作成後3か月以内のものとされています。ですが、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書については、期間制限はありません。

印鑑証明書の集め方

印鑑証明書は、印鑑登録のある市区町村役場で発行されます。原則として、役所の窓口で印鑑登録証(カード)と印鑑登録証明書交付申請書を提出して交付してもらいます。マイナンバーカードがあれば、コンビニエンスストア等店舗のマルチコピー機で手軽に入手することが可能です。
郵送での交付申請に対応していない自治体もあるため、あらかじめ入手方法を確認しておくとスムーズです。

1-10.登記済権利証(登記識別情報通知)

相続登記が完了すると法務局から発行される「登記済権利証(登記識別情報通知)」という書類があります(不動産登記法第21条)。

(登記識別情報の通知)
不動産登記法第21条 登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。

平成17年(2005年)の不動産登記法改正により、紙だった登記済権利証に代わり、オンライン申請にも対応可能な「登記識別情報」制度が導入されました。一般的に「権利証」と呼ばれることが多いです。

登記済権利証(登記識別情報通知)には、不動産の所在地番が記載されています。そのため、基本的な相続登記の手続きで使われないのですが、相続登記の添付情報として例外的に利用されたり、共同相続人全員が登記義務者となるときの共同申請で利用されたりすることがあります。

2.相続人1人の場合の必要書類の注意点

遺産分割協議によって相続登記をする場合は、遺産分割協議書の提出が必要となるのが原則です。ですが、相続人が1人しかいない場合は、遺産分割協議書の提出が不要となります。相続人が複数いて相続財産が共有状態にある場合に、その共有状態を解消するために行われるのが遺産分割協議なので、相続人が1人しかいない場合、共有状態の問題が生じないためです。

3.数次相続がある場合の必要書類の注意点

数次相続(複数いる相続人のうち1人が亡くなるなどし、相続が複数回重なること)が発生するケースも考えられます。

この場合、新たに相続人となった人を加えて、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成することになります。
もし現在の相続人が1人で、他の相続人がいる時点で遺産分割協議をしても遺産分割協議書を作成していなかったという場合には、遺産分割協議証明書を作成することになります。

加えて、最初の相続と新たに発生した相続との両方に関する戸籍謄本類が必要です。

数次相続の場合、一度の登記申請で名義変更が完了しないこともありますので、法務局などで相談しつつ適切に対応しましょう。

相続登記の必要書類一覧表

相続が発生した際に不動産の名義変更を行う「相続登記」は、遺言書の有無や遺産分割の内容によって、申請の必要書類が異なります。具体的には、遺言に従う場合、遺産分割協議書に基づく場合、または法定相続分に従う場合など、手続きの種類ごとに変わってきます。

以下では、一般的な家族構成における相続登記の必要書類について、一覧表でご紹介いたします。書類の入手先などについても簡単にまとめてありますので、ご参考にしていただければと思います。

1.遺産分割協議による相続登記の必要書類

遺言がなく、複数の相続人がいる場合、誰がどの財産を受け取るかは遺産分割協議で話し合って決まります。遺産分割協議で相続人全員が合意した結果を遺産分割協議書にまとめることになりますが、遺産分割協議による相続登記を進めるには、この遺産分割協議書が必要不可欠です。

また、被相続人の戸籍謄本については、出生から死亡に至るまでの全ての戸籍謄本類(除籍謄本や改製原戸籍を含む)を用意する必要があります。不動産を取得しない相続人も含めて、全相続人の戸籍謄本が求められるため、なるべく早めに準備を進めておくことが重要です。

必要書類 入手先 備考
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 住民票の除票:被相続人の住所地の市区町村役場
戸籍の附票:本籍地の市区町村役場
被相続人が死亡したことを証明するもの。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍) 被相続人の本籍地の市区町村役場 誰が相続人なのかを証明するもの。
相続人全員の戸籍謄本 各自の本籍地の市区町村役場 相続人となったことを証明するもの。
※被相続人の死亡日以降に発行されたもの。
相続人全員の印鑑証明書 各自の住所地の市区町村役場 遺産分割協議書に押印した印鑑が本人であることを証明するもの。
固定資産課税明細書(固定資産評価証明書) 毎年4月頃に市区町村から送付(固定資産評価証明書は不動産所在地の市税事務所または市区町村役場) 不動産の評価額を証明するもの。
※登記申請をする日の属する年度のものが必要。
所有者になる相続人の住民票 新所有者の住所地の市区町村  
遺産分割協議書 相続人全員で作成 相続人全員で話し合って決めた遺産の分け方を記載したもの。
※相続人全員の記名押印が必要。
登記申請書 法務局HP 法務局に提出する申請書
委任状 新所有者と代理人で作成 代理人が申請する場合にのみ必要。
相続関係説明図 遺産分割協議書と合わせて作成するのが一般的 相続関係をわかりやすく図表にしたもの。
※戸籍・除籍謄本(抄本)の原本の還付を希望しない場合は不要。

