遺族厚生年金はいつまでもらえる?手続き期限は?受給期間や条件、金額を解説
遺族厚生年金は、亡くなった方の遺族が生活を維持するための重要な支援制度です。しかし、具体的に「いつまで」受給できるのか、手続きの期限はいつまでかなど、受給条件や期間について知りたい方も多いでしょう。
この記事では、遺族厚生年金はいつからいつまでもらえるか、手続き期限、さらに受給金額について詳しく解説します。手続きの遅延による不利益を避けるためには、早めの準備と理解が必要です。この記事を通じて、遺族厚生年金の全体像を把握し、安心して手続きを進めるための情報を提供します。
目次
遺族厚生年金はいつからいつまでもらえる?
遺族厚生年金は、故人の遺族が生活を支えるために重要な支援制度ですが、受給期間は受け取る遺族の状況によって異なります。ここでは、妻、夫、子どもに分けて詳しく解説します。
妻はいつまで受け取れる?│30歳未満で子がいない妻は夫が亡くなった翌月から5年間のみ
- 30歳未満で子がいない妻の場合
夫が亡くなった翌月から、再婚しない限り原則として5年間しか受給できません。例えば、2024年5月21日に夫が亡くなった場合、2024年6月分から2029年6月分まで受給可能です。年金は偶数月の15日に前々月分と前月分が振り込まれます。 - 子がいる妻、または30歳以上の妻の場合
夫が亡くなった翌月から、再婚しない限り原則として一生涯受給できます。
夫はいつまで受け取れる?│55歳以上の夫に限り60歳から一生涯
- 55歳以上の夫の場合
妻が亡くなったとき、55歳以上の夫は60歳から再婚しない限り一生涯受給できます。ただし、遺族基礎年金を受給できる場合は55歳以上60歳未満でも受給可能です。 - 55歳未満の夫の場合
妻が亡くなったとき、夫が55歳未満の場合は遺族厚生年金を受け取ることができません。
子どもはいつまで受け取れる?│親が亡くなった翌月から18歳または20歳まで
- 一般の場合
親が亡くなった翌月から18歳に到達する年度末(3月31日)まで受給できます。例えば、2015年9月12日生まれの子どもが2022年6月22日に親を亡くした場合、2022年7月分から2034年3月分まで受給可能です。 - 障害等級1級・2級の場合
親が亡くなった翌月から20歳に達するまでの期間に受給可能です。
父母や祖父母はいつまで受け取れる?│55歳以上の父母または祖父母に限り60歳から一生涯
- 55歳未満の父母または祖父母の場合
子どもまたは孫が亡くなったとき、父母または祖父母が55歳未満であれば遺族厚生年金を受け取ることはできません。 - 55歳以上の父母の場合または祖父母の場合
子どもまたは孫が亡くなったとき、父母または祖父母が55歳以上であれば遺族厚生年金の受給対象となります。この場合、支給開始は60歳からとなり、一生涯受給することができます。例えば、父母が57歳のときに子どもが亡くなった場合、父母は60歳から遺族厚生年金を受給開始となり、生涯にわたり受給することができます。
もう一つの遺族年金│遺族基礎年金はいつからいつまでもらえる?
遺族基礎年金は、遺族厚生年金とは異なる制度で、特に子どもの生活を支えるために重要な役割を果たします。
遺族基礎年金は、末子が18歳に到達する年度の3月31日まで受け取ることができます。これは一般的に子どもが高校を卒業する時期に相当します。例えば、子どもが18歳になるのが2025年の場合、その年度末である2026年3月31日まで受給可能です。
障害等級1級または2級の障害状態にある子どもがいる場合は、子どもが20歳に達するまで遺族基礎年金を受け取ることができます。
遺族基礎年金が支給されるのは、支給要件を満たす子どもがいる間だけです。要件を満たす子どもがいなくなると、遺族基礎年金は打ち切られます。
また、要件を満たす子どもが婚姻した場合も遺族基礎年金は支給停止となります。婚姻は法律上独立した家庭を築くとみなされるため、親の扶養から外れることになります。
このように、遺族基礎年金の受給期間は、子どもの年齢や障害の状態、婚姻状況によって決まります。制度をしっかり理解し、適切な手続きを行うことが大切です。
遺族基礎年金について、詳しくは下記記事を参照してください。
遺族厚生年金が受け取れなくなるケースは?
