相続登記と登録免許税|計算方法や非課税となる減税・免税措置も弁護士が解説

相続手続き

更新日 2026.05.08

投稿日 2024.07.29

監修者:弁護士法人あおい法律事務所

代表弁護士 雫田雄太

略歴:慶應義塾大学法科大学院修了。司法修習終了。大手法律事務所執行役員弁護士歴任。3,000件を超える家庭の法律問題を解決した実績から、家庭の法律問題に特化した法律事務所である弁護士法人あおい法律事務所を開設。静岡県弁護士会所属。

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被相続人が所有していた不動産を相続する場合、相続登記の申請をしなければなりません。この相続登記申請の際に、法務局に納付しなければならないのが「登録免許税」です。

登録免許税という名前を聞いたことのある方も、何に対して課税される税金なのか、支払う金額はいくらなのか、などといった具体的なことについては、日常生活の中で意識する機会も少ないかと思います。

そこで、この記事では不動産の相続登記申請にかかる登録免許税について、弁護士がわかりやすく解説させていただきます。

相続登記申請の際に支払う登録免許税とはどういった税金なのか、その税率や計算方法はどうなっているのか、登録免許税が非課税となる免税措置についても、詳しくご説明いたします。

不動産の相続や相続登記申請を控えている方にとって、本記事が少しでもご参考となりましたら幸いです。

目次

相続登記と登録免許税

1.法務局での相続登記にかかる登録免許税とは

登録免許税とは、不動産の登記をはじめとし、商業登記、人の資格登録、許認可、指定などの公的な証明や権利確定を行う際に課される国税のことです。一般的には「登記料」などとも呼ばれます。

不動産の相続登記における登録免許税の場合は、不動産価額などを基準(課税標準)として、その不動産を登記することによって得られる利益などに担税力(支払い能力)があるとされ、課税されることになります。不動産価格を課税標準とする性質上、金額が明らかで、所得税の算定のような様々な控除による調整もありません。そのため、登録免許税の税額の算定が容易なことから、特段の手続きを要さず当然に税額が確定する「自動確定方式」の租税の一種とされています。

この記事では、主に「不動産の相続による登記申請にかかる登録免許税」について見ていきたいと思います。

2.相続登記の登録免許税は誰が支払う?

相続登記にかかる登録免許税は、原則として不動産登記を受ける人(不動産を相続する相続人)が支払います(登録免許税法第3条)。

(納税義務者)
登録免許税法第3条 登記等を受ける者は、この法律により登録免許税を納める義務がある。この場合において、当該登記等を受ける者が二人以上あるときは、これらの者は、連帯して登録免許税を納付する義務を負う。

条文にあるとおり、不動産の登記申請時の登録免許税の支払いは義務とされています。納税義務が生じるのは登記の時です(国税通則法第15条2項13号)。

(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)
国税通則法第15条 国税を納付する義務(源泉徴収等による国税については、これを徴収して国に納付する義務。以下「納税義務」という。)が成立する場合には、その成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税を除き、国税に関する法律の定める手続により、その国税についての納付すべき税額が確定されるものとする。
2 納税義務は、次の各号に掲げる国税(第一号から第十三号までにおいて、附帯税を除く。)については、当該各号に定める時(当該国税のうち政令で定めるものについては、政令で定める時)に成立する。
(中略)
十三 登録免許税 登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定又は技能証明の時

納税義務者は1つの不動産につき1人ではなく、「登記を受ける者」全員です。そのため、例えば父親が所有していた土地を3人兄弟が共同で相続することになった場合は、3人全員が連帯して登録免許税を支払う必要があります。

相続登記の登録免許税の計算

それでは、相続登記の登録免許税をどのように計算するのか、確認していきましょう。

1.相続登記の登録免許税の計算方法

前述のとおり、不動産登記にかかる登録免許税は不動産の評価額を課税標準とし、原則として課税標準に0.4%の税率を乗じて算出することになります。

不動産の課税標準(課税価格)は、原則として固定資産課税台帳による評価額(固定資産税評価額)から1,000円未満の端数を切り捨てた額が用いられます(国税通則法第118条1項)。