2.法定相続分で相続する場合の相続登記の必要書類

遺言がなく、遺産分割協議が行われなかった、または協議に至らなかった場合、法定相続人は自動的に法定相続分に基づいて不動産を相続することになります。この際、相続登記に遺産分割協議書や印鑑証明書の提出は不要ですが、その他の必要書類は遺産分割協議に基づく登記申請の場合と同様です。

必要書類 入手先 備考
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 住民票の除票:被相続人の住所地の市区町村役場
戸籍の附票:本籍地の市区町村役場
被相続人が死亡したことを証明するもの。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍) 被相続人の本籍地の市区町村役場 誰が相続人なのかを証明するもの。
相続人全員の戸籍謄本 各自の本籍地の市区町村役場 相続人となったことを証明するもの。
※被相続人の死亡日以降に発行されたもの。
固定資産課税明細書(固定資産評価証明書) 毎年4月頃に市区町村から送付(固定資産評価証明書は不動産所在地の市税事務所または市区町村役場) 不動産の評価額を証明するもの。
※登記申請をする日の属する年度のものが必要。
住民票 各自の住所地の市区町村  
登記申請書 法務局HP 相続人が複数いる場合、法定相続分に従って登記をするのであれば、相続人全員で申請するほか、相続人のうち1名が相続人全員分を申請することができる。
委任状 新所有者と代理人で作成 代理人が申請する場合にのみ必要
相続関係説明図 遺産分割協議書と合わせて作成するのが一般的 戸籍・除籍謄本(抄本)の原本の還付を希望しない場合は不要。

3.遺言により法定相続人が相続登記する場合の必要書類

遺言書による相続は、遺産分割や法定相続分による相続登記と比較して、必要書類が少ないことが大きな利点です。

具体的には、被相続人に関しては、出生から死亡までの戸籍謄本を全て揃える必要がなく、遺言に名前が記載されている相続人に限って必要書類を提出します。また、不動産を取得しない相続人については、その人の戸籍謄本の提出も不要です。

遺言の中でも、自筆証書遺言に関しては、法務局で保管されている遺言書の場合は検認の手続きが必要ありませんが、法務局で保管されていない自筆証書遺言は検認が必要となります。

必要書類 入手先・保管場所 備考
遺言書(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言) 自筆証書遺言:自宅や法務局で保管
公正証書遺言:公証役場で保管
秘密証書遺言:自宅等で保管
自筆証書遺言書が法務局に保管されている場合は「遺言書情報証明書」が必要、法務局で保管されていない場合は、家庭裁判所での検認が必要。
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 住民票の除票:被相続人の住所地の市区町村役場
戸籍の附票:本籍地の市区町村役場
被相続人が死亡したことを証明するもの。
被相続人の死亡の事実の記載のある戸籍謄本 被相続人の本籍地の市区町村役場 遺贈の効力発生の日を証するために必要。
新所有者になる相続人の戸籍謄本 新所有者の本籍地の市区町村役場 被相続人の死亡日以降に発行されたもの。
固定資産課税明細書(固定資産評価証明書) 毎年4月頃に市区町村から送付(固定資産評価証明書は不動産所在地の市税事務所または市区町村役場) 不動産の評価額を証明するもの。
※登記申請をする日の属する年度のものが必要。
新所有者になる相続人の住民票 新所有者の住所地の市区町村  
登記申請書 法務局HP  
委任状 新所有者と代理人で作成 代理人が申請する場合にのみ必要。
相続関係説明図 遺産分割協議書と合わせて作成するのが一般的 戸籍・除籍謄本(抄本)の原本の還付を希望しない場合は不要。

4.遺言により法定相続人以外の人が相続登記する場合の必要書類

遺言によって、法定相続人以外の人に遺産を承継させることを「遺贈」といいますが、この場合の相続登記の必要書類は、法定相続人が遺言によって相続する場合と以下のとおり異なります。
遺贈において遺言執行者が選任されている場合には、遺言執行者の印鑑証明書が必要になります。遺言執行者が被相続人などではなく、家庭裁判所によって選任されている場合には、印鑑証明書のほかに遺言執行者選任審判謄本も必要となります。

