親が亡くなったら|親が亡くなった時の手続き一覧表【死亡後の手続きリスト付き】

相続手続き

更新日 2026.05.22

投稿日 2024.07.05

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

弁護士法人あおい事務所の相続専門サイトをご覧いただき、ありがとうございます。当サイトでは、相続に関する法的な知識を分かりやすくお届けしております。皆様のお悩みの解消に少しでもお役立ちできましたら幸甚です。

親が亡くなったら、悲しみに打ちひしがれる中でも、行わなければならない手続きが山積みです。葬儀の手配から始まり、さまざまな公的手続き、遺産相続や税金に関する事務処理に至るまで、その量と複雑さには圧倒されるかもしれません。そして、多くの手続きには申請期限がありますので、親の亡くなった直後から準備を進めていかなければなりません。

そこでこの記事では、親が亡くなったらいつまでに何をしなければならないのか、公的な手続き、遺産相続・税金関係の手続き、それ以外の手続きに大別して弁護士が詳しく解説させていただきます。本記事を参考にしていただき、それぞれの手続きの期限に注意しながら進めていきましょう。

また、手続きは一覧表及びチェックリストにてまとめておりますので、ご活用いただければと思います。

目次

親が亡くなったら

1.親が亡くなったあとの流れ

最初に、親が亡くなったあとの全体的な流れを簡単に確認しておきましょう。

親が亡くなった場合、まずは医学的な死亡確認と証明書の取得をし、葬儀や埋葬の手続きを進めていくことになります。亡くなった当日から始まり、おおむね7日以内に終わることが一般的です。

そして、並行して公的な手続きも進めていきます。保険や年金、住民票に関する各種申請を、定められた期限内に行います。期限が迫っているものから優先的に対応することが重要です。

特に、健康保険の資格喪失や年金受給停止などの公的な手続きは、死亡日から14日以内に完了させる必要があるため、迅速に行う必要があります。市区町村役場でする手続きが多いので、なるべく一度で済ませるように、あらかじめ申請の内容と期限を整理しておくことが推奨されます。

親の死亡後の手続きには明確な順番があるわけではありませんが、期限を意識しながら効率的に進めることが大切です。

遺産相続に関する手続きは、こうした手続きに比べると若干の余裕がありますので、公的な手続きが終わった後に着手すると良いでしょう。相続税の申告や納税準備、相続財産の名義変更などは、余裕を持って慎重に行う必要があります。とはいえ、こうした遺産相続に関する手続きも数ヶ月~3年の期限が定められていますので、あまりゆっくりはできません。

また、死亡保険金の請求やライフラインの名義変更、クレジットカードの利用停止手続きといったものもあります。こうした手続きは期限が定められていないことが多いですが、早めに行うことで経済的な不安を軽減できるでしょう。

こうした手続きをスムーズに進めるためには、親族や相続人と協力し合いながら、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることも有効です。

さて、以下ではさっそく、親が亡くなった場合にすべき手続きについて、具体的に確認していきます。なお、家族関係や遺産相続の内容に応じて、必要な手続きは異なりますので、あくまで一般的なケースの目安として、ご参考にしていただければと思います。

2.親が亡くなった時の手続き一覧表

親が亡くなったらするべきことを一覧にまとめますと、下表のとおりになります。

死亡後 市役所等での公的手続き
直後 死亡診断書もしくは死体検案書の受け取り
死亡届の提出
火葬許可証の受け取り
14日以内 年金受給停止の手続き
健康保険資格喪失の届出(勤務先の保険の場合は5日以内)
介護保険資格喪失の届出
住民票の世帯主変更の届出
1ヶ月以内 雇用保険受給資格者証の返却
2年以内 国民年金の死亡一時金請求
埋葬料請求
葬祭費請求
高額医療費の還付申請
5年以内 遺族年金の請求
故人の未支給年金の請求
死亡後 遺産相続手続き
なるべく早めに 相続人の調査
相続財産の調査
遺言書の検認
遺産分割協議
銀行の預貯金払い戻し・名義変更
株式の名義変更
自動車の売却・名義変更・処分(廃車)
相続開始を知ってから 相続放棄・限定承認(3ヶ月以内)
所得税の準確定申告・納税(4ヶ月以内)
固定資産税の納税・現所有者申告
相続税の申告・納付(10ヶ月以内)
3年以内 不動産の相続登記(名義変更)
その他の手続き
なるべく早めに 訃報の連絡
葬儀社へ連絡、打ち合わせ
葬儀の手続き、初七日
クレジットカードの利用停止手続き
運転免許証の返納
パスポートの失効手続き
電気、ガスなど公共料金の名義変更・解約
携帯電話やインターネット等通信サービスの解約
サブスクリプション型サービスの名義変更・契約停止
団体信用生命保険の請求手続き
3年以内 生命保険金の受け取り

全体の流れを把握したところで、一つひとつを詳しく見ていきましょう。

死亡後の手続き

1.亡くなった当日~7日以内にやること

1-1.死亡届を出す前に死亡診断書・死体検案書を受け取る

親が亡くなったら、まずは死亡診断書(もしくは死体検案書)を受け取ります。

死亡診断書および死体検案書は、その人が死亡したことを医学的に証明する書類であるとともに、市役所等への死亡届の提出や火葬許可の受領、死亡保険金の請求などに必要となる書類です。死亡診断書と死体検案書は、故人がどのような亡くなり方をしたかによって、変わります。

