相続登記申請書の書き方は?ダウンロード方法や見本付!綴じ方も解説

相続手続き

更新日 2024.10.02

投稿日 2024.07.29

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

弁護士法人あおい事務所の相続専門サイトをご覧いただき、ありがとうございます。当サイトでは、相続に関する法的な知識を分かりやすくお届けしております。皆様のお悩みの解消に少しでもお役立ちできましたら幸甚です。

不動産を相続する際、避けて通れないのが相続登記です。2024年に相続登記の義務化が導入される中、多くの方が自分自身で相続登記を行う方法に注目しています。

相続登記をするためには、「登記申請書」の作成が必須となります。しかし、多くの人が相続登記申請書の書き方に戸惑い、記載事項の不備で名義変更がスムーズに進まないことがあります。そこで、この記事では、正確な「相続登記申請書」の書き方からダウンロード方法、実用的な見本の提供に至るまで、詳しく解説します。さらに、相続登記申請書と必要書類の綴じ方についてもご紹介するため、初めての方でも安心して手続きに臨める内容となっています。

目次

相続登記申請書(所有権移転登記申請書)とは

「相続登記申請書(所有権移転登記申請書)」は、不動産の所有者が亡くなった際に、相続によって不動産の名義を変更するための重要な書類です。この相続登記申請書を使用することで、故人の名義で登録されている不動産を相続人の名義に正式に移転することができます。相続登記が行われない場合、故人が引き続き不動産の名義人として記録されるため、相続人がその不動産を自由に売却したり、賃貸などの処分を行ったりすることが困難になります。また、権利関係の混乱を招き、将来的な法的トラブルの原因となることもあります。

相続登記を進めるためには、相続人全員の印鑑証明書、戸籍謄本(故人の死亡を含む全員のもの)、遺産分割協議書が必要です。これらの書類を法務局に提出し、申請を行うことで、不動産の名義変更が正式に認められます。この手続きは複雑であり、正確な書類の準備と適切な申請方法を理解しておくことが非常に重要です。

相続登記申請書のひな形・記載例は法務局のホームページからダウンロード可

相続登記申請を行う際には、専用の用紙が用意されているわけではありませんが、法務局のホームページには相続登記申請書のひな形が公開されています。これを利用することで、記載ミスを防ぎ、必要な情報を正確に法務局に伝えることが可能となります。

法務局のホームページでは、様々な登記の申請書のひな形が提供されており、それぞれの申請に応じた記載例や記入の指南も提供されています。相続登記を含む所有権移転登記の申請書ひな形は、実際の記入に必要な全ての項目が設けられており、どのように記入すれば良いかの指示も分かりやすく説明されています。このひな形をダウンロードし、それに基づいて情報を入力することで、登記申請の手続きをスムーズに進めることができます。

また、法務局窓口でもひな形が手に入ります。

相続登記申請書は相続のケースによって記入方法が異なるので注意が必要です。

法務局ホームページでは、遺言による相続なのか、遺産分割協議による相続なのか、または法定相続よる相続なのか、それぞれのケースに応じた様式と記載例が紹介されています。

以下、法務局ホームページに掲載されている相続登記申請書(所有権移転登記申請書)の様式と記載例です。

・所有権移転登記申請書(法定相続)
様式 (一太郎 Word PDF
記載例(一太郎 Word PDF

・所有権移転登記申請書(遺産分割)
様式 (一太郎 Word PDF
記載例(一太郎 Word PDF)

・所有権移転登記申請書(公正証書遺言)
様式 (一太郎 Word PDF
記載例(一太郎 Word PDF

・所有権移転登記申請書(自筆証書遺言)
様式 (一太郎 Word PDF
記載例(一太郎 Word PDF

(法務局ホームページ「不動産登記の申請書様式について」より引用

正確な記入を確実にするためには、事前に必要な書類を準備し、それらの情報を元に相続登記申請書を作成することが重要です。必要書類には、相続人全員の印鑑証明書、戸籍謄本、遺産分割協議書などがあり、これらの情報が申請書に正しく反映されていることが必要とされます。

