相続で揉める家族の特徴は?揉める人と揉めない人の差や揉めないための対策も

遺産相続

更新日 2024.05.09

投稿日 2024.05.09

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

弁護士法人あおい事務所の相続専門サイトをご覧いただき、ありがとうございます。当サイトでは、相続に関する法的な知識を分かりやすくお届けしております。皆様のお悩みの解消に少しでもお役立ちできましたら幸甚です。

相続においては、家族間の感情や意見の相違が起こりやすく、もめるケースが少なくありません。

そこで、この記事では、相続で揉める家族の特徴と、揉める原因を掘り下げていきます。また、相続トラブルを未然に防ぐための対策や、揉める家族と揉めない家族の違いについても詳しく解説します。

相続で揉める家族の特徴を理解しておき適切に対策することで、スムーズに相続手続きを済ませる手助けとなれば幸いです。

目次

遺産相続で揉める家族は少なくない

遺言が存在しない場合、相続人は「遺産分割協議」を通じて残された財産を分け合います。しかし、遺産分割協議で合意に至らない場合、家庭裁判所に「遺産分割調停」や「遺産分割審判」の申し立てを行うことになります。

令和3年の最高裁判所事務総局の司法統計年報によると、家庭裁判所で取り扱われた遺産分割の事案は6,934件にのぼります。

また、多くの人が遺産相続で揉めるのは富裕層だけだと思われるかもしれませんが、実際には相続財産が少ない家族でも揉めていることが、この司法統計の数値からわかります。

令和3年の司法統計によると、遺産総額が1,000万円以下の事案が2,279件、1,000万円超から5,000万円以下の事案が3,037件と、5,000万円以下の事案が全体の約76%を占めています。

これによると、遺産の額と相続トラブルの発生率は関係がなく、富裕層よりもむしろ一般的な家庭や中間層で相続トラブルが生じることが多いことがわかります。

相続で揉める家族の特徴10選│具体的事例をまじえてわかりやすく解説

 

相続で揉める家族の特徴10選│具体的事例をまじえてわかりやすく解説

 

相続で揉める家族の特徴として次の10個が挙げられます。

  • 兄弟同士の仲が悪い・疎遠である
  • 遺産に不動産が含まれる
  • 遺産がほとんど実家のみである
  • 介護の負担が相続人間で偏っている
  • 高額な生前贈与が行われた
  • 特定の相続人が財産を管理していた
  • 遺言書の内容が不公平
  • 被相続人が事業をしていた
  • 相続人に内縁の配偶者がいる
  • 想定していない相続人が現れる

それぞれについて、事例をまじえて詳しく解説していきます。

①兄弟同士の仲が悪い・疎遠である

相続で揉める家族の特徴の一つに、「兄弟同士の仲が悪い」という点が挙げられます。

相続人である兄弟同士の仲がもともと悪く、被相続人の生前に長年コミュニケーションがとれていない場合があります。

このような状況では、互いの意見や価値観の違いにより兄弟の意見を受け入れられずトラブルになる傾向にあります。また、仲が悪い場合、互いに不信感や対立心を抱えているため、遺産分割協議で合意に至ることが難しくなるでしょう。

さらに疎遠である場合、兄弟の一方が亡くなった被相続人との関係性や遺産に関する情報を十分に把握していないことが多く、不信感から遺産分割協議がスムーズに進まないことがあります。

②遺産に不動産が含まれている

相続で揉める家族の特徴の2つめは、「遺産に不動産が含まれる場合」です。その主な理由は、不動産の分割が難しいからです。

まず、不動産がいくつかある場合は、相続人間で誰がどの不動産を取得するのかを巡りトラブルが起こりがちです。さらに、不動産の評価方法は様々で、どのように評価するか合意が得られないことも多く、市場価値や評価基準の違いがもめる元になることがあります。

また、不動産を代償分割するのか、換価分割するのか分割方法についても意見が分かれることがあります。合意がなかなか得られない場合は、不動産を分割せずに共有状態にしてしまうことがありますが、活用や売却ができずに長年放置されることになってしまいます。

③遺産がほとんど実家のみである

相続で揉める家族の特徴の3つめは、「遺産がほとんど実家のみである場合」です。相続財産がほとんど実家のみである場合、もめる可能性が高くなります。現金のように分割が容易な財産とは異なり、不動産の分割は複雑で、特に実家のような感情的な価値も持つ財産は、相続人間の意見が対立しやすいです。