必要書類 入手先・保管場所 備考
遺言書(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言) 自筆証書遺言:自宅や法務局で保管
公正証書遺言:公証役場で保管
秘密証書遺言:自宅等で保管
自筆証書遺言書が法務局に保管されている場合は「遺言書情報証明書」が必要、法務局で保管されていない場合は、家庭裁判所での検認が必要。
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 住民票の除票:被相続人の住所地の市区町村役場
戸籍の附票:本籍地の市区町村役場
被相続人が死亡したことを証明するもの。
被相続人の死亡の事実の記載のある戸籍謄本 被相続人の本籍地の市区町村役場 遺贈の効力発生の日を証するために必要。
受遺者の戸籍謄本 新所有者の本籍地の市区町村役場 被相続人の死亡日以降に発行されたもの。
固定資産課税明細書(固定資産評価証明書) 毎年4月頃に市区町村から送付(固定資産評価証明書は不動産所在地の市税事務所または市区町村役場) 不動産の評価額を証明するもの。
※登記申請をする日の属する年度のものが必要。
受遺者の住民票 新所有者の住所地の市区町村  
登記申請書 法務局HP  
委任状 新所有者と代理人で作成 代理人が申請する場合にのみ必要。
相続関係説明図 遺産分割協議書と合わせて作成するのが一般的 戸籍・除籍謄本(抄本)の原本の還付を希望しない場合は不要。
遺言執行者の印鑑証明書 市区町村役場 遺言執行者が選任されている場合に必要。発行後3か月以内のもの。
遺言執行者選任審判謄本 家庭裁判所 家庭裁判所で選任されている場合に必要。
相続人全員の印鑑証明書 市区町村役場 遺言執行者が選任されていない場合に必要。発行後3か月以内のもの。

5.遺産分割調停による相続登記の必要書類

遺産分割調停によって不動産を相続する人が決まり、登記申請をする場合、戸籍謄本等の提出を省略することができます。家庭裁判所が発行する調停調書において、すでに戸籍謄本等により相続関係が確認されているからです。そのため、一般的に以下のとおりとなります。

必要書類 入手先 備考
遺産分割調停調書(正本または謄本) 家庭裁判所  
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 住民票の除票:被相続人の住所地の市区町村役場
戸籍の附票:本籍地の市区町村役場
被相続人の登記上の住所と死亡時の住所が異なる場合で、その相違を調停調書の記載から確認できない場合に必要。
固定資産課税明細書(固定資産評価証明書) 毎年4月頃に市区町村から送付(固定資産評価証明書は不動産所在地の市税事務所または市区町村役場) 不動産の評価額を証明するもの。
※登記申請をする日の属する年度のものが必要。
登記申請書 法務局HP  
委任状 新所有者と代理人で作成 代理人が申請する場合にのみ必要。
新所有者の住民票 新所有者の住所地の市区町村  

登記申請書と添付書類の綴じ方

1.申請書と添付書類の順序

相続登記の必要書類の提出順序について確認しておきましょう。書類の順序が異なるからといって登記申請を受け付けてもらえない、というわけではありませんが、一般的に推奨される並べ方となります。

申請書と添付書類の順序

  • 登記申請書
  • 収入印紙貼付台(登記手数料を支払った証明)
  • 委任状(代理人が手続きを行う場合のみ)
  • 相続関係説明図
  • 遺産分割協議書または遺言書(コピー)
  • 印鑑証明書(コピー)(遺産分割協議による相続の場合のみ)
  • 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票(コピー)
  • 不動産を取得した人の住民票(コピー)
  • 固定資産評価証明書(コピー)
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等、相続人の現在戸籍(原本)
  • 遺産分割協議書または遺言書(原本)
  • 印鑑証明書(原本)(遺産分割協議による相続の場合)
  • 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票(原本)
  • 不動産を取得した人の住民票(原本)
  • 固定資産評価証明書(原本)

2.登記申請書と添付書類の綴じ方

登記申請書と添付書類の綴じ方は、以下のとおりとなります。

  1. 登記申請書と収入印紙の台紙を綴じる
    まず、登記申請書と収入印紙が貼られた台紙を重ね、ホッチキスで綴じます。これが申請書類の基本となります。
  2. 原本還付される書類のコピーを綴じる
    原本の返却を受ける書類のコピーを順に重ねます。一番上の書類に「この写しは、原本と相違ありません」と記載し、申請人の氏名を書き、申請時に使用した印鑑で押印します。全ページの綴じ目にも契印をして、ホッチキスで綴じます。
  3. 法務局で保管される書類の原本を綴じる
    原本の返却を受けられない書類をまとめ、ホッチキスで綴じます。
  4. 原本還付される書類の原本をまとめる
    原本還付される書類の原本は、返却後の用途などを考慮し、ホッチキスではなくクリップなどでまとめます。ホッチキスで綴じても問題はありません。法務局には、手順②でホッチキスで綴じたコピーが保管されることになります。
  5. 全体をまとめる
    手順①から④まででまとめた書類を、最後に大きなクリップなどで一緒に留めます。

3.提出した書類の原本還付と契印

「原本還付」とは、提出した書類の原本を後で返却してもらうことです。戸籍謄本など、相続登記以外の相続手続き(銀行口座の解約など)でも使う書類については、コピーを提出することで、登記完了後に原本を返却してもらうことができます。

原本還付のためのコピーの束を作る際には、全てのページが1つにまとめられたものであり、欠落や改ざんがないことを証明するために、契印が重要です。全ページの綴じ目に、登記申請書に押印したものと同じ印鑑を使って押印しましょう。

4.相続登記の必要書類はコピーでもいい?

