相続の弁護士費用|誰が払う?遺産分割調停や協議の弁護士費用の相場

遺産分割

更新日 2026.01.07

投稿日 2024.03.06

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

弁護士法人あおい事務所の相続専門サイトをご覧いただき、ありがとうございます。当サイトでは、相続に関する法的な知識を分かりやすくお届けしております。皆様のお悩みの解消に少しでもお役立ちできましたら幸甚です。

遺産相続では、立場や生活環境の異なる複数の相続人が当事者となるため、財産の分配方法や割合に関して深刻な争いとなることも少なくありません。

こうした場合に、法律の専門家であり第三者である弁護士のサポートを受けることを検討する方もいらっしゃるかと思います。

弁護士への依頼を考えたときに、「弁護士費用はいくらになるのか」、費用面について気になるところでしょう。弁護士費用というと「高い」というイメージもありますし、自分で見積もってみようとしても、弁護士費用の計算方法が分からない、ということも少なくありません。
実際に、相続する遺産の内容や金額、依頼する手続きやタイミング、どの法律事務所に依頼するか、といった個別の事情でも、弁護士費用は大きく異なります。

そこでこの記事では、遺産相続を弁護士に依頼する場合の弁護士費用について、わかりやすく解説させていただきます。弁護士費用を誰が払うのか、相場の金額はどれくらいなのか、払えない場合にどうすればいいのか、といった点についても詳しくご説明いたします。

弁護士への依頼を検討される際に、本記事が少しでもご参考となりましたら幸いです。

目次

遺産相続の弁護士費用

遺産分割を進める中で、相続人の間でトラブルが起こってしまうことは少なくありません。こうしたトラブルの解決を弁護士に依頼する場合に、どういった費用が発生するのか確認しておきましょう。

1.相談料

相談料とは、弁護士と遺産相続について相談をする際に必要となる費用のことです。初回の法律相談については相談料無料としている法律事務所が多く、2回目以降の相談になると相談料が発生する、という料金体系にしていることも少なくありません。
また、無料相談の後に正式に依頼をすると、受任している間の相談については相談料無料、としている事務所も多いです。

相談料の相場は、30分あたり5,500円(税込)程度です。

2.着手金

着手金は、弁護士に正式に依頼した際に必要となる費用です。遺産分割協議書の作成や、交渉、遺産分割調停など、弁護士に依頼をしたときに発生します。

着手金は、依頼内容や法律事務所によって異なりますが、一般的には22万円から33万円程度が相場です。ただし、遺産の総額や内容の複雑さによっては、この金額は変動することがあります。

一部の法律事務所では、着手金の算出に「経済的利益」を基準としたパーセンテージ方式を採用しています。これは、廃止された(旧)日本弁護士連合会報酬等基準を参考に着手金の金額を設定するもので、以下のような基準で計算されます。

経済的利益 着手金の計算
300万円以下 8%
300万円~3,000万円 5%+9万円
3,000万円~3億円 3%+69万円
3億円超 2%+369万円

経済的利益とは?

経済的利益とは、相続によって得られる経済的な価値のことを指します。具体的には、相続人が相続によって受け取ることができる現金、不動産、株式、預金など、あらゆる財産の総額を意味します。経済的利益の算出方法は、案件の内容や法律事務所によって異なりますので、初回相談の際に確認するようにしましょう。

遺産分割協議を依頼した際に着手金を支払い、仮に話し合いが決裂して調停や裁判に移行した場合、調停や裁判についても弁護士に依頼するとなれば、調停や裁判の着手金が追加で発生することもあります。その場合の追加費用の相場は各11万円程度です。

3.報酬金

報酬金とは、遺産相続に関する問題が解決された後に、弁護士に支払う費用のことです。
報酬金は、依頼が成功し、何らかの経済的利益が得られた場合にのみ発生します(成功報酬)。つまり、依頼した案件が全面敗訴に終わった場合には、報酬金は発生しません。

報酬金の金額は、依頼者が獲得した経済的利益に基づいて算定されることになります。

経済的利益に基づく報酬金の計算方法は、法律事務所によって異なりますが、多くの事務所は旧報酬基準を参考にしています。旧報酬基準による一般的な料率は以下の通りです。

経済的利益の額 料率
300万円以下 16%
300万円以上~3,000万円 10%+18万円
3,000万円~3億円 6%+138万円
3億円 4%+738万円