死亡診断書は、医師が自身の診療管理下にある患者について、生前に診療していた傷病に関連して死亡したと認める場合に交付する書類です。そのため、亡くなった方が入院していた場合は、その病院の医師が死亡診断書を作成します。自宅療養中に亡くなった場合は、かかりつけ医に連絡して自宅に訪問してもらい、死亡診断書を作成してもらう必要があります。

一方、病気や老衰以外の原因で亡くなった場合(事故や自然死、死因が不明な場合など)に発行されるのが「死体検案書」です。たとえば、健康で病気治療もしていなかったのに、朝起きたら親がリビングに倒れて亡くなっていた、といったような場合には遺体には触れず、すぐに警察へ連絡しましょう。医師が遺体の検視を実施し、死因を確定します。検視が完了すると、その結果をまとめた死体検案書が発行されます。

死亡診断書の発行費用は、保険適用外のため、約3,000〜10,000円程度かかります。死体検案書の発行費用は地域によって異なりますが、一般的には30,000〜100,000円程度が相場とされています。

死亡診断書や死体検案書は、市役所等に故人の死を届出る際の死亡届に添付します。この際に、故人の死に立ち会った医師の署名押印がある死亡診断書等でなければ認められません。

なお、実務では用紙の左側が死亡届、右側が死亡診断書(死体検案書)という、1枚にセットになった書式が一般的です。そのため、役所に死亡届を提出すると手元に死亡診断書は残りません。この後の死亡保険金の受け取り、銀行口座の名義変更、年金の受給停止手続きなどの手続きで死亡診断書が必要になることもあるため、必ず死亡診断書のコピーを何枚か取っておきましょう。

1-2.訃報の連絡

家族や親戚などに訃報の連絡をします。メールやSNSでは相手の見るタイミングによっても左右され、確実に見てもらえるとは限らないため、電話で連絡するのがおすすめです。早めに知らせておくことで、相続人となる家族や親族も、遺産相続についての準備を始めることができます。

家族や親族ではない人で、故人と密接な関係にあった人に対しては、葬儀の日時や場所が決まってから、落ち着いて詳細を連絡すると良いでしょう。

1-3.遺体の搬送、葬儀社の選定

葬儀社の選定も、早めに進めておきましょう。場合によっては、病院が提携している葬儀社を紹介してくれることもありますので、担当者の対応や費用などを確認し、納得のいく葬儀社を選ぶようにしましょう。

亡くなった当日に葬儀社を決めるのが難しい場合は、まずは遺体搬送だけを葬儀社に依頼することもできます。遺体を病院で安置してもらえるのは、通常亡くなってから数時間程度です。そのため、すみやかに搬送を依頼する必要がありますので注意してください。

葬儀にあたっては、葬儀の方法や、参列者の整理、香典返しの検討など、事前に決めなければいけないことがたくさんあります。時間に追われる中で葬儀社を選ぶのではなく、なるべく生前に葬儀社を決めておくとスムーズです。

1-4.死亡届の提出

上でご説明した死亡診断書や死体検案書を受け取ったら、死亡の事実を知った日から7日以内に、市区町村役場に死亡届を提出します。

なお、死亡届の提出自体は、家族などの届出人のほかに届出人から頼まれた人でも可能です。そのため、実際には葬儀社が死亡届の提出を代行してくれます。

提出期限

死亡の事実を知った日から7日以内(7日目が土日又は祝日、年末年始の場合は、翌開庁日まで)

提出窓口

以下のいずれかを管轄する役所の窓口
・亡くなった人の本籍地
・届出人の住所地
・死亡した場所

届書を持参する人

届出人、または届出人から頼まれた人(ただし、記載内容の修正は、届出人のみ可)

必要書類

・死亡届(届出人の署名及び死亡診断書に医師の証明があるもの)
・届出人の認印(届書に押印した場合)など

1-5.火災許可証の取得

日本においては通常、葬儀の後に火葬が行われます。遺体を火葬するときは火葬許可証が必要となりますので、葬儀の前に火葬許可証を取得しておかなければなりません。

火葬許可証とは、墓地、埋葬等に関する法律に基づき、遺体を火葬するために市区町村長が発行する公的な許可証です。死亡届を提出する際に、役所に死体火葬許可申請書を提出し、その場で火葬許可証を発行してもらいます。死亡届の提出を葬儀社に頼んだ場合は、火葬許可証の取得手続きも葬儀社が代行してくれるケースが多いです。

火葬が完了すると、火葬済みを示す証印が押された火葬許可証が戻されます。これはそのまま墓地等への納骨に必要な「埋葬許可証」として機能します。火葬許可証を紛失した場合には、市区町村役場で再発行してもらうことができますが、手間がかかるため火葬後も大切に保管しておきましょう。

なお、原則として埋葬または火葬は、死亡後24時間以上経過した後でなければ行ってはならないとされています(墓地、埋葬等に関する法律第3条)。

墓地、埋葬等に関する法律第3条 埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。

1-6.通夜・葬儀

亡くなってから2日目に通夜を、3日目に葬儀を行うことが一般的です。

通夜は、家族、親族や生前親しくしていた人など近親者が集まって最後の夜を過ごす儀式のことで、葬儀とは、一般的に通夜、葬式、告別式、そして火葬を含む一連の儀式のことをいいます。通常、通夜や葬儀は葬儀社が主導してくれるため、祭壇の手配、参列者への案内などを一任することができます。故人の家族は、喪主を選び、参列者の出迎えや挨拶などを行います。

