戸籍謄本の取り方│郵送やマイナンバーカードがあればコンビニで取り寄せも可!

相続手続き

更新日 2024.06.11

投稿日 2024.06.11

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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戸籍謄本は、年金や保険金の請求、相続手続きなど、様々な場面で必要となります。しかし、戸籍謄本の取り方や、役所での手続きの流れは、たとえ経験していてもなかなか頭に入りにくいものです。さらに、近年ではマイナンバーカードがあればコンビニでも取得できるようになりましたが、コンビニでの取り方についても不明な点が多いかもしれません。

そこでこの記事では、戸籍謄本の取り方を、役所での手続きからコンビニでの発行方法まで、具体的かつわかりやすく解説していきます。

また、戸籍謄本が必要となる時もご紹介します。

目次

そもそも戸籍謄本とは

戸籍謄本とは、個人の出生、結婚、死亡などの重要な身分事項が記録された公的書類です。これらの情報は「戸籍簿」という公的な台帳に記載されており、戸籍謄本はその戸籍簿の写しになります。戸籍簿は市町村の役所に保管されており、本人やその家族などが申請することで、戸籍謄本を発行してもらうことができます。

近年、多くの役所で戸籍が電子化されているため、「戸籍全部事項証明書」という名称で戸籍謄本が発行されることが一般的になっています。ただし、わかりやすさの観点から、戸籍全部事項証明書も含めて「戸籍謄本」と呼ばれることが多いです。戸籍謄本と戸籍全部事項証明書は、戸籍の電子化以前のものが戸籍謄本、電子化後のものが戸籍全部事項証明書という形で理解されますが、基本的には同じ内容を指しています。

戸籍謄本の種類│謄本と抄本、原戸籍、除籍謄本の違い

戸籍抄本とは

戸籍抄本とは、特定の個人の身分事項のみが記載された公的書類です。戸籍謄本が同じ戸籍内の全員の情報を含むのに対し、戸籍抄本には必要な個人の情報だけが抜粋されています。たとえば、自分一人分の証明書が必要な場合には、戸籍抄本で十分です。

近年、戸籍が電子化されたことに伴い、戸籍抄本の正式名称は「戸籍一部事項証明書」となっています。しかし、一般的には依然として「戸籍抄本」という呼称が広く使われています。

改製原戸籍謄本とは

改製原戸籍謄本とは、戸籍法の改正によって戸籍の様式が変更された際に、古い様式の戸籍を新しい様式に書き換える過程で作成された戸籍謄本です。

改製原戸籍謄本と戸籍謄本の主な違いは、記載されている情報が過去のものか現在のものかという点にあります。改製原戸籍謄本は、家系図の作成など、過去の情報が必要な場合に利用されることがあります。

除籍謄本とは

除籍謄本とは、戸籍からすべての人が抜けてしまった場合に作成される公的な書類です。戸籍は家族単位で管理されているため、結婚や死亡などによってその戸籍内に誰も残っていない場合、その戸籍は「除籍」されます。

除籍謄本は、このようにして除籍となった戸籍の内容を記録したもので、戸籍簿の写しである戸籍謄本と同様に、公的な証明書として様々な場面で使用されます。正式には「除籍全部事項証明書」と呼ばれ、戸籍内のすべての情報が記載されています。

戸籍謄本が本籍地以外の他県でも取得できるように!2024年3月法改正

戸籍謄本は、通常、本籍地がある市区町村の役所で申請して取得することができます。しかし、2024年(令和6年)3月1日からは法改正により戸籍謄本の広域交付制度がはじまり、本籍地が遠方にある場合でも、最寄りの市区町村の役所で戸籍謄本を取得できるようになりました。

これにより、本籍地が遠い人でも、住まいや職場の近くの役所で手続きができ、複数の本籍地の戸籍謄本をまとめて取得することも可能になります。

※法務省ホームページ「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)