相続登記申請書の書き方と見本

相続登記申請書の作成方法・形式の注意点│手書きでもよいが鉛筆は不可

相続登記申請書は専門的な文書であり、通常、日常生活ではお目にかかることが少ないため、その作成方法や形式には特に注意が必要です。この文書は、金融機関の提供するような既存の様式や穴埋め形式ではなく、申請者が各自で一から作成する必要があります。法務局のホームページでは一般的な記載例が提供されていますが、これらは基本的なガイドラインに過ぎず、具体的なケースに応じて適切な内容を自己で編集し記入する必要があります。

相続登記申請書の作成には、標準的なA4サイズの用紙を使用することが求められています。他のサイズの用紙を使用した場合、申請が受理されないリスクがありますので、この点を厳守することが重要です。文書の作成方法としては、手書きでもパソコンでの作成でも問題ありませんが、手書きの場合は黒色のボールペンを使用し、鉛筆は使用できません。

また、申請書が2枚以上になる場合、すべてのページに登記権利者および登記義務者が登記申請書に押印したのと同じ印鑑で契印(ページを繋ぐ印)をする必要があります。これにより、文書の一体性が保たれ、改ざんや紛失の防止にもつながります。

相続登記申請書の書き方を見本付きで解説!

以下の相続登記申請書の見本は、法務局ホームページ「相続登記申請手続のご案内(遺産分割協議編)」から引用したものです。この見本をもとに、各項目について書き方をわかりやすく解説していきます。

登記申請書

①登記の目的

相続登記申請書において「登記の目的」の部分の書き方は、相続の形態によって異なります。ここでは、相続人が1人の場合、相続人が複数の場合、そして不動産が共有持分である場合の三つのシナリオに基づいて、それぞれの「登記の目的」の記載方法を具体的に解説します。

  1. 相続人が1人の場合: 例として、一戸建ての自宅に一人で暮らしていた父親(法務太郎)が亡くなり、長男が1人で自宅を相続した場合を考えます。このケースでは、「登記の目的」は「所有権移転」と記入します。具体的には、法務太郎の死亡に伴い所有権全体を移転を移転するということです。
  2. 相続人が複数の場合: 同じく、一戸建ての自宅に居住していた法務太郎が亡くなり、長男(法務一郎)と長女(法務温子)が半分ずつ自宅を相続するケースを想定します。この場合も「登記の目的」は「所有権移転」です。具体的には、法務太郎の死亡に伴い所有権を長男法務一郎および長女法務温子へ移転」とするということです。相続する割合や相続人の名前を具体的に記載します。
  3. 相続した不動産が共有持分である場合: 父親(法務太郎)が自宅の2分の1の持分を所有し、その持分を長男が相続する状況を考えます。ここでは、「登記の目的」は「法務太郎持分全部移転」と記入します。具体的には、「法務太郎の死亡に伴う自宅不動産2分の1持分の長男へ移転」するということです。

②原因

相続登記申請書の「原因」の書き方は、まず被相続人の死亡日を明記します。この日付は、死亡診断書または死体検案書に記された日付を使用し、正確に記入する必要があります。死亡日の記載の直後には「相続」という言葉を加えることで、登記の原因が被相続人の死によるものであることを明確に示します。たとえば、「2023年4月1日 死亡による相続」という形で記入します。

死亡診断書は被相続人の死後7日以内に市町村役場へ提出され、原則として返却されませんので、登記の申請に必要な際に備えてコピーを保持しておくことが推奨されます。これにより、登記手続きの際に必要な死亡日の証明をスムーズに行うことができます。