葬儀の費用に関しては、法律で定められたルールはありませんが、喪主が負担することが一般的です。集まった香典は喪主が管理し、葬儀の費用に充てられることになります。

なお、近年では家族葬や火葬のみを行う直葬といった、より小規模な葬儀の形式も選ばれることが増えています。

以上のような流れで葬儀から埋葬までが完了したら、以下でご紹介する公的手続きも迅速に進めていきましょう。

2.親が亡くなったら役所等でする公的手続き

主に市区町村役場などで行う公的手続きをご紹介いたします。

2-1.世帯主の変更(14日以内)

被相続人が世帯主であった場合、世帯主が変更することになるため、「世帯主変更届」の提出が必要です(住民基本台帳法第25条)。

(世帯変更届)
住民基本台帳法第25条 第二十二条第一項及び第二十三条の場合を除くほか、その属する世帯又はその世帯主に変更があつた者(政令で定める者を除く。)は、その変更があつた日から十四日以内に、その氏名、変更があつた事項及び変更があつた年月日を市町村長に届け出なければならない。

具体的には、残された世帯員が2人以上おり、その中に15歳以上の世帯員が複数いる場合に、世帯主変更届が必要となります。

一方で、① 残された世帯員が1人のみとなった場合、② 残された世帯員が、15歳未満の子どもと親権者1人のみである場合には、世帯主が法律上または実務上自動的に決まることになり、市区町村側で処理されるため届出は必要ありません。

提出が遅れると、5万円以下の過料に処せられることがあるので注意してください。

手続き先

亡くなった親の居住地の市役所等

届出人

・新しい世帯主
・同じ世帯の人
・代理人
のいずれか。

必要書類

・世帯主変更届(住民異動届)
・本人確認書類(保険証や運転免許証など
・国民健康保険証、子ども医療費受給者証、介護保険証
・印鑑
・委任状など

2-2.健康保険の資格喪失手続き(5日または14日以内)

日本では、すべての国民に公的医療保険への加入が義務付けられているため、誰もがいずれかの保険制度(国民健康保険、社会保険、後期高齢者医療制度)に加入しています。そのため、加入者が亡くなった場合には、保険の資格を喪失するための手続きと、保険証の返却が必要となります。

国民健康保険の場合は、手続きの期限が亡くなってから14日以内とされています。他の公的手続きと同じタイミングで行うと効率的です。

<国民健康保険に加入していた場合>

手続き期限

亡くなってから14日以内

手続き先

亡くなった親の住所地の市区町村の国民健康保険窓口

必要書類

・国民健康保険異動届(資格喪失)
・国民健康保険証
・高齢受給者証(70歳から75歳までの人の場合)
・戸籍謄本など

一方で、亡くなった親が会社に勤めており、健康保険に加入していた場合は、その会社の事業主が「被保険者資格喪失届」を死亡日から5日以内に日本年金機構に提出します。この際、健康保険の被保険者証を添付することになるため、親の勤務先から健康保険証の返却を求められたら、速やかに保険証を返却しましょう。同時に、亡くなった親の被扶養者である家族の健康保険証も忘れずに返却するよう、注意してください。

なお、亡くなった親の家族が健康保険の扶養に入っていた場合は、亡くなった日の翌日から資格を喪失します。そのため、新たに国民健康保険への加入手続きを行うか、他の家族の扶養に入る手続きもする必要があります。

<勤務先で健康保険に加入していた場合>

手続き期限

亡くなってから5日以内

手続き先

亡くなった親の勤務先や加入先の保険組合

必要書類

・厚生年金保険被保険者資格喪失届
・健康保険被保険者証
・死亡退職届
・その他会社から求められた書類 

2-3.介護保険の資格喪失の手続き(14日以内)

故人が65歳以上か、40歳以上65歳未満で要介護・要支援の認定を受けていた場合、死亡後14日以内に介護保険被保険者証を市区町村役場へ返却する必要があります。また、被保険者証の返却と同時に、「介護保険資格喪失届」の提出も必要となります。

手続き先

亡くなった親の住所地の市区町村役場の介護保険窓口

必要書類

・介護保険資格喪失届
・介護費保険者証など

なお、介護保険の資格喪失手続きを行った後、保険料の未納分や過払いがないかが再計算されることになります。もし未納分がある場合は、相続人がその不足分を納めなければなりません。一方、保険料の過払いがあった場合は、相続人に還付金が支払われます。

このように、介護保険の手続きの際に保険料の精算が行われますので、期限内に適切に手続きを進めましょう。

2-4.雇用保険受給資格者証の返却(1ヶ月以内)

雇用保険受給資格者証とは、失業給付を受給する際に必要となる資格証です。故人が雇用保険を受給していた場合は、死亡後1ヶ月以内に雇用保険を受給していた公共職業安定所(ハローワーク)に受給資格者証を返却しなければなりません。

手続き期限

亡くなってから1ヶ月以内

手続き先

雇用保険を受給していた公共職業安定所(ハローワーク)