本籍地の県外でも取得できる戸籍の種類

県外でも取得できる戸籍の種類には、戸籍謄本と除籍謄本があります。これらは広域交付の対象となっており、本籍地がある市区町村以外の役所でも請求することが可能です。これにより、遠方に住んでいる人でも、近くの役所で手続きができるようになり、利便性が向上しています。

一方で、戸籍抄本(一部事項証明書、個人事項証明書)や除籍抄本は広域交付の対象外となっています。これらの書類は、特定の個人の情報のみを証明したもので、従来通り本籍地の市区町村役場で取得する必要があります。また、コンピューター化されていない一部の戸籍・除籍謄本も広域交付の対象外です。これらの書類を取得する場合は、本籍地の市区町村役場へ直接請求する必要があるため、注意が必要です。

本籍地の県外で戸籍謄本等を請求できる人

本籍地以外の役所で戸籍証明書等が請求できるのは、以下の続柄の人のみです。

  • 本人
  • 配偶者
  • 父母、祖父母などの直系尊属
  • 子、孫などの直系卑属

代理人や郵送による請求はできない

広域交付を利用した戸籍謄本の請求において、本人自らが市区町村の窓口に訪問して請求する必要があります。代理人を使った請求や郵送による請求は認められていません。この制限は、個人情報の保護と、一部の役所への負担が集中することを防ぐために設けられています。したがって、戸籍謄本などを広域交付で取得する場合は、必ず本人が窓口に直接出向く必要があります。

なお、郵送や代理人(司法書士、行政書士、弁護士などの専門職を含む)による戸籍謄本の請求は、従来通り本籍地の市区町村役場でのみ可能です。これは、広域交付制度には適用されません。

また、相続手続きなどで市役所などを訪問する際には、本人が戸籍担当窓口に出向き、戸籍を一括して請求することで手続きの負担を軽減できます。ただし、兄弟姉妹やおじ、おばなどの戸籍謄本は広域交付の対象外となるため、これらの書類は郵送や代理人による請求を併用する必要があります。

本籍地の県外で戸籍謄本等をとる時に必要なもの

広域交付を利用した戸籍謄本の請求時には、窓口に訪問した請求者の本人確認のために顔写真付きの身分証明書の提示が必要となります。例えば以下のような書類です。

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • パスポートなど

戸籍謄本の取り方は4種類ある

戸籍謄本の取り方は主に以下の5つです。

  • 本人が直接役所の窓口で請求する
  • 代理人が本籍地の役所の窓口で請求する
  • 郵送で取り寄せる
  • マイナンバーカードを使ってコンビニで取得する
  • マイナンバーカードを使って電子申請で取り寄せる

それぞれの取り方と取得の際に必要なものについて以下で詳しく解説します。

取り方①本人が直接役所の窓口で請求する方法

戸籍謄本を直接役所の窓口で請求する場合、現在の住まいや勤務地の近くにある最寄りの役所に出向く必要があります。ただし、戸籍抄本や戸籍の附票を取得する場合、または戸籍謄本、除籍謄本がコンピュータ化前のものである場合は、本籍地がある役所に直接出向く必要があります。

2024年(令和6年)3月1日からの法改正により、本籍地が遠方にある場合でも、最寄りの役所で戸籍謄本を取得できるようになりました。これにより、遠方に本籍地がある人でも手続きが容易になりました。

役所に到着したら、交付申請書を取得します。この申請書には、名前、本籍地、必要枚数などの必要事項を記入して提出します。申請書の提出とともに、本人確認のための身分証明書を提示することが求められることが一般的です。これらの手続きを経て、戸籍謄本が交付されます。

この方法では、本人が直接役所の窓口を訪れる必要があるため、事前に役所の営業時間や必要な書類を確認しておくとスムーズに手続きを行うことができます。

役所の窓口で請求する際に必要なもの

役所の窓口で請求する際は、以下のようなものが必要です。

  • 印鑑(交付申請書に押印)
  • 手数料(戸籍謄本1通450円※市役所に要確認)
  • 請求者の本人確認書類 (運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)