例えば、長男が実家を単独で相続するケースでは、実家以外に財産がない場合、他の兄弟は不公平に感じて長男が相続することを認めない場合も少なくないでしょう。

相続財産に十分な預貯金があれば、長男が実家を取得する代わりに、他の兄弟が現金を取得することでバランスを取ることができます。しかし、相続財産が実家のみの場合、そのような調整ができず、一人が唯一の相続財産である実家を独占する形になりがちです。

実家を売却して現金化し、その収益を分配するという方法も考えられますが、実家に住み続けたい相続人がいる場合、売却についての合意に至るのは難しいでしょう。

④介護の負担が相続人間で偏っている

相続で揉める家族の特徴の4つめは、被相続人の介護について相続人間でその負担度合いが異なっている場合です。

被相続人の生前に献身的に介護を行った相続人には「寄与分」として、法定相続分よりも多く遺産を取得することが認められます。

しかし、他の相続人が介護による寄与分を認めないことが多く、これがトラブルの原因となることがあります。たとえ寄与分を認めたとしても、その具体的な額、つまり相続分をいくら上乗せすべきかについて、相続人間で意見が対立する可能性があります。

⑤高額な生前贈与が行われた

相続で揉める家族の特徴の5つ目は、被相続人から一部の相続人に高額な生前贈与が行われていた場合です。このような場合、生前贈与が「特別受益」に該当し、その贈与を「持ち戻し」て遺産分割をするかどうかが問題となります。

特別受益とは、一部の相続人が被相続人から生前贈与や遺贈、死因贈与などによって特別に受け取った利益のことを指します。この特別受益を無視して遺産を分割すると、特別受益を受けた相続人が他の相続人より多くの財産を取得したことになり不公平がしょうじます。

これを避けるために行われるのが「特別受益の持ち戻し」です。これは、特別受益として得た利益分を控除してから相続分を算定することで、公平に遺産分割をするための制度です。特別受益があった場合、持ち戻しを行えば、特別受益を受けた相続人の相続分が減らされます。

特別受益の持ち戻しは、遺言書がない場合、相続人間の協議で決定します。しかし、特別受益を受けた人と受けていない人との間で利益が相反するため、協議がスムーズに進まずもめることが多いのです。

⑥特定の相続人が財産管理していた

相続で揉める家族の特徴の6つ目は、遺産を特定の相続人が管理していた場合です。特に、両親と同居し財産管理を行っていた相続人がいる場合に、財産の使い込みが疑われたりすることが多いです。

たとえば、認知症の親の財産を長男が一人で管理していた場合、長男は財産を自由にコントロールできる立場にあります。他の相続人が、預金取引内容を調べた結果、使途不明な出金や振り込みが発覚すると、長男家族による使い込みが疑われるでしょう。

長男がお金の使用目的を細かく記録していれば、このような疑いを払拭しやすくなります。しかし、財産の使用目的を証明する証拠がない場合、次男の疑念は強まるでしょう。

財産管理をしていた相続人は「使い込んでいない」と主張する一方で、他の相続人は「使い込まれたから返還すべき」と主張する場合なかなか当人同士の解決は困難です。話し合いで解決できない場合、裁判に発展する可能性もあります。このように、特定の相続人が財産管理していた場合、もめるリスクが高まるため、注意が必要です。

⑦遺言書の内容が不公平

相続で揉める家族の特徴の7つ目は、遺言書の内容が不公平な場合です。

例えば、特定の相続人に全財産を相続させる旨の遺言書があった場合でも、遺言が有効であればその人は全財産を相続することができます。しかし、このような遺言は他の法定相続人が納得する可能性が低く、もめる可能性が非常に高くなります。

ただし、遺留分という制度があります。遺留分とは、法定相続人が最低限受け取るべき相続割合のことで、遺言書の内容よりも優先されます。この遺留分を侵害している場合、たとえ正式な遺言書があったとしても、相続人は「遺留分侵害額請求」や「遺言無効確認調停」を行うことができます。つまり、遺言書の内容が不公平であったとしても、遺留分が保障されているため、相続人の権利がある程度保障されることになります。

⑧被相続人が事業をしていた

相続で揉める家族の特徴の8つ目は、被相続人が事業をしていた場合です。なぜなら、事業に関連する財産内容が複雑であるため、公平に分割することが難しいからです。特に、株式や事業用資産を巡る意見の対立からもめるケースが多いでしょう。