原則として、原本でなければなりません。提出した原本は基本的に返却されないため、戸籍謄本や住民票などを他の手続きでも使用したいときには、前述の「原本還付」を活用しましょう。ただし、印鑑に関する証明書や、その登記申請のためだけに作成された委任状などについては、原本還付してもらうことはできません(不動産登記規則第55条1項)。

(添付書面の原本の還付請求)
不動産登記規則第55条1項 書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、令第十六条第二項、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第三号(第五十条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第二項第三号若しくは第百五十六条の六第二項(第百五十六条の七第二項後段において準用する場合を含む。)の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。

なお、法定相続情報一覧図の写しを提出する場合は、被相続人の相続関係がすでに公的に証明されているため、戸籍謄本類の原本の提出も省略することが可能です。

相続登記の必要書類の有効期限

1.戸籍謄本や住民票に有効期限はある?

相続登記申請で必要な書類は、基本的に有効期限は設けられていません。そのため、戸籍謄本や住民票も、発行後に日数が経過したものであっても使えます。ただし、なるべく新しいものを用意する方が望ましいです。

たとえば、法律の変更により戸籍謄本が更新されることがありますが、改製前の古い戸籍(改製原戸籍)の内容が変わるわけではないため、発行後に時間が経過してもそのまま使用することが可能です。

もっとも、相続人の戸籍謄本は、被相続人の死亡後に取得する必要があります。相続が発生した時点で相続人が生存していたことを確認するために必要だからです。言い換えれば、古い戸籍謄本や印鑑証明書も、どういった目的で必要とされるのかにその内容が即していれば、発行後の経過日数に関係なく使用できるのです。

ただし、固定資産評価証明書に関しては注意が必要です。固定資産評価証明書は、不動産の固定資産評価額をもとに登録免許税が計算されるため、最新の情報を反映したものを提出する必要があります。固定資産の評価額は毎年変動する可能性があるため、特に年度が変わる4月1日以降に申請する場合は、その年度の最新の固定資産評価証明書の提出が求められます。

2.必要書類に有効期限があるケース

前述のとおり、相続登記に必要な戸籍謄本に有効期限はありませんが、例外的に期限が定められていることがあります。

代表的なケースが、未成年者やその他の制限行為能力者が登記申請人となる場合です。こうしたケースで法定代理人(未成年者の親権者など)が手続きを代行する際には、その代理権を証明する書類が必要となります。代理権の証明を戸籍謄本によってする場合は、発行から3か月以内のものでなければなりません(不動産登記令第17条1項)。

(代表者の資格を証する情報を記載した書面の期間制限等)
不動産登記令第17条1項 第七条第一項第一号ロ又は第二号に掲げる情報を記載した書面であって、市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成したものは、作成後三月以内のものでなければならない。

相続登記の必要書類に関するQ&A

Q1.相続登記をするために必ず必要になる添付書類は何ですか?

A:被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、相続人の住民票、不動産の登記事項証明書や固定資産評価証明書などが必要になることが一般的です。相続人や遺産分割の方法によっても変わるため、事前に不動産の管轄の法務局などで確認しましょう。

Q2.固定資産評価証明書はなぜ必要なのですか?

A:固定資産評価証明書は、登録免許税を計算するために必要です。不動産の評価額が分からなければ、正しい税額を算出することができません。

Q3.必要書類がそろわないと相続登記はできませんか?

A:原則として、必要書類が全てそろわなければ相続登記を完了できません。不足がある場合は申請が却下されるか、補正を求められることになるので(不動産登記法第25条9号)、事前に確認して準備しておくことが重要です。

(申請の却下)
不動産登記法第25条 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
(略)
九 第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。

まとめ

この記事では、相続登記に必要な書類の一覧とともに、有効期限や書類の綴じ方についても詳しく解説させていただきました。これらの情報を活用して、相続登記の手続きをスムーズに進めていただければと思います。

必要書類の収集や、申請書の作成に不安のある方、相続登記を自分で進める余裕がないという方は、弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。

弁護士法人あおい法律事務所では、相続手続きに関するご相談をお受けしております。弁護士が代理人として相続登記などの手続きを進めることもできますので、まずは初回無料の法律相談をご利用ください。

この記事を書いた人

弁護士法人あおい法律事務所
代表弁護士

雫田 雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。