(国税の課税標準の端数計算等)
国税通則法第118条1項 国税(印紙税及び附帯税を除く。以下この条において同じ。)の課税標準(その税率の適用上課税標準から控除する金額があるときは、これを控除した金額。以下この条において同じ。)を計算する場合において、その額に千円未満の端数があるとき、又はその全額が千円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。

公衆用道路のように、固定資産税評価額が登録されていない土地については、登記官が認定した価格が基準にされます。

そのため、登録免許税を計算するにあたり、まずは相続する不動産の固定資産税評価額を確認する必要があります。
固定資産税評価額は、不動産の市場価値に基づいて各自治体によって定められる価格です。通常は、毎年4月から5月にかけて不動産の名義人へ送付される固定資産課税明細書の「価格」や「評価額」欄で確認することが可能です。もし、被相続人宛の固定資産課税明細書が見つからない場合は、不動産の所在地を管轄する市町村役場や、都税事務所等で固定資産評価証明書を交付申請して評価額を確認しましょう。

固定資産税評価額が分かったら、評価額から1,000円未満を切り捨てます。仮に、相続した不動産の固定資産税評価額が5,432,350円の場合、1,000円未満(350円)を切り捨てますので、課税標準(課税価格)は5,432,000円となります。不動産が複数ある場合は、それぞれの不動産の固定資産税評価額を合計してから1,000円未満を切り捨ててください。

ところで、相続した不動産が被相続人1人だけで所有していたとは限りません。父母が不動産を2分の1ずつの持分で共有しており、父親が亡くなったので子供が父親の所有していた分を相続する、といった「持分」を相続する場合も考えられます。このようなケースでは、被相続人から相続人への「所有権の移転」ではなく「持分の移転」となるため、移転される持分に相当する評価額から1,000円未満を切り捨てて課税標準を確認することになります。

例えば、固定資産税評価額5,432,100円の不動産のうち、父親が所有していた3/4の持分を長男が相続した場合には、長男に課税される登録免許税の課税標準額は「5,432,100円 × 3/4 = 4,074,075円」から1,000円未満を切り捨てた「4,074,000円」となります。

なお、不動産の評価額や全ての評価額の合計額が1,000円に満たない場合は、最低課税基準として1,000円が課税標準になります。

以上の手順で算出した課税価格に、原則として0.4%の税率を乗じて、登録免許税を算出します。

課税標準(課税価格)× 4/1,000

こうして算出した金額から100円未満を切り捨てた金額が、実際に納税する登録免許税額となります(国税通則法第119条1項)。

(国税の確定金額の端数計算等)
国税通則法第119条1項 国税(自動車重量税、印紙税及び附帯税を除く。以下この条において同じ。)の確定金額に百円未満の端数があるとき、又はその全額が百円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。

また、計算結果が1,000円に満たない場合は1,000円を納税する必要がありますので、注意してください(登録免許税法第19条)。

(定率課税の場合の最低税額)
登録免許税法第19条 別表第一に掲げる登記又は登録につき同表に掲げる税率を適用して計算した金額が千円に満たない場合には、当該登記又は登録に係る登録免許税の額は、千円とする。

2.相続登記の登録免許税の税率

さて、原則として相続登記の登録免許税の税率は0.4%なのですが、例外的な場合があるため確認しておきましょう。

2-1.遺産分割等の場合の登録免許税の税率

遺産分割により不動産を取得した場合など、通常の不動産の相続登記の登録免許税の税率は0.4%です。

2-2.遺贈の場合の登録免許税の税率

一方、遺言により不動産を取得した「遺贈」の場合、不動産の取得者(受遺者)が誰かによって、登録免許税の税率が異なります。受遺者が相続人である場合は原則どおりの0.4%ですが、相続人以外の人が受遺者の場合の税率は2%です。