例えば、被相続人が経営していた会社の株式を特定の相続人が相続する場合、その株式の価値をどのように評価するかが問題となります。また、事業用の不動産や機械設備などの資産も、その価値や今後の利用方法について相続人間で意見が分かれることがあります。

さらに、事業承継の問題もあります。被相続人が経営していた事業を誰が引き継ぐか、またどのように引き継ぐかについて合意が得られないと、事業の継続が困難になり、経営が傾く可能性もあります。このような状況は、相続人間のトラブルのみならず、事業そのものにも大きな影響を与えるため、注意が必要です。

⑨相続人に内縁の配偶者がいる

相続で揉める家族の特徴の9つ目は、相続人に内縁の配偶者がいる場合です。

内縁の配偶者には法的な婚姻関係がないため、相続権が認められないのが通常です。これにより、以下のような具体的なトラブルが生じることがあります。

例えば、被相続人と内縁関係にあった配偶者が住んでいる家は、法定相続人である前妻の子どもの名義となる可能性があります。この場合、子どもが内縁の配偶者に対して退去を要求することがあり、内縁の配偶者は住む場所を失うことになります。

また、被相縁人の預貯金などの資産が前妻の子どもに相続されると、内縁の配偶者は生活に困窮してしまいます。

内縁の配偶者が遺産分割において特別縁故者として認められる場合もありますが、そのためには手続きが必要となります。この手続きは複雑であるうえ、相続人ともめるなど内縁の配偶者にとって大きな負担となります。

⑩想定していない相続人が現れる

相続人が把握していなかったり、想定していなかった相続人が突然現れる場合、相続をめぐるトラブルが生じることがあります。たとえば、被相続人に前妻との間に子どもがいたり、婚姻関係のない女性との非嫡出子がいたりするケースが考えられます。

このようなケースでは、前妻の子も非摘出子も法定相続人として認められ、原則として法定相続分で遺産を分割しなければなりません。しかし、被相続人に現在の配偶者との子どもがいる場合、心情的に公平に分割するのは不公平だと感じる相続人もいるでしょう。

遺産相続で揉める人と揉めない人の差

遺産相続は、親族間の感情や金銭が絡むため、揉めてしまうケースも少なくありません。

相続でトラブルになる、つまり相続で揉める人と揉めない人には、相続の状況や相続人になる人の行動にいくつかの特徴があります。

では、遺産相続で揉める人と揉めない人にはどのような差があるのでしょうか?

生前のコミュニケーション

揉めない人の多くは、生前から親族間でコミュニケーションをしっかりと取っている傾向があります。生前に遺産相続についてお互いの考えや思いを共有しておくことで、相続への認識の違いを事前に解消し、いざ相続が発生した時にスムーズに話し合いを進めることができます。

一方、揉める人は、生前から親族間で仲が悪かったり、長年連絡を取っていないなどコミュニケーション不足に陥っているケースが多く見られます。互いの考えや思いを理解していない状態で相続問題に直面すると、誤解や不信感からトラブルに発展しやすくなります。

遺言書の有無

遺言書があるかないかは、遺産相続でもめるかもめないかに大きな影響を与えます。遺言書があれば、被相続人の意思が明確に示されるため、相続人同士で意見が対立しにくくなります。

一方、遺言書がない場合は、法定相続分のルールに基づいて遺産分割が行われます。法定相続分は、必ずしも各相続人の貢献度や意向を反映したものではないため、不満や不公平感が生じやすく、トラブルに発展する可能性が高くなります。

専門家である弁護士や税理士の活用

揉めない人の多くは、弁護士や税理士などの専門家に相談し、専門的なアドバイスを受けながら遺産相続を進めています。弁護士は、法律や税務に関する知識を持っているため、遺産分割協議をスムーズに進めることができ、トラブルを防ぐことができます。

一方、揉める人は、弁護士のアドバイスを受けずに、独断で遺産相続を進めてしまうケースが多く見られます。専門的な知識がない状態で遺産相続を進めると、法的な問題や税務上のトラブルが発生するリスクが高まります。

感情的な対立

遺産相続は、金銭や財産が絡む問題であるため、感情的になりやすい側面があります。しかし、感情的になって冷静な判断ができなくなると、誤解や対立を生み、トラブルに発展する可能性が高くなります。