遺族厚生年金には、「失権」や「支給停止」という制度があります。これらは、一定の条件に該当すると遺族厚生年金を受け取れなくなる制度です。
失権する場合
失権とは、遺族厚生年金の受給資格を完全に失うことを意味します。
遺族厚生年金の受給権が失権する理由は複数あり、これらの条件に該当すると遺族厚生年金を受け取る権利が完全に失われます。具体的には以下のような場合です。
- 受給者が死亡したとき
- 受給者が婚姻したとき
- 受給者が養子になったとき(受給者が直系血族及び直系姻族以外の養子になった場合)
- 受給者が離縁によって親族関係を終了した場合
- 子どもや孫が18歳の誕生日を迎えた年度末(3月31日)を過ぎたとき(ただし、障害等級1級または2級の場合は20歳まで)
- 子どものいない30歳未満の妻が、遺族厚生年金の受給権を取得してから5年経過したとき
- 子どものいる30歳未満の妻が、遺族基礎年金の受給権を失ってからさらに5年経過したとき
支給停止する場合
遺族厚生年金は、一定の条件を満たすと支給が一時的に停止されることがあります。失権とは異なり、状況が変われば支給停止が解除され、再び遺族厚生年金を受け取ることが可能です。例えば、一定の収入を超えた場合や公的扶助を受けた場合などが該当しますが、これらの状況が変われば再び支給が再開されます。
具体的には以下のような場合です。
- 労働基準法で定められた遺族補償が行われるとき
労働基準法に基づく遺族補償が行われる場合、遺族厚生年金は死亡日から6年間支給停止となります。この期間中は、遺族補償が優先されるためです。 - 受給権を持つ夫、父母または祖父母が60歳未満のとき
夫、父母、祖父母が受給権を持っていても、60歳未満の場合は支給が停止されます。60歳に達すると支給停止が解除され、年金の受給が開始されます。 - 受給権者の所在が1年以上明らかでないとき
受給権者の所在が1年以上確認できない場合も支給が停止されます。所在が明らかになった時点で支給が再開されます。
また、遺族厚生年金の受給者は基本的に「1名のみ」であるというルールもあります。例えば、夫が亡くなり妻が受給権を有している間は、子ども自身への遺族厚生年金の支給は停止されます。しかし、妻が婚姻や死亡により受給権を失権した場合、子どもの支給停止は解除され、年金の支払いが始まります。
そもそも遺族厚生年金の受給条件は?受給金額もあわせて解説
遺族厚生年金を受けるためには、次のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
- 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
- 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡したとき
- 老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
- 老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
引用:日本年金機構HP「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
ただし、1および2の要件については、死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。ただし、死亡日が令和8年3月末日までのときは、死亡した方が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
4および5の要件については、保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある方に限ります。
受け取れるのは誰?受給資格があるのは生計を維持されていた配偶者、子、父母、孫、祖父母
遺族厚生年金は、亡くなった方の生計を支えていた遺族が受け取ることができる年金です。この年金の受給対象者は、「死亡した方によって生計を維持されていた人々」と定められています。
受給対象者が「生計を維持されていた」とみなされるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。具体的には、以下の基準が適用されます。
- 生計を同じくしていること:同居していることまたは、別居しているが仕送りを受けている、健康保険の扶養親族であるなどの事情があること
- 収入要件:前年の収入が850万円未満、または所得が655万5,000円未満であること
具体的には、以下の遺族のうち、最も優先順位の高い方が受給することになります。
・配偶者(夫は妻の死亡時に55歳以上、妻は年齢制限なし)
・子ども(18歳未満、または20歳未満で障害等級1級または2級の障害を持つ場合)
第一順位の中でも、さらに以下の優先順位があります。
1.子どものいる妻、または子どものいる55歳以上の夫
2.子ども
3.子どものいない妻、または子どものいない55歳以上の夫
第二順位
亡くなった人の父母(死亡時に55歳以上)
第三順位
亡くなった人の孫(18歳未満、または20歳未満で障害等級1級または2級の障害を持つ場合)
第四順位
亡くなった人の祖父母(死亡時に55歳以上)
受給条件など遺族厚生年金の制度について、詳しくは下記記事を参照してください。
受給期間における受給金額は?
遺族厚生年金の年金額は、亡くなった方の厚生年金加入期間と報酬額に基づいて計算されます。具体的には、亡くなった方が受け取るはずだった老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4が遺族厚生年金として支給されます。計算方法は以下の通りです。
まず、老齢厚生年金の報酬比例部分を計算します。この部分は、平成15年3月以前の加入期間(A)と平成15年4月以降の加入期間(B)に分かれます。
A: 平成15年3月以前の加入期間
平均標準報酬月額に基づき計算されます。計算式は以下の通りです。
※平均標準報酬月額とは、平成15年3月以前の各月の標準報酬月額を再評価率で現在価値に再評価し、その総額を加入期間の月数で割ったものです。
B: 平成15年4月以降の加入期間
こちらは平均標準報酬額に基づき計算されます。計算式は以下の通りです。
※平均標準報酬額とは、平成15年4月以降の各月の標準報酬月額と標準賞与額を再評価率で現在価値に再評価し、その総額を加入期間の月数で割ったものです。
これらを基に、遺族厚生年金の金額を計算します。具体的には、AとBを足して、3/4を掛けた金額が遺族厚生年金の年金額となります。
65歳からは2つの金額を比較して高い方が受給金額
65歳以上で老齢厚生年金(退職共済年金)を受け取る資格がある方が、配偶者の死亡により遺族厚生年金を受け取る場合、年金額の計算方法には特別な規定があります。以下の2つの額を比較し、高い方が遺族厚生年金として支給されます。
- 亡くなられた方の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4
(詳細な計算方法は上記解説のとおり) - ①の額の2/3 と ご本人の老齢厚生年金の額の1/2 の合計
また、平成19年4月1日以前に遺族厚生年金の受給資格があり、かつその時点で65歳以上(昭和17年4月1日以前生まれ)の方については、遺族厚生年金の額は常に①の額になります。
遺族厚生年金の寡婦加算はいつからいつまで?