したがって、「相続人ではない孫」や「友人・知人といった第三者」が被相続人の不動産を相続登記する場合、相続人が登記する場合と比較して登録免許税の負担が大きくなる可能性があります。

3.相続登記の登録免許税の計算例

それでは、登録免許税の計算方法を具体的に見ていきましょう。

3-1.戸建て(建物と土地)の登録免許税の計算

まずは基本的な計算例を見てみましょう。例えば、戸建ての建物と土地を相続した場合で、建物の固定資産税評価額が1,234,500円、土地の固定資産税評価額が5,432,100円だとします。

不動産が複数ある場合はまず固定資産税評価額を全て合計してから、1,000円未満を切り捨てて課税価格を算出します。

固定資産税評価額の総額=1,234,500円 + 5,432,100円 =6,666,600円
課税価格= 6,666,000円

これに0.4%の税率を適用します。

6,666,000円 × 0.004 = 26,664円

最後に100円未満の端数(64円)を切り捨てますので、最終的な登録免許税は26,600円となります。

3-2.共有不動産の登録免許税の計算

次に、被相続人が他人と共有していた不動産の、被相続人の持分(建物の4分の1、土地の4分の3)を相続したケースで計算しましょう。建物と土地の固定資産税評価額は、1つ目の例と同じとします。

建物の持分の固定資産税評価額:1,234,500円 × 1/4 = 308,625円
土地の持分の固定資産税評価額:5,432,100円 × 3/4 = 4,074,075円
建物と土地の固定資産税評価額の合計= 308,625円 + 4,074,075円 = 4,382,700円

1,000円未満を切り捨てた金額「4,382,000円」が課税標準額となり、これに税率0.4%を乗じます。

4,382,000円 × 0.004 = 17,528円

100円未満の端数を切り捨て、登録免許税は17,500円となります。

3-3.マンションの登録免許税の計算

マンションの所有権は、建物の専有部分と土地の持分割合で構成されています。そのため、マンションの専有部分の評価額と、敷地に対する持分の評価額をそれぞれ正確に把握することが重要です。

仮に、マンションの敷地全体の固定資産税評価額を54,321,000円、敷地権割合を10,000分の543、マンションの専有部分の固定資産税評価額を4,321,000円とします。

敷地の固定資産税評価額 = 54,321,000円 × 543/10,000 = 2,949,630円
建物(専有部分)の固定資産税評価額 = 4,321,000円
敷地の評価額 + 建物(専有部分)の固定資産税評価額 = 2,949,630円 + 4,321,000円 = 7,270,630円

合計評価額から1,000円未満を切り捨てると、課税標準額は「7,270,000円」です。この課税標準額に0.4%の税率を乗じ、計算結果から100円未満を切り捨てるため、以下のとおりになります。 

7,270,000円 × 0.004 = 29,080円
登録免許税額=29,000円

3-4.公衆用道路の登録免許税の計算

次に、あまり一般的ではないケースですが、公衆用道路の相続登記の登録免許税の計算例を見てみましょう。公衆用道路とは、所有者が国か個人かを問わない、不特定多数の人が一般の通行のために利用している土地(道路)のことです。例えば、袋小路の土地にある自宅を相続した場合などには、土地や建物と共に公衆用道路も相続するケースがあります。その自宅へ行くためには公衆用道路を必ず通らなければならず、公衆用道路を所有(あるいは共有)することになるのです。

公衆用道路の登録免許税の計算は、基本的には上の計算例と同様です。ですが、公衆用道路は固定資産税が非課税なので、固定資産税評価額が登録されていないことが多いです。こうした場合は、「近傍宅地価格」を基礎とし、登記所が認定した減価率(一般に0.3など)を乗じて課税価格を算定します。