揉めない人は、感情的な対立に陥らないよう、冷静に状況を判断し、互いの立場や意見を尊重しながら話し合いを進めることができます。

妥協点を見つける努力

遺産相続においては、全ての相続人が完全に満足できるような解決策を見つけることは難しい場合があります。揉めない人は、互いの妥協点を見つける努力をすることで、円満な解決を目指します。

一方、揉める人は、自分の意見を主張しすぎるあまり、妥協点を見つけることが難しく、対立が長引くケースが多く見られます。

揉めないためにすべき対策

遺言書を作成して相続争いを防ぐ

遺産相続で揉めないための対策として、遺言書を作成しておくことが非常に有効です。

遺言書を作成することで、被相続人は自分の意志の通りに遺産を相続させることができます。具体的には誰がどのような財産をどれほど取得するかを明確に指定できます。遺産分割では原則として遺言書の内容が優先されるので、遺産分割協議の必要がなく相続争いを未然に防ぐことができます。

ただし、遺言書があっても、その効力が争われることがあります。例えば、遺言書が偽造されたものである、遺言作成時に認知症で判断能力がなかったといった理由で、遺言書の有効性が問題となる場合があります。

また、遺言書を作成する際には、遺留分にも注意が必要です。遺留分とは、法律で保障された最低限の相続分のことで、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分が認められています。遺言書の内容が遺留分を侵害している場合、相続人が遺留分の侵害を主張して相続争いが起こる可能性があります。そのため、遺言書を作成する際には、遺留分にも配慮する必要があります。

相続争いを防ぐ遺言書を作成するためのポイント

相続人が争いそうな場合に遺言書を作成する際のポイントは、公正証書遺言での作成と付言事項の記載です。

まず、争いが予想される場合は、公正証書遺言をおすすめします。公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を確認し、その場で作成するため、後に遺言書の真偽や遺言者の意思が争われるリスクを減らすことができます。自筆証書遺言と比較して、公正証書遺言の方が有効性が認められやすいため、相続争いが起こる可能性を減らすことができます。

次に、遺言書には付言事項を記載することができます。付言事項は遺言書に追加される部分で、遺言者が自分の気持ちや願い、遺言をする経緯を自由に記述できます。この部分に遺言の意図や背景を詳しく記載しておくことで、相続人が遺言書の内容を理解しやすくなり、納得してもらいやすくなります。

弁護士に相談・依頼する

相続問題において、家族間で争いが生じそうな場合やすでに争いが起きている場合、弁護士に相談・依頼することをおすすめいたします。

法に則った解決策を提案してくれる

まず、弁護士は依頼者の代理人として、法的な観点から利益を最大化するための主張や立証を行います。当事者だけで協議して感情的になってしまった場合でも、弁護士が介入することで冷静な説明や主張ができるケースも多く、相手方も弁護士から法的に正しい内容を説明することで納得することがあります。

また、相続の話し合いでは、誤った法律知識を持った相続人が参加していることも少なくありません。そのような場合は相続争いは長引くことになるでしょう。

弁護士は正確な法律知識を持っているため、理不尽な要求に応じることことがないようサポートすることができます。

相続争いが起こりそう、または起こった場合、弁護士に相談することで、法的な観点から解決策を提示してもらい、スムーズに遺産相続を完了することができます。

弁護士が相続手続きを進めてくれる

相続には様々な煩雑な手続きが伴いますが、弁護士に依頼することでこれらを一任でき、精神的な負担や時間の節約につながります。

相続が発生すると、まず相続人や遺産を調査する必要があります。そのためには、役所で戸籍などの書類を取り寄せたり、銀行や証券会社、法務局などで資料を集めなければなりません。

さらに、相続人間で意見がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる必要がありますが、この際裁判所に提出する書類の作成や収集が必要となります。

これには、時間と手間がかかるだけでなく、専門的な知識が必要となることもあり、相続人にとっては大きな負担となることがあります。しかし、弁護士に相談・依頼することで、これらの手続きを弁護士に任せることが可能となります。

このように、弁護士に相続の手続きを一任することで、煩雑な手続きから解放され、相続トラブルに割かれる時間や精神的な負担を大幅に減らすことができます。

家族信託を利用する

家族信託は、財産を管理・処分する権限を信頼できる家族に託す方法です。この方法を選ぶメリットとして、高額な報酬が発生しないことや、事前に財産の名義を受託者に変更しておくことで、相続争いを未然に防げることが挙げられます。

具体的には、被相続人が受託者と契約を締結し、土地・建物や預貯金などの財産の管理・処分を任せます。契約書は無料で作成できますが、公正証書として証明力を高めたい場合には、公証役場での手続きが必要となり、その際には費用がかかります。

後見制度を利用する

認知症などで判断能力に不安がある場合、財産管理には後見制度を利用するとよいでしょう。

元気なうちには、任意後見制度を活用して事前に財産管理の準備をしておくことができます。一方、判断能力が衰えてしまった後は、裁判所に申し立てて法定後見制度を適用することができます。

相続で揉める家族の特徴に関するQ&A

Q: 相続争いを予防するために生前に行うべき準備とは何ですか?