ただし、すべての事務所がこの基準に従っているわけではありません。一律のパーセンテージを採用する事務所や、案件ごとに異なるパーセンテージを適用する法律事務所もあります。また、遺産分割において争いのない部分の財産については、その時価の3分の1を経済的利益として計算することもあります。

報酬金の計算方法やパーセンテージは法律事務所によって異なるため、具体的な成功報酬の目安を知りたい場合は、依頼を検討している弁護士や法律事務所に直接確認するようにしましょう。

4.実費・日当

実費は、遺産相続に関する手続きで実際に発生する経費のことを指します。
代表的な実費としては、郵便切手代、調停申立てなどに必要な収入印紙代、市区町村役場での書類発行手数料などが含まれます。遺産分割協議においては、一般的に1~3万円程度が相場です。一方、調停を申し立てる場合は1~5万円程度が相場となります。
また、遠方で裁判所への交通費や通信費、宿泊料などが必要になる場合も、実費に含まれることになります。宿泊をともなう場合、実費は10万円以上に上ることもあります。

日当とは、弁護士が出張する際に発生する費用です。出張がない場合は日当は発生しません。一日の出張に対する相場は約5万円です。

遺産相続の弁護士費用の相場は?

5.遺産相続の弁護士費用は高い?

相続トラブルや手続きを弁護士に依頼したいと思っても、弁護士費用が高いというイメージから、相談をためらう方も少なくありません。弁護士費用が高い、と感じるのはどういったケースなのか、費用が高額になりやすいケースについてご紹介いたします。

5-1.遺産の評価額が高い

前述の通り、弁護士の報酬金は依頼者の経済的利益によって変動します。つまり、遺産の評価額が多いほど、相続人が得る経済的利益も大きくなり、それに応じて弁護士の報酬金も高額になるのです。

相続財産が多い、高額な遺産がある、といった場合には、報酬金の計算方法や金額について事前に十分な説明を受け、報酬金の支払いのタイミングや分割払いの可否などについても事前に確認するとよいでしょう。

5-2.不動産が多い・遺産の種類が複雑

遺産に不動産が多い場合や、相続財産の種類が多く複雑な場合には、弁護士の業務はより多岐にわたるため、それに伴って費用が高額になる場合があります。

例えば、被相続人が全国各地に多数の不動産を所有していた場合、各地域で不動産の査定や相続手続きを行う必要があります。不動産の名義変更は、どの法務局でもいいというわけでなく、その不動産の管轄の法務局で行う必要があるからです。
また、異なる種類の遺産(不動産、金融資産、事業など)が絡む場合、それぞれの評価や手続きをする必要があります。

そのため、このような場合に、実費や日当など、追加で費用が発生し、結果として弁護士費用が高額になる可能性もあります。

事前に不動産や遺産の情報を収集しておき、無料相談の際に相続財産の情報を弁護士に提示して、弁護士費用を見積りしてもらうことがおすすめです。

5-3.調停や裁判に発展する

遺産分割協議で相続人全員が合意した場合、基本的には遺産分割協議書を作成し、弁護士費用を清算して終了となります。
ですが、遺産分割協議が成立せず、調停や裁判へ進むことになった場合は、通常は別途着手金が発生することになるため、その分弁護士費用が高額になりがちです。

また、報酬金についても、遺産分割協議と調停・裁判では計算方法が変わるなど、高く設定している法律事務所も多いです。調停や裁判では、書類作成や裁判所手続き、裁判所への出頭など、遺産分割協議の場合と比べてすべき事が増えるためです。
加えて、調停や裁判が遠方の裁判所で行われる場合などには、弁護士の出張費や日当などが必要となるため、弁護士費用が高額になってしまいます。

5-4.遺産分割の他にもめる事情がある

遺産分割の他に相続人間でトラブルがある場合には、その問題解決の分の弁護士費用がかかるため、高額になることがあります。

例えば、特定の相続人が預金などの遺産を不当に使用した場合、遺産分割協議の前に不当利得返還請求をする必要があります。このようなケースでは、不当利得返還請求と遺産分割の両方に対応する必要があるため、追加の手続きや調査が必要です。