取り方②代理人が本籍地の役所の窓口で請求する方法

戸籍謄本の取り方の一つとして、本人が直接役所に出向けない場合に、代理人を通じて請求する方法があります。この場合、代理人が本籍地のある役所の窓口に出向いて手続きを行います。

代理人が戸籍謄本を請求する際には、本人の意志に基づいて行われていることを証明するために、委任状が不可欠となります。委任状には、戸籍謄本の使用目的を明記することが求められます。

代理人が役所の窓口で請求する際に必要なもの

申請を行う際には、以下のものが必要となります。

  • 委任状(本人が作成)
  • 代理人の本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
  • 手数料(戸籍謄本1通450円※市役所に要確認)

取り方③郵送で取り寄せる方法

直接役所に出向くことが難しい場合には郵送での請求・取り寄せが可能です。この方法を利用することで、遠方に住んでいる人や忙しい人でも手続きを行うことができます。

郵送で戸籍謄本を取り寄せる場合、まず本籍地の役所宛に必要書類を揃えて送付する必要があります。送付する書類には、請求書や本人確認のための書類(運転免許証のコピーなど)、手数料を含む郵便為替や切手が含まれることが一般的です。手数料の額や必要書類の詳細は、事前に役所のホームページなどで確認しておくことが重要です。

書類を揃えたら、役所のホームページで送付先の住所を確認して、書類一式を役所宛に郵送します。役所で書類が受理され、手続きが完了すると、戸籍謄本が郵送で自宅に届けられます。郵送での手続きは、時間がかかることがあるため、余裕を持って申請することが望ましいです。

郵送で取り寄せる際に必要なもの

戸籍謄本を郵送で取り寄せる際に必要なものは以下のとおりです。

  • 戸籍謄本等郵送請求書
  • 請求者の本人確認書類の写し(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
  • 手数料に相当する定額小為替
  • 返信用封筒と切手
  • 委任状

戸籍謄本等郵送請求書の様式は各役所のホームページでダウンロードできます。

戸籍謄本等郵送請求書には、請求者の氏名・住所・電話番号・生年月日・戸籍筆頭者との続柄・請求理由・必要枚数などを記入します。

また、戸籍謄本の取得にかかる手数料は、定額小為替で支払う必要があります。定額小為替は郵便局で購入することができますので、必要な金額を確認した上で、郵便局で適切な金額の定額小為替を購入しましょう。その後、購入した定額小為替を、戸籍謄本の請求書類とともに役所宛の封筒に同封して送付します。

取り方④マイナンバーカードを使ってコンビニで取得する方法

マイナンバーカードをお持ちの場合、コンビニで戸籍謄本などの各種証明書を手軽に発行することができます。ここでは、マイナンバーカードを利用してコンビニで戸籍謄本を取得する際に必要な準備と手順をわかりやすく説明します。

コンビニで戸籍謄本を取得するための準備

【必要な準備】
・本籍地の自治体がコンビニ交付サービスに対応しているかを確認する
・住民票の住所と本籍地が異なる場合は「利用登録申請」を行う

本籍地の自治体がコンビニ交付サービスに対応しているかを確認する

戸籍謄本をコンビニで発行するサービスは、導入している市区町村に限られます。そのため、全ての市区町村で利用できるわけではありませんので、注意が必要です。お住まいの地域でコンビニ発行が可能かどうかは、以下のウェブサイトで確認することができます。

総務省「コンビニ交付」HP:「利用できる市区町村

住民票の住所と本籍地が異なる場合は「利用登録申請」を行う

住民登録地と本籍地が異なる場合、コンビニで戸籍謄本を発行する前に、本籍地の市区町村で「利用登録申請」をする必要があります。この手続きは、自宅のPCからインターネットを利用するか、コンビニに設置されたマルチコピー機を利用して行うことができます。