遺族厚生年金には、夫を亡くした妻に対して特別な加算給付の制度が設けられています。これには「中高齢寡婦加算」と「経過的寡婦加算」の2つがあります。それぞれの制度について詳しく見ていきましょう。
中高齢寡婦加算は40歳から65歳まで
中高齢寡婦加算は、特定の条件を満たす妻に対して、40歳から65歳になるまでの間、年額612,000円が遺族厚生年金に加算される制度です。
この加算は、以下のいずれかに該当する場合に適用されます。
- 夫が亡くなった時点で妻が40歳以上65歳未満であり、生計を同じくしている18歳未満の子ども(または20歳未満で障害等級1級または2級の障害を持つ子ども)がいない場合
- 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻(40歳に到達した当時、子がいるため遺族基礎年金を受けている)が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)等のため、遺族基礎年金を受給できなくなった場合
この制度は、老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている夫が亡くなった場合に適用されますが、夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上であることが必要です。また、特例により20年未満でも共済組合などの加入期間を除いた老齢厚生年金の受給資格期間を満たしている場合も含まれます。
経過的寡婦加算は65歳から一生涯
経過的寡婦加算は、特定の条件を満たす妻に対して遺族厚生年金に加算される制度です。この加算は、以下のいずれかの条件を満たす場合に適用されます。
- 昭和31年4月1日以前に生まれた妻が65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生した場合
- 中高齢寡婦加算を受けていた昭和31年4月1日以前生まれの妻が65歳に達した場合
65歳になると中高齢寡婦加算が終了しますが、経過的寡婦加算が代わりに支給されるため、年金額の急激な減額を防ぐことができます。
経過的寡婦加算の額は、昭和61年4月1日から60歳に達するまで国民年金に加入した場合の老齢基礎年金の額と合わせて、中高齢寡婦加算と同額程度になるように設定されています。これにより、65歳以降も安定した年金受給が続けられるようになっています。
寡婦加算について、詳しくは日本年金機構HP「遺族厚生年金〈受給要件・対象者・年金額〉|日本年金機構)」を参照してください。
遺族厚生年金の手続き期限はいつまで?│手続き方法や必要書類も
生計を維持していた人が亡くなった翌日から5年以内に手続きを
遺族厚生年金を受け取るためには、遺族自身が手続きを行う必要があります。この手続きには期限があり、「生計を維持していた人が亡くなった翌日から5年以内」に行わなければなりません。この5年間の期限を過ぎると、年金を受け取る権利である「基本権」が時効を迎えてしまいます。
手続きを5年以内に行えば、過去に受け取っていなかった未支給分もさかのぼって受給することができます。また、期限内に手続きを行うのが難しい場合には、その理由を書面で記載して申立て手続きをすることで、時効を停止させ手続き期限を延ばすことができる場合もあります。
遺族厚生年金は遺された家族の生活を支えるための重要な資金です。遺族が生活に困ることや不安を抱えることがないように、できるだけ早く手続きを進めることが望ましいです。
手続方法と必要書類
遺族厚生年金の受給要件を満たしている場合、以下の流れで申請手続きを行います。
- 死亡届の提出
まず、亡くなった方の死亡届を市町村役場に提出します。 - 資格喪失届または年金受給権者死亡届の提出
次に、亡くなった方の資格喪失届または年金受給権者死亡届を提出します。亡くなった方が在職中であった場合は、その勤め先に資格喪失届を提出します。年金受給者であった場合は、年金事務所に年金受給権者死亡届を提出します。 - 必要書類の提出
最後に、必要書類を年金事務所または年金相談センターへ提出します。必要書類は以下の通りです。
【すべての人に必要な書類】
必要書類 |
目的 |
注意点 |
---|---|---|
基礎年金番号通知書または年金手帳等 |
基礎年金番号を明らかにする |
提出できない場合は、その理由書が必要 |
戸籍謄本(記載事項証明書)または法定相続情報一覧図の写し |
死亡者との続柄および請求者の氏名・生年月日の確認 |
受給権発生日以降で提出日から6カ月以内に交付されたもの |
世帯全員の住民票の写し |
死亡者との生計維持関係の確認 |
受給権発生日以降で提出日から6カ月以内に交付されたもの。マイナンバーを記入すれば添付省略可 |
死亡者の住民票の除票 |
死亡の事実の確認 |
世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要 |
請求者の収入が確認できる書類 |
生計維持認定のため |
所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票等。マイナンバーを記入すれば添付省略可 |
子の収入が確認できる書類 |
生計維持認定のため |
義務教育終了前は不要。高等学校等在学中の場合は在学証明書または学生証のコピー等 |
死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書 |
死亡の事実および死亡年月日の確認 |
市区町村長に提出したもののコピー |
受取先金融機関の通帳等(本人名義) |
受取先金融機関の確認 |
カナ氏名、金融機関名、支店番号、口座番号が記載された部分を含む預金通帳またはキャッシュカードのコピー等 |
「遺族厚生年金の受給期間はいつからいつまで?」に関するQ&A
Q: 30歳未満で子がいない妻は遺族厚生年金をいつまで受け取ることができますか?