また、ある相続人の相続権の有無について争いがある場合、遺産分割協議を始める前に「相続人の地位確認訴訟」を行い、相続権の有無を確定する必要があります。これについても、相続人の地位確認と遺産分割協議の両方に対応することになるため、護士費用が高額になる可能性があるのです。

5-5.他の専門家の協力が必要な場合

弁護士への依頼とあわせて、他の専門家にも各種手続きを依頼する場合は、最終的な費用が高額になりがちです。
例えば、弁護士に支払う着手金や報酬金とは別に、相続税の申告を税理士に依頼する場合、司法書士に不動産の名義変更を依頼する場合などには、税理士や司法書士へ依頼した分の費用もかかるため、高額になることがあります。

遺産相続の弁護士費用の相場

1.遺産分割協議・調停・裁判の弁護士費用

遺産分割は、相続人間の話し合いで遺産を分配する遺産分割協議のほか、遺産分割調停、裁判によって行われます。そのため、協議や調停、裁判といった各段階で弁護士費用が発生します。

まず、遺産分割協議を依頼した際に、弁護士に着手金を支払います。前述の通り、着手金は22万円から33万円程度が一般的です。
そして、遺産分割協議がまとまった際には、報酬金を支払います。報酬金の設定は、各法律事務所によってさまざまで、また得られた遺産の金額によって大きく変わります。

遺産分割協議で5,000万円を取得した場合

例えば、遺産分割協議が成立して、依頼者が5,000万円を取得した場合、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準を参考に報酬金を算定すると、弁護士の成功報酬の金額は以下のようになります。

5,000万円 × 6% + 138万円 + 税10%=481万8,000円

そして、成功報酬のほか、相談料や着手金、実費も合計します。

  • 相談料:0円(初回無料)
  • 着手金:22万円(税込)
  • 報酬金:481万8,000円(税込)
  • 実費:5,000円

弁護士費用:504万3,000円

遺産分割協議で合意に至らない場合、次に調停の申立てを行います。
調停を弁護士に依頼した際に着手金を支払い、調停が成立すれば、成功報酬を支払います。調停では、裁判所とのやり取りや出頭などが発生するため、書類作成・提出の実費、弁護士の出張費(日当)などが追加で必要となる可能性があります。

遺産分割調停で3,000万円を取得した場合

例えば、遺産分割調停が成立して、依頼者が3,000万円を取得した場合、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準を参考に報酬金を算定すると、弁護士の成功報酬の金額は以下のようになります。

3,000万円 × 10% + 18万円 + 税10%=349万8,000円

そして、成功報酬のほか、相談料や着手金、実費も合計します。

  • 相談料:0円(初回無料)
  • 着手金:33万円(税込)
  • 報酬金:349万8,000円(税込)
  • 実費:25,000円

弁護士費用:385万3,000円

そして、調停でも合意に至らない場合は、裁判に移行することがあります。裁判になると、より詳細な書類の準備や証拠の収集が必要となり、弁護士が対応する業務も増加します。このため、遺産分割協議と比べ、さらに追加費用が必要となることが一般的です。

2.遺産分割協議書作成の弁護士費用

遺産分割協議は成立しているものの、遺産分割協議書の作成を弁護士に依頼したい、といったような場合には、相場は10万円から20万円程とされています。財産の数や種類に応じて金額が変動する場合もあれば、法律事務所によっては「遺産分割協議書作成プラン」などと、一律の料金を設定している場合もあります。

この点も、依頼したい法律事務所に具体的な情報を伝え、目安の金額を確認しておくと安心です。

3.遺言書作成の弁護士費用

遺言書作成の弁護士費用は一般的に10万円から30万円程度が相場とされています。
なお、これは標準的な内容の遺言書を作成する場合を想定した金額です。相続財産の種類が多い場合や、評価額の算定が難しい場合、相続財産の総額が大きい場合には、弁護士費用が50万円前後になることもあります。遺言書作成に必要な書類の収集代行も弁護士に依頼する場合、不動産登記簿謄本や戸籍謄本などの取得にかかる実費も別途発生します。