③相続人

相続人の欄の書き方は以下の通りです。

被相続人の記載 

被相続人の名前は、書類上で特定しやすくするため、括弧書きを使用して記述します。例えば、「(被相続人 法務 太郎)」と記載します。

相続人の記載

相続人が何人いるか、また不動産が共有持分かどうかによって内容が異なります。ここでは、それぞれのケースにおける正確な記入方法を詳細に説明します。

1.相続人が1人の場合
例えば、一戸建ての自宅に一人で暮らしていた父親(法務太郎)が亡くなり、長男(法務一郎)が自宅を1人で相続する場合、相続登記申請書には以下のように記入します。

(被相続人 法務 太郎)
 〇〇郡〇〇町〇〇34番地
法務 一郎 印
連絡先の電話番号: 00-0000-0000

名前の末尾には印鑑を押印します。実印ではなく、認印でも構いません。

2.相続人が複数の場合
父親(法務太郎)が亡くなり、長男(法務一郎)と長女(法務温子)が共同で自宅を相続するケースでは、名前の前には各自の持分を記載します。「持分○分の○」の形式を用いて、具体的な持分比率を明示します。

(被相続人 法務 太郎)
〇〇郡〇〇町〇〇34番地
持分2分の1 法務 一郎  印
連絡先の電話番号: 00-0000-0000
〇〇市〇〇町三丁目45番6号
持分2分の1 法務 温子  印
連絡先の電話番号: 00-0000-0000

3.相続した不動産が共有持分の場合
例として、配偶者(法務太郎)が自宅の2分の1の持分を所有しており、長男(法務一郎)がその持分を相続した場合、相続人が1人でも、相続した持分は必ず記載します。

(被相続人 法務 太郎)
〇〇郡〇〇町〇〇34番地
持分2分の1 法務 一郎  印
連絡先の電話番号: 00-0000-0000

④添付書類

相続登記申請書の「添付書類」の部分には、申請に必要な書類を詳細に記載する必要があります。登記の原因となる事実を証明する「登記原因証明情報」と、登記申請者の現住所を証明する「住所証明情報」が主な添付書類です。

添付情報 登記原因証明情報 住所証明情報

「登記原因証明情報」としては、被相続人の出生から死亡までの経過を示す戸籍謄本や除籍謄本が必要とされます。これらは、相続が法定の割合に基づいて行われる場合、相続の発生を示すために重要です。また、誰が相続人であるかを証明するため、相続人の戸籍謄本も必要になります。

一方で、「住所証明情報」には、相続人の現住所が記載された住民票の抄本や戸籍の付票の写しを添付します。これにより、相続人が申請書に記載した住所に実際に居住していることを法務局が確認できるようになります。

⑤登記識別情報の通知希望

相続登記申請書において「登記識別情報の通知希望」の欄は、登記完了後に非常に重要な書類である登記識別情報の受領希望を表明するためのものです。この情報は以前「登記済権利証」とも呼ばれ、不動産の売却や融資の担保として利用する際に必要とされます。

請書の該当部分には、登記識別情報を受け取るか否かの選択肢があります。受け取りを希望する場合は、指定されたボックスにチェックを入れる形で記載します。通常は、次回の不動産の登記がスムーズに行えるよう、この情報の受領が推奨されます。

この登記識別情報がない場合、次に不動産に関する何らかの手続きを行う際に、本人確認情報の再確認、公証人による認証、または法務局からの事前通知など、追加の手間やコストが発生します。そのため、特別な事情がない限り、この情報の受領を希望することが一般的です。

⑥申請年月日と提出先の法務局

相続登記申請書における「申請年月日と提出先の法務局」の記載は、申請手続きの基本情報を明確にするために重要です。この部分には、申請が行われる具体的な日付と、その申請書を受理する管轄法務局の正確な名称を記入します。申請日は元号を用いて「令和6年5月1日申請」のように記述し、これにより申請書の正式な提出日が確定します。

次に、不動産の所在地に基づいて管轄される法務局を特定し、その法務局の名称を正確に記載します。例えば、東京都渋谷区内の不動産であれば、「東京法務局渋谷出張所」と記入することになります。

