死亡届│いつまでに出す?提出先や期限、届出人は?死亡届を出す前に気を付けたいことも!

家族や親族が亡くなると葬儀や遺産相続が始まり、慌ただしい日が続きます。ですがこうした手続きよりも最初に、死亡届を作成して提出しなければなりません。
「人が亡くなったら死亡届を提出する」ということは一般的に知られていますが、その届出人や記載事項、どういった書類で何に使われるのか、といった具体的な事項については、普段そこまで意識されることはないかと思います。
そこでこの記事では、死亡届について弁護士が解説させていただきます。どういった用途で必要となる書類なのか、提出するのは誰になるのか、提出期限や提出先についても、詳しくご説明いたします。また、死亡届に関連する「死亡診断書・死体検案書」や、死亡届を提出する前に気を付けたいことについても触れております。
今後、死亡届の作成や提出が必要となる機会があるかもしれません。死亡届について基本事項をおさえるにあたり、本記事が少しでもご参考となりましたら幸いです。
目次
死亡届
1.死亡届とは
それでは、まずは死亡届がどういった書類なのか見ていきましょう。
1-1.死亡届とはどういう書類?
死亡届とは、人が死亡した場合に死亡の年月日、時分及び場所などを役所に届け出るための書類で、正式名称は「死亡届書」といいます。死亡届を提出する際には死亡診断書(死体検案書)を添付することとされていますが、実際には死亡診断書と一体化している死亡届が使われています。
死亡届には、亡くなった方の氏名、生年月日、性別、死亡時刻、死亡場所、住所、世帯主氏名、本籍、配偶者の有無、世帯の仕事、故人の仕事、届出人の住所、本籍地、氏名、生年月日、故人との関係、連絡先などを記入して、提出することになります。
参考:死亡届の記載要領・記載例(法務省)
1-2.死亡届は会社や銀行での確認に必要
死亡届は、人が亡くなったことを役所に届出ることで、戸籍や住民票の記載を実態に即したものにするために必要です。また、その他にも会社の雇用保険に関する手続きや銀行口座の解約・名義変更手続きなど、以下のとおりさまざまな手続きにおいて必要とされています。
死亡届の提出が必要な手続き
- 医療保険の停止手続き
- 労災保険の請求手続き
- 雇用保険停止手続き
- 生命保険の請求手続き
- 自動車保険や損害保険の手続き
- 携帯電話の解約手続き
- 共済年金、国民年金、厚生年金などの受給手続き
- 不動産や銀行口座、自動車などの名義変更手続き
- 公共料金の名義変更手続き
2.死亡届はどこで発行してもらえるの?
2-1.死亡届の様式のもらい方
死亡届ですが、一般的にその用紙は病院や役所に備え置かれています。もっとも、人が亡くなると医師が死亡診断書(もしくは死体検案書)を作成することになり、その死亡診断書等と死亡届は一体化しているため、医師から死亡診断書等を渡される際に死亡届も入手することになる、というのが一般的かと思います。
医師から死亡診断書等とともに入手しない場合でも、市区町村役場の戸籍係等の窓口やホームページなどで入手することができます。
2-2.死亡届の書き方
死亡診断書等と一体化している死亡届に関しては、用紙の右側が死亡診断書(死体検案書)となっています。そのため、死亡診断書等は医師が記入し、届出人が左側の死亡届の必要事項を記入することになります。
死亡届には、以下の項目を記入しなければなりません。
- 死亡届の提出日
- 死亡した人の氏名、生年月日、性別、住民登録をしている住所
- 死亡日時、死亡場所(死亡診断書・死体検案書の記載と一致させる必要があります。)
- 死亡した人の本籍(外国人の場合は国籍)
- 配偶者の有無(内縁関係は含まれません。)
- 世帯のおもな仕事
- 死亡した人の職業・産業
- 届出人の住所、本籍、筆頭者の氏名
- 届出人の署名、生年月日
※押印は任意とされています。
鉛筆や消えるインクでは書かずに、黒のボールペンで書くようにしましょう。
3.死亡届を出した後はどうなる?