また、公正証書遺言を作成する場合、弁護士費用に加えて、公証役場に支払う公正証書作成費用も必要になります。

4.相続放棄の弁護士費用

相続放棄の手続きを弁護士に依頼する際の費用は、一般的に5万円から10万円程度が相場とされています。この費用には、相続財産の調査から必要書類の取得、さらに債権者への対応など、相続放棄に必要な一連の手続きが含まれているのが一般的です。

なお、複数の相続人が相続放棄をする場合には、まとめて弁護士に依頼すると、一人当たりの弁護士費用が減額できるケースがあります。複数の相続人が同時に相続放棄する場合は、手続きの一部を共通化できるため、弁護士の作業負担が軽減されるからです。

5.遺留分侵害額請求の弁護士費用

遺留分侵害額請求は、遺産相続において本来受け取るべき遺産の一部を受け取れなかった相続人が、その最低限保証された遺産(遺留分)を請求する手続きです。この手続きを行う際の弁護士費用は、依頼者が請求する経済的利益の大きさによって異なります。

例えば、遺留分として1,000万円を受け取る可能性がある場合において、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準をもとに算定すると、着手金としては5.5%に9万9.000円を加えた額(64万9,000円)、成功報酬としては11%に19万8,000円を加えた額(129万8000円)が必要になります。

ただし、一部の事務所では、請求額に関わらず、「経済的利益の〇%」など特定の割合を報酬金として設定する場合もあります。

6.遺言執行の弁護士費用

遺言者が亡くなった後に、遺言者に代わって遺言の内容を実現するため手続きをすることを「遺言の執行」といいます。そして、この手続きを担う者を「遺言執行者」といいます。

弁護士に遺言執行者への就任を依頼する場合の弁護士費用の相場は、30万円からが一般的です。遺産の総額や依頼する法律事務所によっても金額が異なるため、事前に確認しておくことをおすすめいたします。

なお、遺言者が遺言で報酬を定めている場合には、その金額に従うことになります(民法第1018条1項ただし書)。

(遺言執行者の報酬)
民法第1018条 家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができる。ただし、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。
2 第六百四十八条第二項及び第三項並びに第六百四十八条の二の規定は、遺言執行者が報酬を受けるべき場合について準用する。

遺産相続の弁護士費用は誰が払う?

1.相続という家族間トラブルの弁護士費用を誰が払うのか

弁護士費用は、基本的に依頼した本人が自己負担するのが原則です。たとえ相続問題で相手の言い分が不当であったとしても、弁護士費用を相手方に請求することはできません。この点を理解した上で弁護士に相談することが重要です。

依頼者が複数人いる場合、弁護士費用を代表者が一括して負担することもあれば、全員で均等に分担することもあります。誰が支払うかについて法的なルールがあるわけではないので、依頼者間での合意に基づいて分担方法を決めましょう。

また、争いのない相続手続き(すでに合意済みの内容で遺産分割協議書を作成する場合や、相続登記の手続きなど)においても、関係が良好な相続人同士で協議し、費用を分担することも可能です。

一方で、相続に関するトラブルが発生している場合や、遺留分侵害額請求などの相続問題について弁護士に依頼する場合、依頼した本人が弁護士費用を支払うことが原則となります。相続トラブルが発生している状況下で、他の相続人に非があるとしても、弁護士費用を相手方に請求することは原則としてできませんのでご注意ください。

下の表は、各種相続手続きにおける弁護士費用の負担者と、それに関連する特記事項を簡潔にまとめたものです。

相続手続きの種類 費用負担者 備考
遺言書作成 遺言者 契約時に支払い。自筆証書遺言や公正証書遺言によって異なる。
遺言執行費用 相続人全員(相続財産から支払う) 民法第1021条に基づく。代表者が負担するか、均等分割も可。
相続放棄や限定承認 申立人(割り勘可) 複数人での依頼時は均等に分割可能。相続財産を引き継ぐ人が負担するケースも。
遺産分割協議・調停・審判 依頼者 トラブル発生時は各自が負担。トラブル無し時は相続人間で話し合い。
遺留分侵害額請求 申立人 着手金は契約時、成功報酬は請求完了後に支払い。