令和6年5月1日申請 〇〇法務局(又は地方法務局)〇〇支局(又は出張所)

管轄の法務局は、法務局ホームページ「管轄のご案内」で調べてください。

⑦課税価格と登録免許税

相続登記申請書に記載する「課税価格と登録免許税」の部分は、登記に必要な税金の計算方法と、その記載方法について詳しく説明する必要があります。ここでは、不動産の固定資産税評価額を基に課税価格を算出し、その後で登録免許税を計算する手順を明確にします。

課税価格の計算

課税価格は、相続される全ての不動産の固定資産税評価額を合計した後、1,000円未満の端数を切り捨てることで求めます。たとえば、複数の不動産の評価額が合計して12,345,678円であれば、このうち下3桁(678円)を切り捨て、課税価格は12,345,000円となります。この額を申請書に記載します。

登録免許税の計算

登録免許税は、上記で求めた課税価格に税率0.4%を乗じて計算します。課税価格12,345,000円に0.4%を乗じると、49,380円となります。この金額からさらに100円未満の端数を切り捨てるため、登録免許税は49,300円となります。ただし、計算結果が1,000円未満の場合には、最低税額として1,000円が適用されます。

・課税価格 金1,234万円
・登録免許税 金4万9,300円

登録免許税の免税│申請書への法令の条項の記載が必要

相続登記の際、特定の条件を満たすと登録免許税が免除されることがあります。これには主に二つの免税措置が存在します。

  1. 相続人が死亡し更にその土地が再相続される場合の免税: 平成30年4月1日から令和7年(2025年)3月31日までの期間に、ある相続人が土地を相続登記せずに死亡し、その土地がさらに他の相続人によって相続される場合、登録免許税が免除されます。この免税を適用するためには、申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載する必要があります。
  2. 不動産の価額が100万円以下の土地の免税: 同じく、平成30年11月15日から令和7年(2025年)3月31日までに相続登記を行い、不動産の価額が100万円以下の土地である場合にも、登録免許税の免税が適用されます。申請書には「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載して、この免税措置を申請する必要があります。

これらの免税措置を受けるには、相続登記申請書に適切な法令条項を記載することが必須であり、記載がない場合は免税措置を受けることができません。

⑧不動産の表示

相続登記申請書の「不動産の表示」の部分では、相続される不動産の具体的な情報を詳細に記載します。

これらの情報は、登記事項証明書(登記簿謄本)から正確に抜き出して記入する必要があります。

土地の場合

登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されている不動産番号、所在、地番、地目、地積を記入します。

土地に関する登記事項証明書

(引用:法務局ホームページ「全部事項証明書(不動産登記)の見本」)

不動産の表示
不動産番号 0000000000000
所   在 特別区南都町一丁目
地   番  101番
地   目 宅地
地   積 300.00平方メートル

建物の場合

登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されている不動産番号、所在、家屋番号、種類、構造、床面積を記入します。

建物に関する登記事項証明書

(引用:法務局ホームページ「登記事項証明書(不動産登記)の見本(建物)」)

不動産番号 0000000000000
所   在 特別区南都町一丁目 101番地
家 屋 番 号  101番
種   類 居宅
構   造   木造かわらぶき2階建
床 面 積  1階 80・00平方メートル   2階 70・00平方メートル 

敷地権付区分建物(分譲マンションなど)の場合

相続登記申請書において「敷地権付区分建物」(例えば分譲マンション)の情報を記載する場合、登記事項証明書を参照し、一棟の建物全体、専有部分、および敷地権の情報を正確に明記する必要があります。

まず、「一棟の建物の表示」として、建物全体に関する情報を取り上げます。建物の名称が登記事項証明書に記載されている場合は、その名称の記入で構造や床面積の詳細な記載を省略できます。名称が記載されていない場合には、建物の構造と床面積を全て詳細に記入します。