必要書類

・雇用保険受給資格者証
・故人の死亡を証明する書類(死亡診断書のコピー、戸籍抄本など)
・手続きする人の本人確認書類

2-5.葬祭費・埋葬料の請求(2年以内)

故人が加入していた健康保険によっては、遺族が葬祭費や埋葬料を請求できる場合があります。健康保険の被保険者が死亡した場合には「埋葬料(埋葬費)」が、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者が死亡した場合には「葬祭費」が支給されることになります。どちらも、請求期限は2年以内と比較的余裕がありますが、手続きは市区町村役場で行いますので、国民健康保険等の資格喪失手続きと同時に行っておきましょう。

<埋葬料(埋葬費)>亡くなった親が勤務先の健康保険に加入していた場合

被保険者により生計を維持されていた人であって、埋葬を行う人に対しては、埋葬料として一律5万円が支給されます(健康保険法第100条1項、健康保険法施行令第35条)。生計を維持し埋葬を行う人がいなかった場合には、葬祭を行った人に対して、埋葬費として5万円の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額が支給されることになります(健康保険法第100条2項)。

(埋葬料)
健康保険法第100条 被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、政令で定める金額を支給する。
2 前項の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対し、同項の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。

(埋葬料の金額)
健康保険法施行令第35条 法第百条第一項の政令で定める金額は、五万円とする。

手続きや必要書類についてまとめますと、下のとおりとなります。

手続き期限

死亡日の翌日から2年以内

手続き先

亡くなった親の加入している健康保険組合または協会けんぽ

必要書類

・埋葬料支給申請書(事業主の証明があるもの)
・死亡診断書のコピーまたは埋葬許可証
・埋葬費用の領収書など

<葬祭費>亡くなった親が国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた場合

国民健康保険・後期高齢者医療制度の場合は、各自治体により支給の有無や支給される金額が異なります。そのため、こちらの必要書類は一般的な場合です。詳細は各自治体のホームページや窓口などでご確認ください。

手続き期限

葬儀から2年以内

手続き先

亡くなった親の住所地の市区町村役場

必要書類

・亡くなった親の健康保険証
・申請者の本人確認書類、印鑑
 ・葬儀費用の領収書など

支給額は1万円~7万円程度が一般的で、おおむね3万円~5万円が多いようです。たとえば、浜松市では葬祭費として5万円が支給されますが、東京都練馬区では7万円が支給されます。

参考:国民健康保険/葬祭費を請求するときは(浜松市)

参考:国保に加入している方が亡くなったとき(葬祭費の支給)(練馬区)

2-6.高額療養費の還付請求(2年以内)

高額療養費制度とは、同一月(月の初めから終わりまで)に病院や薬局の窓口で支払った医療費の自己負担額が、所得や年齢に応じて定められた「自己負担限度額」を超えていた場合に、その超えた額について返金してもらう制度です。親が亡くなった後に、親の医療費の自己負担額が一定の基準を超えていた場合も、高額療養費制度を利用してその超過分を返金してもらうことができます(健康保険法第105条、国民健康保険法第57条の2、高齢者の医療の確保に関する法律第84条 )。

申請期限は「治療を受けた月の翌月から2年以内」に設定されています。

手続き期限

診療月の翌月から2年以内

手続き先

・健康保険組合
・協会けんぽ
・市区町村役場

必要書類

・高額療養費支給申請書
・医療費の領収書、明細書
・亡くなった親との続柄がわかる戸籍謄本など

ただし、医療費全てについて返金してもらえるわけではありません。たとえば差額ベッド代や入院時食事代、健康保険から給付されない高度な治療代等については、還付請求の対象外となります。還付金の支給には、診療月から3~4ヶ月程度の期間がかかることもありますので、余裕を持って申請をしておきましょう。

なお、あらかじめ「高額療養費自己負担限度額の適用認定証」の交付を健康保険協会に申請し、その認定証を医療機関に提出することで、自己負担限度額を超えた分の支払いは不要となります。

3.親が亡くなったらする遺産相続の手続き

親が亡くなった場合、親を被相続人とした相続が始まります。一般的に、遺産相続手続きは以下の流れで進みますので、簡単に確認しておきましょう。

  1. 遺言書の有無の確認と検認手続き(なるべく早めに)
  2. 相続人と相続財産の調査(なるべく早めに)
  3. 限定承認や相続放棄の検討(相続開始を知った時から3ヶ月以内)
  4. 遺産分割協議と遺産分割協議書の作成(なるべく早めに)
  5. 相続手続き(不動産の名義変更、預貯金の解約等)

3-1.遺言書の有無の確認と検認

被相続人が遺言書を残している場合は、遺言の指示に従って遺産分割を進めることになるため、まずは遺言書の有無を確認することになります。

遺言書には公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言と種類があり、公正証書遺言や法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言の場合は、全国の公証役場や法務局で有無を調べることが可能です。

法務局の保管制度を利用していない自筆証書遺言は、自宅や貸金庫に保管されていることが多いため、その辺りを探すことになるでしょう。もし生前に弁護士などと連絡を取っていた様子があれば、その弁護士等に遺言書の作成を依頼されていないか、問い合わせてみるのも一つの方法です。