・自宅のPCから行う方法

総務省「コンビニ交付」HP「戸籍証明書交付の利用登録申請」にアクセスして手順に沿って行います。

自宅のパソコンから行う場合は、マイナンバーカードを読みとることができるカードリーダーが必要ですので、ご注意ください。

・コンビニのマルチコピー機から行う方法

コンビニのキオスク端末を使って利用登録申請を行う際は、画面の指示に従って「戸籍証明書交付の利用登録申請」を選び、必要な情報を入力します。入力項目には「本籍地」「戸籍筆頭者」「電話番号」「生年月日」のほか、マイナンバーカードの「有効期限」と「セキュリティコード」が含まれます。

次に、マイナンバーカードを読み取る作業を行います。申請内容を確認したら「確定する」ボタンを押し、申請番号が表示されます。この番号は、コピー代金を支払って印刷することもできます。

コンビニで戸籍謄本を取り寄せるには│場所・時間・必要書類・費用

コンビニで戸籍謄本を取る際の、場所、時間、必要書類は以下のとおりです。

場所

利用可能なコンビニは下記HPで確認できます。

コンビニ交付HP「利用できる店舗情報

時間

戸籍謄本の交付が可能な時間帯は市区町村によって異なりますが、24時間対応している店舗は存在しません。本籍地の市区町村に関する詳細な情報は、コンビニ交付HP「利用できる市区町村」からアクセスできます。リンク先のページで本籍地のある市区町村を選択すると、ページの下部に「提供時間に関する備考」という欄が表示されます。そこで交付時間に関する詳細情報を確認することができます。

必要書類

・マイナンバーカード
・マイナンバーカードの4桁の暗証番号(利用者証明用電子証明書)
・発行手数料(1通400円~450円)

コンビニにおける戸籍謄本の取り方の手順

コンビニのマルチコピー機を利用した戸籍謄本の取り方の手順は以下の通りです。

  1. コピー機画面で行政サービス>証明書の交付>証明書交付サービスを選択
  2. マイナンバーカードの読み取り(マルチコピー機の所定のカード置場に、マイナンバーカードを置きます。)
  3. 証明書を交付する市区町村を選択
  4. 4桁のマイナンバーカード暗証番号を入力
  5. 本籍地の都道府県>市区町村を選択
  6. 必要な証明書を選択(「戸籍全部事項証明書」を選択)
  7. 証明書の必要部数を入力
  8. 証明書の交付手数料を入金
  9. 証明書が必要部数分印刷される

取り方⑤マイナンバーカードを使って電子申請で取り寄せる方法

「マイナンバーカード」または「住民基本台帳カード」と「ICカードリーダー」を持っていれば、パソコンを使ってネット経由で戸籍謄本の取り寄せ申請が可能です。申請時にはクレジットカードで料金を支払い、手続き完了後には書類が自宅に郵送されます。

電子申請サイトには本籍地の市区町村役場のホームページからアクセスできます。

しかし、この電子申請サービスはすべての自治体で利用できるわけではありません。マイナンバーカードやICカードリーダーをお持ちの方は、まず自身の住む自治体が電子申請に対応しているかを確認することをお勧めします。

戸籍謄本が必要なとき

戸籍謄本の役割│家族、親族関係と身分を明確にする

まず、家族関係を明らかにする役割があります。戸籍謄本は、家族や親族関係を記録し証明する公的な書類です。親、配偶者、兄弟、子供など、家族の構成員とその関係が詳細に記録されています。相続手続きなどで戸籍謄本が必要となるのは、この家族関係を証明する機能があるためです。

次に、個人の身分を明らかにする役割があります。ここで言う「身分」とは、社会的な階層や地位を指すのではなく、その人が「どのような人物であるか」を証明する意味での身分です。例えば、子供が生まれた際に出生届を提出することで、その子供は戸籍に登録され、公式に日本国民としての身分を得ることになります。