2.遺産相続の弁護士費用が払えない場合の対処法

2-1.分割払いを相談する

弁護士費用が支払えない場合、分割払いに応じてもらえるか、無料相談の際に弁護士に相談してみるとよいでしょう。

特に、着手金は依頼する際に支払う必要がありますので、着手金の額が大きい場合、一度に支払うことが難しいこともあります。依頼前に費用を明確にしておくことが重要です。

また、報酬金を支払うタイミングに関しても事前に確認が必要です。
例えば、遺産分割協議によって不動産を売却し、その収益で報酬を支払うことを考えている場合、実際にお金が入ってくるタイミングは遺産分割協議が成立してから日数が経過した後になることがあります。弁護士費用の支払い時期について、不動産の売却に時間がかかることも想定しておき、早めに相談しておきましょう。

2-2.法テラスの民事法律扶助を利用する

経済的な理由で弁護士費用を支払うことが難しい場合、法テラスが提供する民事法律扶助制度を利用することも検討してみてください。これは、経済的に余裕のない人に対して、弁護士費用の立替えや無料相談を行う制度です。

民事法律扶助制度を利用すると、弁護士費用を一般的な相場よりも低く抑えることが可能となり、分割払いも可能です。
また、生活保護受給者の場合は、受給中の間は返済は猶予され、案件終了後も生活保護を受給している場合は返済の免除の申請ができます。

この民事法律扶助制度を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 資力が乏しいこと(家族の月収が一定基準以下、高額な資産を所有していないこと)。
  • 勝訴の見込みがあること。
  • 民事法律扶助の趣旨に適合すること(復讐や営利目的でないことなど)。

申し込む際には、援助申込書、法律相談票、事件調書などの書類が必要です。また、資力を証明する書類(確定申告書の控え、源泉徴収票など)や、事件に関連する書類(戸籍謄本、預金通帳の写しなど)も提出する必要があります。

審査には約2週間程度かかり、承認されると、依頼者、弁護士、法テラスの三者で契約を結びます。法テラスは契約書に記載された費用を弁護士に立替え、依頼者は原則として月1万円ずつ返済しますが、事情によっては返済額の減額や猶予も可能です。

参考:無料法律相談・弁護士等費用の立替(法テラス)

2-3.地方自治体

多くの都道府県・市区町村といった自治体で、無料の法律相談窓口が設けられています。相続について、弁護士や税理士、司法書士などの専門家に相談することが可能です。

事前予約が必要なことが多く、相談時間も30分と限られており、あらかじめ日時が決まっているため、窓口などで早めに相談のスケジュールや条件を確認しておきましょう。
また、自治体の法律相談では相談した弁護士に直接依頼をできるわけではないので、注意が必要です。

2-4.国税庁や法務局

国税庁や税務署では、相続税に関する相談を無料ですることができます。対面での相談だけでなく、電話による無料相談も行っているため、ホームページなどで確認して活用しましょう。

参考:税についての上手な調べ方(国税庁)

法務局では、不動産の相続登記に関する手続き方法や、登記に関する基本的な内容について、無料で相談することができます。
ただし、土日祝日は閉庁しているため、平日の業務時間内でなければ相談をすることができません。そして、法務局の登記相談は予約制ですので、事前に窓口や電話での予約が必要となります。1度の相談時間は20分とされているため、どういった点について相談したいのか、整理しておくことが重要です。

なお、不動産には管轄の法務局がありますので、あらかじめ管轄の法務局がどこになるかを調べておくとスムーズです。

3.弁護士費用は相続税計算の際に控除できない

ところで、弁護士費用は、経費として相続税から控除することはできません。

相続税は、納税者が相続財産を評価し、その評価額に基づいて計算されます。ですが、弁護士費用は被相続人が残した相続財産とは直接関係がなく、法的なアドバイスやサポートを受ける対価として相続人が支払うべきものとされているため、弁護士費用を相続財産の評価額から差し引くことはできないのです。

相続税において控除できる経費は、被相続人の借金や未払いの介護医療費や公共料金など、主に相続財産の評価に直結する支出です。
高額な弁護士費用を支払う場合でも、それによって相続税が安くなることはありませんので、注意しましょう。

4.「弁護士費用が安い」だけで選ぶのはNG?