例えば、近傍宅地価格が1㎡あたり100,000円、公衆用道路の地積を5㎡とします。

所有する公衆用道路の認定価額:100,000円 × 5㎡ = 500,000円
減価率を適用:500,000円 × 30/100(0.3)= 150,000円

課税価格は1,000円未満の端数を切り捨てますが、端数はないのでそのまま「150,000円」が課税価格となります。

150,000円 × 0.004 = 600円

なお、この例では登録免許税額が1,000円未満なので1,000円を納税します。

もっとも、この公衆用道路の場合は課税標準が100万円以下なので、実際には下でご紹介する「登録免許税の免税措置」が適用され、非課税となる可能性があります。

3-5.山林の登録免許税の計算

山林を相続するケースもあるかと思います。基本的な計算方法は変わりませんが、山林が「保安林」に指定されている場合には、固定資産税が非課税であるため、山林の課税標準は近傍地の価格を参考に登記官が個別に認定することになります。

相続登記の登録免許税の免税措置

相続登記の登録免許税には、免税措置が設けられています。以下では、2つの免税措置と非課税になるケースについてご紹介いたします。

1.改正された租税特別措置法による免税措置2つ

1-1.相続により土地を取得した人が相続登記をせず死亡した場合

平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に限られますが、相続により土地を取得した人がその土地の所有権移転登記を行わずに死亡した場合、その人を登記名義人とする相続登記の登録免許税については後の相続登記で免税される制度があります(租税特別措置法第84条の2の2第1項)。

(相続に係る所有権の移転登記等の免税)
租税特別措置法第84条の2の2第1項 個人が相続(相続人に対する遺贈を含む。以下この条において同じ。)により土地の所有権を取得した場合において、当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したときは、平成三十年四月一日から令和九年三月三十一日までの間に当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、登録免許税を課さない。

例えば、被相続人Aから相続人Bへと土地が相続されたが、Bがその登記を行わないまま亡くなり、Bの相続人Cがその土地を相続することになったとします。この場合、Bを登記名義人として行う相続登記の登録免許税が免除され、Cは自身を登記名義人とする相続登記の登録免許税のみ支払えばよいのです。

相続登記の登録免許税の免税措置について

画像出典:相続登記の登録免許税の免税措置について(法務局)

なお、この免税措置は主に数次相続のケースを想定したものですが、対象となる土地が次の相続人(C)に移転していることまでは適用の要件とされていません。したがって、上の例で相続人Bが生存中に、相続人ではない第三者Dへ土地を売却していた場合であっても、AからBへの相続登記に関してはこの免税措置が適用されます。

1-2.土地の評価額が100万円以下の土地の場合

不動産の課税標準(課税価額)が100万円以下と少額な土地に関しても、相登録免許税が非課税となる免税措置があります(租税特別措置法第84条の2の2第2項)。

租税特別措置法第84条の2の2第2項 個人が、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の施行の日から令和九年三月三十一日までの間に、土地について所有権の保存の登記(不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第二条第十号に規定する表題部所有者の相続人が受けるものに限る。)又は相続による所有権の移転の登記を受ける場合において、これらの登記に係る登録免許税法第十条第一項の課税標準たる不動産の価額が百万円以下であるときは、これらの登記については、登録免許税を課さない。

なお、平成30年(2018年)に導入されたこの免税措置は、当初は免税の対象となる土地を「課税価格10万円以下」かつ「市街化区域外の特定の土地」に限定していました。その後の税制改正により要件が大幅に緩和・拡充され、令和4年度の税制改正にて、対象となる土地の課税標準額が「100万円以下」に引き上げられ、対象も全国の土地へと拡充されました。

この免税措置に関しても、令和9年3月31日までの時限的措置となります。

こうした免税措置を適用するためには、相続登記申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」などと具体的な条文を明記する必要があります。条文の記載がない場合は免税措置を受けることができませんので、注意してください。

2.墓地や宗教用不動産の登録免許税は非課税

以上のような免税措置のほかにも、登録免許税が非課税となることがあります。

例えば、墓地(墳墓地)の相続登記にかかる登録免許税は、法律の規定により非課税となります(登録免許税法第5条10号)。

(非課税登記等)
登録免許税法第5条 次に掲げる登記等(第四号又は第五号に掲げる登記又は登録にあつては、当該登記等がこれらの号に掲げる登記又は登録に該当するものであることを証する財務省令で定める書類を添付して受けるものに限る。)については、登録免許税を課さない。
(中略)
十 墳墓地に関する登記