3-1.戸籍の記載
以上のように用意した死亡届を提出すると、まず戸籍謄本等に死亡の事実が反映されます。
死亡者の戸籍に死亡の事実(年月日、時分、場所等)が記載されます。あわせて、死亡者の住民票が消除されることとなります。そのため、届出地と戸籍のある本籍地や住民登録地が異なると、役所での事務処理に時間がかかり、死亡の事実を反映した戸籍謄本等の発行に日数を要する可能性があります。
3-2.火葬許可証をもらう
火葬・埋葬するためには、許可が必要です(墓地、埋葬等に関する法律第5条1項)。
墓地、埋葬等に関する法律第5条1項 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
流れとしては、死亡届の提出時に火葬許可証の交付を申請し、火葬許可証を受け取ってから遺体を火葬することになります。火葬が済むとその証印が押された火葬許可証を返却され、これが埋葬するための許可証になります。ですので、葬儀を行うためにも、死亡届はなるべく迅速に提出するべきなのです。
死亡届の提出期限はいつまで?
次に、死亡届の提出期限を確認しておきましょう。
1.届出の期限は死亡の事実を知った日から7日以内
死亡届は、原則として「届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内」に提出しなければなりません。国外で死亡した場合の届出期限は、「死亡の事実を知った日から3ヶ月以内」です(戸籍法第86条)。
戸籍法第86条 死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
死亡届の提出は死亡地でもできるため(戸籍法第88条1項)、国外で日本人が死亡した場合は、現地の日本大使館や領事館などでも届出ることが可能です。
戸籍法第88条 死亡の届出は、死亡地でこれをすることができる。
② 死亡地が明らかでないときは死体が最初に発見された地で、汽車その他の交通機関の中で死亡があつたときは死体をその交通機関から降ろした地で、航海日誌を備えない船舶の中で死亡があつたときはその船舶が最初に入港した地で、死亡の届出をすることができる。
2.提出期限の7日を過ぎたらどうなる?
7日(もしくは3ヶ月)の提出期限を過ぎてしまった場合、次のような不利益が生じてしまう可能性がありますので、注意しましょう。
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5万円以下の過料に処される
死亡届の提出期限を過ぎてしまうと、5万円以下の過料に処されてしまう可能性があります(戸籍法第137条)。過料とは行政罰の一種であり、金銭的なペナルティです。刑事罰の罰金とは異なり、前科がつくわけではありませんが、それでも遺族にとっては不利益となるでしょう。
戸籍法第137条 正当な理由がなくて期間内にすべき届出又は申請をしない者は、五万円以下の過料に処する。
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年金の受給停止手続きに遅れる
亡くなった人が厚生年金を受給していた場合は死亡してから10日以内に、国民年金を受給していた場合は死亡してから14日以内に、年金の受給停止を申請する必要があります。年金の受給停止手続きには、死亡の事実を証明するために戸籍抄本・住民票の除票・死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書といった書類が必要です。もし死亡届の提出期限に遅れてしまうと、年金受給停止手続きも遅れてしまい、結果として年金を不正受給することになりかねません。不正受給した場合、その分の金銭を返還する必要があるだけでなく、3年以下の拘禁または100万円以下の罰金に処されてしまう可能性があります(国民年金法第111条)。
国民年金法第111条 偽りその他不正な手段により給付を受けた者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。ただし、刑法(明治四十年法律第四十五号)に正条があるときは、刑法による。
そのため、年金の受給停止手続きの期限も意識して死亡届を速やかに提出する必要があるのです。
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保険の資格喪失届ができない
亡くなった人の死亡を前提とした健康保険・介護保険の資格喪失届の提出も、死亡届がなければ行えません。このため、本来受け取ることができるはずの葬祭費や埋葬料などの給付金を受け取ることもできなくなります。また、保険料の引き落としが続いてしまい、無駄な費用が生じる可能性もあります。
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葬儀や火葬ができない
前述のとおり、死亡届を提出することで遺体の火葬や埋葬を行うことができます。そのため、死亡届を提出しない限り、火葬に必要な「火葬許可証」が発行されません。
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住民票の手続きができない
亡くなった人が世帯主であった場合、死亡届の提出後、死亡後14日以内に世帯主変更届を提出する必要があります。この期限内に新しい世帯主を届け出なかった場合、に基づき5万円以下の罰金が科せられる可能性があります(住民基本台帳法第52条2項、同第25条)。
住民基本台帳法第52条2項 正当な理由がなくて第二十二条から第二十四条まで、第二十五条又は第三十条の四十六から第三十条の四十八までの規定による届出をしない者は、五万円以下の過料に処する。
(世帯変更届)
住民基本台帳法第25条 第二十二条第一項及び第二十三条の場合を除くほか、その属する世帯又はその世帯主に変更があつた者(政令で定める者を除く。)は、その変更があつた日から十四日以内に、その氏名、変更があつた事項及び変更があつた年月日を市町村長に届け出なければならない。
死亡届の提出は、必ず期限内に済ませるようにしましょう。
3.死亡届はいつ出す?