弁護士費用が安いからという理由で、弁護士を選ぶことはおすすめできません。

ですが、費用が高額になればそもそも弁護士に依頼できない、と悩まれる方もいらっしゃるかと思います。以下では、弁護士費用をできるだけ安く抑える方法についてご紹介いたします。

4-1.複数の法律事務所に見積りを依頼する

弁護士費用は法律事務所によって大きく異なる場合がありますので、複数の法律事務所に見積りを依頼することをお勧めいたします。見積りを依頼する際には、事務所に相談に行き、相続人や遺産の内容などを共有し、自分の要望を具体的に伝えることが重要です。

見積りを依頼する際には、以下のようなポイントに注意しましょう。

 

  1. 弁護士の経験と相続の解決実績
    弁護士の経験や相続における解決実績を確認し、相続に力を入れているかを確認しましょう。
  2. 弁護士費用の内訳
    弁護士費用の内訳について詳細に説明してもらえるかを確認し、料金の透明性を確認しましょう。
  3. 相性と信頼関係
    弁護士との相性や信頼関係もとても重要です。わかりやすく丁寧に説明してくれる弁護士であるか、コミュニケーションがとりやすい弁護士であるかを確認しましょう。

 

4-2.自分でできることは自分でする

遺産分割協議はもめる可能性があるため、弁護士に交渉を依頼するのをおすすめいたしますが、相続手続きに関しては、基本的な知識をおさえておけば、自分でできる場合もあります。

例えば、不動産の登記申請や相続税の申告書作成などは、法務局や税務署に相談しながら自分で手続きをすれば、費用を安く抑えることができます。

また、調停や裁判は弁護士のみが出頭して解決することも可能ですが、当事者も参加することで話し合いが円滑に進み、スムーズに解決することも期待できます。早期に解決すれば、その分の弁護士の日当や家庭裁判所に出頭する交通費などを削減することができます。

遺産相続の弁護士費用に関するQ&A

Q1.遺産相続の弁護士費用が高額になる主なケースは何ですか?

A:遺産の評価額が高い場合や、不動産が多数かつ複雑な場合、また遺産分割調停や審判が必要な場合などが主なケースです。遺産の評価額が高いほど財産評価の手続きが複雑になり、不動産の多い場合や財産の種類が複雑な場合は弁護士の業務量を増加させるため、弁護士費用の増加につながります。

Q2.弁護士費用が相続税の計算の際に控除できない理由は何ですか?

A:弁護士費用は法的なアドバイスや手続きに対する対価であり、相続財産の評価には直接関与しません。相続税は相続財産の評価額に基づいて計算されるため、財産の実態に影響を与えない弁護士費用は控除の対象外となります。

Q3.相続手続きにおいて弁護士費用を安く抑える方法はありますか?

A:弁護士費用を安く抑える方法として、複数の事務所から見積りを取り、料金体系や弁護士の対応などを比較することが考えられます。また、例えば不動産登記や相続税申告書の作成など、自分でできる相続手続きは自分で行い、必要な場合にのみ専門家に依頼する、という進め方を検討してみましょう。

まとめ

遺産相続手続きや遺産分割協議を弁護士に依頼したい場合に、ネックとなりがちなのは弁護士費用です。

ですので、まずは複数の弁護士事務所の無料相談を活用し、費用の見積もりを比較検討するようにしましょう。遺産の評価額が高い場合や不動産が複雑な場合など、ケースによって費用が異なるため、明朗な費用体系を提供する事務所を選ぶことがポイントです。

一方で、費用面だけ検討するのではなく、相続問題を得意とする弁護士に依頼することも重要です。相続は専門知識が必要なため、経験豊富な弁護士に依頼することで早期解決が図れ、結果として弁護士費用を抑えることも期待できます。

相続を弁護士に依頼すべきか悩んだら、弁護士法人あおい法律事務所の初回無料相談をぜひご利用ください。

この記事を書いた人

弁護士法人あおい法律事務所
代表弁護士

雫田 雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

家庭の法律問題は、なかなか人には相談できずに、気付くと一人で抱え込んでしまうものです。当事務所は、家庭の法律問題に特化した事務所であり、高い専門的知見を活かしながら、皆様のお悩みに寄り添い、お悩みの解決をお手伝いできます。ぜひ、お一人でお悩みになる前に、当事務所へご相談ください。必ずお力になります。