また、境内地や境内建物といった宗教用不動産についても、宗教法人が「専ら本来の宗教の用に供する」などの特定の要件を満たす場合で、財務省令で定める書類(都道府県知事が発行する「境内地・境内建物証明」)を登記申請時に添付する場合に限り、非課税となります(登録免許税法第4条2項および別表第3の12号)。

(公共法人等が受ける登記等の非課税)
登録免許税法第4条2項 別表第三の第一欄に掲げる者が自己のために受けるそれぞれ同表の第三欄に掲げる登記等(同表の第四欄に財務省令で定める書類の添附があるものに限る旨の規定がある登記等にあつては、当該書類を添附して受けるものに限る。)については、登録免許税を課さない。

別表第3の12号 宗教法人
一 専ら自己又はその包括する宗教法人の宗教の用に供する宗教法人法第三条(境内建物及び境内地の定義)に規定する境内建物の所有権の取得登記又は同条に規定する境内地の権利の取得登記
二 自己の設置運営する学校(学校教育法第一条(学校の範囲)に規定する幼稚園に限る。)の校舎等の所有権の取得登記又は当該校舎等の敷地、当該学校の運動場、実習用地その他の直接に保育若しくは教育の用に供する土地の権利の取得登記
三 自己の設置運営する保育所若しくは家庭的保育事業等の用に供する建物の所有権の取得登記又は当該建物の敷地その他の直接に保育の用に供する土地の権利の取得登記
四 自己の設置運営する認定こども園の用に供する建物の所有権の取得登記又は当該建物の敷地その他の直接に保育若しくは教育の用に供する土地の権利の取得登記

第三欄の第一号から第四号までのいずれかの登記に該当するものであることを証する財務省令で定める書類の添付があるものに限る。

相続登記の登録免許税の納付

1.登録免許税の納付方法

相続登記の登録免許税の納付方法ですが、① 現金による納付、② 収入印紙による納付、③オンラインで納付、の3つの方法があります。

1-1.現金納付の方法と納付書の書き方

原則として、相続登記の登録免許税は現金で納付します(登録免許税法第21条)。

(現金納付)
登録免許税法第21条 登記等を受ける者は、この法律に別段の定めがある場合を除き、当該登記等につき課されるべき登録免許税の額に相当する登録免許税を国に納付し、当該納付に係る領収証書を当該登記等の申請書(当該登記等を受ける者が当該登記等に係る登記官署等の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と当該登記等の申請又は嘱託をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織(以下「電子情報処理組織」という。)を使用して当該登記等の申請を行う場合には、当該登記等に係る登記機関の定める書類。第二十六条及び第三十一条第二項を除き、以下同じ。)に貼り付けて当該登記等に係る登記官署等に提出しなければならない。

納付手順としては、以下の流れになります。直接登記所に納付せず、金融機関等で納付しますので、ご注意ください。

  1. 管轄の法務局で「登録免許税納付書」をもらう。
  2. 登録免許税納付書の記載事項を記入し、金融機関等で登録免許税を納付し、領収証書を発行してもらう。
  3. 領収証書を相続登記申請書に貼付し、法務局に提出する。

1-2.収入印紙で納付する方法

登録免許税が3万円以下の場合や、その他に政令で定める場合には、収入印紙を使用して登録免許税を納付することができます(登録免許税法第22条)。

(印紙納付)
登録免許税法第22条 登記等(第二十四条第一項に規定する免許等を除く。)を受ける者は、当該登記等につき課されるべき登録免許税の額が三万円以下である場合その他政令で定める場合には、当該登録免許税の額に相当する金額の印紙を当該登記等の申請書に貼り付けて登記官署等に提出することにより、国に納付することができる。