秘密証書遺言も公証役場で作成される遺言書なので、日本公証人連合会の「遺言検索システム」上にデータ化されていますが、この検索によって分かるのは「秘密証書遺言を作成した事実」に過ぎません。そのため、内容を確認するには秘密証書遺言の原本を探す必要があります。

このようにして遺言書を見つけても、公正証書遺言と法務局に保管された自筆証書遺言以外の遺言書については、相続人たちで勝手に開封してはいけません。遺言書の形式や態様などの現状を調査・確認し、後日の偽造・変造を防止するための検証手続きである「遺言書の検認」の手続きをする必要があります(民法第1004条1項)。公正証書遺言と法務局に保管された自筆証書遺言以外の全ての遺言書は、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立ち会いのもとでなければ開封できないのです(民法第1004条3項)。

遺言書の検認は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、遺言書の保管者あるいは相続人が申立てを行います。検認することによって遺言書の外形的な状態が確認されますが、遺言の有効・無効といった実質的な面までは検認手続きで確認されません。

家庭裁判所で検認手続をしなかった場合、5 万円以下の過料に処せられてしまいますので、遺言書が見つかったら必ず検認の申立てをしましょう。

3-2.相続人と相続財産の確定

被相続人の生前から死亡に至るまでの戸籍謄本等を取得し、同時にその戸籍の記載から相続人を確認します。代襲相続が発生している可能性もありますので、相続人全員を正確に確定させるまで、しっかり調査しましょう。

並行して、被相続人の相続財産も調査します。相続財産はプラスの財産だけでなく、借金やローンといったマイナスの財産もありますので、被相続人の居所に届く郵便物や携帯電話・パソコンの通信履歴やブックマーク等を確認し、金融機関・証券会社等との取引の有無も調べましょう。

3-3.相続の放棄・限定承認の選択(3ヶ月以内)

相続人と相続財産の調査を終えたら、一切の権利義務を無限に承継するか(単純承認)、相続財産の限度で債務を弁済するか(限定承認)、一切の相続する権利を失うか(相続放棄)について、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に決めなければなりません(民法第915条1項)。

(相続の承認又は放棄をすべき期間)
民法第915条1項 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

この3ヶ月の熟慮期間内に何も選択しない場合や、相続財産を処分した場合には、単純承認をしたものとみなされます。そのため、単に遺産を相続すると決めた場合は、この期限内にすべきことは特にありません。

重要なのは、相続放棄か限定承認を選択する場合です。単に「相続放棄する」「限定承認する」と他の相続人に対し宣言するだけでは、法的な効果がありません。相続放棄と限定承認は、期限内に家庭裁判所で申述の手続きを行う必要があります。

もし相続財産や相続人の調査に時間がかかってしまうと、相続放棄するか承認するかの検討期間が短くなってしまいます。そうした場合には、3ヶ月の期限内に熟慮期間伸長の申立てをし、認められた伸長期間内に放棄・承認を決断し、必要な手続きを行いましょう。

3-4.所得税の準確定申告(4ヶ月以内)

被相続人が以下のような場合で、その年の所得を申告しないうちに亡くなっているときには、相続人が代わりに確定申告を行わなければなりません(準確定申告)。

  • 事業所得がある場合(事業主やフリーランスなど)
  • 不動産所得がある場合
  • 年収が2,000万円以上の場合
  • 2箇所以上の会社から収入がある場合
  • 公的年金を年間400万円以上受け取っていた場合
  • 給与や退職金以外で年間20万円以上の収入があった場合
  • 生命保険の満期金や一時金を受け取った人

準確定申告は、相続が開始されたことを知った日の翌日から4ヶ月以内に完了させる必要があります。亡くなる前年の確定申告も未済の場合は、その年分の確定申告も合わせて行う必要があります。期限を過ぎてしまうと、加算税や延滞税などの追加の税金がかかることがあるので注意が必要です。

手続き期限

死亡日の翌日から4ヶ月以内

手続き先

亡くなった親の住所地の税務署

必要書類

・所得税の確定申告書、確定申告書付表
・源泉徴収票など

3-5.遺産分割協議

遺言書がない場合は、遺産を相続する相続人全員で遺産分割協議を行い、合意した内容を遺産分割協議書にまとめます。

遺産分割協議には「〇ヶ月以内に合意を形成すること」といった法律上の期限が設けられているわけではありませんが、その後の相続手続きは期限が設けられているものが多いため、それに間に合うように話し合いを進めることが大切です。特に、相続税申告は「被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」と期限が定められているため、なるべくこの相続税申告の期限に間に合うように、遺産分割協議も終わらせましょう。

3-6.不動産の名義変更手続き(3年以内)

さて、遺産分割協議や遺言書の確認が終わったら、各自の相続分を取得する具体的な相続手続きを進めていきます。その中でも重要なのが、不動産の名義変更手続き(相続登記)です。

相続登記は2024年4月1日より義務化されており、不動産を取得したことを知ってから3年以内に相続登記をしなければ、10万円以下の過料対象となることがあります(不動産登記法第76条の2第1項、同第164条1項)。

(相続等による所有権の移転の登記の申請)
不動産登記法第76条の2第1項 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。