戸籍謄本が必要なとき│相続手続きや各種請求に必要

では、そのような場面で戸籍謄本が必要なのでしょうか。主なケースを以下にご紹介します。

相続手続きを行うとき

相続手続きを行う際には、戸籍謄本が重要な役割を果たします。この手続きで求められる主な情報は以下の二点です。

  1. 被相続人(亡くなった人)の死亡が確認できること。
  2. 相続人が誰であるかが明らかであること。

法定相続分と異なる割合で相続を行う場合、被相続人と相続人の関係が分かる全ての戸籍(除籍謄本や改製原戸籍も含む)が必要となります。これに加えて、遺言書や遺産分割協議書などの書類も求められることがあります。

以下のような相続手続きに戸籍謄本が必要となります。

  • 遺産分割調停、訴訟
  • 相続税の申告
  • 預貯金、株式、自動車等の名義変更
  • 不動産の相続登記
  • 相続放棄

相続手続きでは、正確な家族関係を証明するために、戸籍謄本が必須の書類となるのです。

詳しくは以下の記事も参照してください。

相続手続きに必要な戸籍謄本の種類は?死亡した人の戸籍の取り方など

年金を受給するとき

年金制度には国民年金、厚生年金、共済年金、遺族基礎年金、寡婦年金など、さまざまな種類がありますが、それぞれの年金請求において請求者の身分関係を明確にするために戸籍の提出が求められる場合があります。

年金の種類によって必要となる戸籍の種類が異なるため、手続きを行う前に、提出先の機関に必要書類を確認することが大切です。たとえば、遺族基礎年金を請求する場合は、被保険者と遺族との関係を証明するために戸籍謄本が必要となります。また、寡婦年金を請求する際にも、配偶者の死亡や自身の状況を示す戸籍謄本が必要になることがあります。

生命保険の請求をするとき

生命保険金を請求する際にも、戸籍謄本の提出が必要です。この場合、主に以下の二点を明らかにするために戸籍謄本が求められます。

  1. 被保険者(亡くなった人)の死亡が確認できること。
  2. 被保険者と保険金の受取人の関係が明らかであること。

保険会社や契約内容によって求められる戸籍謄本の種類や内容は異なるため、請求手続きを行う前に必要書類を確認することが重要です。たとえば、受取人が被保険者の配偶者や子どもである場合、その関係を証明するための戸籍謄本が必要となります。

その他必要なとき

そのほか以下のような場面でも戸籍謄本が必要となります。

  • 公正証書遺言を作成するとき
  • 家系図を作成するとき
  • パスポートを申請するとき
  • 本籍地を変更するとき
  • 養子縁組をするとき

結婚するとき│2024年3月の法改正ににより原則不要に

2024年(令和6年)3月1日の法改正により、結婚する際の婚姻届の提出において、本籍地以外の市区町村でも原則として戸籍謄本の提出が不要となりました。(法務省ホームページ「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」)

これにより、戸籍が電子化されている場合、結婚の手続きがより簡素化されます。ただし、戸籍が電子化されていない場合には、従来通り戸籍謄本の提出が必要となります。

戸籍謄本の取り方に関するQ&A

Q: 戸籍謄本はどこで取得できますか?

 A: 戸籍謄本は、本籍地を管轄する市区町村役所の窓口で直接取得することができます。また、2024年3月の法改正以降は、本籍地以外の市区町村役所でも原則として取得可能になりました。ただし、戸籍が電子化されていない場合は本籍地の市区町村役所でのみ取得できます。

さらに、マイナンバーカードを持っている場合は、コンビニエンスストアでも取得が可能です。ただし、コンビニ交付に対応していない自治体もありますので、コンビニ交付HP「利用できる市区町村」で確認のうえお手続きください。

Q: 戸籍謄本取得のために必要な本籍地を調べる方法は何ですか?

A: 戸籍謄本を取得するためには、まず本籍地を把握する必要があります。本籍地は以下の方法で調べることができます。

  1. 住民票の取得: 住民票の申請時に「本籍地の記載」を依頼すると、本籍地が記載された住民票が発行されます。申請書に「本籍地」の欄にチェックを入れて提出してください。
  2. 運転免許証の確認: 古いタイプの運転免許証には本籍地が記載されている場合があります。新しいタイプの場合、警察署や免許証更新センターで情報照会を依頼して、本籍地を確認してください。
  3. 親族へ尋ねる: 親族に尋ねることで、本籍地を知ることができる場合があります。

これらの方法を試しても本籍地がわからない場合は、市区町村役所の窓口で相談してみるとよいでしょう。

Q: コンビニで戸籍謄本を取得するにはどうすればいいですか?