死亡届の提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内です。市区町村役場は基本的に平日のみ開庁していますので、仮に7日目が土日祝日や年末年始の場合は、翌開庁日までが提出期限となります。
なお、一部の市区町村役場では、夜間や休日にも死亡届を受け付ける窓口を設置しています。死亡届を提出する際には、ホームページなどで死亡届の提出受付時間を調べておくと安心です。
死亡届・死亡診断書の提出先
1.本籍地が分からない場合は本籍地以外に提出OK
さて、死亡届は市区町村役場に提出すると前述しましたが、より具体的にご説明しますと、「亡くなった人の死亡地や本籍地の市区町村役場、あるいは届出人の所在地の市区町村役場」に提出することになります(戸籍法第25条、戸籍法第88条)。状況に応じて、届出人が任意に選ぶことが可能です。
戸籍法第25条 届出は、届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地でこれをしなければならない。
② 外国人に関する届出は、届出人の所在地でこれをしなければならない。戸籍法第88条 死亡の届出は、死亡地でこれをすることができる。
② 死亡地が明らかでないときは死体が最初に発見された地で、汽車その他の交通機関の中で死亡があつたときは死体をその交通機関から降ろした地で、航海日誌を備えない船舶の中で死亡があつたときはその船舶が最初に入港した地で、死亡の届出をすることができる。
たとえば、故人が単身赴任先や旅行先で亡くなった場合などには、本籍地の役所に届出るより、亡くなった場所の役所に届出る方が、手続きが早く行える可能性があります。あるいは、引っ越しをしたばかりで住民票の登録が前の居住地になっている場合などには、転居前の本籍地より、死亡時に住んでいた場所の役所へ死亡届を提出する方が効率的な場合もあるでしょう。
2.死亡届の提出時に必要な書類
死亡届を提出する際には、死亡診断書もしくは死体検案書、届出人の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート等)が必要です。また、火葬の許可証の発行を申請するため、火葬許可申請書も必要となります。死亡届に届出人の押印は任意ですが、提出時には記載内容の訂正等に備えて認印(シャチハタの使用は認められていませんが、実印である必要まではありません。)を持参しておくと安心です。
また、自治体によっては以下の証明書等の提出も求められることがありますので、事前に電話等で確認しておくとスムーズです。
- 国民健康保険被保険者証または後期高齢者医療保険者証
- 介護保険被保険者証
- 国民年金手帳(年金受給者の場合は年金証書)
- 老人医療費受給者証、その他自治体独自の給付証明書等
死亡届の届出人
1.死亡届の届出人の範囲
死亡届を記入し市区町村役場に提出するにあたって、死亡届の届出人に関しては、「届出義務者」もしくは「届出ができる者」でなければならないと、戸籍法により定められています。そのため、以下の届出義務者と届出ができる者以外の人が、死亡届の届出をすることはできません。
-
届出義務者(戸籍法第87条1項)
- 同居の親族
- その他の同居者
- 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
-
届出ができる者(戸籍法第87条2項)
- 同居の親族以外の親族
- 後見人、保佐人、補助人
- 任意後見人及び任意後見受任者
戸籍法第87条 次の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。ただし、順序にかかわらず届出をすることができる。
第一 同居の親族
第二 その他の同居者
第三 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
② 死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人及び任意後見受任者も、これをすることができる。
2.葬儀屋が届出ることが一般的
以上のとおり、死亡届の記入、署名・押印(押印は任意)は上記の届出人が行う必要がある一方で、実際に役所の窓口に書類を提出するのは、葬儀会社等の代理人・使者であっても構わないとされています。
実務上も、葬儀会社が業務の一環として死亡届の提出から火葬許可証の受領までを行うことが一般的です。ですので、遺族等が死亡届に記載して、葬儀会社が代行し市区町村役場に届出ることになります。
3.届出人がいない場合は福祉事務所長等が届出人になる
親族がいない場合、福祉事務所長等など、公設所の長が届出人となることもあります。亡くなった人が入院していた病院の院長、老人ホームの管理者、居住していたアパートの大家など、故人と関わりのあった人が届出を行うことも認められています。
死亡届を出す前に気を付けること
1.死亡届や死亡診断書のコピーを取っておく
本記事でもお伝えしましたが、死亡届と死亡診断書は、葬儀後に行うさまざまな遺産相続等の手続きで必要となる重要な書類です。死亡届は、市区町村役場に提出すると返却されないため、提出前に必ずコピーを取っておくことが重要です。
最低でも3、4枚か、必要な手続きが多い場合は10枚程度取っておくと安心です。
2.死亡届の代わりの死亡証明書はどこで発行される?