(過料)
不動産登記法第164条1項 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。

遺言や遺産分割協議によって不動産の権利関係が明らかになった時点で、速やかに相続登記を行うようにしましょう。

手続き期限

不動産の取得を知った日から3年以内

手続き先

不動産の所在地を管轄する法務局

必要書類

・登記申請書
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、住民票除票または戸籍附票
・相続人の戸籍謄本
・遺産分割協議書
・印鑑証明書
・遺言など

費用

・収入印紙
・登録免許税(不動産固定資産税評価額の0.4%)

相続登記の手続きは複雑ですので、専門家である弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。

3-7.銀行預金の解約・名義変更

銀行預金などがある場合は、被相続人が取引していた銀行や証券会社などの金融機関で、解約(払い戻し)や名義変更の手続きが必要です。この手続きに明確な期限はありませんが、預金を相続する人が確定したら出来るだけ速やかに手続きを行いましょう。

金融機関によって手続きの詳細や必要書類は異なりますが、通常は、相続人全員の署名と印鑑が押された「相続手続き依頼書」が必要になります。また、合意の形成や内容によって、遺言書、遺産分割協議書、家庭裁判所の調停調書・審判書なども提出します。

下表は、主な場合の一般的な必要書類です。

遺言書がある場合の必要書類

・遺言書
・検認調書または検認済証明書(公正証書遺言以外の場合)
・被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本
・預金を相続する人の印鑑証明書など

遺言書がない場合の必要書類

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・遺産分割協議書

家庭裁判所の調停証書・審判書がある場合

・家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本
・預金を相続する人の印鑑証明書

 詳細は、金融機関等に直接ご確認ください。

3-8.相続税の申告、納税(10ヶ月以内)

相続した遺産の総額が基礎控除額(「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」)を超える場合、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告と納税をしなければなりません。

たとえ遺産分割協議がまとまっていない場合でも、期限までの申告・納税が必要です。その場合は、暫定的に民法の法定相続分で遺産分割したとして算出した金額で申告・納税することになります。

申告期限を過ぎてしまったり、実際に受け取った相続財産の額より少なく申告したりすると、本来の税金に加えて加算税や延滞税が課されることがあるため、期限内に正確に申告しましょう。

手続き期限

相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内

手続き先

亡くなった親の住所地の税務署

必要書類

参考:相続税の申告の際に提出していただく主な書類(国税庁)

4.亡くなった親の年金関係の手続き

亡くなった親が年金に加入していた場合には、受給停止の手続きや死亡一時金の請求手続きが必要です。

4-1.年金の受給停止手続き(10日または15日以内)

故人が年金受給者だった場合、年金の受給を停止する手続きをしましょう。年金受給資格を持つ故人がいないのに受給を続けてしまうと、本来受け取るべきではない年金を受け取ってしまうことになり、不正受給とみなされる可能性があるので注意が必要です。

厚生年金の場合は死亡後10日以内に、国民年金の場合は死亡後14日以内に行う必要があります。

手続き期限

・厚生年金:亡くなってから10日以内
・国民年金:亡くなってから14日以内

手続き先

年金事務所または年金相談センター

必要書類

・年金受給権者死亡届(報告書)
・年金証書
・死亡の事実を証明する書類(死亡診断書のコピー、死亡記載のある戸籍など)

なお、被相続人がマイナンバーを登録している場合は、死亡届の提出時点で自動的に年金の受給停止も行われますので、別途手続きは不要です。

参考:年金を受けている方が亡くなったとき(日本年金機構)

4-2.国民年金の死亡一時金の請求手続き(2年以内)

死亡一時金は、国民年金第1号被保険者として36ヶ月以上国民年金保険料を納めた人が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受けることなく亡くなった場合に、遺族へ支払われる給付金です(国民年金法第52条の2第1項)。

(支給要件)
国民年金法第52条の2 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数の四分の三に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の二分の一に相当する月数及び保険料四分の三免除期間の月数の四分の一に相当する月数を合算した月数が三十六月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、死亡一時金は、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。
一 死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき。ただし、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。
二 死亡した者の死亡日において胎児である子がある場合であつて、当該胎児であつた子が生まれた日においてその子又は死亡した者の配偶者が死亡した者の死亡により遺族基礎年金を受けることができるに至つたとき。ただし、当該胎児であつた子が生まれた日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。
3 第一項に規定する死亡した者の子がその者の死亡により遺族基礎年金の受給権を取得した場合(その者の死亡によりその者の配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した場合を除く。)であつて、その受給権を取得した当時その子と生計を同じくするその子の父又は母があることにより第四十一条第二項の規定によつて当該遺族基礎年金の支給が停止されるものであるときは、前項の規定は適用しない。

支給される金額は、納付月数に応じて12万円から32万円の間で定められています。

死亡一時金を請求することができるのは、故人と生計を同じくしていた遺族で、「① 配偶者、② 子、③ 父母、④ 孫、⑤ 祖父母、⑥ 兄弟姉妹」の順に優先順位が決められています(国民年金法第52条の3)。

(遺族の範囲及び順位等)
国民年金法第52条の3 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。ただし、前条第三項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。
2 死亡一時金(前項ただし書に規定するものを除く。次項において同じ。)を受けるべき者の順位は、前項に規定する順序による。
3 死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が二人以上あるときは、その一人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。