 A: コンビニで戸籍謄本を取得するには、まずマイナンバーカードを用意します。対応するコンビニのマルチコピー機を使用し、画面の指示に従って操作します。マイナンバーカードをスキャンし、暗証番号を入力、その他必要事項を入力した後、手数料を支払います。手続きが完了すると、戸籍謄本がその場で印刷されます。ただし、コンビニで取得できる戸籍謄本の種類は一部に限られるため、事前に取得できる書類の種類をコンビニ交付HP「利用できる市区町村」で各自治体の取得できる書類を確認しておくことが重要です。

Q: コンビニで戸籍謄本を発行する際のメリットと注意点は何ですか?

A: コンビニでの戸籍謄本発行には以下のようなメリットがあります。

  • 役所に出向かずに近くのコンビニで手軽に発行できる。
  • 役所の閉庁時間である早朝や深夜、土日祝日でも発行が可能。
  • 市区町村によっては、役所窓口での申請よりも発行手数料が安くなることがある。

ただし、注意点もあります。

  • お住まいの市区町村がコンビニ発行に対応している必要がある。
  • マイナンバーカードがないと発行できない。

Q: 郵送で戸籍謄本を取り寄せることはできますか?

 A: はい、郵送で戸籍謄本を取り寄せることができます。本籍地の市区町村役所に郵送で申請書を送り、必要な手数料(小為替)、返信用封筒を同封します。申請書には、必要事項の記入のほか、本人確認書類のコピーが必要です。手続きが完了すると、戸籍謄本が郵送で送られてきます。郵送での手続きは、時間がかかることがあるため、余裕を持って申請することが望ましいです。

Q: 相続手続きで必要な戸籍謄本を取得する際に、専門家に依頼するメリットは何ですか?

A: 相続手続きで必要な戸籍謄本を取得する際に、弁護士などの専門家に依頼するメリットは以下の通りです。

  1. 労力がかからない: 膨大な戸籍謄本を自分で取り寄せるには多くの手間と時間がかかります。専門家に依頼すれば、依頼者はほとんど何もせずに済むため、労力と時間を節約できます。
  2. スムーズに取得できる: 自分で取得しようとすると、抜け漏れが発生する可能性がありますが、専門家に依頼すればスムーズにすべての戸籍謄本を取得できるメリットがあります。
  3. 相続手続き全般を任せられる: 相続手続きには戸籍謄本の取得以外にも様々な手続きが必要です。専門家に依頼することで、遺産分割協議書の作成、相続人関係図の作成、相続財産の調査、預貯金の払い戻し、不動産の名義変更、相続税の申告と納付など、相続手続全般を任せられます。

まとめ

戸籍謄本は、さまざまな法的手続きにおいて必要不可欠な書類です。この記事では、戸籍謄本の取り方について、役所での直接申請から郵送、マイナンバーカードを利用したコンビニでの発行まで、さまざまな方法を解説しました。また、本籍地が異なる場合の注意点も紹介しました。

戸籍謄本の取り方は、個人の状況や利便性に応じて最適な方法を選択してください。戸籍謄本の取り方に関疑問や不明点がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。

弁護士法人あおいは、相続に特化した法律事務所です。経験豊富な弁護士が適切なアドバイスを行い、相続手続きに関してトータルサポートすることができます。

代理で戸籍謄本を収集することも可能です。法定相続人確定のための戸籍謄本の収集や、その他の相続手続きでお悩みの場合は、弁護士法人あおいに一度ご相談ください。

この記事を書いた人

弁護士法人あおい法律事務所
代表弁護士

雫田 雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。1,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。