死亡届のコピーを取り忘れてしまった場合の後の相続手続きでは、死亡証明書で代用することも可能です。
死亡証明書とは、人の死亡の事実を証明する書類で、一般的には医師の作成する死亡診断書や死体検案書、市区町村役場の発行する「死亡届の記載事項証明書」を指します。このうち、「死亡届の記載事項証明書」とは、死亡届の記載事項証明書は死亡届を提出したことを証明する書類で、死亡届の写しともいわれます。
なお、死亡届の記載事項証明書の交付請求は常に認められるわけではありません。交付請求できるのは、遺族基礎年金や遺族厚生年金を請求する「特別の事由がある場合」に限られます。請求権者も、死亡届の届出人や、死亡した人の配偶者や六親等内の血族、三親等内の姻族についてのみ認められています(戸籍法第48条2項)。
戸籍法第48条 届出人は、届出の受理又は不受理の証明書を請求することができる。
② 利害関係人は、特別の事由がある場合に限り、届書その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し、又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。
③ 第十条第三項及び第十条の三の規定は、前二項の場合に準用する。
死亡届を本籍地以外の地で提出していた場合は、死亡届を提出してから約1ヶ月以内であれば、届出をした市区町村役場で記載事項証明書を受け取ることができます。ただし、1ヶ月以上経過すると、死亡届は本籍地を管轄する法務局に移管され、法務局での取得となります 。一方で、死亡届を本籍地で提出していた場合は、約1年間は届出をした市区町村役場で記載事項証明書を受け取ることが可能です。ただし、この場合も1年以上経過すると、法務局で取得することになります。
なお、市区町村役場で交付申請する場合の手数料は1通あたり350円で、法務局で交付申請する場合手数料は無料です。
3.死亡届の偽造は犯罪
死亡届の偽造や内容の虚偽記載は、刑法上の複数の罪に抵触する可能性のある行為です。その行為の態様によって、主に以下のようなケースが考えられます。
たとえば、医師が公務所(官公庁等)に提出すべき診断書や検案書、死亡証書に虚偽の記載をした場合は、虚偽診断書等作成罪(刑法第160条)に該当します。そのため、医師が虚偽の死亡診断書や死体検案書を作成した場合、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処される可能性があります。
虚偽の文書を作成して罰されるのは、医師だけではありません。以下のように虚偽の死亡診断書を作成した場合は、有印私文書偽造(刑法第159条1項)の罪に該当する可能性があります。
- 医師の資格を持たない人が、実在する医師の名を使って嘘の死亡診断書を作成した。
- 医師の資格を持たない人が、架空の医師の名を使って嘘の死亡診断書を作成した。
- 医師の資格を持たない人が、自身の名前の肩書きを「医師」と偽って、嘘の死亡診断書を作成した。
また、偽造した死亡診断書を使って作成した虚偽の死亡届を実際に役所に提出した場合は、偽造私文書等行使(刑法第161条)の罪に当たります。こうした行為に該当した場合、法定刑は3ヶ月以上5年以下の拘禁刑と定められています。
あるいは、医師の名義で正式に作成された死亡診断書の内容を、作成した医師以外の人が改変した場合は、有印私文書変造罪(刑法第159条2項)に該当する可能性があり、この場合も3ヶ月以上5年以下の拘禁刑となっています。
そして、こうした虚偽の死亡届を提出することで、戸籍に事実と異なる記載をさせた場合には、公正証書原本不実記載罪(刑法第157条)に問われます。この場合の法定刑は5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
4.死亡届の不受理処分がされたら
戸籍事務を取り扱う者には、原則として届出の内容が真実かどうかを審査する実質的審査権限はありません。死亡届や添付書類が適切な形式を備えたものかという形式的審査権のみを有するとされています。そのため、届出資格のない人が届出をした場合や、死亡診断書等の必要書類に不備があった場合などに死亡届が不受理となることがありますが、形式が整っていれば、内容を審査されることなく死亡届は受理されます。