次に、「専有部分の建物の表示」では、個々の所有する部分、例えば特定のマンションの部屋番号やその部屋の床面積などを記載します。最後に、「敷地権の表示」では、マンションの土地に対する権利関係、つまり敷地権を具体的に説明します。複数の敷地権が関与している場合は、それらをすべて列挙し、どの敷地権がどの部分に対応しているかを明確に記述することが重要です。

敷地権付区分建物に関する登記事項証明書

(引用:法務局ホームページ「全部事項証明書」)

不動産の表示
不動産番号 0000000000000
一棟の建物の表示
所   在  特別区南都街一丁目3番地1
建物の名称  ひばりが丘一号館
専有部分の建物の表示
家屋番号  特別区南都街一丁目3番1の101
建物の名称 R10
種  類  居宅
構  造  鉄筋コンクリート造1階建
床 面 積 1階部分 150.42㎡
敷地権の表示
土地の符号 1
所在及び地番 特別区南都街一丁目3番1
地   目  宅地
地   積  350.76㎡
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 4分の1

⑨台紙に収入印紙を貼付

相続登記申請書の記載が完了した後は、次のステップとしてA4サイズの白紙を用意し、そこに必要な登録免許税に相当する収入印紙を貼り付けます。このとき、収入印紙に押印する必要はありません。収入印紙は郵便局やコンビニエンスストアで購入可能ですが、特に登録免許税が高額になる場合は数百枚の収入印紙が必要となることもあります。そのため、大量の収入印紙を一度に手に入れることができる法務局内の収入印紙売り場での購入が推奨されます。

代理人に相続登記の手続きを委任する場合

相続登記申請書には、代理人の氏名、住所、連絡先を明記します。代理人が法人の場合は、法人名と代表者名、法人の住所を記載します。

代 理 人 ○○市○○町二丁目6番3号
法務 花子 印
連絡先の電話番号00-0000-000

代理人に委任することを証明するために、委任状を申請書に添付します。委任状には、相続人全員の署名または印鑑が必要です。委任状には、代理人がどのような権限を持つのか(例えば、登記手続きの全てに対する権限、特定の行為のみに対する権限など)とその範囲を明確に記載します。

相続登記申請書に添付する必要書類

相続登記の際に必要な書類は主に以下のような書類です。

  • 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑鑑証明(遺産分割による相続の場合)
  • 固定資産課税明細書(固定資産評価証明書)
  • 不動産の新所有者の住民票
  • 遺産分割協議書(遺産分割による相続の場合)
  • 遺言書(遺言による相続の場合)
  • 代理人委任状(代理人が申請する場合)
  • 収入印紙

「相続登記」は、遺言書の有無や遺産分割の内容によって必要な書類が異なります。具体的には、遺言に従う場合、遺産分割協議書に基づく場合、または法定相続分に従う場合など、手続きの種類ごとに異なる必要書類が求められます。

相続登記の必要書類について、詳しくは下記の記事も参考にご覧ください。

相続登記申請書とその他の必要書類の綴じ方

相続登記申請書を作成し、ほかの必要書類の準備ができたら、最後にそれらの書類を綴じて法務局に提出します。

相続登記申請書の提出準備では、適切な書類の綴じ方が重要です。まず、全ての書類を適切な順番で並べ、綴じ準備をします。登記申請書を一番上にし、収入印紙が貼付された台紙をその下に置きます。この二つの書類をホチキスで綴じた後、見開き部分に契印を押します。

次に、委任状や相続関係説明図を追加しますが、これらはホチキスで綴じることなく、一旦そのままにしておきます。続いて、戸籍謄本や固定資産税評価証明書、印鑑証明書などのコピーを綴じ、各ページに契印を施し、「この写しは、原本と相違ありません」と明記します。

最終的に、これまでの書類をすべてまとめて再びホチキスで綴じます。書類の量が多い場合は、大型のホチキスの使用が必要です。戸籍謄本やその他の重要な原本書類はホチキスで綴じず、安全に保管・提出するためにクリアファイルに入れます。