請求期限は2年と、年金の給付手続きよりも短いため注意してください。

手続き期限

死亡日の翌日から2年以内

手続き先

・市区町村役場
・年金事務所または年金相談センター

必要書類

・基礎年金番号通知書または年金手帳
・申請者の関係がわかる戸籍謄本、または法定相続情報一覧図の写し
・亡くなった親の住民票除票
・世帯全員の住民票
・受取先金融機関の通帳など

なお、遺族が遺族基礎年金を受け取る場合は、死亡一時金の支給はありません。

参考:死亡一時金を受けるとき(日本年金機構)

4-3.寡婦年金の請求手続き(5年以内)

寡婦年金とは、国民年金の第1号被保険者として10年以上の保険料納付済期間等を有する夫が死亡した際に、10年以上婚姻関係があり生計を維持されていた65歳未満の妻に支給される年金です。婚姻関係には、法律婚だけでなく事実婚も含みます。

支給対象となる妻は、60歳から65歳までの間、寡婦年金を受け取ることができます。

手続き期限

死亡日の翌日から5年以内

手続き先

・市区町村役場
・年金事務所または年金相談センター

必要書類

・基礎年金番号通知書または年金手帳
・申請者の関係がわかる戸籍謄本
・亡くなった親の住民票除票
・世帯全員の住民票
・受取先金融機関の通帳など
・年金証書(公的年金から年金を受けているとき)

参考:寡婦年金を受けるとき(日本年金機構)

4-4.遺族年金の請求手続き(5年以内)

亡くなった親が家族の生計を支えていた場合、遺族は「遺族年金」を受給する権利があります。この遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、適用条件に応じて、どちらか一方または両方を受け取ることができます。

「遺族基礎年金」は、故人の遺族に18歳未満の子どもがいる場合、または20歳未満で障害のある子どもがいる場合に支給されます(国民年金法第37条)。「遺族厚生年金」は、故人が厚生年金に加入していた場合に、「① 配偶者・子、② 父母、③ 孫、④ 祖父母」の優先順位で受給することができます(厚生年金保険法第59条)。

一般的な手続きの必要書類は、下表のとおりです。

手続き期限

死亡日の翌日から5年以内

手続き先

・市区町村役場
・年金事務所または年金相談センター

必要書類

・年金申請書(参考:遺族年金請求書と未支給年金請求書の記入方法等のご案内
・基礎年金番号通知書または年金手帳
・申請者の関係がわかる戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写し
・亡くなった親の住民票除票
・世帯全員の住民票
・請求者の収入が確認できる書類
・子の収入が確認できる書類
・死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
・受取先金融機関の通帳など

参考:遺族年金(受給要件・対象者・年金額)(日本年金機構)

4-5.未支給年金の請求手続き(5年以内)

公的年金は過去2ヶ月分まとめて支給される仕組みになっていますので、亡くなった親が国民年金や厚生年金などの公的年金の受給資格者であった場合、まだ受け取っていない年金が発生する可能性があります。たとえば、3月・4月分の年金はまとめて5月に支払われますので、4月に親が亡くなった場合には、3月・4月分の年金が未支給となるのです。あるいは、故人が年金を受給する資格がありながら、年金を受け取っていなかった場合などもあるでしょう。

このような未受給分は、未支給年金として請求することができます(国民年金法第19条、厚生年金保険法第37条)。請求できるのは、亡くなった年金受給者と生計を共にしていた3親等内の親族で、「① 配偶者、② 子、③ 父母、④ 孫、⑤ 祖父母、⑥ 兄弟姉妹、⑦ その他親族」の順に請求権者となることができます。

未支給年金の受給権には消滅時効があり、年金を受ける権利そのものについては「支給すべき事由が生じた日(死亡日等)から5年」、各期支払の具体的請求権については「受給権者の年金支払日の翌月の初日から起算して5年」とされています。

5年が経過すると時効により請求権が消滅してしまいますので、比較的余裕はありますが、できるだけ早めに行いましょう(国民年金法第102条1項・厚生年金保険法第92条1項)。

手続き期限

・支給すべき事由が生じた日(死亡日等)から5年
・受給権者の年金支払日の翌月の初日からから5年

手続き先

年金事務所または年金相談センター

必要書類

・未支給年金請求書(参考:遺族年金請求書と未支給年金請求書の記入方法等のご案内
・死亡の事実を明らかにできる書類
・亡くなった親の年金証書
・申請者の関係がわかる戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写し
・生計を同じくしていたことがわかる書類
・受取先金融機関の通帳など

 

5.親が亡くなったらするその他の手続き

親が亡くなったら、役所などの公的機関での手続き以外にも、以下のような手続きが必要です。

5-1.死亡保険金の請求手続き(3年以内)

亡くなった親が生命保険(死亡保険)に加入していた場合、死亡から3年以内に死亡保険金の請求を行う必要があります。

死亡保険金は契約上の受取人に固有の財産として支払われるため、遺産分割の対象にはなりません。しかし、受取人は受け取った保険金に対して相続税、贈与税、所得税が課税される可能性があるため、正確な税務処理を行うことが重要です。金額や契約の形態によっては、相続税、贈与税、所得税の課税対象となる場合があるため、早めの請求が推奨されます。