仮に死亡届が不受理となった場合には、家庭裁判所に不服申立てをすることができます(戸籍法第122条)。
戸籍法第122条 戸籍事件(第百二十四条に規定する請求に係るものを除く。)について、市町村長の処分を不当とする者は、家庭裁判所に不服の申立てをすることができる。
もっとも、書類に不備があった場合には不備を訂正して再提出することで足りるため、実際に不服申し立てによって争うことは稀といえるでしょう。
5.死亡届の提出と同時にできることも意識しましょう
亡くなった際には、死亡届の提出以外にもさまざまな手続きが必要です。死亡届の提出を前提とした市区町村役場での手続きは、死亡届の提出と同時か、提出後の流れで行えるものもあります。
- 被相続人が世帯主であった場合、世帯主が変更となるため「世帯主変更届」の提出が必要です。
- 健康保険の資格喪失手続き
- 故人が加入していた国民健康保険や勤め先の健康保険組合の資格は、死亡とともに喪失するため、健康保険の資格喪失届を提出しなければなりません。会社の健康保険組合に加入していた場合、事業主が手続きを行うため、故人の保険証を事業主に返還することになります。
- 故人が65歳以上であったり、40歳以上65歳未満で要介護・要支援の認定を受けていた場合、故人の介護保険被保険者証は死亡後14日以内に返却し、介護保険資格喪失届を提出しなければなりません。
死亡後の手続きとその期限については、こちらの関連記事にて詳しく解説しておりますので、本記事とあわせてぜひご一読ください。
死亡届に関するQ&A
Q1.死亡届の書式はどのように入手すれば良いですか?
A:基本的に死亡届の書式を自身で入手する必要はありません。故人が亡くなった場合、医師が死亡診断書(死体検案書)を作成しますが、死亡届は死亡診断書等と1枚の用紙にまとめられていることが一般的だからです。
ですが、自身で入手する必要がある場合は、医療機関や役所の窓口、役所のホームページなどから入手することも可能です。事前に死亡診断書(死体検案書)を発行してもらう医療機関に確認し、必要であれば死亡届の用紙を入手しておきましょう。
Q2.死亡届の届出人になれるのはどのような人ですか?
A:死亡届の届出人になれるのは、届出義務者か届出ができる者として法律に定められている人です。
-
届出義務者(戸籍法第87条1項)
- 同居の親族
- その他の同居者
- 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
-
届出ができる者(戸籍法第87条2項)
- 同居の親族以外の親族
- 後見人、保佐人、補助人
- 任意後見人及び任意後見受任者
なお、死亡届の提出は届出人自身でなくても行えますので、実際には葬儀会社が役所へ死亡届を提出することが一般的になっています。
Q3.死亡届を提出した後、故人の銀行口座は自動的に凍結されるのでしょうか?
A:いいえ、役所に死亡届を提出しても、故人の銀行口座が自動的に凍結されることはありません。役所から銀行などの金融機関に対して死亡届が提出された旨の通知は行われないため、遺族が銀行に直接連絡する必要があります。また、新聞の訃報欄などを通じて銀行が故人の死亡を知り、遺族に確認を取って凍結手続きを行う場合もあります。
まとめ
本記事では、死亡届について弁護士が解説させていただきました。
基本的には医師の作成する死亡診断書等と1枚セットになっている届出書ですので、入手することは難しくありませんし、記載事項にも特段複雑なものはありません。形式的な不備に注意し、その後の諸々の手続きをスムーズに進めるためにも、死亡後なるべく早めに死亡届を提出しましょう。
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この記事を書いた人
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。