A: 相続争いを予防するために生前に行うべき準備には以下のようなものがあります。

  • 家族で話し合う
    被相続人が元気なうちに、被相続人の希望や、遺産の内容、分け方などを家族間で話し合いましょう。
  • 遺言書を作成する
    相続トラブルを防ぐために遺言書の作成が必須です。公平になるよう心掛け、遺留分を侵害しないように注意しましょう。公正証書遺言の利用をお勧めします。
  • 家族信託を利用する
    家族信託を利用して生前から死後にかけての財産管理方法や死後の財産帰属先を取り決めることができます。
  • 後見制度を利用する
    認知症などの不安がある場合は、後見制度を利用して財産管理を適切に行いましょう。
  • 弁護士に相談する
    相続で揉める可能性がある場合は、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は家族の状況に応じた解決方法を提示し、様々な相続手続きをサポートすることができます。

Q: 相続争いが発生した場合、なぜ早めに弁護士に相談すべきなのでしょうか?

A: 相続争いが発生した場合、早めに弁護士に相談することには以下のようなメリットがあります。

  • 正しい法律知識を得られる
    弁護士は法定相続分や寄与分、特別受益などの正しい法律の考え方を教えてくれます。これにより、遺産分割の方針を定めやすくなり、相手が間違った主張をしている場合には根拠を持って説得できます。もめた時も法的根拠に基づいて解決方法を提示してもらえます。
  • 代理交渉が可能
    相続人間で争いが発生した場合、弁護士に代理交渉を依頼することができます。これにより、当事者同士の感情的な対立を防ぎ、自身の労力やストレスを大幅に軽減できます。また、冷静に話し合いができることで、スムーズに解決することができます。
  • 調停、審判、訴訟のサポート
    交渉が決裂し、遺産分割調停や審判、訴訟が必要になった場合、自身で手続きを行うのは非常に難しく、時間と労力が必要となります。しかし、弁護士に任せると弁護士が代理人として、裁判所への対応や書面の作成などをするため、自身の負担を大幅に減らすことができます。
  • 有利な解決を目指してもらえる
    相続に詳しい弁護士が交渉や裁判手続きを行うことで、有利に解決できる可能性が高まります。弁護士は依頼者が最大限利益が得られるように、相手方や裁判所と交渉を進めます。

まとめ

この記事では、相続で揉める家族の特徴、揉める人と揉めない人の差、および相続争いを防ぐための対策について詳しく解説しました。

相続で揉める家族の特徴としては

  • 兄弟同士の仲が悪い・疎遠である
  • 遺産に不動産が含まれる
  • 遺産がほとんど実家のみである
  • 介護の負担が相続人間で偏っている
  • 高額な生前贈与が行われた
  • 特定の相続人が財産を管理していた
  • 遺言書の内容が不公平
  • 被相続人が事業をしていた
  • 相続人に内縁の配偶者がいる
  • 想定していない相続人が現れる

といった点が挙げられます。

揉めないための対策としては

  • 遺言書の作成(公正証書遺言の利用、付言事項の記載)
  • 弁護士への相談
  • 家族信託の活用
  • 任意後見制度や法定後見制度の利用

などがあります。これらの対策を事前に行うことで、相続での争いを防ぎ、スムーズな遺産分割を実現することができます。

相続で揉める家族の特徴を理解し、適切な対策を講じることで、家族内の争いを避け、スムーズに相続を進めることができます。

法的知識や豊富な経験をもつ弁護士に相談することで、争いを未然に防ぐ準備を進めましょう。また、すでに相続人同士で揉めている場合は、当人同士の話し合いでは解決できないことがほとんどです。まずはお早めに弁護士にご相談ください。相談者にとって最善の解決策をご提案いたします。

この記事を書いた人

弁護士法人あおい法律事務所
代表弁護士

雫田 雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。