書類を並べる順序

一般的な必要書類を綴じる順序は以下のとおりです。

  1. 登記申請書
  2. 収入印紙貼付台(登記手数料を支払った証明)
  3. 委任状(代理人が手続きを行う場合のみ)
  4. 相続関係説明図
  5. 遺産分割協議書または遺言書(コピー)
  6. 印鑑証明書(コピー)(遺産分割協議による相続の場合のみ)
  7. 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票(コピー)
  8. 不動産を取得した人の住民票(コピー)
  9. 固定資産評価証明書(コピー)
  10. 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等、相続人の現在戸籍(原本)
  11. 遺産分割協議書または遺言書(原本)
  12. 印鑑証明書(原本)(遺産分割協議による相続の場合)
  13. 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票(原本)
  14. 不動産を取得した人の住民票(原本)
  15. 固定資産評価証明書(原本)

相続登記申請書に関するQ&A

Q: 相続登記はいつから義務化され、どのような罰則がありますか?

A: 相続登記は、2024年4月1日から義務化されます。この改正法の施行により、不動産を相続した相続人は、その不動産の取得を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならなくなります。義務化後に期限内に相続登記を行わない場合、10万円以下の過料が課される可能性があります。

また、この義務化は2024年4月1日以前に発生した相続にも適用されるため、すでに相続が発生している場合でも、改正法施行日から3年以内に相続登記を完了させる必要があります。

この法改正は、所有者不明の土地問題を解決し、土地の有効利用や災害復興を促進する目的で導入されました。

相続登記の義務化については、下記記事を参照してください。

Q: 相続登記申請書は手書きで作成しても問題ないですか?何か注意する点はありますか?

A: はい、相続登記申請書は手書きでもパソコンを使用しての作成でも問題ありません。ただし、手書きで申請書を作成する場合は、黒字のボールペンで記入してください。鉛筆で記入してはいけません。

また、誰もが読みやすい丁寧な字で記入することが重要です。また、提出前には誤字脱字がないかを十分に確認し、申請書の正確性を保つよう努めてください。

Q: 相続登記申請の際にはどのような書類が必要で、それらの書類はどのように提出すれば良いですか?

A: 相続登記を行う際には、登記申請書のほかに相続の開始を証明するための戸籍謄本や住民票、相続人の印鑑証明書などの添付書類が必要です。これらの書類には、相続関係説明図を含めると有効で、これによって戸籍謄本などの原本の返却も受けられる場合があります。

申請書と添付書類の準備が整ったら、次のステップとして、これらの書類の写し(コピー)を用意します。法務局からの問い合わせに迅速に対応するため、写しはすぐに取り出せる場所に保管しておくことが望ましいです。

書類を提出する際は、一般的な順番として、登記申請書の原本を一番上にし、次に原本の返却が不要な書類、その後に返却を希望する書類の写し、そして最後に返却を受ける書類の原本を重ねて整理します。

まとめ

この記事では、相続登記申請書の書き方、必要な書類の整理方法、そして適切な綴じ方まで、詳細にわたって解説しました。さらに、申請書のダウンロード方法や見本を提供し、初めての方でも分かりやすく手続きを進められるようにサポートしています。

自分で相続登記の申請を行うことは可能ですが、多くの必要書類を用意し、厳格な様式に従って申請書を作成する必要があるため、かなりの時間と労力を要します。そのため、効率的かつ確実に手続きを進めたい場合は、専門家である司法書士の利用を検討することをお勧めします。費用はかかりますが、時間や労力を大きく節約でき、法的なトラブルを避けるためにも専門家の知見が非常に有効です。相続登記を正しくスムーズに行うために、この記事が有益なガイドとなることを願っています。

この記事を書いた人

弁護士法人あおい法律事務所
代表弁護士

雫田 雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。