A: 30歳未満で子がいない妻の場合、夫が亡くなった翌月から、再婚しない限り原則として5年間しか遺族厚生年金を受給できません。例えば、2024年5月21日に夫が亡くなった場合、2024年6月分から2029年6月分まで受給可能です。年金は偶数月の15日に前々月分と前月分が振り込まれます。
一方、子がいる妻、または30歳以上の妻の場合は、夫が亡くなった翌月から再婚しない限り原則として一生涯受給できます。
Q: 夫は遺族厚生年金をいつまで受け取ることができますか?
A: 55歳以上の夫の場合、妻が亡くなったときに60歳から再婚しない限り一生涯遺族厚生年金を受給できます。
ただし、遺族基礎年金を受給できる場合は、55歳以上60歳未満でも受給可能です。55歳未満の夫の場合は、妻が亡くなったときに遺族厚生年金を受け取ることができません。
Q: 子どもは遺族厚生年金をいつまで受け取ることができますか?
A: 一般の場合、親が亡くなった翌月から18歳に到達する年度末(3月31日)まで遺族厚生年金を受給できます。障害等級1級・2級の場合は、親が亡くなった翌月から20歳に達するまでの期間に受給可能です。
Q: 遺族厚生年金が受け取れなくなるケースはどのような場合ですか?
A: 遺族厚生年金が受け取れなくなるケースには、以下のような場合があります。
- 再婚した場合: 遺族が再婚すると、遺族厚生年金の受給資格を失います。
- 子どもの年齢要件を満たさなくなった場合: 一般的に、子どもが18歳に到達する年度末(3月31日)を過ぎた場合や、障害等級1級・2級の子どもが20歳に達した場合には、受給が終了します。
- 遺族が死亡した場合: 受給者が死亡すると、遺族厚生年金の支給は停止されます。
- 一定の収入を得た場合: 一部の場合には、遺族の収入が一定の基準を超えると、年金の支給が停止されることがあります。
その他にも支給が停止される場合が複数あります。詳しくは、年金事務所にご確認ください。
Q: 中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算はそれぞれいつからいつまで受け取ることができますか?
A: 中高齢寡婦加算は、特定の条件を満たす妻に対して、40歳から65歳になるまでの間、年額612,000円が遺族厚生年金に加算される制度です。具体的には、妻が40歳になった月から65歳に達する月まで受け取ることができます。
経過的寡婦加算は、65歳になると中高齢寡婦加算が終了する代わりに支給される制度です。この加算は特定の条件を満たす妻に対して、一生涯にわたって遺族厚生年金に加算されます。経過的寡婦加算の額は、中高齢寡婦加算と同額程度になるように設定されており、65歳以降も安定した年金受給を続けることができます。
このように、中高齢寡婦加算は40歳から65歳まで受け取れ、経過的寡婦加算は65歳から一生涯にわたって受け取ることができます。
まとめ
遺族厚生年金は、遺族の生活を支えるために非常に重要な制度です。本記事では、受給期間、手続き期限、受給条件、金額について詳しく解説しました。妻、夫、子ども、さらには父母・祖父母それぞれのケースで受給期間が異なることを理解し、必要な手続きを適切に行うことが大切です。
また、遺族厚生年金以外にも、未支給年金や葬祭費、高額医療費、生命保険、国民年金の死亡一時金などの手続きも忘れずに行いましょう。
これらの手続きには期限があるため、速やかに対応することが求められます。詳細な情報を把握し、必要な手続きを確実に進めることで、遺族の生活を安定させるための一助となるでしょう。必要な場合は、専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることも検討してください。
この記事を書いた人
略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。
家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。