必要書類は保険会社によって異なりますので、保険会社に事前に確認するようにしましょう。

5-2.公共料金、クレジットカードなどの名義変更・解約

公共料金等の名義変更や契約などに明確な期限はありませんが、無用な出費をおさえるためにも、できるだけ速やかに行いましょう。

一般的には、下表に記載した手続きが考えられます。

手続き内容

手続き先

必要書類

公共料金(電気、ガス、水道など)の名義変更・解約

電力会社、水道局、ガス会社など

口座振替依頼書など
(詳細は各契約会社に確認)

クレジットカードの名義変更・解約

各カード会社

被相続人の戸籍謄本など
(詳細は各契約会社に確認)

携帯電話・固定電話・ネットなどの名義変更・解約

各契約会社

被相続人の戸籍謄本など
(詳細は各契約会社に確認)

運転免許証の返却

最寄りの警察署

運転免許証、死亡診断書、戸籍謄本、届出人の本人確認書類、認印など

パスポートの返却

都道府県の申請窓口またはパスポートセンター

パスポート、死亡診断書、戸籍謄本など

親が亡くなったらする事リスト

最後に、本記事でご紹介した手続きをチェックリストで確認しておきましょう。

【チェックリスト】市役所等での公的手続き

□ 死亡診断書もしくは死体検案書の受け取り(直後)
□ 死亡届の提出(直後)
□ 火葬許可証の受け取り(直後)
□ 年金受給停止の手続き(14日以内)
□ 健康保険資格喪失の届出(14日以内)
□ 介護保険資格喪失の届出(14日以内)
□ 住民票の世帯主変更の届出(14日以内)
□ 雇用保険受給資格者証の返却(1ヶ月以内)
□ 国民年金の死亡一時金請求(2年以内)
□ 埋葬料請求(2年以内)
□ 葬祭費請求(2年以内)
□ 高額医療費の還付申請(2年以内)
□ 遺族年金の請求(5年以内)
□ 故人の未支給年金の請求(5年以内)

【チェックリスト】遺産相続手続き

□ 相続人の調査(なるべく早めに)
□ 相続財産の調査(なるべく早めに)
□ 遺言書の検認(なるべく早めに)
□ 遺産分割協議(なるべく早めに)
□ 銀行の預貯金払い戻し・名義変更(なるべく早めに)
□ 株式の名義変更(なるべく早めに)
□ 自動車の売却・名義変更・処分(廃車)(なるべく早めに)
□ 相続放棄・限定承認(相続開始を知ってから3ヶ月以内)
□ 所得税の準確定申告・納税(相続開始を知ってから4ヶ月以内)
□ 固定資産税の納税・現所有者申告(相続開始を知ってから)
□ 相続税の申告・納付(相続開始を知ってから10ヶ月以内)
□ 不動産の相続登記(名義変更)(3年以内)

【チェックリスト】その他の手続き

□ 訃報の連絡(なるべく早めに)
□ 葬儀社へ連絡、打ち合わせ(なるべく早めに)
□ 葬儀の手続き、初七日(なるべく早めに)
□ クレジットカードの利用停止手続き(なるべく早めに)
□ 運転免許証の返納(なるべく早めに)
□ パスポートの失効手続き(なるべく早めに)
□ 電気、ガスなど公共料金の名義変更・解約(なるべく早めに)
□ 携帯電話やインターネット等通信サービスの解約(なるべく早めに)
□ サブスクリプション型サービスの名義変更・契約停止(なるべく早めに)
□ 団体信用生命保険の請求手続き(なるべく早めに)
□ 生命保険金の受け取り(3年以内)

親が亡くなったら?【Q&A】

Q1.親が亡くなったら、当日からやるべき事もありますか?

A:あります。親が亡くなった当日は、まず医師から死亡診断書または死体検案書を受け取り、親族や葬儀社へ連絡し、遺体の搬送・安置や葬儀の打ち合わせを進めます。死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村役場へ提出する必要があり、届出には死亡診断書または死体検案書が必要です。死亡届と死亡診断書の書式はセットで1枚になっていることが多いです。

Q2.親が死亡したら、病院への挨拶はいつすべきですか?

A:病院への挨拶は法律上の手続きではないため、必ずしなければならないものではありません。挨拶をする場合は、遺体の搬送や退院手続きの際に一言お礼を伝えるか、葬儀後など落ち着いたタイミングで挨拶するのが一般的です。病院によっては菓子折りなどの受け取りを断る場合もあるため、無理に品物を持参する必要はありません。

Q3.親が亡くなってから遺産相続するかを決めるまでにどれくらい猶予がありますか?

A:相続するか、相続放棄するか、限定承認するかを決める期間は、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内です。その期間内に相続人と相続財産を調査して、相続放棄や限定承認をする場合は家庭裁判所で申述の手続きもしなければなりません。そのため、3ヶ月は意外と短いので注意してください。

まとめ

親が亡くなった際には、葬儀の手配、遺産相続手続き、公的手続きなど、やるべきことが山積みです。この記事では、死亡診断書の取得から始まり、故人の家族や相続人がすべき手続きを一覧表に整理し、その流れに沿って弁護士が解説させていただきました。手続きの多くは期限が設けられておりますので、当事者だけで進めることが難しい場合には、なるべく早めに弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。

弁護士法人あおい法律事務所では、弁護士による法律相談を初回無料で行っております。お電話によるご相談もお受けしておりますので、ぜひお気軽にご利用いただければと思います。

この記事を書いた人

弁護士法人あおい法律事務所
代表弁護士

雫田 雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。