法律上は登録免許税額が3万円以下の場合とされていますが、実務上は3万円を超える場合であっても収入印紙による納付が全般的に認められているため、実際には収入印紙によって納付するケースがほとんどです。ですが、申請前に管轄の登記所に収入印紙による納付で大丈夫か確認しておくと安心です。

相続登記の申請時に収入印紙をどのように提出するかについては、登記申請の提出書類「相続登記申請書」についての解説記事でご紹介しておりますので、本記事とあわせてぜひご覧ください。

1-3.オンラインで納付する方法

登録免許税は、オンラインで納付することもできます(登録免許税法第24条の2)。不動産の登記申請をオンラインでする場合などには、特に電子納付がおすすめです。

(電子情報処理組織を使用する方法等による納付の特例)
第24条の2 登記等を受ける者又は次条第一項の規定による委託を受けた納付受託者(第二十四条の四第一項に規定する納付受託者をいう。次条において同じ。)は、当該登記等につき課されるべき登録免許税の額に相当する登録免許税又は当該委託を受けた登録免許税を、第二十一条から前条までの規定にかかわらず、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて財務省令で定めるものにより国に納付することができる。ただし、登記機関が当該財務省令で定める方法による当該登録免許税の額の納付の事実を確認することができない場合として財務省令で定める場合は、この限りでない。
2 免許等につき課されるべき登録免許税の額に相当する登録免許税を前項に規定する財務省令で定める方法により国に納付する場合には、当該免許等に係る登記機関は、当該免許等につき課されるべき登録免許税の納付の期限を定めなければならない。この場合には、その期限を当該免許等をする日から一月を経過する日後としてはならない。

歳入金電子納付システム(インターネットバンキングやモバイルバンキング、ATM)を利用して登録免許税を電子納付することができます。

また、不動産登記を電子申請する場合、登録免許税の電子納付に代えて、現金納付の領収証書または収入印紙を台紙に貼り、管轄の法務局へ持参もしくは郵送する方法による納付も認められています。

参考:不動産登記の電子申請(オンライン申請)について(法務省)

2.登録免許税の納付期限

相続登記の登録免許税ですが、相続税のような「死亡から〇ヶ月以内」といった法定の納付期限はありません。

ですが、裁判例においては、登記申請者には登録免許税の納税義務の成立前であっても、登記申請の際に「先納付義務」が生じていると解されており、不足額がある場合に納付しなければ登記申請は却下されるものといわざるをえない、とされています(東京地方裁判所平成23年8月23日判決)。そして、相続登記の申請は「3年以内」に義務付けられていますので、登録免許税の納付に関してもこの期限が実質的な納付期限となるでしょう。

相続登記の登録免許税に関するQ&A

Q1.相続登記における登録免許税とは?

A:相続登記における登録免許税とは、相続によって取得した土地や建物の名義を変更する際に、法務局へ納める税金のことです。不動産を相続した人は登録免許税の納税義務者となるため、相続登記申請の際に所定の方式で登録免許税を納付しなければなりません。

Q2.相続登記の際に登録免許税が免税される条件は何ですか?

A:相続人が相続登記をする前に亡くなった場合や、相続する土地の価額が100万円以下の場合などに、相続登記の登録免許税が免税される可能性があります。

Q3.登録免許税の免税の適用期間はいつまでですか?

A:免税措置の適用期間は、現時点では令和9年3月31日までとされています。

まとめ

本記事では、相続した不動産の相続登記申請をする際にかかる登録免許税について、弁護士が解説させていただきました。不動産の相続登記が義務化された今、登録免許税はこれまでよりもさらに身近な問題となっています。この記事で登録免許税についてご理解いただけましたら、幸いです。

本記事でご紹介した登録免許税や免税措置の適用のほかにも、不動産の遺産相続には複雑な問題が多々あります。預貯金や株式、動産といった他の相続財産の相続手続きを進めながら、不動産の相続登記申請を進めていくのは、時間の制約もありかなり大変かと思います。不動産の相続登記をはじめ、遺産相続は専門家である弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。

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この記事を書いた人

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